ソニーグループが、プレイステーション5(PS5)向けシングルプレイヤータイトルのPC版発売を取りやめる方針であることが明らかになった。これはBloombergのJason Schreier氏が複数の関係者の証言をもとに報じたもので、6年間にわたって推進されてきたマルチプラットフォーム戦略からの大きな方向転換となる。
PC版が消えるタイトル、残るタイトル
今回の方針転換により、2025年に大ヒットを記録したオープンワールド時代劇アクション『Ghost of Yotei(Amazon)』や、Housemarqueが開発中のアクションゲーム『Saros(Amazon)』は、PS5独占タイトルとなる。Insomniac Games開発の『Marvel's Wolverine』(2026年9月15日海外発売予定)についても、Schreier氏は「PCに来ることはないだろう」との見方を示している。
関係者によると、SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)のプレイステーション部門は、ここ数週間で『Ghost of Yotei』をはじめとする内製タイトルのPC移植計画を実際に取りやめたという。
一方で、『Marathon』や、アークシステムワークスと共同開発中の4vs4タッグ格闘ゲーム『MARVEL Tōkon: Fighting Souls(Amazon)』(2026年8月6日発売予定)といったオンラインタイトルについては、引き続きPS5とPCの両プラットフォームでの展開が維持される。
また、外部スタジオが開発した『デス・ストランディング2: オン・ザ・ビーチ(Amazon)』と、Ember Lab開発の『Kena: Scars of Kosmora』の2タイトルについても、予定通り今年中にPC版が発売される見込みだ。
なぜソニーは方針を転換したのか
報道によれば、PlayStationの社内にはPC展開が「コンソールのブランド価値を毀損し、PS5やその後継機の販売に悪影響を与える」と懸念する勢力が存在するという。実際、ソニーが2020年以降にSteamで展開してきたPC版タイトルの売上は、同社の年間売上全体の2%未満にとどまるとされており、投資に見合ったリターンが得られていなかった可能性がある。
さらに、最大のライバルであるXboxが次世代機にWindowsを採用するとの観測もあり、仮にそうなればSteamを通じてPS5のゲームがXbox上でプレイ可能になるリスクも指摘されている。半導体コストの高騰によりPS6の発売が2028年以降にずれ込む可能性も報じられており、PS5の魅力を長期間維持する必要性が、今回の判断を後押ししたとみられる。
独占と継続 まとめ
PS5独占(PC版なし):
- Ghost of Yotei
- Saros
- Marvel's Wolverine
- その他SIE内製シングルプレイヤータイトル
PC版発売を継続:
- Marathon(オンラインFPS):ライブサービス形式のためこの方針の例外となる。
- MARVEL Tōkon: Fighting Souls(オンライン格闘)
- デス・ストランディング2: オン・ザ・ビーチ(外部開発)
- Kena: Scars of Kosmora(外部開発)
ソニーは2020年の『Horizon Zero Dawn』PC版を皮切りに、『God of War』『Marvel's Spider-Man』シリーズ、『The Last of Us Part I』など、かつてのPS独占タイトルを次々とPCへ展開してきた。しかし、発売時期がコンソール版から大幅に遅れることが多く、PC版の発売タイミングに一貫性がなかったことも、PC市場で安定したユーザー基盤を築けなかった一因だろう。
ただし、関係者はゲーム業界の予測不能な性質を理由に「計画は流動的であり、今後変わる可能性がある」とも付け加えている。プレイステーション部門の広報担当者は、今回の報道に対するコメントを控えている。
PC勢にとってはかなり痛いニュースだが、ソニーの立場から見れば「コンソール(PlayStation)を買う理由」を明確にする狙いは理解できる。Xboxがマルチプラットフォーム路線へ舵を切った結果、ハードの存在意義が薄れたという"前例"を見れば、なおさらだ。
とはいえ、「流動的」という含みを持たせているあたり、完全な決定とは言い切れない空気も漂う。みんなはこの方針転換、どう思う?
Source: Bloomberg



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