Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、秋の世界大会「BLAST R6 Major Montreal 2024(以下、モントリオールメジャー)」が開幕。日本時間11月9日には、三部構成のうちの第一段階である「フェーズ1」が終了した。
日本から出場したCAGは、初戦でヨーロッパのG2 Esportsに1マップを取りながらも敗北。その後、北米のCL4Lに勝利して望みをつないだものの、オセアニア代表チームChiefsに屈し、大会2日目でモントリオールを去ることとなった。
『R6S』モントリオールメジャー・フェーズ1結果
シージ開発スタジオのあるカナダ・モントリオールに現在、世界のトップ20チームが集結中。日本時間11月7日深夜から9日にかけて行われた、モントリオールメジャー・フェーズ1の結果は以下のとおり。
- フェーズ2進出
- G2 Esports
- Team Falcons
- Black Dragons
- Chiefs Esports Club
- 大会敗退
- CL4L
- Alpha Team
- FearX
- CAG Osaka
CAGは1勝2敗で惜しくも敗退
記念すべきメジャー開幕戦から視聴者の前に姿を見せたCAG。その最初の対戦相手は、eスポーツ界の名門G2 Esportsだった。G2勝利予想が無難とされていた中、第1マップ「銀行」を先取して視聴者を大いにわかせ、ShuReap選手は21キルを計上する大暴れをしてみせた。しかしその後、第2マップ「カフェ」と第3マップ「領事館」では逆襲に遭い、マップスコア1-2で敗戦に至った。
ロアブラケットに下ったCAG。第2戦の相手は、北米のLCQを制覇して現地に衝撃を与えたシンデレラボーイズCL4Lだった。その中核は元MKERSの選手たちだが、意外にも団体無所属であり、北米地域の選手層の厚さを体現するチームだ。ポテンシャルに溢れるこの相手にCAGは、第1マップ「アジト」、第2マップ「ナイトヘイヴンラボ」を苦みつつも勝ち抜き、メジャーの舞台に踏みとどまった。
フェーズ1最終戦でCAGが対面したのは、オセアニア地域を代表するオーストラリアチームChiefs Esports Club。同地域のグループステージでは2位だったものの、プレイオフでGaimin Gladiators(元Team Blissロースター)とのBO3を制し、メジャーへの切符を手にしたチームだ。
第1マップ「クラブハウス」 はCAG攻撃スタート。国内でも教科書的なマップとされ、頻繁にピックされている戦場だ。Chiefsは防衛でTubarao(トゥバラオ)などの強力なガジェットを総動員し、硬い要塞を築くことを選択。これがうまくCAGの時間と体力を削り切り、2-4とリードして攻防を交代する。
防衛からの巻き返しをはかるCAG。しかし、第8ラウンドではChiefsのQuiz選手がぎりぎりのタイミングで裏取りに成功し、逆に窮地に陥ってしまう。CAGはあらゆる方向から揺さぶりをかけてくるChiefsの攻撃に苦しい対応を強いられ続け、結局2-7と、意外なスコア差でクラブハウスを明け渡すこととなった。
しかしBO3の戦いはまだ終わらない。第2マップ「領事館」では、防衛スタートのCAGが仕切り直しに成功した。Shironeko選手やShuReap選手が果敢にオープニングキルを取るなどして、クラブハウスとはうってかわってチーム全体での読みが冴えわたる。防衛を5-1で悠々と終えると、攻撃でも優勢をキープ。最後の地下攻撃ではAnitun選手が1v1を制し、スコア7-1での勝利を掴み取った。
第3マップの「アジト」は今季から競技シーンに採用されたばかりで、世界的にもまだまだ多彩な攻防術が見られる興味深いマップだ。 攻撃スタートしたCAGは序盤で1-3と劣勢になったものの、タイムアウト後はAnitun選手のBlitz(ブリッツ)で効果的な制圧に成功するなど機能しはじめ、どうにか2ラウンドを返して3-3での攻防交代に成功した。
しかし、攻撃に回ってからはChiefsの手口が鋭かった。Kyro選手のDokkaebi(トッケビ)やTex選手のDeimos(デイモス)を活用し、効果的な情報収集をしながらCAGにリアクションを迫り続ける。CAGもアンチピックと言えるVigil(ヴィジル)などでその思惑を排除しようとしたが、アジトの立ち回りではChiefsが上回り、最終スコア4-7。マップスコア1-2で、CAGはフェーズ1最終戦を落とすこととなった。
ロアブラケットでの敗北により、CAGは惜しくもメジャーの舞台から去ることが決まった。G2に1マップ取れたことは大戦果で、さらに北米の期待の星であるCL4Lを打ち砕き日本シーンの実力もアピールしてくれた。とはいえChiefsの選手たちが証明したように、APAC全体もレベルアップしている。次のチャンスに備え、日本コミュニティ全体で世界についていけるよう彼らを応援したい。
なおCAGがインビテーショナルに出場できる確率は記事執筆時点で非常に低く、3%程度と見られている。一方で、12月1日に東京・新宿で開催される「FPS DAY 2024」には登場。アジア4チームによる大会「APAC CUP」で戦うことが既に決まっている。イベントの詳細やチケット情報は、以下の記事をチェックしてほしい。
戦いはフェーズ2へ、日本王者SCARZ登場
メジャーは1日の中休みを挟んで、日本時間11月10日深夜より「フェーズ2」に突入する。
フェーズ2では、各地域リーグで上位の活躍をした12チームと、フェーズ1を突破した4チーム、計16チームが集合。「スイスドロー」形式で対戦を繰り広げる。
スイスドローとは、「勝利数と敗北数が同じチーム同士で順次対戦していく」というもの。対戦表を見ると複雑に感じるかもしれないが、簡潔に言うと「3勝したチームはフェーズ3に進出。3勝する前に3敗すると大会敗退」というしくみだ。各チーム最小3試合、最大3試合を行う。試合形式はBO1で、敗退チームが決まる試合はBO3となる。
フェーズ2からはSCARZが登場する。2022年のリーグ参戦当時から国内で無類の強さを誇ってきた、現在の日本チャンピオンチームだ。今年3月にはチームをけん引してきたPyon選手がサブに回り、国内有数のキル獲り屋であるNina選手を迎えてコミュニティに衝撃を与えたものの、足踏みすることはなく国内のステージ1(春期)、ステージ2(秋期)ともに優勝。ファンの期待に応えてみせた。
しかしSCARZの課題は明確で、世界大会で思わしい成果が出ていない点が挙げられる。2023年春のコペンハーゲンメジャーでは「世界初挑戦でベスト8」という大戦果を記録した。しかしその後、2023年秋のアトランタメジャー、シックスインビテーショナル2024、2024年春のマンチェスターメジャーを合わせて、海外チームと10戦し、10敗している。
その後、8月に行われた超巨大eスポーツイベント「Esports World Cup 2024」では、ヨーロッパチームWolvesにようやく勝利。国内リーグでも引き続き好調ということで、改めて秋のモントリオールでの戦いを見届けたい状況になっている。
そんなSCARZの初戦の相手は、奇しくもCAGを下したばかりのChiefsとなった。SCARZとしては日本チャンピオンの実力を、対戦相手だけでなく世界にも見せつけたいところだ。
SCARZ vs Chiefsは日本時間11月11日深夜1時30分スタート。引き続き、メジャーならではのドラマに期待しよう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: R6S Esports Official
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コメント
コメント一覧 (2件)
まぁ煽りは好きにすりゃいいんだけど、そっから勝ちきらないと意味ねえんだよなとは煽り見て毎度思うね
CAGは煽り多い方だから弱っちい不良のなりそこないがイキってガンつけまくってるみたいな状態なんだよな
初日G2相手に2マップ目押し切れない時点で結果は見えちゃいたんだが
負け方いつも同じだなCAGって
勝ったら煽る、負けたら黙るっていうマインドというか素行の悪さというか、そういうのがもうプロ全体に浸透してるんかな
誰だって負けたらそりゃ嫌な気持ちにはなるけど、煽ってる時と同じくらい盛り上げてあげないと、G2戦のように勝てる試合を落とし続けることになるよ