ゲーミングデバイスの老舗HyperXが、脳科学スタートアップのNeurableと提携し、これまでにない革新的なゲーミングヘッドセットの開発を進めていることが明らかになった。CES 2026にて発表されたこのデバイスは、独自の「非侵襲型」ニューロテクノロジーを搭載し、プレイヤーの反応速度や精度を物理的に向上させることを目指している。
脳波から「集中力」を数値化、AIがパフォーマンスを最適化
本ヘッドセットの最大の特徴は、イヤーパッドに内蔵された非侵襲性の脳コンピュータインターフェース(BCI)センサーだ。このセンサーがプレイヤーの脳波を読み取り、独自のAIアルゴリズムによって脳の活動をリアルタイムで解釈する。
単なるオーディオ機器ではなく、プレイヤーのメンタルコンディションを把握し、パフォーマンスを最大化するためのウェアラブルデバイスとしての機能が期待されている。
- リアルタイムの脳波分析: プレイ中の集中状態を計測し、自身のパフォーマンスと脳の状態を紐づけて把握できる。
- トレーニングへの活用: 事前調査では、半プロのeスポーツ選手がNeurableのニューロフィードバックシステムを使用し、反応速度が平均43ミリ秒向上、命中精度も0.53%改善するという結果が得られている。
- 燃え尽き(バーンアウト)の防止: 脳の疲労度を検知し、最適な休憩タイミングを把握することで、長時間のプレイにおけるパフォーマンス維持を支援する。
eスポーツ選手によるテストで驚異的な数値を記録
現在開発中のプロトタイプを用いたテストでは、eスポーツ選手を対象としたFPSトレーニングタスクにおいて、以下のような劇的なパフォーマンスの向上が確認されたという。
- 反応速度: 最大38ミリ秒の短縮
- 命中精度: 3%の向上
- ターゲット撃破数: 有意な増加
単にデバイス側で補正を行うのではなく、プレイヤー自身の「脳の状態」を可視化し、トレーニングにフィードバックすることで、集中力をより高く維持する能力を養うことが可能になる。
NeurableのCEOコメント
「HyperXとの提携により、私たちはこれまでにない規模でゲーマーにニューロテクノロジー(神経技術)を届けることが可能になります」と、NeurableのCEO兼共同創設者であるラムゼス・アルカイド氏は述べた。
「私たちはこの戦略的関係がもたらす興奮を心待ちにしています。これは、自分の精神状態を理解することが、ゲームの操作技術(メカニクス)を理解するのと同じくらい自然なものになるという、ゲーミングの有望な未来を象徴しています。プレイヤーが日常的に使用しているツールの中で、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)を直感的で目立たないものにすることで、神経科学がパフォーマンスを有意義に向上させ、人々の遊び方を変革できることを証明していきます。」
結論:デバイスは「フィジカル」から「メンタル」の補助へ?
これまでのゲーミングデバイスは、反応速度や精度の向上といった「フィジカル」な操作をサポートすることに特化してきた。しかし、この「脳波ゲーミングヘッドセット」は、プレイヤーの「メンタル(集中力)」を可視化し、管理するという新しい地平を切り拓こうとしている。
1ミリ秒の判断が勝敗を分けるFPSの世界において、自分の集中状態を客観的に把握できることは、プロシーンだけでなく一般の競技プレイヤーにとっても大きな武器になるだろう。ただしこれらは公式発表でまだ初期段階。いつか、その効果を体験してみたい。
FPS POWER TUNE
Source: Businesswire, Gamespot







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