ゲーミングコントローラーの世界に、既存の序列を根底から覆しかねない”新星”が登場した。その名は「GameSir G7 Pro Tri-Mode Controller」。
その魅力は最新技術と充電ステーション、「トライモード接続」、PC専用「ジャイロ機能」、そして「4つの追加ボタン」、そして価格だ。もはや単なるコストパフォーマンスモデルではなく、ハイエンドコントローラーと真っ向から渡り合う新時代のオールラウンドコントローラーと言えそうだ。
本記事では一足先に触ることができた「GameSir G7 Pro」の魅力を解剖し、ライバル機との比較でその立ち位置を明らかにしてみよう。
GameSir G7 Pro 本体レビュー
まずは開封してみよう。1万円ちょっととは思えない充実ぶりだ。


「GameSir G7 Pro」の主な特徴と同梱物は以下のとおり。

- 対応プラットフォーム: Xbox Series X|S、Xbox One、PC、Android、Steam
- 接続: Xboxは有線、PCは2.4Gおよび有線、AndroidはBluetooth
- スティック: GameSir Mag-Res™ TMRスティック
- トリガー: マイクロスイッチトリガーストップを備えたホール効果アナログトリガー
- ボタン: 光学マイクロスイッチ ABXY、機械式マイクロスイッチ D-pad
- ランブルモーターズ:4
- 追加ボタン: 4 (R4/L4 背面ボタンと R5/L5 ミニバンパー)
- バックボタンラッチ: はい
- 3.5mmオーディオジャック: 有線と2.4Gワイヤレスの両方でサポート
- ジャイロスコープ: あり (PC のみ)
- バッテリー: 1200mAh
- 充電ステーション:付属
- フェースプレート: 3 つの部分からなる磁気式交換可能。 * 以前の G7 シリーズのフェースプレートと互換性あり。他の G7 シリーズ コントローラーは G7 Pro のフェースプレートとは互換性なし。
- 付属品: 充電ステーション、レシーバー、Dパッド、ケーブルリテーナー、3m Type-Cケーブル
- 製品サイズ:152×103×58mm
- 正味重量: 272g
- パッケージサイズ: 177*173*94mm
- 総重量: 782g
- カートンサイズ: (20個/カートン): 490*375*380mm
- カートン重量: (20個/カートン): 17.41kg
「GameSir G7 Pro」の特徴の一つが、Xbox、PC、Androidの3つのプラットフォームをシームレスに行き来できる「トライモード接続」だ。物理スイッチ一つで、Xbox(有線)、PC(2.4G/有線)、Android(Bluetooth)の各モードへ簡単に切り替えられる。これにより、これらのプラットフォームでゲームをプレイするユーザーは、コントローラーを一本化できるという大きな恩恵を得られる。
なお公式情報にはないが、Xbox Geme Pass UnlimitedのコードとGameSirのロゴシールが付属していたのはちょと嬉しい。
最新技術と拡張ボタン

操作の根幹をなす入力デバイスも妥協がない。
- スティックとトリガー: ドリフト問題を根絶する「GameSir Mag-Res™ TMRスティック(ホールエフェクト)」と、精密な入力が可能な「ホール効果アナログトリガー」を搭載。
- フェイスボタン: 「光学式マイクロスイッチ」を採用したABXYボタンは、驚異的な応答速度と心地よいクリック感を実現する。
- 追加ボタン: 合計4つの追加ボタン(背面ボタンR4/L4 + ミニバンパーR5/L5)を備えている。これは多くのハイエンド機に匹敵する拡張性だ。
- PC専用ジャイロ機能: PC接続時限定で、内蔵ジャイロスコープが利用可能。これにより、対応ゲームでのエイムアシストなど、より直感的な操作が実現する。
利便性を高める専用充電ステーション

特筆すべきは、この価格帯でありながら上記機能を搭載したうえに、専用の充電ステーションが標準で付属する点だ。プレイが終わったらコントローラーを置くだけで充電が開始される「スマートオートスタートストップ充電」に対応しており、この利便性は他のハイエンド機に対する明確なアドバンテージと言える。
便利なうえに、充電が開始された際に下部がふわっと光るのもわかりやすいしカッコいい。ロジクールのA50 Xもそうだが、やはり機器の明確のアドレス(住所)があるのはしっくり来て落ち着く人も多いのではないだろうか。
GameSir G7 Proレビュー
- 良い点:
- 高品質なビルド: 価格以上の高級感があり、手に持った感触は最高。
- 充電ステーション: 置くだけ充電は最高に便利!
- 優れたスティックとボタン: スティックの操作感は非常に滑らかで快適。メカニカル式のフェイスボタンとトリガーは静かで押し心地が良し。
- 便利な背面ボタン: 追加背面ボタンはまあまあアクセスしやすい位置。
- デザイン: フェイスプレートとハンドルが簡単に取り外し可能で、内部のメカニカルなデザインも楽しめる。
- 価格: 安い!
- 気になる点:
- スティックの長さ: スティックが短めで、PS4/PS5用のスティックアシストパーツ(Game Freaksなど)がある方が操作しやすい人もいるかも?個人的には問題なし。
- D-Padの見た目: 付属の十字D-Padを装着すると、フェイスプレートとの間に隙間ができてしまいちょっと気になる。
- ターボ・マクロ機能なし: Xboxの公式ライセンス品であるため、ターボやマクロ機能は搭載されていない。不要な人が多いだろうが一応注意。
- 情報不足: 公式サイトやXでの告知はしているが、色々と情報が足りない・分かりづらいことにちょっと不満。
フェースプレートは上記のように磁石式なので簡単に取りはずしが可能で楽しい。なおG7 Proのスティックは他機種と比べると滑らかく、悪く言えば軽くてフニャフニャしているのが気になった。これは慣れや好みの問題かもしれない。
参考:ライバルコントローラーとの比較

GameSir G7 Proを、筆者愛用中のライバル機と簡単に比較してみよう。どうしても主観が入る点はご容赦いただきたい。
機能項目 | GameSir G7 Pro | Nacon REVOLUTION 5 PRO | Razer Wolverine V3 Pro |
発売日 | 2025年7月15日 | 2024年11月21日 | 2024年9月13日 |
参考価格 | 12,999円 | 31,990円 | 34,980円 |
対応PF | Xbox(有線), PC, Android | PS5, PS4, PC | Xbox, PC |
重量 | 272 g | 308g | 304 g |
アナログスティック | ホールエフェクト | ホールエフェクト | ホールエフェクト |
追加ボタン | 4個 (背面2 + バンパー2) | 4個 (背面) | 6個 (背面4 + バンパー2) |
背面ボタン押しやすさ | △ | △ | ◎ |
質感 | ◎ | ◯ | ◎ |
デザイン | ◎ | ◯ | ◎ |
ソフトウェア | GameSir Nexus | REVOLUTION 5 アプリ | Razer Synapse |
独自機能 | トライモード接続 PCジャイロ機能 | 18以上の物理パーツで自由にカスタマイズ | 最先端のRazer技術てんこ盛り |
バッテリー | 不明 | 10時間以上 | 約20時間 |
主な付属品 | 充電ステーション | キャリーケース 膨大なカスタマイズツール | キャリーケース |
Amazon | GameSir G7 Pro | NACON REVOLUTION5 Pro | Razer Wolverine V3 Pro |
公式サイト | Gamesir | NACON Gaming | Razer |
- Nacon REVOLUTION 5 PRO
- 究極の物理カスタマイズ性が魅力のPS/PC向けコントローラー。価格は高いが、自分だけの究極のフィット感を追求するなら随一の存在。
- Razer Wolverine V3 Pro
- Razer独自の「Pro HyperTrigger」や合計6つの追加ボタンなど、極限のパフォーマンスを求めるXbox/PC向けの競技志向モデル。こちらもホールエフェクトスティックを搭載している。
アプリ「GameSir Nexus」はレビュー時にはまだG7 Proに対応しておらず試せていないが、Microsoft Storeにある時点でありがたい(ただしUWPではなくランチャー)。Xbox接続は有線のみとなっているが、このあたりでコストを削ってくれているのかもしれない。
Naconを100とした場合の、重量を含めた勝手な感覚値をお伝えすると、Nacon REVOLUTION 5 PRO(100)、Razer Wolverine V3 Pro(120)、GameSir G7 Pro(130)といった感じだ。コントローラーレビューで「持ちやすい」と書いたら「この機種デカくて持ちにくいわ!」と突っ込まれて気付いたのだが、筆者は手がデカいのかも知れない。いずれにせよ、GameSir G7 Proが最も小型で軽いのは間違いない。
筆者はRazer Wolverine V3 ProとNacon REVOLUTION 5 PROをメインに据えているが、どちらも最初に持ち上げた際はずっしりと手にくる。GameSir G7 Proは数字以上に軽く感じられ、慣れれば戦場のスタメンに入りそうだ。
まとめ:もはや敵なし?全方位に進化したオールラウンダー
「GameSir G7 Pro」は、単なるコストパフォーマンスモデルではないことはおわかりいただけただろうか。対応プラットフォームの広さ、PCでのジャイロ機能、4つの追加ボタン、プレミアムな感触、そして充電ステーションという実用性を考えれば、多くの点で高価なライバル機を凌駕しているとさえ言える。特にXboxユーザーにとっては素晴らしい選択肢となりそうだ。
一方でPCユーザーにとっては、より安価なコントローラーを求めるならFlydigi Vader 4 Pro(11,200円)なども検討の価値があるかもしれない。もちろん、究極の物理カスタマイズ性を求めるならNacon、Razerのエコシステムと最多の追加ボタンに惹かれるならWolverine V3 Proも魅力的な選択肢だ。
とはいえ複数のプラットフォームで遊び、価格以上の機能と利便性を求める圧倒的多数のゲーマーにとって、「GameSir G7 Pro」は現在考えうる限り、かなり満足度の高い選択となりそうだ。
なお記事執筆時は、Amazonは売り切れか未登録で、公式サイトか楽天市場には在庫がある模様。

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