PC/Mac用ボイスチェンジャーアプリの定番『Voicemod(ボイスモッド)』が大型アップデートを実施し、FPS向けのボイスパックと効果音(通称「FPSパック」)を公開した。これは数百種類のボイスフィルターからFPSに特化したものを厳選し、戦場のリアリティを劇的に高めるものだ。
今回はこの「FPS向けボイスと効果音」を120%活用するため、Elgato(エルガト)のデバイス『Stream Deck MK.2(ストリームデック マークツー)』を導入して実戦検証を行った。リアル系シューターや話題の新作『ARC Raiders(アークレイダース)』で検証した結果、本プロファイルは単なるロールプレイツールを超え、戦術的な“武器”にもなり得ることが判明した。
この記事ではその導入メリットから窮地を脱した活用事例、そしてガチ運用で見えた注意点まで、忖度なしの本気レビューをお届けする。なお現在ブラックフライデーセールでアプリ内にてVoicemod PROライセンス(買い切り)が60%OFFで販売中。気になっている人は大チャンスだ。
Voicemod FPS向けボイス と Stream Deck の連携:戦場のコックピット化

今回の目玉はElgatoのコントロールデバイス「Stream Deck」でVoicemodのFPS用ボイスを一括管理できるプロファイル(※)「Voicemod FPS Devices & Operators Profile」の導入方法だ。
※「Elgato Marketplace Profile」とは、Elgatoの「Stream Deck」シリーズなどの製品向けに、ユーザーが作成した設定やデザインを共有・ダウンロードできるオンラインプラットフォームの「Elgato Marketplace」で配布されているプロファイル(設定ファイル)のことを指す。
導入は爆速、気分は「特殊部隊」
導入手順は非常にシンプル。必要なアプリとプラグイン、そしてプロファイルを順にPCへインストールするだけで完了する。
- 「Voicemod」アプリをインストール。ログインまたはアカウント作成してVoicemod PROライセンスを有効化する。
- 「Stream Deck」アプリをインストール。その後Stream Deck本体をPCと接続する。
- Elgato Marketplaceから「Voicemodプラグイン」をインストールする。
- Elgato Marketplaceから「Voicemod FPS Devices & Operators Profile」をダウンロードしてZIPファイルを解凍。中にあるプロファイル「.streamDeckProfile」をダブルクリックしてStream Deckアプリに登録する。
従来は手動でのショートカット設定が必要だったが、このプロファイルを導入するだけでFPSに特化した専用ボイスが適切なアイコン付きでStream Deckに一発配置される。「コックピット」のような操作画面と物理ボタンによる「なりきりスイッチ」の操作感は、ソフトウェアの画面をクリックするのとは段違いの没入感がある。

スマホでも操作可能
ちなみに本プロファイルの活用する際「Stream Deck」実機がなくても、手軽なスマホアプリ版「Elgato Stream Deck Mobile(iOS / Android)」からも動作できる点は魅力的だ。こちらは6ボタンまで無料で使えるが、「もっとボタンを多く使いたい」という方はサブスクリプションが必要になる点は覚えておこう。


また今回はスタンダードな「Stream Deck MK.2」を使用したが、32個のLCDキーを搭載した「Stream Deck XL」やダイヤル操作で音量調整が可能な「Stream Deck +」を選べば、より多くのボイスを直感的に管理できる。現在ブラックフライデー中なこともあり、環境に合わせてモデルを選ぶと良いだろう。
リアルな「FPS Device」となりきれる「FPS Operator」
プロファイルで新しく整理された2つのカテゴリーは、それぞれ異なる方向性のボイスフィルターで没入感を高めてくれる。
- Device(デバイス):
- 無線機やガスマスクなど装備品を通した声を再現。自分の声質はそのままに環境音やノイズを付加して戦場のリアリティを演出する。
- Operator(オペレーター):
- 特定のキャラクターになりきるタイプ。ピッチ(音程)やフォルマント(音色)を変換し、男性が女性兵士の声になることも可能だ。
「喋らなくても伝わる」オペレーターサウンドが便利

さらに実用的なのが、タクティカルな無線音声を効果音(サウンドボード)としてまとめた「Operator Sounds」ページだ。ボタン一つで以下14種類のイカした英語音声が再生できる。
- 「Ready」(準備OK!)
- 「Affirmative」(賛成!)
- 「Negative(ダメだ!)
- 「Thanks(ありがとう)
- 「I've got your back」(俺が付いてる!)
- 「Enemy Spotted(敵発見!)」
- 「Go!Go!Go!」(行け行け行け!)
- 「Keep pushing」(進み続けろ!)
- 「Together」(一緒にいこう!)
- 「Attack」(攻撃しろ!)
- 「Defend」(防衛しろ!)
- 「Fall back」(後退だ!)
- 「I need a medic」(メディックを頼む!)
- 「I need a ammo」(弾をくれ!)
これを活用すれば自分の声を発することなくクールな無線報告が可能になる。映画のワンシーンのような連携感を演出できるのは、このプロファイルならではの利点だ。
他にも緊迫感を高めるBGMや、ちょっとした場和ませに使えるコミカルな効果音(指を銃のようにしてピュー!)なども収録されており、戦場の雰囲気を手元でコントロールできる。
FPSでロールプレイを楽しもう!

設定が完了すればあとは戦友と通話を楽しむだけだ。特に『Escape from Tarkov』や『Battlefield』シリーズのようなリアル系シューターとは無線機ボイスフィルターとの相性が良く、特殊部隊ロールプレイの質が劇的に向上する。
ボイス自体の精度も安定しており「Operator」ボイスフィルターなら性別すら不明瞭にするため、ボイスチャットで地声を出すのが恥ずかしいプレイヤーにとっても強力なアーマーになると思われる。
Voicemodアプリに慣れてきたらFPS向けボイスと効果音をベースに改造し、自分だけのカスタムプロファイルを作成することも可能だ。ギャングスターなボイスやド派手なサウンドボードとアイコンを追加することで、独自のVoicemodとStream Deckを組み合わせた環境を構築できる。

ちなみにElgato Marketplaceには『Call of Duty: Black Ops 7(コールオブデューティ: ブラックオプス7)』などのゲーム連動プラグインも存在する。これらはVoicemodとは独立した機能だが、組み合わせれば「ボイス変更」と「装備変更」を一つのデバイスで完結させる「最強のコックピット」も構築可能だ。

『ARC Raiders』実戦:ソロで分隊を演じて敵を欺く“声の裏技”

実際に筆者が最近ハマっている『ARC Raiders』でこのツールを活用して窮地を脱した体験談を共有しよう。
このゲームは物資を回収して脱出するという性質上、遭遇した他プレイヤーと争うことが多々ある。しかし常に撃ち合うわけではなく、VCやプリセットボイスで「Don't shoot!(撃つな!)」と意思表示し、一時的な停戦(通称:ドンシュー)を結ぶ文化も存在する。
あるソロレイド中、攻撃的なプレイヤーに追われた際、とっさに物影に隠れてStream Deckを叩き複数の「Operator」ボイスフィルターに切り替えて叫んでみた。
- 「Don't shoot!(撃つな!)」
- (切り替えて)「Are you OK?(大丈夫?)」「Cover you(援護する)」
すると相手は動きを止め警戒した様子で後ずさりしていった。おそらく無線越しに聞こえる複数の声を聞き「多勢に無勢だ」と誤認して襲撃を諦めたのだろう。
物理的な武器ではなく「声」という情報戦で窮地を脱した瞬間だった。このようにStream Deckを使った瞬時のキャラ切り替えは、ただのロールプレイを超えた戦術的な武器(ブラフ)にもなり得る。
【必須】Voicemodを120%活かすための「正しい設定」と「マイク選び」
「導入したけど相手に声が届かない」「ボイチェンが綺麗にかからない」。そんなトラブルの大半は設定ミスや機材選びにある。以下のポイントを必ず確認してほしい。
1. マイク選び:卓上マイクより「ヘッドセット」がおすすめ

意外かもしれないがVoicemodを使う場合、高感度なコンデンサーマイクは逆効果になることがある。キーボードの打鍵音や部屋の環境音まで拾ってしまい、ボイス変換の精度を下げる原因になるからだ。口元の音声だけを確実に拾うヘッドセットのマイクの方が余計なノイズが乗らず、結果としてクリアで自然なボイスチェンジが可能になる。
2. アプリ側の設定(最重要)

VoicemodアプリとDiscordなどの通話アプリのフル活用する設定は以下の通りだ。
- Voicemodアプリ側:
- 入力:普段使用している物理マイク(ヘッドセットのマイクなど)
- 出力:普段使用しているヘッドホン
- Discord / ゲーム内設定側:
- 入力:必ず「マイク (Voicemod Virtual Audio Device (WDM))」を選択。
- ※物理マイクを選ぶと、生声がそのまま相手に届いてしまう。
- 出力:普段使用しているヘッドホン
- ※ここで「ライン (Voicemod Virtual Audio Device (WDM))」を選んではいけない。
- 入力:必ず「マイク (Voicemod Virtual Audio Device (WDM))」を選択。
3. ノイズ抑制機能はすべて「オフ」に

Discord等の「ノイズ抑制(Krispなど)」や「エコー除去」は、Voicemodが生成した効果音を“雑音”と判定して消してしまう。これらは全てオフにしVoicemod側のノイズ抑制機能だけを使うのが鉄則だ。
【辛口】実際に使って感じた「ここが惜しい」3点
実際にゲーム内VCやDiscordで使用して「ここが惜しい」と気になった3点も挙げておく。
- ボイスがリアルすぎて伝わらない:
- 「Gas Mask 3」などのボイスは呼吸音やこもった声質の再現度が高すぎて、何を言っているのかフレンドに伝わらないことが多々あった。ロールプレイ用としては完璧だが、瞬時の報告が必要なガチ戦闘においては「え?なんだって?」と聞き返されるリスクがあるため、実用面では“ネタ枠”と割り切る必要があるかもしれない。
- 初回のラグ問題:
- PC起動直後などキャッシュがない状態でボイスを切り替えると、反映されるまでに約1秒ほどのラグが発生する場合がある。瞬時の報告が命のFPSにおいてこの「間」は少し気になるポイントだ。
- 環境音(背景エフェクト)の制御:
- 一部のFPS向けボイスには、臨場感を出すための「背景エフェクト(ヘリの音や戦場のノイズ)」が含まれている。これは配信活動であれば視聴者を戦場に引き込む演出ができる反面、Discordでの普通の通話では「うるさい」「どこにいるの?」とフレンドを困惑させる雑音になりかねない。Voicemod側の設定から事前にオフにしておくことを推奨する。
- Stream DeckのVoicemodプラグインから「Background Effects On/Off」ボタンをドラック&ドロップで追加すればいつでもオンオフの切替が可能だ。その際1つだけ他のボタンと入れ替える必要があるため、使わないボタンを選択しよう。
- 一部のFPS向けボイスには、臨場感を出すための「背景エフェクト(ヘリの音や戦場のノイズ)」が含まれている。これは配信活動であれば視聴者を戦場に引き込む演出ができる反面、Discordでの普通の通話では「うるさい」「どこにいるの?」とフレンドを困惑させる雑音になりかねない。Voicemod側の設定から事前にオフにしておくことを推奨する。

ブラックフライデーで60%OFF!今が導入の好機

Voicemod FPS向けボイスと効果音の全機能を利用するには有料のVoicemod PROライセンスが必要だが、現在は絶好の購入タイミングとなっている。
- セール期間:ブラックフライデー期間中
- 内容:Voicemod PROの買い切りライセンス(Lifetime License)が60%OFF
- 購入場所:アプリ内の右上「PROにしよう!」から購入できる
EAA読者限定!Pro版の7日間無料トライアルクーポン
「いきなり有料版はちょっと…」は誰もが感じることだろう。以下のコードを使用して全機能を7日間無料で体験してみてほしい。まずはこのトライアルで、自分の環境での動作やボイスチェンジャーのクオリティを納得いくまでチェックしてみよう。
- コード:EAAFPS1125-TD6H86UHV4
- 有効期限:2025年12月31日
- 利用はこちら:Voicemod 公式サイト
FPS POWER TUNE
Source: Voicemod 公式サイト, Elgato Marketplace







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