本日2025年7月23日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2 )』 で、シーズン17「パワード・アップ!」のミッドシーズンアップデートを実施。本記事では、一般的なゲーム・モード(クイック・プレイやライバル・プレイなど)に適用されるヒーローのバランス調整を紹介する。
ヒーローのバランス調整
開発者コメント:メタがこのシーズン17中ほぼ安定しているので、今回のミッドシーズン・パッチでは、パフォーマンスやコンセプトに難を抱えるパークに注視したほか、現在のヒーローBANの傾向とシーズン17開幕時に導入したダメージ・パッシブ強化などの調整に基づいて、一部ヒーローに調整を加えました。次のシーズン18では、さらに大規模なパークのアップデートを予定しています。普段のゲームプレイや戦略にさらなる幅を持たせるべく、不人気または低パフォーマンスのパークを幅広くリニューアルするので、こちらにもご期待ください。皆さんのおかげもあり、私たちは魅力ある選択肢として、あるいは戦略を変える切り札としてパークの存在感をいかに高めるか、そのノウハウを積み上げることができました。今回は、一部ヒーローで選ばれるパークがある程度固定化されている現状を鑑みて、シーズン15のパーク導入当初には想定していなかった調整も導入しています。
先述のとおり、パークの調整と並行して、BAN率や現在のメタを反映した調整も加えました。たとえば、オリーサの生存能力とクールダウン効率は、ザリアなどのビーム系ヒーローをBANできる環境が整い、その人気とパフォーマンスが高くなっていることを受けて下げています。フレイヤとトレーサーのダメージ量も、ダメージヒーロー全体のパフォーマンスを考慮して、以前よりわずかに少なめです。逆にゼニヤッタの〈調和のオーブ〉の回復量は、ダメージ・パッシブ強化の影響で低パフォーマンス気味だったため増やしています。
D.Va(バランス調整)

- ヘビー・ロケット(メジャー・パーク)
- ロケットの弾数が8発から7発に減少
- 直撃ダメージが7から5に減少
- 爆発ダメージが14から22に増加
- 爆発の範囲が2.75メートルから3メートルに拡大
- 投射物の重力が増加
爆発ダメージおよび爆発範囲の両方が強化され、ヘビー・ロケットの個性をより際立たせる調整が行われた。直撃ダメージについては減少しているが、「直撃=爆発ダメージが最大」である仕様上、今回の強化点によって十分に補われている。実際、ロケット全弾命中時の合計ダメージは168から189へと増加、爆発ダメージのマルチヒットも見込めるため、火力面は確実に向上している。
一方で、装填数の減少や被重力の増加といった弱体化も同時に適用されており、中〜遠距離での扱いやすさは低下している。近距離での運用においては火力を最大限に発揮できるが、その分リスクも伴う。「爆発範囲の拡大」は自爆の可能性を高め、「爆発ダメージの増加」は自爆ダメージも引き上げてしまうため、強化がそのまま自身に影響し得る点には注意が必要である。
オリーサ(弱体化)

- 一般
- アーマーが325から300に減少
- “エネルギー・ジャベリン”
- クールダウンが6秒から7秒に延長
ライフ全体からアーマーが25減少。アーマーはダメージ軽減効果を持つため、数値以上に耐久性が低下する。
加えて、攻撃の起点やラインの押し上げ、スタン付与など多用途に活用できる“エネルギー・ジャベリン”のクールタイムが1秒延長され、回転率が低下。結果として、攻守の両面で抑制的な調整内容となっている。
ラインハルト(強化)

- 撃砕(メジャー・パーク)
- “チャージ”に叩きつけダメージで得られる追加ライフが50%分から100%分に増加
“チャージ”の叩きつけで与えたダメージを、そのまま追加ライフとして獲得できるようになる強化調整が実施された。
もう一方のメジャー・パーク「シールド・スラム」がこれまでに複数回の強化を受けてきたのに対し、「撃砕」は実装以降、一度も手が加えられてこなかった。そのため、ハイリスク・ハイリターンを志向するプレイヤーにとっては、今回の変更は待望のテコ入れと言える。
シグマ(強化)

- “エクスペリメンタル・バリア”
- クールダウンが2秒から1秒に短縮
- ビッグ・インパクト(マイナー・パーク)
- ノックダウン・スタン最長時間の到達に要する投擲距離が40メートルから30メートルに短縮
“エクスペリメンタル・バリア”はシンプルながら有用な強化が施された。サイズや耐久値に変更はないものの、バリアをより細かく再展開できるようになり、シグマ特有の間合い管理や状況対応力が向上。柔軟な立ち回りがしやすくなる調整であり、防衛ラインの構築・維持において恩恵は大きい。
「ビッグ・インパクト」は、最大性能スタンの付与条件が3/4に緩和。距離に応じてスタン時間が増加するパークであるため、30m未満の投擲距離であっても今まで以上のスタン効果を期待できるようになった。
明確な強化ではあるものの、現環境においてはアルティメット阻止や軽い追撃の場面で、通常のノックダウン・スタンで事足りるケースも多い。また、対となるパーク「運動量変換」がかなり優秀である点も無視できず、「ビッグ・インパクト」がその影に隠れがちであった状況を打破できるかは、今後の動向を見守る必要がある。
ウィンストン(強化)

- 回路ショート(マイナー・パーク)
- 設置オブジェクトに対するボーナス・ダメージが50%から100%に増加
同パーク選択時、タレットやバリアといったオブジェクトに対するダメージが通常攻撃の2倍となり、秒間140ダメージという高い対物性能を発揮する。これにより、迅速なタレット処理や、バリアに依存するタンクへの圧力強化が見込まれ、特定状況下での存在感が大きく向上する。
一方で、相手に設置型オブジェクトを持つヒーローがいなければ、パークとしてまったく機能しない点は依然として変わらない。相手がヒーローを変えてきた場合は「オブジェクト依存のヒーローをけん制するためのパーク」として割り切る姿勢が求められるだろう。
アッシュ(バランス調整)

- 高速連射(マイナー・パーク)
- メイン攻撃のダメージ・ペナルティが15%から10%に減少
- サイドワインダー(マイナー・パーク)
- アッシュと敵双方のノックバック増加率が20%から12%に減少
射撃レートの向上と引き換えにダメージが低下するパーク「高速連射」については、今回そのダメージ・ペナルティが緩和された。これにより、距離減衰の影響を受けない間合いであれば、1発あたり30以上のダメージを安定して叩き出すことが可能となり、連射性と火力のバランスがより実用的な水準に引き上げられている。
もう一方の「サイドワインダー」には弱体化が加えられた。双方の移動距離が8%短縮されたことで、敵との間合いを広げにくくなっている。8%の短縮によって対応できなくなるシチュエーションは稀だが、リスク回避において確実性がやや損なわれる調整となっている。
バスティオン(強化)

- “砲台モード”
- アルティメットのコストが7%減少
シーズン17開幕時に10%のモデル小型化が実施され、被弾率の改善に成功したバスティオン。今回のアップデートでは、アルティメット・アビリティ“砲台モード”のコストが7%軽減され、さらに扱いやすさが向上している。
フレイヤ(バランス調整)

- “リバースドロー・クロスボウ”
- ダメージが30から25に減少
- 弾薬数が12から15に増加
メイン射撃の火力が低下し、これに伴ってキルに必要な弾数が増加。対応措置として1マガジンあたりの弾薬数も増加しているものの、弱体化を補えているとは言い難い。具体的には、全弾ボディショットで攻撃した場合、225族および250族の敵を倒すのに必要な弾数がそれぞれ1発ずつ増加する。
強化と弱体化が同時に行われていることから、「バランス調整」と評してはいるが、実戦における影響の方向性としては明確に弱体化寄りである。
ハンゾー(強化)

- “嵐ノ弓”
- 投射物の基本サイズが0.1メートルから0.125メートルに拡大
- “龍撃波”
- アルティメットのコストが8%減少
- 1秒あたりのダメージが300から400に増加
- 龍の怒り(メジャー・パーク)
- 攻撃速度上昇ボーナスの持続時間が1秒から2秒に延長
- 山神の秘技(メジャー・パーク)
- クールダウン速度のボーナスが250%から300%に増加
250族までを一矢でキル可能な“嵐ノ弓”は、今回の調整で矢のサイズが拡大され、命中させやすくなった。これにより、一撃必殺の決定力をさらに活かしやすくなり、遠距離からのプレッシャーが一層増している。
一方、決定力では劣るものの広範囲を制圧できる“龍撃波”は、高いエリア制圧能力をさらに強化。どちらもそれぞれの長所を伸ばす方向性での強化となっている。
また、メジャー・パークの使い勝手も向上。「山神の秘技」は、“体術”で飛びついた壁に対し、“壁のぼり”を最長時間行うと、壁から離れたタイミングで“体術”の再発動が可能となる。
ジャンクラット(強化)

- アルミ・フレーム(マイナー・パーク)
- “スティール・トラップ”にかかった敵の居場所を明らかにできなくなった代わりに、その敵の回復を阻害できるようになりました
- チクタク・チクタク(メジャー・パーク)
- “コンカッション・マイン”の着弾から起動までにかかる時間(パークのボーナスが付与されるまでの時間)が0.5秒から0.25秒に短縮
「アルミ・フレーム」によって付与される回復阻害効果は、“スティール・トラップ”に捕らえられている間中持続する仕様となっている。そのため、通常であれば回復阻害を解除できるキリコの“鈴のご加護”では対処できない。
この点で有効なのが、オリーサの“フォーティファイ”やライフウィーバーの“ライフ・グリップ”“ペタル・プラットフォーム”といったアビリティである。これらのアビリティは“スティール・トラップ”から即座に脱出できるため、結果的に回復阻害効果の解除にもつながる。
ただし、“ライフ・グリップ”および“ペタル・プラットフォーム”は、トラップのチェーンを断ち切るために対象を設置位置から十分に引き離す必要があり、トラップの設置位置や味方との位置関係によっては解除に失敗する可能性がある点には注意したい。
「チクタク・チクタク」はパーク効果の発動までに必要な待機時間が半減。確実な接地を意識すれば、ほぼ自然な流れで効果を発動できるレベルに改善されている。これに「アルミ・フレーム」を組み合わせれば、回復を封じた状態で最大280ダメージを与える強力なセットアップが可能となる。
リーパー(弱体化)

- “デス・ブロッサム”
- アルティメットのコストが9%増加
シーズン17開幕時に火力面の強化を受けたリーパーに対し、今回のアップデートでは同時に上昇していたアルティメット・アビリティの回転率を抑制する弱体化が実施された。
トレーサー(弱体化)

- “パルス・ピストル”
- 拡散のアングルを3.0度から3.5度に変更
リーパーと同様にシーズン17開幕時に火力が強化され、ダメージのロールパッシブ強化も相まって、活躍の場を大きく広げたトレーサー。今回は集弾性能が悪化し、リターンを狙うにはそれなりのリスクが伴うようになる弱体化が行われた。
ウィドウメイカー(強化)

- “インフラサイト”
- アルティメットのコストが10%減少
シーズン16のミッドシーズン・アップデートでは、「ヒーローBANシステムの影響で実力を十分に発揮できなくなってしまった」との理由で強化されたウィドウメイカー。今回のアップデートでもさらなる強化が行われ、アルティメット・アビリティのコストが減少した。
ジュノ(バランス調整)

- “メディブラスター”
- 距離減衰の開始位置を20メートルから25メートルに変更
- “グライド・ブースト”
- 空中でブーストを発動した後に進行方向を変えると、ブーストの加速が弱まるようになりました
“メディブラスター”の距離減衰が緩和され、立ち位置の自由度が向上するとともに、ヒーロー自体の扱いやすさも改善。
しかし一方で、自身の機動力を支える“グライド・ブースト”は機敏性が低下し、動きのキレが損なわれている。高機動ヒーロー故の225という体力値と自己回復アビリティを持たない特性を考慮すると、この弱体化は生存率や立ち回りの難度を大きく押し下げかねない厳しい弱体化に思える。
ルシオ(弱体化)

- “サウンド・バリア”
- アルティメットのコストが9%増加
“クロスフェード”の回復性能が前回25%向上し、リーパーと同じく展開次第でかなりの高回転率を実現できた“サウンド・バリア”もリーパーと同じくコストが上昇。
ゼニヤッタ(強化)

- “調和のオーブ”
- 1秒あたりの回復量が30から35に増加
- “心頭滅却”
- 1秒あたりの回復量が300から400に増加
シーズン17開幕時のダメージロールパッシブ強化により、落ち込んでいた回復性能が今回の調整で改善された。特に“心頭滅却”は、パッシブの影響下で回復性能が300から210にまで大幅に低下し、カウンタープレイとしての信頼性が著しく損なわれていた。
今回の調整により、回復性能は400/秒に引き上げられ、パッシブの影響下でも280/秒の回復を維持可能となった。影響がない状況では依然として遮蔽物や回復阻害に弱いものの、基本的に突破困難なカウンターアルティメットとしての立ち位置に復帰できるだろう。
ちなみに、同じく100/秒の数値が強化された“龍撃波”との関係については、これまでは“心頭滅却”によって90/秒ダメージに抑えられていたところが、今後は120/秒ダメージ受けるようになるので注意が必要。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch

Source: Overwatch
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