『バトルフィールド』シリーズを手がけた元DICEの開発陣が、新たなスタジオEmbarkにて挑む基本プレイ無料のFPSタイトル『THE FINALS(ザ・ファイナルズ)』の先行プレイレポートです。
3月7日20時より始まるグローバルベータ(Steam)を前に、EAA!!は『THE FINALS』の先行プレイに参加させていただき、どこか馴染みがありながらも、進化した新作シューターのエッセンスを体験してきました(プレイ動画はこちら)。
元DICEのBFスタッフが手がける新たなチームベースFPS『THE FINALS』
『THE FINALS』は、トリオ4チーム(12人)で対戦するチームベースFPS。開発を手がけるのはEmbark。2018年にストックホルムに設立されたゲームスタジオで、かつてDICEで『バトルフィールド』シリーズを指揮し、『BFⅤ』まで長らく同シリーズに携わってきたPatrick Söderlund氏がCEOを務めています。
他の創設スタッフには、BFシリーズの多くでテクニカルディレクターを担当してきたMagnus Nordin氏や、オーディオディレクターを務めてきたStefan Strandberg氏、アートディレクターのRobert Runesson氏、シニアコミュニケーションディレクターJenny Huldschiner氏らがおり、豪華チームで新たなタイトルに挑戦しているところです。
究極のゲームショー『THE FINALS』で頂点を極めろ
『THE FINALS』は、環境ダイナミズム、破壊、そしてプレイヤーの自由を極限まで高めるゲーム体験が特徴です。
トレーラーを既に視聴された方は、BFシリーズでも見られるような建造物の派手な破壊描写が印象に残ったでしょう。元DICEスタッフならではのダイナミックな地形変化システムは、『THE FINALS』にも受け継がれています。
プレイヤーはゲームショーの「競技者」
タイトルにもなっている「THE FINALS」とは、この世界で開催されている究極のエンターテインメント・ゲームショーです。プレイヤーは「THE FINALS」の競技者となり、富と名声、スポンサーの支持を得るためにチームメイトとともに出場します。
ルール自体はシンプルな「キャッシュ争奪戦」
実際の『THE FINALS』の対戦について説明していきます。
プレイヤーは3人でトリオを結成し、4チームで試合をスタート。そのルールは「制限時間内により多くのキャッシュを所持していたチームが勝利」という、一見シンプルなキャッシュ争奪戦です。
対戦が始まると、キャッシュが詰まったキャッシュボックスがマップ内に2つ出現するので、そのどちらかを回収しに行くことになります。しかしチームは4つ、ボックスは2つなので、当然のように奪い合いに発展します。
まずはマップを走り抜け、鉢合わせた敵チームを倒しつつ、キャッシュボックスを確保しましょう。または、他のチームに回収させてから、そのチームを倒して横取りしてしまうという手もあります。
手に入れたキャッシュを防衛せよ
敵チームを退けることに成功したら、次はマップ内に2ヵ所あるキャッシュアウトステーションまでキャッシュボックスを運んで行きます。
キャッシュアウトステーションを起動させると、キャッシュの預け入れ(デポジット)が始まり、完了までのカウントダウンが表示されます。
このカウントダウンが終わるまで、襲ってくる敵チームからキャッシュアウトステーションを防衛しなければなりません。敵は起動中のキャッシュアウトステーションを操作して、こちらのキャッシュを盗むことができるからです。無事にカウントダウンが終了すれば、多額のキャッシュがチームのスコアとして獲得できます。
キャッシュは敵プレイヤーを倒すことで増えたり、チームが全滅することで減ったりもします。8分間の制限時間をフルに活用し、あらゆる手段を駆使してキャッシュを稼ぎましょう。
勝つ方法は「何でもアリ」
以上が対戦の大まかな流れ。しかし世界のアイコニックな都市をモチーフにした『THE FINALS』のアリーナでは、プレイヤーは建造物を自在に破壊し、地形を変えることができるため、キャッシュ獲得の手段はアイデア次第で無限に広がります。
建物を破壊してキャッシュを奪え
スレッジハンマーや、おなじみのC4爆薬を使えば、壁に穴を開けて近道を作ったり、屋根を爆破して屋内の敵を上から攻撃したりと、銃で撃ち合うのが苦手なプレイヤーにもさまざまな勝ち方が可能になります。
高速&立体移動でキャッシュを奪え
プレイヤーはキャッシュを求めて走り回ることになりますが、グラップリングフックやジャンプパッドなど、移動を支援する各種のギアを駆使することで、意外なルートで素早く目的地に向かったり、有利なポジションを確保して戦うことができます。
防衛陣を築き、キャッシュを守れ
しかし、チームに求められるのは破壊や移動だけではありません。キャッシュアウトステーションを防衛する際に、各種の地雷を撒いたり、バリケードを設置したりして周辺を要塞化することもできます。
逆に、こうした防衛陣を構築して待っている敵を、グレネードや火炎放射器で一掃することもできます。
エイムでキャッシュを奪え
『THE FINALS』はFPSなので、もちろん敵を倒す手段のほとんどはガンファイト。武器の種類も豊富です。スキルに自信があるプレイヤーのためにも、リボルバーやマークスマンライフル、スナイパーライフルといった、扱いづらい代わりに高火力な武器も揃っています。凝った作戦は使わず、エイムの強さのみで一方的に勝つこともできるでしょう。
自分だけの「競技者」をビルドしよう
「THE FINALS」の競技者には、「ライト」、「ミディアム」、「ヘビー」の3種類の体格モデルがあります。体格によって、スピードや体力、装備できるものが異なるため、チームを組む際はトリオの体格バランスも考慮する必要があるのかもしれません。
- ライト:
- スピードが最も速いが、体力は最も低い
- グラップリングフックやクローキング装置など、高速移動とステルス行動、両極端な動きができる
- ミディアム:
- スピードと体力ともに中間的
- 敵を自動で撃つガーディアンタレットや、味方を回復するヒーリングガンなど、攻防それぞれのバランスがとれる
- ヘビー:
- スピードは最も遅いが、体力は最も高い
- LMGなどの銃火器や、スレッジハンマー、RPGなど、破壊力と防衛力に優れる
1種類の体型で、2つ以上の異なるビルドを作成・保存することも可能です。たとえば同じ「ライト」体格でも、ナイフやグラップリングでスピーディーに戦う競技者や、スナイパーライフルと近接感知センサーを使って遠距離で戦う競技者など、スタイルの異なるものを作成しておき、そのときの作戦やチームメイトに合った競技者を選ぶことができます。
3つの体格それぞれに得意な分野と苦手な分野がありますが、自分の流儀に合わせてロードアウトを組み、豊富な外見変更アイテムも組み合わせて、自分だけの競技者を作り上げましょう。
先行プレイの感想:8分が一瞬で終わる爽快感
メディア向けの先行プレイイベントでは、3月7日にスタートするグローバルベータテスト(後述)と同じコンテンツを体験することができました。
『THE FINALS』は1試合が8分のゲームですが、プレイ中はずっと走り回ったり、建物の屋上まで跳び上がったり、撃ったり撃たれたり、C4で爆破したり、火炎放射器で燃やされたりの繰り返しで、トレーラー映像から受ける印象よりもさらにハイペースなものに感じました。カジュアルプレイヤー向けの「クイックマッチ」ですら、8分が一瞬で終わってしまうような爽快さがあります。
このスピード感を実現させているゲームバランスも絶妙です。
ベータでプレイ可能なマップである「モナコ」と「ソウル」はどちらも立体的で複雑な構造をしていますが、プレイヤーがお互いに敵を探して無駄に走り回り、退屈するようなことは起きません。誰かが運んでいるキャッシュボックスや、起動中のキャッシュアウトステーションのアイコンは常に全チームに表示されるので、他のチームが今どこで何をしようとしているのかを推測し、自分の次の目的地や、アクション/リアクションを決めやすくなっているためです。
この仕組みにより、戦闘が起きるまでの間隔も短くなるようデザインされていると思われ、対戦中は手元はもちろん、頭も常に働かせ続けることになります。
残り時間と現在の順位、そして他チームの企みを考慮しつつ、どんなことが可能かを絞っていくことで、最後の1秒まで逆転のチャンスを狙うことができます。実際、最後の数秒でうっかりキャッシュを盗まれて逆転負け、という悲しい試合もありました。
キャッシュの増減ルールは先行プレイ中にすべてを把握しきれませんでしたが、どのアクションでどれだけのキャッシュが得られるかを学んでいくことで、さらに戦略的に立ち回れるようになるでしょう。
『THE FINALS』はどんな人におすすめ?
「目標志向型」モードが好きなプレイヤーにおすすめ
『THE FINALS』は創造性を発揮できるゲームですが、逆にあらゆるところで破壊や爆発が起きるので、巻き込まれて下の階に落とされ、戦い全体もカオスになりがちです。マップ知識の差や悪運によって負けるのが嫌いな、純粋なガンスキルのみで競いたいシューター層には、少しとっつきにくいかもしれません。
逆言うと、そもそも『THE FINALS』は「キャッシュ争奪」という目標志向型のチームプレイゲームです。開発のEmbarkとしては、自分1人のガンスキルに頼るのではなく、アイテムもギアも、環境も、使えるものはまんべんなく活用し、かつ「チームワークで勝て」と言いたいのかもしれません。
個人技ではなく、チームワークで立ち回れる目標志向タイプのプレイヤーなら、きっと『THE FINALS』の世界で輝けるでしょう。
「キャラづけも自分でやりたい」プレイヤーにおすすめ
プレイヤーが操作する「競技者」は、体格だけでなく、性別も顔つきも衣服も自分で設定する仕組みです。
つまり自分の手で個性を作っていくものなので、「これがオレの分身」と呼べる競技者を、そのディティールまでゲーム内に再現することができます。自分の競技者でロールプレイをするのが好きというプレイヤーにはおすすめです。
逆に言うと、いわゆる「キャラクターもの」のヒーローシューターが好きだったり、深い背景ストーリーや考察要素を求める方にとっては、望んだ体験はあまり得られないでしょう。
『THE FINALS』グローバルベータテストは3月7日から
- グローバルベータテスト期間
- 開始:日本時間3月7日
18時→ 追記:20時へ変更 - 終了:日本時間3月22日午前2時(予定)
- 開始:日本時間3月7日
『THE FINALS』では、間もなく2週間に渡るグローバルベータテストが開催されます。Steamストアページから「The Finals Playtestに参加」を選択し、通知を待ちましょう。
ベータでは「モナコ」と「ソウル」の2マップがプレイ可能。カジュアルなゲームモードであるクイックマッチのほか、競技志向のトーナメントモードやリーダーボードも用意されており、練習場で一通りのシステムを試すこともできます。
ベータでも、参加者は武器、各種アイテム&ギア、コスメティックアイテムをアンロックしていくことができます。今回の先行プレイレポートやプレイ動画で興味を持たれた方は、間もなく始まるベータテストにぜひご参加ください。
『THE FINALS』関連リンク
Gaming Device Power Tune for FPS
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