オーバーウォッチ: 研究者が27万円超のアイトラッカーを使用したプレイ映像を公開、UIの秀逸さが光る

オーバーウォッチ: 研究者が27万円超のアイトラッカーを使用したプレイ映像を公開、UIの秀逸さが光る

あと1ヶ月で発売1周年を迎える『Overwatch(オーバーウォッチ)』ですが、27万円超の本格的なアイトラッキングシステムを利用して撮影されたプレイ映像が公開。話題となっています。

作品の特徴でもあるシンプルで見やすいUIが、どのようにプレイヤーに情報を与えているかが分かる貴重な映像となっているので、ぜひご覧ください。

Eyetracking while playing Overwatch

動画を撮影したのは研究者であるジョン・マティアス氏。オープンソースのアイトラッキングプラットフォームで知られるPupli Labsのソフトウェアとハードウェアを利用して撮影された動画では、視線の動きが見事なまでにトラッキングされています。

キルフィードやヘルス、アルティメットのメーターなどの要素に滑らかに視線が移動しているのを見ると、さすがはBlizzardのデザインといったところ。プレイされているヒーローはロードホッグですが、チェイン・フックを打つ時に敵の動きを先読みしているのも視線の動きから見て取れるのはとても興味深いポイント。

氏が動画と共に投稿したコメントが下記。

人間はとても視覚的な生き物だけど、高品質な視覚的情報は網膜の中でもとても小さい領域から取得している(中心窩と呼ばれ、網膜を腕の長さだとすると親指ぐらいの大きさ)。

この領域は視覚的フィールドの約1%しか占めていないが、脳の視覚野の50%はここからの情報を処理するために使用されている。つまり、人間の生存戦略の中でこの中心窩をいかに早く正確に、タスクを完了させるために必要な情報がある場所に向けることが出来るかがとても重要である。

眼の動きは神経の動きの中でも、とても重要なものであり、アイトラッカーは人間の感覚中枢と運動中枢のコントロールを研究するための強力なツールである。要するに、眼の動きは我々の認識プロセスに関する見識を直接的に与えてくれる、物理的な測定対象なのさ!

ゲームでの利用が進むアイトラッキング

1年ほど前に『Tom Clancy’s The Division(ディビジョン)』にアイトラッカーデバイス「Tobii EyeX Controller」が対応し、視線でのエイムなどが可能になったことが話題となりましたが、まだまだ実験的な取り組みであるように思えます。

また、3年ほど前にもゲーミングデバイスで知られるSteelSeriesがTobiiと共同で開発したeスポーツ向けのアイトラッカーデバイス「SteelSeries Sentry」(定価 29,610円)が国内発売されています。こちらは入力装置としてではなく、視線の情報などを記録したり、映像に重ねることで配信を可能にするなど、情報の記録デバイスとしてのカラーが強いものでした。

今回の動画で使用されているPupil Labsのトラッキングデバイスは、一般向けの製品とは一線をかくしているように見受けられ、目の周りを覆うように装着するデバイスの値段はなんと2,340ユーロ(約27万円)。値段は張りますが、動画を見る限りではその精度は非常に高いように見受けられます。

Pupil Labosの両眼用トラッキングデバイス

入力装置としてのアイトラッカーはVRやARデバイスとの組み合わせでその本領を発揮すると予想されますが、こういった精度の高いデバイスを利用してプロプレイヤーの視線の動きを視覚化できると考えると、お金を払ってでも見たいプレイヤーも多いのではないでしょうか。

PC版ウルIVでプロゲーマーsako氏の視線を可視化してみた

過去に『CS:GO』のトーナメントで試験的にTobiiのデバイスを利用して、プロプレイヤーの視線の情報を含めた配信を行っていた事例もありますが、コンテンツとしては定着していないのが現状。今後の活用が期待されます。

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Source: PvP Live