『Splitgate 2』は、1047 Gamesが手がける基本プレイ無料の「ポータルシューター」。対応プラットフォームはPlayStation 4およびPlayStation 5、Xbox OneおよびXbox Series X|S、PC Steam、PC Epic。
5月のベータを経て、瞬く間に6月に正式リリース。シーズン制のライブサービスを好調に展開していたかに思われたこの『Splitgate 2』だが、いったんベータ版に差し戻されることが発表された。1047 Gamesによると、正式リリースを決めるのが早すぎたとのこと。
ポータルシューター『Splitgate 2』ベータに戻る...
基本プレイ無料FPS『Splitgate 2』は、「ポータル」という空間トンネルを駆使した、立体的かつハイペースな対戦が楽しめるチーム制シューター作品だ。
Steamでリリースされた初代『Splitgate』は、同時接続プレイヤーが17万5000人に達するほどの人気を博した。その後発表された本作『Splitgate 2』は、PlayStation 5などコンソール版にも展開されることもあり、リリース前から2025年における注目FPSの一つとして数えられていた。
開発は順調に進み、5月22日にはオープンベータをスタート。このとき、大胆にも「オープンベータ終了と同時に正式リリースする」と発表したことで、さらに話題となった。
そしてオープンベータも予想外に早く終了し、6月7日にはPCおよびコンソール向けに正式リリースを遂げた。リリース後もさらなるプレイヤーの獲得に成功し、300万回以上もダウンロードされたことが発表されている。
7月3日には、予定通りシーズン1チャプター2がスタート。さらなるコンテンツの追加とともにファンの増加が期待されていた。ところが7月23日、意外なことに『Splitgate 2』はベータ版に差し戻されることが1047 Gamesから発表された。
「リリースするのが早すぎた」
ベータ版からのやり直しというレアな決定について、開発スタッフは公式Xを通じて事情を説明している。
プロジェクトとしての『Splitgate 2』には今なお自信を持っているが、「リリースするのが早すぎた」のがその要旨だ。一部の機能を急いでリリースしたことで、ゲームとしての全体的な洗練に欠けていた。
まずは次の正式リリース日程を2026年まで引き延ばしたうえで、『Splitgate 2』を特別な作品にしている主要な要素について一から再構築を行っていくという。
具体的には、マップを増やし、課金システムをシンプルにし、クラシックなゲームモードに改めてフォーカスしていく。これらはいずれも、コミュニティからの要望に応えたものだ。さらに詳しい部分は今後共有される。
なおゲームとしては、しばらくの間は引き続きプレイ可能とのこと。次回シーズン1チャプター3まではリリース予定で、このアップデートでは優先度の高い不具合修正に取り組んでいく。
その後は新たなプレイテストや、プレイヤーからの意見の収集を行いつつ、コミュニティを最優先にしてゲームのリワーク作業に努めていく。また、予算の問題で1か月後に初代『Splitgate』のサーバーは停止される予定。
ポスト全文
Splitgateコミュニティの皆さんへ
私たちは『Splitgate 2』を信じています。このゲームは私たちのすべてであり、約10年前、大学の寮の一室から始まりました。それ以来ずっと、あなたたちが本当にふさわしいと思える最高の体験を届けるために取り組んできました。そして今、その決意はより一層強くなっています。
皆さんからのフィードバックは届いていますし、その通りだと思っています。私たちはリリースを急ぎすぎました。『Splitgate 2』では野心的な目標を掲げていましたが、それを皆さんと共有したいという興奮から、無理をして詰め込みすぎてしまいました。一部の機能は急いで作り、愚かなミスも犯しました。そして何より、皆さんが愛してくれた「ポータル満載の混沌とした楽しさ」をきちんと届けられませんでした。
そこで、私たちはベータ版に戻る決断をしました。来年初めまで、私たちは一度立ち止まり、『Splitgate』の“特別だった部分”を再構築することに集中します。進行システムを一から作り直し、マップにより多くのポータルを追加し、収益化をシンプルにし、皆さんから要望の多かったクラシックなゲームモードに再注力するなど、大幅な見直しを行います。詳細は追ってお知らせします。
そして今、かつてないほど皆さんの力が必要です。ゲーム内容だけでなく、その開発プロセスも原点に立ち返ります。より多くのプレイテスト、アンケート、フィードバック収集を通して、本当に「コミュニティファースト」の姿勢で臨みます。私たちの目標は、初代『Splitgate』のDNAと『2』の改善点を融合させることです。
この“中核体験の再構築”は簡単な修正ではなく、長期的な取り組みです。このプロジェクトに十分な時間を確保するために、非常につらい決断をしました。いくつかのポジションを削減し、リソースをこの再構築に集中させます。これは私たちにとっても胸が痛む決断です。彼らは私たちの仲間であり友人であり、これまでのSplitgateを作り上げてくれた大切な存在です。退職後も支援金や職探しのサポートを提供し、いつか再び一緒に仕事ができるよう最善を尽くします。
できるだけ多くの仲間を残すために、1か月後に旧『Splitgate(オリジナル)』のサーバーを停止することにも決めました。本当ならずっと稼働させていたいのですが、ここ数年だけでも運営に数十万ドルがかかっており、チームの維持を優先せざるを得ません。皆さんにとっても大切なゲームだということは理解しているので、オフラインプレイやP2P(ピア・ツー・ピア)対戦の実装など、何かしらの形で継続できないか検討中です。そして将来的には、『Splitgate 2』内に初代の精神を継承した専用体験を提供する予定です。
なお、『Splitgate 2』は引き続きプレイ可能であり、「チャプター3」や重要な修正・改善も予定通り行います。ぜひ引き続きプレイし、応援していただければと思います。フィードバックも引き続きお寄せください。
私たちは数々の困難や失敗を経験してきましたが、多くのことを学び、今なおSplitgateを最高のゲームにするという情熱に満ちています。10年間、このゲームは私たちの人生でした。そして、これからもそうあり続けます。まだやるべきことはたくさんありますが、絶対に諦めません。
このゲームを、そしてこのコミュニティを、私たちは心の底から愛しています。だからこそ、決して投げ出すことはありません。
アリーナで会いましょう。
イアン & ニコラスより
プレイヤー人口維持にも苦戦か

なおSteam版のみの話だが、Steamの人口推移をSteam Chartsで確認してみると、ピークプレイヤーはリリース初月の25,674人。その後は減少が続いており、記事執筆時点の平均プレイヤー数は2,270人程度にとどまる。
現代ゲーマーの方々はご存じの通り、ライブサービス型のオンライン対戦ゲームは、ゲーム自体の完成度だけでなくライバル作品との過酷なプレイヤー争奪戦が求められる。『Splitgate 2』はユニークかつテンポよく楽しめるゲームであることは間違いなく、基本プレイ無料ということもあって300万回以上ダウンロードされたのもうなずける。しかし、やはり「面白い」だけでプレイヤーベースを維持するのは難しいことが見て取れる。
新たな「CoDキラー」として海外シューターコミュニティから注目されてきた『Splitgate 2』。再度のベータテストとフィードバックを通じて、果たして劇的な復活を遂げることができるのだろうか。

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Source: X
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コメント
コメント一覧 (2件)
そら前作とほぼ変わらんしな
マップの完成度が低くなってて、フリーフォーオール以外ポータルの重要性が低く、どうしてもプレイヤー同士で団子になる。初代では1人がイモりだしたりキモポータルを使い出したりすると全員の動きが変わったけど、2はスキルと武器の選択がプレイヤー同士の対応に置き換わってる。スキルがポータルとほぼ関係なくてポータル使うメリットがない。
単純な対称性が故に1時間ちょっとでゾーンに入れる。そして、調子のいい奴が全てを薙ぎ倒し、デスして台パンする。そんな最高の脳死アリーナシューターを私はやりたい。