2025年10月10日の発売が目前に迫る、エレクトロニック・アーツ(EA)の超大作FPS『Battlefield 6(バトルフィールド6)』。世界最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」の開催に合わせ、開発を率いる主要メンバー5名が来日。EAA!!は9月25日、合同インタビューに参加し、シリーズの未来を直接伺う機会を得た。
10年ぶりとなるTGSへの凱旋、前作からの学び、そして新規プレイヤーを迎え入れるための数々の工夫。ベールを脱いだBF6の核心に迫る開発思想から、気になる武器システムの仕様変更まで、ファンならば見逃せない新情報が語られた。
『Battlefield 6』開発者インタビュー

今回、インタビューに応じてくれたのは、BFシリーズの開発を率いる豪華な5名だ。
- フィリップ・デュアルム(Philippe Ducharme)氏
Executive Producer, Motive - バイロン・ビーディ(Byron Beede)氏
Senior Vice President, General Manager, Battlefield - ライアン・マッカーサー(Ryan McArthur)氏
Executive Producer, Ripple Effect - ロマン・カンポス=オリオラ(Roman Campos-Oriola)氏
Senior Creative Director, Motive - 田中 誠(Makoto Tanaka)氏
Senior Technical Artist, DICE
Q. 10年ぶりのTGS出展ですが、日本のプレイヤーに何を期待していますか?
バイロン氏:日本は我々にとって本当に重要な市場です。だからこそ、10年ぶりにTGSへ戻ってきました。数年前に来日した際、日本のプレイヤーやクリエイターの方々から「バトルフィールドに何を求めているか」を直接お聞きし、そのフィードバックを元に『Battlefield Labs』を立ち上げた経緯があります。日本、そしてアジア全域のプレイヤーの皆さんと一緒にこのゲームを作ることが我々の目標でした。
その集大成として、今回のTGSブースでは特別なコンテンツを用意しました。世界初公開となるニューヨークが舞台のマルチプレイヤーマップ「マンハッタン」や、世界で初めてシングルプレイヤーに触れられる試遊台です。このお祭りを、日本のプレイヤーの皆さんと共に盛大に祝いたいのです。
Q. TGSのブースを見ていかがでしたか?


フィリップ氏:ファンタスティックです! これまで世界中のゲームショウを見てきましたが、これほど素晴らしく、ゲームの世界観を表現したブースは見たことがありません。世界初公開の「マンハッタン」マップを再現しているだけでなく、ブースの隅々にまで「バトルフィールドのDNA」が感じられます。このチームが成し遂げた仕事は本当に素晴らしい。
バイロン氏:ブースが美しいことはもちろんですが、私にとって重要だったのは、皆さんが「一緒にプレイできる」ということです。64人対戦が可能なマルチプレイヤーステーションと、26台のシングルプレイヤー試遊台。そして、世界初公開のコンテンツを日本のプレイヤーに最初に体験してもらえること。この美しいブースと、そこで得られるプレイ体験の組み合わせは、本当に最高です。
Q. 近年は競技性の高いFPSが人気ですが、『Battlefield 6』はどのように差別化を図りますか?

バイロン氏:「バトルフィールド」は、クラスシステム、ヘリや戦車などのビークル戦、そして大規模な破壊表現といった要素が絡み合う、世界で最もユニークなFPSだと考えています。「バトルフィールドでしか味わえない瞬間」こそが我々の最大の強みです。
もちろん競技性も重視しています。しかし、その形を我々だけで決めるつもりはありません。コンクエストのような大規模戦から小規模なモード、そして『Battlefield Labs』でテスト中の新モードまで、プレイヤーコミュニティとのパートナーシップを通じて、皆さんが本当に求める競技の形を一緒に創り上げていく所存です。
Q. 日本に来て気に入った文化や食べ物はありますか?
フィリップ氏:2回目の来日ですが、日本の食事は全てが素晴らしい。特にビーフカレーとラーメンが大好きです。
ライアン氏:バンクーバーで寿司を愛していましたが、本場で食べる寿司は格別ですね。
ロマン氏:20年ぶりの来日なのですが、寿司ももちろん好きです。でも、あえて挙げるなら…(としばし考え込む)名前がどうしても思い出せないんですが、真ん中に穴が空いていて、クレープのような薄い生地が層になった丸いケーキ!あれは最高でした。(会場笑)
Q. 長い歴史を持つシリーズですが、新規プレイヤーを取り込むための工夫はありますか?

ライアン氏:バトルフィールドの核となるのは、全面戦争の感覚やビークル戦といった、他では味わえない体験です。これは『BF6』でも変わりません。その上で、例えば分隊デスマッチのように他のゲームに慣れた方にも馴染みやすいモードを用意し、そこに兵科システムといったバトルフィールドらしいDNAを組み込んでいます。そういったバトルフィールドらしさを忘れずに、常に新しいもの、そしてベストなものを目指す努力は常に凝らしていますね。
バイロン氏:それは我々が常に自問している、非常に重要な質問です。新しいプレイヤーの皆さんを心から歓迎するために、具体的な入り口をいくつも用意しました。シングルプレイヤーには複数の難易度があり、自分のペースで慣れることができますし、BOT相手に練習できる「イニシエーションモード」や「射撃練習場」、さらには「ポータル」でヘリの操縦を学ぶことも可能です。ゲームを学ぶ方法がたくさん開かれているのです。
だから、新しい皆さんへのメッセージはこれです。「怖がらないでください。ぜひこの世界へ来てください」
ロマン氏:私からも追加させてください。『バトルフィールド』のDNAで大事なのがチームプレイの要素です。『BF6』の兵科システムは、スキルレベルに関わらず誰もがチームに貢献できるよう設計されています。
新しいプレイヤーで、何をすればいいか分からなくても、兵科の役割を知っていれば、自分が何をすべきかが分かります。例えば、サポートクラスならチームのために弾薬クレートを渡して援助できますし、偵察兵であれば、仮に敵に弾が当たらなくても、射撃することで「あそこに敵がいる」と味方に知らせることもできます。一人で戦うのではなく、チームの一員として連携し、あなたに合った貢献で楽しんでほしいですね。
Q. 兵科と武器の仕様について。過去作のような武器制限はありますか?

ライアン氏:プレイヤーが自分の好きなスタイルで戦えることを最優先に考えました。そのため『BF6』では、どの兵科でも全ての武器を使用可能です。
ただし、兵科のアイデンティティが失われたわけではありません。各兵科には得意な武器カテゴリーが設定されており、例えば工兵がSMGを持つ、偵察兵がスナイパーライフルを持つといった場合には、その武器種に特有のボーナスが付与されます。自由度と役割の楽しさを両立させたシステムだと考えてください。
もちろん、過去作のような兵科で武器が固定されたクラシックな体験を好むプレイヤーのために、そうしたルールのプレイリストも用意する予定です。
Q. 前作の評価をどう分析し、『BF6』で信頼を取り戻しますか?

ライアン氏:全てのシリーズ作品から学んだ最も重要なことは、「プレイヤーと共にゲームを創る」という姿勢です。コミュニティのフィードバックに真摯に耳を傾け、兵科のアイデンティティ、破壊表現、チームプレイといった「バトルフィールドの核」となる柱に忠実であり続けること。『BF6』ではまず、その土台を強固に築き上げました。
その上で、『Battlefield Labs』などを通じてプレイヤーの皆さんを開発の早い段階から巻き込み、フィードバックを得て改善を繰り返すサイクルを徹底しています。そうして信頼を再構築していきたいと考えています。
ロマン氏:それに加えて、ただ改善するだけでなく、体験が「完全(Complete)」であることも重要です。それは、この世界のユニバースやファクション(陣営)をシングルプレイヤーとマルチプレイヤーの両方でいかに魅力的に見せるか、そしてより多様なモードを用意してプレイヤー自身が遊び方を選べる「自由(Agency)」をいかに提供するか、ということです。『BF6』ではその点にも注力しました。
Q. C4でビークルを空に飛ばすような物理演算の遊びは『BF6』でも可能ですか?

ライアン氏:プレイヤーにどう遊ぶかの選択肢を与え、サンドボックスとして楽しんでもらうことは、バトルフィールドの核となる体験です。例えば、C4を戦車に満載して建物に突っ込ませて何が起こるか試してみる、といった自由な発想は常に維持したいと考えています。
もちろん、それと同時にバトルフィールドらしい、地に足のついたミリタリーの感覚や、ゲームの世界観と物語性を崩さないこととのデリケートなバランスも重要です。最終的にプレイヤーがどのようなバランスを好むのか、我々は常に皆さんの声に耳を傾けています。
フィリップ氏:『BF6』では破壊表現のシステムを一から再構築し、よりリアルなものへと進化させました。壁を破壊してチョークポイントへの新しいルートを作るといった戦術的な側面と、いかにして「Only in Battlefield」と呼べるようなスペクタクルな体験を届けられるか。その両方を実現するための土台となるシステムを作り直した、ということです。
バイロン氏:ここで明確にしておきたいのは、プレイヤーの自由な発想や創造性を奪ってはいない、ということです。例えば「C4をクアッドバイクに載せてヘリに打ち込む」といった創造的なプレイはもちろん可能です。ただし、過去作のようにビークルが成層圏まで飛んでいくような、あまりにも非現実的な物理挙動はできなくなっています。
むしろ「スレッジハンマー」のような新しいガジェットや、プレイヤーがルールさえも創り出せる「ポータル」モードのおかげで、トータルで見ればプレイヤーの皆さんの自由度は増していると言えます。
ライアン氏:そして、我々が予期しないような新しい遊び方が生まれることも期待しています。例えば、突撃用ハシゴというガジェット一つとっても、プレイヤーの皆さんが我々の想像もつかないような使い方を発見してくれるかもしれません。それがこのゲームの醍醐味です。

Q. 過去作にあった「スキッドローダー」のようなユニークなビークルは登場しますか?
ライアン氏:「バトルフィールド」には豊かな歴史があり、その中には「オペレーション・ファイアストーム」のように、コミュニティから素晴らしい反応をいただいたものが沢山あります。我々は常に、そうした過去のシリーズで皆さんに愛された重要な要素を再注入しつつ、新しい遊び方を模索しています。
具体的なビークル名はお話しできませんが、シリーズの豊かな歴史をどう活かして、コミュニティの声を聞きながら、皆さんのための新しい体験を創り出していくか。それこそが我々が今後も考え続けていくことです。

Q. 発売を2週間後に控えたチームの雰囲気は?
田中氏:オープンベータへの反応が非常に良かったこともあり、社内(DICE)はとても良い雰囲気です。より良いものを届けられるよう頑張っています。また、詳しくは言えませんが、その先のシーズンコンテンツの準備も既に始まっており、チームは非常に前向きに取り組んでいます。
フィリップ氏:ゲームをリリースする時はいつも興奮と、自分たちが作り上げたものへの誇りを感じます。『BF6』はプレイヤーとコミュニティの皆さんのものです。ここから何が生まれるのかを見るのが本当に楽しみです。そして重要なのは、これはまだ始まりに過ぎないということです。『BF6』にとって発売はゴールではなく、新たなスタート地点。コミュニティと共にこのゲームをどう進化させていくか、これからが本番です。
バイロン氏:なにより、私たち自身がこのゲームをプレイするのをやめられないんです(笑)。社内プレイテストが終わってほしくないと、いつも思います。夢に見るほど、もっとプレイしたいんです。もし許されるなら、今すぐそこの試遊台に行って、一晩中でもプレイし続けたいくらいですよ。この感覚は、何か特別なものが完成したという証拠だと感じています。
Q. 最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

田中氏:本当に面白いので、ぜひ楽しんでください。
ロマン氏:これまで『Battlefield Labs』やオープンベータを通じて、コミュニティからのフィードバックを元にゲームを開発してきました。今日、ここTGSで皆さんがプレイしている姿を見て、その思いを改めて強くしました。今後も皆さんと一緒にこのゲームを開発していきます。
フィリップ氏:Battlefield's back.(「バトルフィールド」が、帰ってきました。)
ライアン氏:コミュニティの皆さんの情熱とサポートに心から感謝します。「バトルフィールド」のコミュニティは、このフランチャイズにとって他の何にも代えがたい「差別化要因(differentiator)」です。皆さんからいただくフィードバックが、この開発を本当に楽しいものにしてくれました。発売日に、戦場で皆さんと一緒にプレイできるのが待ちきれません。
TGS2025での盛り上がり
10年ぶりの出展となった『Battlefield 6』ブースは、連日長蛇の列ができるほどの盛況ぶり。世界初となるシングル試遊台や豪華クリエイターと一緒にマルチ対戦イベントなど、古参のファンからシリーズ初体験のプレイヤーまで、多くのゲーマーが新たな戦場に熱狂していた。
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