海外App Storeがルートボックスの確率明記を義務付け、日本にも規制の波が?

海外App Storeがルートボックスの確率明記を義務付け、日本にも規制の波が?

先日、Appleが開発者ガイドラインを更新した。これはApp Storeに提供されるアプリが遵守すべき事項をまとめたものであり、アプリ開発者はこのガイドラインを守りつつ様々なサービスを提供していかなければならない。明確なルール違反を犯すと、場合によってはApp Storeからアプリが削除されることもあるという厳しいものだ。App Storeの基幹を成す文章だと言っていい。

随時更新されているこのガイドラインだが、この度追加された文章に「ルートボックスや、それに準ずるランダム性のある仮想のアイテムを提供するシステムを組み込んでいるアプリは、必ず購入前に消費者にそれぞれのアイテムを受け取る確率を明示しなければならない。」というものがあった。要するに、「ルートボックスのあるアプリはアイテムを手に入れられる確率を明示せよ」ということらしい。

Apps offering “loot boxes” or other mechanisms that provide randomized virtual items for purchase must disclose the odds of receiving each type of item to customers prior to purchase.

App Store Review Guidelines 3.1.1 In-App Purchaseから引用)

12月25日時点で日本の規約は書き換えられていないが、基本的に全世界で共通の規約が使われるので特別に何か事情がなければいずれ追加されていくものと思われる。

ルートボックスが抱える問題点と、産み出す莫大な利益

そもそも、ルートボックスとは何なのだろうか。海外のWikipediaには、「仮想のアイテムをランダムな抽選で受け取ることが出来る仮想のアイテム」とある。日本だとガチャという呼び名のほうが馴染み深いだろう。

ルートボックスは近頃何かと話題になることが多く、最近だと『SWBF2』が一時ゲーム内課金を停止してシステムを刷新したことが記憶に新しい。
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この問題には様々な側面があり、取り上げる人によって切り口が変わる。「未成年もプレイするゲームに射幸心を煽る要素を組み込むのは如何なものか」という倫理的な側面で語られる事もあれば、「ギャンブルに該当するならそれなりの法律が適用されるべきだ」という法律的な側面で語られることもある。フルプライスで買ったはずのゲーム内要素が全て楽しめないというプレイヤーの感情も含め、どれもこれも無視できない問題だ。

一方でこれだけの問題を抱えながらも、なお多くの開発者がシステムを組み込んでくるほどに利益も出る。高騰し続ける開発費を賄うための有効な手段であることは間違いない。タイトルによってはシーズンパスやDLCを上回るほどの収益が上がるという。

最大手企業のいち早い決断と日本への波及

今回、Appleが一足早く確率の明記をはっきりとルール化した。彼らの領域はあくまでスマホアプリなので、直接的に据え置き機やPCに関わってくることはひとまず無いだろう。

そもそもアイテムごとの確率を全て表示しなければならないのか、それともアイテムのランクごとに確率がわかっていればいいのかもはっきりとしない。しばらくは開発者とAppleの間で共通認識が作られていく作業が続くはずだ。

ターニングポイントはAppleの考えるルールの在り方はっきりと周知されたその後だ。日本のアプリ市場は世界的に見てもかなり大きいので、ゲーム業界全体で見ればそれなり以上に影響があるとは思われる。このままAppleが最初で最後の先行者になるのか、それとも企業や業界団体による自主規制が始まるのか。あるいは国による問答無用の規制が始まるのか。

不透明な先行きではあるが、願わくばプレイヤーも開発者もWin-Winの関係に収まる良い塩梅を期待したい。

Source: App Store Review Guidelines