アイデアは2年半前から！まるで別ゲームな『オーバーウォッチ2』新モード“スタジアム”開発者インタビュー

本日2025年4月15日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch 2（オーバーウォッチ 2）』の新ゲームモード「スタジアム」を正式発表。4月23日（水）に始まる新シーズンの開幕と同時にプレイ可能となる。

EAA!!ではこの発表に先駆けて行われたメディア合同インタビューに参加。メイン開発スタジオであるBlizzard Entertainmentから、3名の開発者が登壇し、新モード「スタジアム」の特徴や企画の裏側を語ってくれた。

オーバーウォッチ2：新モード「スタジアム」開発者インタビュー（セッション1）

『オーバーウォッチ2』の新モード「スタジアム」は、ヒーローのカスタマイズ性と戦略性を重視した、これまでにない新たな対戦体験を提供する。今回のインタビューでは、モードの中核を担う3名のクリエイターたちに、開発の意図や勝利の鍵、そして今後の展望について詳しい話を聞いた。

• セッション1
  • Aaron Keller（ゲームディレクター）
    
• セッション2
  • Dylan Snyder（ゲームデザイナー）
  • Ryan Smith（レベルデザイナー）

最初のセッションでは、ゲームディレクターのAaron Keller氏へのインタビューをお届けする。

『オーバーウォッチ2』のビジョンを牽引する彼とのセッションでは、新モード「スタジアム」誕生の舞台裏や、そこに込められた狙い、そして開発チームの挑戦と思いが余すところなく語られた。

Q1：スタジアム発表から時間が経ちましたが、プレイヤーからの反応はいかがでしょうか？

発表以来、プレイヤーやコミュニティからの反応は非常にポジティブです。この新しいゲームモードに対する期待がとても高いと感じています。特にクローズドアルファでプレイヤーを招待した際には、多くの好意的なフィードバックをいただきました。

中でも、各ヒーローに多様なビルドを作れる点が大きな注目を集めており、ユニークなカスタマイズを楽しむ声が多いですね。

Q2：スタジアムを企画した背景を教えてください

このアイデアは約2年半前、『オーバーウォッチ2』のローンチ直前から検討し始めたものです。新しいモードとして、プレイヤーが感じている「オーバーウォッチの弱点」を補いつつ、大きなインパクトを与えるものを目指しました。同時に、コンペティティブやクイックプレイとは異なる、自立したゲームモードを作りたいという意図もありました。

本格的な開発は約1年前からスタートし、試行錯誤を重ねながら、ヒーローのカスタマイズと新しい遊び方を中心に据えて進めてきました。

Q3：スタジアムでの勝利の鍵は何でしょうか？

勝利のカギは、試合中に必要なヒーローのアップグレードを正しく選ぶことです。スタジアムは既存の『オーバーウォッチ』の知識を活かせる一方で、ヒーローのアップグレードシステムが新たな戦略的要素をもたらします。

自分の強みを最大限に引き出し、チームメイトの動きや敵の構成を考慮して最適なアップグレードを選択することが重要です。これにより、敵に対抗する戦略を構築できます。

Q4：スタジアム追加によるプレイヤー数の分散についてはどう考えていますか？

スタジアムがローンチした後のプレイヤーの動向を見るのが楽しみです。スタジアムは『オーバーウォッチ』らしいプレイを維持しつつも、異なる体験を提供します。新規プレイヤーや過去にプレイしていた人々が戻ってくるきっかけになればと期待しています。

クイックプレイやコンペティティブと並ぶ第3のモードとして自立し、共存することを目指しています。プレイヤー数が極端に偏ることは想定していませんが、相乗効果も期待しています。

Q5：新規プレイヤーにはどのようにスタジアムを体験してほしいですか？

シーズン16から始める新規プレイヤーでも、最初からスタジアムを楽しめます。ヒーローシューターはヒーロー数やアビリティの多さから初心者にとってハードルが高いものですが、スタジアムではローンチ時に17体のヒーローに絞っているため、入りやすくなっています。

さらに、開発チームが用意したテンプレートビルドを使えば、初心者でもすぐにプレイを始められます。徐々に自分のスタイルを見つけ、カスタマイズを楽しんでほしいですね。

Q6：スタジアムがメインモードになる可能性はありますか？

スタジアムが人気を集めるのは大歓迎です。新しい要素が受け入れられることを願っていますが、既存モードを愛するプレイヤーにも安心してほしいです。

スタジアムに注力していますが、コアモードのサポートは継続し、新しいヒーローやマップも追加していきます。スタジアムがゲーム全体に良い影響を与えればと考えています。

Q7：なぜスタジアムではヒーローを変更できないのですか？

ヒーロー変更を不可にしたのは、敵の構成に応じた最適なビルドをプレイヤーに作ってほしいからです。試合中にヒーローを変えられると、戦略が崩れたり、購入したアップグレードが無駄になる可能性があります。

例えば、特定のヒーローをカウンターするアイテムを買っても、そのヒーローが変更されると意味がなくなります。戦略的なビルドの価値を保つため変更を制限しました。ただし、プレイヤーのフィードバック次第では、将来的に何らかの形で導入を検討する可能性もあります。

Q8：今後のアップデートの方針について教えてください

パークやスタジアムのような大規模アップデートは、ゲームに新しい風を吹き込みます。プレイヤーがヒーローをカスタマイズできる点が好評で、この方向性を今後も強化します。

スタジアム専用のチームを設け、シーズンごとに新しいヒーローやマップを追加し、プレイヤーに新たな挑戦を提供します。パークのバランス調整も進め、ゲームの幅を広げていく方針です。

Q9：なぜスタジアムという新しい体験が必要だと判断したのですか？

長年運営してきた中で、「オーバーウォッチは解決済みのゲーム」と見られ、テンプレ通りのプレイが増えていると感じていました。スタジアムとパークは、プレイヤーに新しい選択肢と戦略的な深みを与え、ゲームプレイの幅を広げることを目指しています。

スタジアムでは戦闘の合間に息抜きの時間を設け、ヒーローの可能性を最大限に引き出すことで、新鮮な体験を提供します。コアモードとは異なる自立したモードとして、両者が共存できる形を理想としています。