エレクトロニック・アーツが手がける『Battlefield 6(バトルフィールド6)』は2025年10月11日発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam、Epic)、PlayStation 5、Xbox Series X/Sで、すでに予約受付中。
NATO軍と、架空のPMC「パックス・アルマータ」によるリアルな全面戦争が描かれる『BF6』だが、ゲーム内アイテムもリアルミリタリーにこだわっていく。他社のタイトルではカジュアルなコラボスキンが多数見られる中で、『BF6』ではその世界に合わないスキンは出さない方針であることが、DICEの開発スタッフから明言された。
『バトルフィールド6』のスキンは「リアルで現実的」
DICEのデザインディレクターShashank Uchil氏が「スキン」に関する重要な発言をし、注目を集めている。DPLTAPが『BF6』開発者に行ったインタビューの場での一言だ。
「(『BF6』のスキンは)現実的なものでなければなりません。『BF3』や『BF4』がそうでしたが、あのときのスキンはすべて、現地で戦う兵士たちに関するものでした」

「現代のミリタリーシューター」スキンを志向する点についてRedditでは、警戒心は残しつつも前向きに受け止められている。
このトピックだけでコメントが1,100件以上も寄せられており、やはりスキン、つまりゲーム内世界の表現方法が、『BF6』における重大な関心事の一つであることが見て取れる。
- 「聞いた感じだと、オレ向けのスキンを出してくれるみたいだな」
- 「スキンは良さげよね(フルプライスのゲームで有料スキンを売ってるけど、この戦いにはずっと前に負けてるし)」
- 「いつまで続くか見物だな。『BF5』のときを思い出せ」
- 「今のCoDに比べたらBF5はミリタリーシミュになってただろ」
- 「BF5のカスタマイズはそんなに悪くなかった。エリートスキンが悲惨なことになってたけど」
CoDの「ばかげたスキン」商法にNO
議論の背景にあるのは、『BF6』の正式発表前から海外シューターコミュニティで話題になっていた、『コール オブ デューティ』の最近のスタイルだ。

『コール オブ デューティ』はActivisionが手がけるリアルミリタリーシューターの定番タイトルで、2025年も最新作『Call of Duty: Black Ops 7(コールオブデューティ: ブラックオプス7)』をリリース予定。
「コンクエスト」のような会戦モードが『BO7』にあるかどうかは不明で、ゲーム性はやや異なる。とはいえ『バトルフィールド』シリーズが完全復活を遂げるためにも、CoDは避けられないライバルの一つと目されている。
BFコミュニティの人々は、BFのスタッフが、現在の『コール オブ デューティ』を真似る可能性を警戒していた。
「現在のCoD」とは、どのようなものか。まず、2024年の作品『コールオブデューティ: ブラックオプス6』のリアルミリタリーな世界について、Amazonのストアページにはこう記載されている。

- 「冷戦の終結と超大国となった米国の台頭により特徴づけられる世界政治の転換と激動の時代にあたる、90年代初期を舞台にしたスリル溢れるスパイアクション」
いかにも本格ミリタリーシューターであることが期待されるテキストだ。
次に、『コール オブ デューティ: ウォーゾーン』で最近撮られたクリップを紹介したい。『ウォーゾーン』は『BO6』のコンテンツも一部共有する、CoDシリーズの人気バトロワタイトルだ。
このように現在の『コール オブ デューティ』は、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ」と「ビーバス・アンド・バットヘッド」のキャラクターが、一緒にターミネーターを倒すような世界になっている。
これらはすべてコラボイベントのアイテムとはいえ、「90年代初期を舞台にしたスリル溢れるスパイアクション」はどこに行ったのか。リプ欄でも多くのCoDファンが頭を抱えている。
- 「コール オブ デューティは『フォートナイト』を再現するのに必死になってるんだ」
- 「前提知識がなかったら、これがコール オブ デューティだなんて分かるわけがない」
- 「こういうばかげたスキンや、コラボ作品のキャラクターアイテムはぜんぶアホらしい。コール オブ デューティなのかモータルコンバットなのか分からないし、没入感が台無しだ」

このような批判があった後も、CoDではアメリカの風刺アニメ「アメリカン・ダッド」とのコラボを開催。90年代アメリカを舞台にしたスパイ活劇とは、まるで関係のないスキンがリリースされ続けている(上画像)。なお日本つながりだと「機動戦士ガンダム」ともコラボしていた。
「ばかげたスキン」でもセールスは好調?
リアルミリタリーの雰囲気を台無しにしかねないスキンがリリースされ続けている現状について、CoD開発側からの公式なコメントはない。しかし、売っている理由は単純に「売れているから」だと察せられる。
2023年の『Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 3/ MWⅢ)』でも、内部から漏れ聞こえた話ではあるが、「ばかげたスキン/クレイジーなスキン」と非難されるようなアイテムは「最も売れているものの一つ」であることが伝わっていた。
『ブラックオプス6』から出てくる数字も色よいものだ。リース初日および初週の3日間は、「プレイヤー数」、「プレイされた時間」、「対戦回数」においてシリーズ歴代最高を記録。そして、10月発売のタイトルでありながら、アメリカで2024年に最も売れたゲームであることが報じられた(Gamesindustry.biz)。
(なお12月の時点で既に、90年代アメリカとは関係のないアニメ調スキン「Otaku We Gotchu」が販売されていた)

『コール オブ デューティ』は世界中でプレイされており、多様なプレイヤーがいることを開発者たちも誇りにしている。それを加味すると、やはり「ばかげたスキン」を止めるようSNSで訴える層と、逆にこういったスキンを購入しゲームを楽しんでいる層とで、はっきり分かれている様子が見て取れる。今後もしばらく、こうしたスキンが作られ続けるのだろう。

『シージ エックス』でも新たな路線が
ちなみに6月には、Ubisoftのタクティカルシューター『レインボーシックス シージ エックス』でも、「現在のCoD」を意識していそうな新しい動きが見られた。
「世界中から集まった特殊部隊員たちが『レインボー部隊』として巨悪に立ち向かう」という設定からかけ離れた、豪華なアニメーションつき「パラゴンエリートスキン」がリリースされたのだ。テロリストとの緊迫の戦いとは、明らかに関係のないぴかぴかしたスキンがトレーラーでも紹介されている。
10年目の挑戦的なコンテンツとして、このパラゴンエリートを好意的にとらえる声もある。一方でYouTubeのコメント欄では、「(原作者の)トム・クランシーが見たら、ライセンスを与えたことを後悔するだろう」という冷ややかな意見も見られている。
「『BF6』にニッキー・ミナージュはいらない」
ヒーローシューターはともかく、リアルミリタリーのゲームも、この手のスキンで満ちあふれることになるのだろうか。そんな中でなされた今回のUchil氏の発言は、BFファンたちの心配をケアした形と言える。
『BF6』のスキンはすべて、「リアルミリタリー」の世界に沿ったものになる。同氏はこうも述べている。
「『BF6』にニッキー・ミナージュが必要だとは思いません。リアルさを保ち、地に足の着いたものであり続けましょう」

NATO軍の兵士たちは「戦場のプロフェッショナル」にふさわしい、説得力のある装いをする。そして敵対する「パックス・アルマータ」も、架空の組織ではあるものの、傭兵たちは現実のPMCを思わせるスキンを身にまとうことが期待される。
何よりも没入感を大切にするリアルミリタリーシューターのファンには、今回の開発側の表明は心強いものとなるだろう。
シューター界の「スキン論争」が動くか
Uchil氏の話と並行して、ComicBookが行ったインタビューでも、DICEのプロデューサーAlexia Christofi氏が次のように請け負っている。
「私たちにとって本当に重要なことは、地に足がついた感じを得ることです。プレイヤーにはスキンで自分自身を表現して欲しいですし、クールなスキンを手に入れて、『自分はクールで、素晴らしい武器スキンを持っているのだ』といった具合に、のし歩いてくれることを望んでいます。BFフランチャイズに忠実だと感じられるようにしたい、それが私たちの考えるアプローチです」

ゲーム内アイテムを通じて自分を表現する試みは、『BF6』の個々の兵科のデザインにも見られる。
たとえば偵察兵は、ギリースーツだったり、肩付近から通信アンテナが伸びていたりと、まわりから見てもすぐに偵察兵だと分かるように差別化している。そして混乱を避けるために、こうした特徴は他の兵科のスキンに混ざらないよう注意を払っているという。
「(兵科ごとにスキンにも)いくつかルールはあり、こちらは『常にこうあるべきである』というよりは、ゆるめのルールです。それでも、BFの世界にフィットしている必要はあります。というのも、今のところ(BF6が)良いフィードバックを得られている理由の一つは、『BF3』や『BF4』のときのような感覚が得られているからなんです。この点は本当に重要なことだと私たちは思っています」
ゲーム内スキンに関わる開発者たちからの発言は、「フォートナイト化した」とも言われるモダン・シューター界の今後を占ううえで、重要なものになりそうだ。昨今のスキン論争に、果たして変化は見られるのだろうか。
なお判明している具体的なカスタマイズ・スキンについては、ごく一部ではあるものの、予約特典が参考になるだろう。ミリタリー・シミュを愛する方々には許容範囲だろうか。

結局最終的にはあくまでもビジネスなので、収益を上げることは正義だ。それがリアル路線で売るのと、パーティーのように楽しい雰囲気で売るかの違いだろう。消費者は好きな方を選択できる。
もちろんリアル路線でも、「もういいかな」なタイミングでユーモアスキンが販売されることは充分にあり得るだろう。
8月9日から無料オープンベータに参加しよう
『バトルフィールド6』では日本時間8月9日午後5時より、各プラットフォームでオープンベータがスタートする。
このオープンベータには誰でも無料、かつ事前登録不要で参加でき、参加者には限定報酬までついてくる。NATO軍とパックス・アルマータによる全面戦争を描く、最新にして最大のバトルフィールドを一足はやく体験しに行こう。

『バトルフィールド6』のさらなる詳細は、以下の関連記事を参考にして欲しい。
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コメント
コメント一覧 (7件)
自分が好きなコンテンツとコラボなら良いけど、これが例えば「中日とコラボ!」なんてなったらどうよ?アレだろ?
Cat Shit Oneとコラボして
2042はスキン大体良かったけど、結局スキンの良し悪しって別にゲームの評判に関わってこないんだよな
CoDのクリスマスツリーみたいなスキン実装されても困るけど、逆に真っ黒やギリースーツみたいなP2Wスキンが実装されても嫌だわ
スキンを買う動機なんて他人に見せびらかすか、リアルスキン厨みたいな奴を自然に煽るためなんだから、オフにできたら売れなくなるでしょ
だから実装されないんだよ
スキン問題で毎度思うんだけどユーザー側にスキンON\OFF機能つけるのってそんなに難しいことなんか?
それが出来れば嫌な人も良い人も共存できそうに思えるんだけども
スキン商法するなら基本無料にして(乞食