マイクロソフトから流出した、次世代ゲーム機 Xbox 720の内部資料」と称する文書がネットに出回っています。
この内部資料(自称)は、のちに法律事務所より「著作権侵害」として削除され、信ぴょう性があがったと言えるかもしれません。
世代機のリーク情報 (自称) はハードウェアの世代交代期には毎月といって良いほど見かける風物詩のようなものですが、今回の物件が面白いのは全56ページにもなる内部向けプレゼンテーションの体裁をとっていること。またXbox 360の後継機 " Xbox 720 " 構想だけでなく、2011年から2015年にわたる長い範囲について、ARメガネやクラウドXboxといった次次世代技術についても予測と戦略を述べていること。
この文書の一部はE3 2012以前にゲーム系サイト( Nukezilla )で採りあげられており、その時点、タブレットやスマートフォンをXbox 360のサブ画面として使う戦略に触れていること。6月のE3 2012 で発表された Xbox Smart Glass はタブレットや携帯にHTML5ベースのリッチコンテンツを表示させ、Xbox 360と同期するまさにそのものの仕組みです。
2013年発売予定 " Xbox 720 " の主な仕様(目標)
- 現行 Xbox 360の6倍から8倍のプロセッサ性能
- 分解能やキャプチャ性能、認識範囲が向上し4人まで同時にトラッキングできるKinect 2
- Blu-ray ドライブ
- 低消費電力の Always On モード
- Xbox 360と後方互換性のためのハードウェア
- ネイティブ3D対応
- SSD とHDD、光学ドライブ、2.x2 802.11n WiFi、WiMAXなどの構成をSKUによって変化させるスケーラブル・フレキシブル設計
- 10年ライフサイクルを想定して、バイナリ互換を保ったまま複数のハードウェアコンフィギュレーションを投入可能にする (たとえば光学ドライブのないモデル、後方互換性を省略して安くしたモデル etc )。
- 価格は299ドル
など。
2014年の " Xbox 720 "には「Kinectメガネ」を投入
ARグラスの " Project Fortaleza " は、当初は次世代 Xbox とWiFi 接続する室内向けの「Kinectメガネ」的な製品。
Kinect の音声や全身入力に加えて、次世代 Xbox でレンダリングした結果を視界に重ね合わせることで、ゲームをテレビの画面から解放してさらに没入感の高い体験を可能にするとされています。( Fortaleza はマイクロソフトの研究施設があるブラジルの地名)。
2014年の" Xbox 720 "には「クラウドXbox」
2015年の計画として、クラウドベースのXboxと4G接続の ARメガネを組み合わせることで、自宅以外の場所でも視界に情報を重ね合わせるエンターテインメントのアイデアも述べられています。 (すでにXbox Music などのサービスで始まっているように、マイクロソフトはXbox をゲームだけでないエンターテインメント全般のブランドにしたがっている)。
そういえばGoogle のARメガネ " Project Glass " は、セルゲイ・ブリンの「個人的な希望」としては2013年にも最初のバージョンを市販したい、とされています。
さて、Smart Glass (っぽい)アイデアや Xbox 360のスマートテレビ化を正式発表より前に「予言」していたのだから本物に違いない、という主張がある一方で、中身については各所から怪しいという部分の指摘もあります。たとえば Xbox 720 の想定ハードウェアスペックとして、性能ターゲットがXbox 360比で 最大8倍なのに、SoC (プロセッサ) の消費電力が ~ 50W、システムとして~ 120W になっているのは低すぎるという Digital Foundry の指摘など。
しかしまた、そもそも「今後の2011年から2015年について」のプレゼンテーションなので本物だとしても2010年やそれ以前に作成されたと考えられること、またライバルの出方や技術動向など不確定な要素も含め、広い範囲のビジネス戦略について検討する材料という位置づけから、数字もおおまかな目標や案にすぎないという考え方も可能です。
コメント