インタビュー前編はこちら。
Respawn Entertainmentの『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』では現地時間5月4日から新シーズン「英雄の軌跡」がスタートしますが、今回はシーズン開始に先駆けて、5名の開発スタッフに話を伺う機会をいただけました。前半では新レジェンドである「ヴァルキリー」を中心にさまざまな話を伺いましたが、後半では新武器「ボチェックボウ」や新モード「アリーナ」について聞いてみました。
APEX シーズン9インタビュー後編「弓やアリーナ、エモートについて」
本日のゲスト
- Jason McCord - デサインディレクター
- Ashley Reed - シニアライター
- Carlos Pineda - リードゲームデザイナー
- Daniel Klein - リードキャラクターデザイナー
- Robert West - ゲームモードデザイナー
「武器の楽しさはパワー!」ボチェックボウのあれこれ
EAA!!:さきほどは新レジェンドのヴァルキリーについて詳しく教えていただき、ありがとうございます。新しく実装された要素といえば、この新武器の、Bo...Boc...すいません、これはボセックボウと読むんでしたっけ?
Carlos&Daniel:ボチェックボウ(Bocek Bow)ですね。
EAA!!:ボチェックボウ!ありがとうございます。新武器のボチェックボウですが、かなり強力でしたね!しかもアタッチメントの自由度もけっこう高かったです。やや強力すぎる印象が残っていますが、これも意図的なのでしょうか?
Eric:強力すぎるほどにしたつもりはありませんが、新武器が来るならやはり強くて楽しいほうが良いですよね、せっかく新しいものを作ったのに、地味で目立たなかったらつまらないですから。プレイヤーの皆さんには楽しんでいただきたいですし、何が楽しいかと言ったらやはりパワーじゃないですか。
他の武器と同様に、ボチェックボウも皆さんのデータを参考しつつ、世界観にも注意して、『Apex』全体のバランスとの兼ね合いに気を配りました。しかし一番気をつけたのは、新武器を駄作にしないという点です。ちゃんとパワフルな一本に仕上げましたし、弱点が多くてややニッチではありますが、その分は使い所さえ合えば、補って余りあるほどの強みを持っているのがボチェックボウです。慣れていくとどんどん楽しくなる武器ですね。
EAA!!:ニッチだけど楽しい!なるほど。
Robert:ええ、ボチェックボウは精密武器ですから、たとえば私が使うと、結構弱くなると思うんですよね(笑)。強いは強いんですけど。
Eric:ちょっと敷居は高くなりますね(笑)
EAA!!:スナイパーライフルと同様の立ち位置なんですね。
Eric:ええ、全く同じコンセプトだと言えます。
Ashley:15発ぐらい撃って、全部を明後日の方向に飛ばした人もいましたね(一同笑)
EAA!!:スナイパーライフルよりも手強そうに聞こえますね。そういえば今回で弓専用の弾薬が新たに実装されましたが、今後弓の種類は増えたりするんでしょうか?
Jason:どうなんでしょうね(一同笑)実は私たちも気になっているんですよ。
EAA!!:未定ということなんですね。
Jason:こう、新しいマークスマン・カテゴリを作ったので、もちろん弓の種類を増やすことは可能ではあります。ただ、それにはきちんとした理由が必要です。
Eric:ええ。「弾薬の使いみちを増やすため」だけに新武器を実装はしないつもりです。すべての武器は、なんらかの役割を果たすために設計していますから。例えば皆さんに届けたいゲームプレイ体験があったときや、「これがゲームでできたらいいな!」という夢を叶えるためだったり。
そういった、実装動機の部分は厳しくチェックしています。闇雲に新しい銃が1つ必要だからといって作るわけにはいきませんから。全ての銃器にはちゃんと存在意義を与えています。
EAA!!:なるほど、ありがとうございます。そういえばコミュニティ間ではランチャーなんかも追加される予定だという噂が流れていますが、『Apex』の現環境的にはどうでしょう?
Eric:まぁコミュニティはいつも根も葉もない噂を好みますからね(笑)
Jason:それにもし我々が検討しているとしても、喋るわけにはいきませんから。もっとも、聞くのは自由ですが...聞きます?(笑)
「普段と違う当たり判定にはできない」エモート開発の苦労
EAA!!:よし!やめです!この話題はやめにしましょう!ところで今回で各キャラクターに地上用のエモートが実装されましたね。キャラクターたちの魅力が更に引き出されていて素敵だとおもいますが、エモート中の当たり判定は見た目どおりになるのでしょうか?
Carlos:見た目どおりというと...ああ、しゃがんだらどうなるか、ですね?そうですね、たとえばブラッドハウンドがエモートでしゃがんだら、実際のヒットボックスもしゃがみます。
私たちがエモートを設計するときの"柱"としているのは、ズルをするのに使ってはいけないという点です。なので当たり判定が縮むようなエモートも、最低で通常のしゃがみ時と同様のところまでしか縮まないんです。それはズルじゃないですからね。ないですよね?普通のプレイでできる範囲内ですよね?
まあ、で、逆に伏せ(寝そべる)状態になるエモートは絶対作らないと思います。競技上の合理性ですね、エモートを設計する際は常にそれを念頭に置いています。
EAA!!:そうなのですか。いや、素晴らしいと思います。ただちょっと残念ですね、たとえば映画『マトリックス』のような弾よけ動画がバズるところを期待していたので。
Carlos:(笑)余談なんですけど、バンガロールのプッシュアップ(腕立て伏せ)エモートを作るときにですね、はじめて「これはちょっと(姿勢が)低すぎる、ダメだよ」というフィードバックが出て。それでアニメーターさんたちがちょっと創造性を発揮して、「おっ、それじゃ倒立腕立て伏せだ!」と。それがきっかけでもありましたね。
EAA!!:そんなことが!面白い裏話をありがとうございます。
アリーナ戦闘もなるべくバトルロイヤル中のように
EAA!!:アリーナモードを試している最中にすこし気になったのですが、アルティメットを購入できるタイミングがレジェンドごとに違いました。これは意図的なものでしょうか?
Robert:はい、ちょっと面倒でしたが、バトルロイヤルモードでのウルトのクールダウン待ちを再現したものです。向こうでも、すべての戦闘で毎回ウルトが使えるわけではないですよね?なのでアリーナでも同じにしようということで、全ラウンドでウルトが買えるわけではありません。購入コストという縛りがあるとしても、レヴナントのデストーテムが全ラウンドで発動するのは私たちもちょっと勘弁したいですしね、その調整上の意図で、ウルトの販売タイミングをずらしました。
「ヴァルキリーは日本のために」日本のApexファンへの挨拶
EAA!!:最後に、みなさん日本の『Apex』ファンに向けてメッセージをお願いします。
Robert:"Hi"!...それだけで(笑)
Daniel:ヴァルキリーには、プレイヤー全員にゲーム内の"居場所"を見出してほしいという、強い思いを込めました。特に日本のファンの皆さんにですね。私たちがヴァルキリーを通して、皆さんをゲームの中に反映できたなら幸いです。
Jason:ええ、日本の皆さんがこんなに『Apex』に夢中になってくれているのは、こう、他のみんなはどうだったかはわかりませんが、このインタビューに答えている人のほとんどは、いままで西側向けの作品しか作ってきませんでしたから。Danielさんは世界的な作品にかかわった経験もありますけど、なんにせよ、日本の方たちがここまで私たちの作品に没入してくれるのは、感無量です。プレイしてくれて、本当にありがとうございます。
Ashley:日本の皆さんがヴァルキリーで勝つところを見るのが楽しみです!"Ganbatte"!
Jason:Twichでの『Apex』放送チャンネル数が真夜中にピークになっているところが見たいですね、みんな寝ていて確認できませんけど(一同笑)昼に起きて確認してみたらすごいことになっていた!みたいな。
Robert:動画サイトでクリップの巡回もしますよ!日本にはすごいプレイヤーも結構いますし、アリーナモードも実装されるので、すばらしいハイライトやクリップも増えそうです。
EAA!!:それでは、本日はありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
最後にまさかの、ヴァルキリーは日本のことを思って設計したという裏話が語られました。インタビュー前編でもキャラクターの設計中に日本のロボアニメを回し観したというエピソードがありましたが、シーズン9「英雄の軌跡」は、『Apex』開発スタッフの日本に対する情熱をこめたアップデートだと言えるでしょう。クリップの巡回視聴もしているとのことですので、ヴァルキリーでクールなシーンを録画して、開発スタッフの皆さんにお返ししたいですね!(インタビュー前編はこちら)
基本プレイ無料FPS『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』の配信日は2019年2月5日で、対象機種はPlayStation 4 / PC(Origin) / Xbox One。
コメント
コメント一覧 (3件)
2Bみたいな容姿にしたら日本人は大喜びだぞ
断言する
センチネル<たしかにパワフル なるほどパワフル
ヴァルキリーvsパスファで擬似タイタンフォール2できるな