約690億ドル(約9兆3,954億円)に及ぶアクティビジョン・ブリザードの超大型買収を進めているマイクロソフトへ、恐れていた危機が到来しました。
アメリカの連邦取引委員会が買収反対へ
成功すればマイクロソフトがゲーム業界第3位の規模になるアクティビジョン・ブリザード買収ですが、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの訴えかけにより、イギリスとEU、そしてアメリカでは規制当局による反発が強く、マイクロソフトは様々な根回しを行っていましたが、ついにアメリカの連邦取引委員会が買収を阻止するために提訴しました。
これまで、マイクロソフトは今後もソニー・インタラクティブエンタテインメントに『Call of Duty』シリーズを10年間提供し続ける契約を提案し(ソニー側は却下)、さらに任天堂やValveにも同様の提案をして契約を結んだことをお伝えしました。これらは各国の規制当局へのアピールの意味合いも含まれていましたが、米連邦取引委員会には受け入れられなかったようです。
連邦取引委員会が公開した声明によると、「マイクロソフトはすでに、日本のゲーム機メーカーのソニーや任天堂へのコンテンツを差し止めることができ、また差し止めるつもりであることを示しています。 マイクロソフトが独立系大手ゲームスタジオを支配することで、ゲーム市場での競争に害を及ぼすことを阻止するためのものです。」と述べています。
海外メディアWashington Postの取材をうけて、連邦取引委員会の関係者が匿名を条件に語ったところによると、この訴訟は、マイクロソフトがゲーム機で優位に立てるだけでなく、Game Passといった定額制ゲームやクラウドゲームなど、より新しいゲームサービスでも不当な優位に立つ可能性があると警告しています。 マイクロソフトがビジネス上でこれほど大きな規制上の脅威を受けることは20年ぶりであり、AppleやGoogle、AmazonやFacebookといったテック系大手企業が受けてきた反トラスト法を巡る戦いを経験することになります。
今回の件について、海外メディアThe Vergeにマイクロソフトの副会長兼社長であるBrad Smith氏が寄せたコメントによると、「この買収取引が競争を拡大し、ゲーマーとゲーム開発者のために多くの機会を創出すると信じ続けています。」と正当性を訴えているほか、「今週初めに米連邦取引委員会に譲歩案を提示するなど、競争の懸念に対処するために初日から取り組んできました。我々は平和に解決できる可能性を信じていましたが、我々は今回のケースに完全に自信を持っており、法廷で我々のケースを提示する機会を歓迎します」と法廷での争いも受け入れる覚悟を見せています。
ついにマイクロソフトが恐れていた規制当局からの買収への反発が始まってしまったわけですが、今後はアメリカだけでなく、イギリスやEUからも正式に提訴される可能性が高まりました。 これから買収の可否を巡って法廷での争いが繰り広げられるわけですが、このような裁判がすぐに終わる可能性は低く、予定では2023年に完了するはずだったアクティビジョン・ブリザード買収が、数年がかりのプロセスに変貌してしまったようです。
はたして、マイクロソフトは買収を成功できるのか、それとも失敗してしまうのか。 この戦いの結末はまだまだ見えません。
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Source: FTC, Washington Post, The Verge
コメント
コメント一覧 (5件)
諦めて今まで買収した会社で独占IP育てろよしか言えん。買収するだけしてブランド壊すイメージしかない
任天堂とソニーと違って買収で人気IPをいきなり奪うやり方は気に入らない
ゲハ厨っていつも負けてるな
ゼニマックスを買収した時に結んだ規制当局との契約を無視したからこうなったんだろw
ゲーム市場的な意味以外にも、ビッグテックへの締付けという意味合いもあるんだろうな
節税という名の超多額の税逃れによって肥え太った反動
最早無視出来ない規模だしな
因果応報ってやつでは