『Honor of Kings(オナー・オブ・キングス)』はテンセント傘下のTiMi Studiosが手がけるモバイル用MOBAゲーム。『王者栄耀(おうじゃえいよう)』とも呼ばれる。
2015年に中国でリリースされ、根強い人気を誇る『Honor of Kings』だが、このIPを活かした「新作ヒーローシューター」が開発中という興味深い噂が舞い込んだ。まだ初期段階とのことだが、シューターファンとしては覚えておきたい話だ。
『Honor of Kings』のヒーローシューター開発中?
『Honor of Kings』のヒーローシューターは、そのまま「Shooting」というコードネームで開発中。モバイルゲーム界のコミュニティからCelo Zagaなどが報じている。
GamingonPhoneによると、開発は『Honor of Kings』と同じTiMiのL1スタジオ。カスタマイズされたUnreal Engine 5を用いている。
Celo Zagaが補足するには、NetEaseが『マーベル・ライバルズ』の開発スタッフを募集していたのと同じ時期、2020年から2021年ごろに開発が始まったという。グローバル市場をターゲットにしており、モバイル端末以外との「クロスプラットフォーム機能」を備えている可能性が非常に高いという。
その根拠として掲載しているのは、中国の求人情報だ。『Honor of Kings』の「プレリサーチ・ゲーム」における「シニア・ニューメリカル・プランナー」という役職。さらに『Honor of Kings』の「シューティング・プロジェクト」における「シニア・スペシャルエフェクト・デザイナー」。「シニア・バトルプランナー」といった求人を募集している(機械翻訳)。
ライアットゲームズの成功を参考か
中国で2015年にリリースされた『Honor of Kings』だが、SensorTowerによると「2024年6月に世界のモバイルゲーム市場を席巻し、世界のダウンロード数成長ランキングで2位を獲得」するなど人気は根強い。「中国以外でのダウンロード総数は2,100万に達し、新たに追加された市場からは800万の新規ダウンロード」が集計された。
また、リヤドで今年も開催される超高額賞金大会「Esports World Cup 2025」の競技種目にも採用されており、日本を含め、プレイヤー層の拡大余地はまだまだありそうだ。
成功をおさめるTiMi Studiosは、ライアットゲームズの手法から学んでいるかもしれない。
シューター界では『VALORANT』の開発元でおなじみのライアットゲームズだが、MOBAジャンルを代表する世界的タイトル『リーグ・オブ・レジェンド』のスタジオとしても認知度が高い。
![[噂] テンセントが『Honor of Kings』のヒーローシューター開発中? 別ジャンルの作品でグローバル人気高める計画か](https://i0.wp.com/fpsjp.net/wp-content/uploads/2025/03/lol2025.jpg?resize=750%2C420&quality=89&ssl=1)
2009年から続くこの『LoL』には、ジャンルを超えた20以上の派生作品が存在する(参考:Wikipedia)。LoL本編はプレイしたことがなくても、ストラテジーゲームの『チームファイト タクティクス』や、カードゲームとなった『レジェンド・オブ・ルーンテラ』はプレイしたことがあるという方もいるだろう。Netflixアニメ『Arcane』も人気を博し、昨今では格闘ゲーム『2XKO』を開発中。こちらは2025年内リリース予定だ。
『Honor of Kings』でも、LoLのような手法で派生作品を展開していく計画が2022年末に明かされている。ゲームの7周年記念配信の中で、「Breaking Dawn」というPvP格闘ゲームの存在が明かされていた。
(YouTubeなどでは、2024年に投稿された『Breaking Dawn』のプレイ動画が見つかるが、どうやらジャンルが変わったようだ)
他にも『King’s Chess』という、『チームファイト タクティクス』にあやかったストラテジーゲームを開発中。GamingonPhoneによると、こちらは中国でベータテストが始まっているという。
これらに加え、本編よりも美麗なグラフィックとなったオープンワールドゲーム『Honor of Kings: World』も2025年にリリース予定だ。
ライアットをどこまで意識しているかはともかく、人気タイトルである『Honor of Kings』を異なるジャンルでも展開し、新規プレイヤーを獲得していくのは合理的な作戦だ。その中に「Honor of Kingsのヒーローシューター」が含まれていても不思議ではない。
ヒーローシューターはライバル作品が多数入り乱れる大激戦区の一つ。2025年も『スター・ウォーズ:銀河のハンター』のように短命に終わったゲームの訃報が届く。
厳しい戦いが予想されるが、本当に「Honor of Kingsのヒーローシューター」が登場するのなら、ぜひ一度プレイしてみたい。噂はあくまで噂として話半分にとらえつつも、続報に期待しよう。

Gaming Device Power Tune for FPS
Source: X
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