ActivisionおよびInfinity Wardは、『Call of Duty: Modern Warfare ll (コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 2/ MWll)』のシーズン03で人気ストリーマーとのコラボスキンを発売していました。
しかし日本時間6月9日、コラボ相手の一人であるNICKMERCSのアイテムバンドルが、ゲーム内ストアから突然削除。どうやら、彼のLGBTQに対する発言が問題視されたことがその背景にあるようです。
CoD人気ストリーマーとのコラボスキンが削除
『CoD:MWll』ではコラボイベントも盛んに行われており、シーズン02ではアメコミ原作の『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』とコラボ。さらに遡ってシーズン01では、実在のプロサッカー選手であるネイマールJrたちご本人がCoDオペレーターになる、という驚きの企画もありました。
コラボはその後も続き、シーズン03ではCoDコミュニティの人気ストリーマー・クリエーターであるNICKMERCSと、TimTheTatman本人がプレイアブル・オペレーターとなり、ストアでそのアイテムバンドルが販売されることとなりました。
ところが日本時間6月9日、NICKMERCSのバンドルがストアから削除。並行して、スキンバンドルについて紹介していたCoD公式ブログページも削除されていることが発見されました。
北米CoD公式Twitterは、削除の理由について以下のように説明しています。
「直近の出来事に基づき、私たちは『NICKMERCSオペレーター』バンドルを『CoD:MWll』および『ウォーゾーン2.0』のストアから削除致しました。私たちは、従業員やコミュニティの皆さんとともに、プライド月間を祝うことに力を入れています」
LGBTQに対し批判的な発言?
この「直近の出来事」について、CoDコミュニティでは最近のNICKMERCSのTwitter投稿への反応が原因だとしています。
NICKMERCSがTwitterで言及したのは、Brennan Murphy氏がツイートしている動画。大勢の人々による、暴力を伴う混乱の現場を捉えたこの映像は、「米国カリフォルニア州のグレンデールで、現地の教育委員会が6月をプライド月間と認定する投票の会議を開いていたところへ、反LGBTQ団体が押しかけた」場面だとのこと。
CDLの元プロ選手・キャスターであり、現在はMajor League Gamingで活躍しているPuckettことChris Puckett氏が、「アメリカ人は今、悲しい状況にある。人々に愛する人を愛せるようにし、自分自身の人生を生きられるようにしよう」とこの動画にコメントを寄せたのに対し、NICKMERCSは「小さな子どもたちは放っておくべきだ。問題の本質はそこだろ」と返信していました。
どうやらNICKMERCSは「大人たちが子供をLGBTQの話に巻き込むのは止めろよ。子供は子供のまま放っておけよ」と言いたいようですが、LGBTQの権利を推進する人々は「LGBTQと性自認は子供の成長にも関係のある重要な話だ」と反論する、という構図になっているようです。
リプ欄ではNICKMERCSの意見に賛同する声もあれば、「子供へのLGBTQ教育が欠けているばかりに、自分のことを認めてもらえずに自殺する子供もいる」といった指摘もされています。少なくとも、NICKMERCSはLGBTQへの理解に欠けていると見なされたことが、今回のストア削除に至ったようです。
ピリピリムードの米国
動画でも見られるように、アメリカではLGBTQの権利推進派と反対派の対立が深刻化しており、関連して子供の性自認をめぐる議論も盛んです。
男女の性差の違いを意識するのは3歳頃からといわれており、こうした子供たちの10人に1人は、早ければ13歳でカミングアウトする
PRESIDENT Online
そのため、子供と性自認の教育は切り離せるものではなく、必要に応じて「思春期の子供たちがこうした(性別適合のための)医療を受けることは、健康と幸福にとって極めて重要」という意見も。一方で、フロリダ州では学校での「性自認の議論禁止」法が成立するなどの出来事が起きています(日本経済新聞)。
プライド月間中だったCoD
『コール オブ デューティ』を手がけるActivisionは、折しも6月のプライド月間を祝したツイートをしており、LGBTQの権利推進に力を入れています。他のゲーム会社含め、GoogleやAdobeなど大手企業各社も同様の施策(LGBTQの検索結果が豪華に)を行っている最中です。
NICKMERCSの今回の発言は、子供をこうしたLGBTQと性自認の議論から遠ざけようとする意志を示すものであり、不適切であると判断されたようです。
NICKMERCSのファンはリプ欄で彼のコメントに賛同・擁護しているようですが、本人からはストア削除後のリアクションは現時点ではありません。彼の次の動きについて注目していきたいところです。
追記:NICKMERCSからのコメント
NICKMERCSはその後Twitterで、今回の出来事についてコメントしました。
友人は良い時にできるものですが、家族は逆境の中でできるものです。自分の背中を押し、新しく父親となった俺の立場を理解し、すべての人に向けた俺の愛を認めてくれる、すべての人々に感謝します。この心に憎しみはありません。平和と愛を。
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare ll(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅱ)
- 発売日:2022年10月28日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: Twitter, PRESIDENT Online, 日本経済新聞
コメント
コメント一覧 (17件)
ゲイやバイへの理解がポリコレでまとめられて批判される現状が悲しいよ
下らない。
ロシアオペレーターを出さないとかは分かるけど、どっちが正しいとか議論が続く問題に首を突っ込むなよ。
活動家が気をよくするだけじゃん
欧米ってのは差別主義か多様性押し付けの二択しかないんか?w
多様性アピールという名の押し付け商法が根幹に組み込まれてしまった欧米が変わる日は来るのだろうか…
実在する人物とコラボするからこうなる
しょうもない。
APEXの運営もポリコレのゴリ押しが酷いけど、今回のCoDの運営は更にゴミだわ。
Nickは全くLGBTに対して差別的な人間では無いのにも関わらず、「子供を関わらせるな」と言っただけ。
ゲームにまで価値観を押し付けて来るなよ。
信仰宗教かよ。
ストリーマーをオペレーターとして出すなよ
アホだろ
ほんと環境保護と言いLGBTQといい、欧米先進国ってつまんないことで対立するよね
日本だって最近そうだしさ
大人に振り回される子供←その通り過ぎる
アホらしすぎる