参加チーム(全8チーム)
Toronto Defiant(NA)
Toronto Defiantは現在、「オーバーウォッチ」eスポーツ史で類を見ない圧倒的な強さを見せつけている強豪チームです。NRG ShockとNTMRを相手に絶えず激しい勝負を繰り広げていますが、不利な状況でもブレることのない芯の強さを発揮して、今年は見事、4つすべてのNAステージを優勝で終えています。
Dallas Majorでは早期敗退を喫しましたが、やはりサーキット・ポイントを大量に稼いで真っ先にFinalsのチケットを獲得したその実力に嘘偽りはなし。シーズン後半も圧倒的な強さを見せた彼らは、Finalsの優勝に近いチームの1つと言えるでしょう。Dallas Majorでの成績だけでその実力を判断しようとすれば、痛い目を見ることは確実です。
Toronto Defiantの第1ラウンドの相手はEMEA第2シードのENCE。日本時間の午後10時にスタートする彼らの初戦に要注目です。
NTMR(NA)
今年から全3地域の出場チームの枠が広がり、戦国時代さながらの様相を見せている「オーバーウォッチ」eスポーツ界。古参チームも新興チームも関係なくしのぎを削る現在のチャンピオンシップにおいて、下剋上ともいうべき大活躍を見せているのが、NA第2シードの座を射止めたこの新興チーム、NTMRです。
Stage 3から本格的にOWCSへと参戦し、瞬く間に北米を代表するトップチームの1つになったNTMRの飛躍の秘訣ともいえるのが、ハイテンポな試合運びとそれを支える強力な布陣。Alex "seeker" Taylor選手やBoston "Infekted" Fine選手といった才能あふれるプレイヤーがチームの大躍進をけん引しています。
Stage 3とStage 4の両方でToronto Defiantに敗北こそ喫したものの、Stage 3ではそのNA4冠を相手にマップ5まで接戦を繰り広げ、ステージ4のグランドファイナルではマップ7まで勝負を持ち込むなど、チームの実力はかなりのもの。たった1回のゲンジの「木の葉返し」がその時の勝敗を分けたという事実からも、選手たちの高いスキルをうかがい知れます。今回は、チームメンバーの1人であるInfekted選手に、これまでの総括とOWCS Finalsへの抱負について語ってもらいました。
「NTMRでプレイできて最高にうれしいですね。選手もスタッフも熱意に溢れていて、もっと強くなってもっと上を目指そうという気概に満ちています。Stage 4では、Toronto相手に張り合えるところまで成長できましたし、これまでの頑張りが報われました。今は、OWCS FinalsでEMEAや韓国のチームを倒すことだけを考えています。NAのチームも世界の舞台で戦えることを、大会で証明したいですからね」
NTMRの第1試合は午後9時から。対戦相手は、EMEAの二冠王Spacestation Gamingです。
NRG Shock(NA)
NA第3シードは大人気チーム、NRG Shock。Dallas Majorでは残念ながら早期敗退を喫しましたが、MajorからFinalsまでの期間中に、元M80のフレックス・サポートBenjamin "Ultraviolet" David選手や、名タンクプレイヤーとしても知られる元FNATICのフロントラインKim "Attack" Jun-hwa選手、元Twisted MindのKim "Kellan" Min-jae選手ら強力なメンバーを迎えた入れたことで、チームの士気はこれまで以上に高まっています。
Finalsへの出場権こそギリギリで確保していますが、その実力は侮れません。ゼネラルマネージャーのAlbert "yeHHH" Yeh氏とヘッドコーチEric "Wheats" Perez氏はともに北米の「オーバーウォッチ」eスポーツ界を代表する最強プレイヤーの1人。正念場での戦い方も心得ている、チームのキーパーソンといえます。以下はYeh氏の、チームのパフォーマンスについて伺った際のコメントです。
「Stage 4のことはもう頭にありません。うちのチームの実力があの程度じゃないということは、我々自身がよくわかっていますから。あとはチームに足りない部分をFinalsまでに補っていくだけです。新しいパッチも間違いなくチームの助けになってくれるでしょう。
他のチームがこちらを見くびってあまり対策してこないだろうという点も、我々にとっては好都合です。Kellan、Attack、Ultraviolet、TR33ら、オフライン大会を経験したプレイヤーを大勢投入するので、本番では前評判を覆すような展開もありうるでしょう。チームはDallasの時よりも強くなっているうえに、大したプレッシャーもないので、勝ち進んでいくには、まさにうってつけの状況です」
NRG Shockの初戦の相手はあのDallas Majorの勝者Crazy Raccoon。強豪を相手にどんな試合を見せるのか…戦いの行方に目が離せません。
Spacestation Gaming(EMEA)
戦いの舞台となるスウェーデンも含まれるEMEA。この地域の予選を第1シードで通過したのが、Spacestationです。選手のラインナップは長い間不変でしたが、元Twisted Mindsのタンク、Alhumaidi "KSAA" Alruwaili選手が加わったことで、Spacestationはより柔軟性にあふれたチームへと成長を遂げました。
華々しさとポテンシャルにあふれた選手を擁するのも、Spacestationの強み。スウェーデンは、チームの一員にしてDPSプレイヤーの中でも指折りのスーパースターでもあるWilliam "SparkR" Persson選手の母国なので、大会当日のファンの熱狂もこれまで以上に高まることでしょう。今回はそんなSparkR選手に、母国で開催されるFinalsへの意気込みとスウェーデンのおすすめを伺いました。
「オフライン環境かつ会場は母国。会場から聞こえてくる言葉もスウェーデン語というのは、最初ちょっと慣れないかもしれませんね。ですが、トーナメントで戦うこと自体はいつものことです。両親が応援に駆けつけてくれるので、もちろん嬉しいですけど。
スウェーデンの魅力?スウェーデンの名物は、ミートボールとシナモンロール、それとイケアですね。イケアはどこにでもあるので"これぞスウェーデン"と胸を張れるようなものではないかもしれませんが。とりあえず、ミートボールは食べてみてください。きっといい話のネタになると思いますよ。それから、バーガーチェーンのMAXもおすすめです。うちのLandonもあの店にどハマりしちゃいましたから」
Spacestationは第1ラウンドで、NA第2シードのNTMRと戦います。
ENCE(EMEA)
EMEA第2シードは、今年Spacestationと激闘を繰り広げてきたフィンランドの精鋭、ENCEです。ENCEが今年Spacestationと激突した回数は、FACEITリーグの試合を含めると、なんと11回。毎回、Spacestationに負けず劣らずの実力を武器に、白熱のバトルを演じています。
先に開催されたStage 4も例外ではありません。アッパー・ブラケットでSpacestationとの対決を3対0で制し、勝利は確実と見られていたENCEですが、グランドファイナルでふたたびSpacestationと相まみえることに。Spacestationとの再戦という筋書きこそヘッドコーチChristopher "ChrisTFer" Graham氏の予想どおりの展開でしたが、予想外だったのはSpacestationの戦略。ENCEの強みでもあるハイテンポな作戦変更の裏をかくSpacestationに不意を突かれる形で敗北したENCEは今回、EMEA第2シードのチームとしてFinalsに挑みます。
ENCEのロスターも、EMEA地域のMVP候補との呼び声が高いKevin "Kevster" Persson選手や、長年タンクとしてチームの大黒柱を務めてきたIlari "Vestola" Vestola選手など精鋭揃い。しかし、優勝トロフィーを目指すには過酷なブラケットを戦い抜く必要があります。ENCEが第1ラウンドで戦うのは、NAチャンピオンのToronto Defiant。仮に勝利を収めたとしても、次の対戦相手となるのは、同じく強豪のNRG Shockか、最強チームの名を欲しいままにするCrazy Raccoonのどちらか。この逆境を見事跳ね返して、勝利をもぎ取ることができるのか。
Twisted Minds(EMEA)
EMEA第3シードのチームはTwisted Minds。Stage 1ではサーキット・ポイントで大きなリードを得る活躍を見せましたが、シーズンが進むごとに苦戦を強いられました。しかし奮闘の末、今回再び国際舞台での栄光を目指します。Finalsへの切符獲得に苦戦こそしたものの、Twisted Minds各選手のパフォーマンスは今年、絶好調です。特にDPSのIbrahem "Quartz" Alali選手とAbdulelah "LBBD7"(ラブダー)Alfaifi選手は、直近のマッチで大活躍したことでも知られる名プレイヤー。Quartz選手がウィドウメイカーでプレイする機会が生まれれば、それこそ手が付けられなくなるくらいの大活躍が期待できるでしょう。
Twisted Mindsは金曜日の午後7時に、アジア第1シードのTeam Falconsと激突します。
Team Falcons(アジア)
今年のOWCSを語るうえで、特に切っても切り離せないのが、Team FalconsとCrazy Raccoonのアジア2強が繰り広げた激戦の数々でしょう。今年この2チームがトーナメントで相まみえたのは、数にしてすでに10回。今のところ、7対3(マップ単位では27対10)でCrazy Raccoonが勝率をリードしていますが、直近の一騎討ちでCrazy Raccoonを下したTeam Falconsは、今回アジア第1シードとしてのFinals出場を決めました。
アジア地域のStage 2プレイオフだけで見ても、Team FalconsはCrazy Raccoonと3回も対決しています。最初の対決の舞台となったのはOWCS KOREAの準決勝。ここではTeam Falconsが3対1でCrazy Raccoonから勝利をもぎ取りました。続く2回目はOWCS ASIAの第1回戦で、ここではCrazy Raccoonにマップ5までもつれ込んだ末に敗北。ですがその後、ZETA DIVISIONとの5マップの接戦を制してCrazy Raccoonとの再戦権を獲得したTeam Falconsは、7マップの死闘を経て見事アジア地域の第1シードを獲得。第1回戦のリベンジを果たしています。ここでさらに驚くべきは、OWCS ASIAでTeam Falconsが戦ったマップの数。すでにマップ数をカウントしている方はおわかりかと思いますが、Team Falconsはこの日だけで17マップも試合をこなした計算になります。Team Falcons、恐るべし…と言わざるを得ません。
Team Falconsの大ベテラン、Yoo "smurf" Myeong-hwan選手のコメントをこちらにご紹介します。「OWCS ASIAでの優勝は、第1回戦で一度負けたこともあり、本当に嬉しかったです。スウェーデンへ行くのは初めてですが、この大会を勝利で終えられれば、それこそ最高の思い出になるでしょうね。今はただ、Finalsの優勝だけを見据えています」
Team Falconsが初戦で戦う相手はTwisted Mindsです。11月22日(金)午後7時にスタートする彼らの試合にぜひご注目ください。
Crazy Raccoon(アジア)
最後にご紹介するのは、Dallas Majorのチャンピオン、Crazy Raccoon。ストックホルムでチームが目指すのは、もちろん「優勝」の2文字です。上記のとおり、シーズン後半でTeam Falconsから思わぬ反撃を受け、OWCS ASIAの勝利を譲る形となりましたが、チームの面々に動揺はさほどない様子。これまでどおりのスタンスでOWCSの最終決戦に挑みます。
こちらはDallas MajorのMVP、Park "Junbin" Jun-bin選手のコメントです。「ストックホルムに行くのがとても楽しみです。もちろん、優勝が一番の目標ですが、実際に勝てたらきっと嬉しいでしょうね。これまでの努力の成果を発揮して、Crazy Raccoon流の試合をスウェーデンでも見せられたらと思っています。
(第2シードになったことで)何か特別な影響があるとは考えていません。大会優勝という最大の目標を常に見据えながら試合の1つひとつに臨むつもりです。MVPも今回はさほど重要視していません。うちのダメージ担当が代わりにMVPを取ってくれたら嬉しいですね」
Crazy Raccoonの初戦の相手はNRG Shockです。11月22日(金)当日の試合の模様にご期待ください。
Source: Overwatch
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