『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー第3弾:シニアeスポーツマネジャーJeremy Somville氏、中国 / 国別対抗戦 / 今後のeスポーツの発展

『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー第3弾:シニアeスポーツマネジャーJeremy Somville氏、中国 / 国別対抗戦 / 今後のeスポーツの発展

Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』には数多くのスタッフが関わっており、ゲームバランス、メディアやコミュニティとの連携、eスポーツなど、さまざまな部門に枝分かれしながら一つの巨大な世界を作り上げています。EAA!!は「シックス・インビテーショナル2020」の会場で、そんなシージ界の発展と維持に携わっているスタッフの一人、シニアeスポーツマネジャーのJeremy Somville氏から、インビテーショナルのことや今後のシージeスポーツについて話をうかがいました。

Jeremy Somville氏略歴

Somville氏は6年前にUbisoftに入社しました。それまでの6年は、『レインボーシックス ベガス』や『ベガス2』でプレイヤーとしてeスポーツに参加しており、またmythiX eSportsのマネジャーとしてGotagaのような名プレイヤーを輩出してきました。入社後はフランスのブランドマネジャーに就任し、『レインボーシックス シージ』の企画にも関与、その後eスポーツマネジャーとして、Ubisoftモントリオールスタジオのシージ開発スタッフに加わりました。そこで華々しい実績をあげた彼は現在、ヨーロッパとアジア太平洋地域におけるシニアeスポーツマネジャーを務めています。

インタビュー

インビテーショナルも4年目に

EAA: シックス・インビテーショナルも今回で4年目となりました。過去と比べて、コミュニティの熱狂はどのように変わりましたか?

Somville氏: シージ・コミュニティの祭典であるシックス・インビテーショナルには、3つの側面があります。まず1つ目はeスポーツの競技大会という面、2つ目はシージに関わる世界中の人々、つまりコスプレイヤーやコミュニティに参加しているたくさんのシージファンの人々が、一カ所に集まるという面、そしてシージのゲームコンテンツだけでなく、シージeスポーツの毎年の節目を飾るイベントという面です。

(UbisoftのコミュニティデベロッパーUbiJustinことJustin Kruger氏のツイートより、2017年のシーズン・ファイナルと、今大会の模様を比較したもの)

いちばん最初のインビテーショナルのフォーマットがどうだったかご存じないかもしれませんが、最初は会場も非常に小さく、入場者も200人かそこらでした。しかし今回の入場者は4,000~5,000人と、数年の間に巨大なものになりました。フォーマットも変わり続け、先週末のグループステージから10日にも渡って、3つのステージに分けて行われる大会になりました。これからのインビテーショナルも、より多くのチーム、多くのプレイヤーが参加し、フォーマットももっと大きく、長期間になっていくでしょう。

EAA: ちなみに、国別対抗戦、つまり「シージのワールドカップ」的なものを開催する計画はありますか?

Somville氏: 確かにこちらが注目しているeスポーツタイトルの中にも、ワールドカップをやってるものがあります。今ここで提供できる情報はありませんが、いつもあらゆる可能性を検討しています。というのも私たちもeスポーツの大会を行う側であるのと同時に、eスポーツのファンでもあるので、いつも新しいものが見たいんです。「そういうのはやらない」みたいな制限を作ることはないですね。

より多くの人々に参加してもらうために

EAA: パイロットプログラムはフェイズ2でも好評を博していました。次のフェイズ3について聞かせてください。

Somville氏: パイロットプログラムにはフェイズ1とフェイズ2がありましたが、「プロリーグ・ファイナル」が無くなるのに合わせて、これまでは文字通りに「パイロット(実験的)」だったものから、真の収益シェアプログラムになります。フェイズ2のときの参加14チームから、最大44チームに拡大します。今までたったの1年区切りだった期間も4年区切りになり、企業に競技シーンとプログラムへの参加を促すと同時に長期的な計画を立ててもらえるようにします。4年区切りに延長というのはUbisoftが請け負うものです。

フェイズ3の上限は44チーム
フェイズ3の上限は44チーム

シージも次でイヤー5を迎え、eスポーツタイトルとしても、これまでの2年のパイロットプログラムで多くの成功を収めてきました。44チームを3つのティアに分け、各チームに収益を分配することにした理由は、世界にはG2やFnaticなど有名なチームだけでなく、たとえ小さくても、異なる地域、異なるレベルにさまざまなチームのファンがいるからです。私たちはそうした現状にも適応していく必要があります。

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これはUbisoftおよびシージeスポーツの年次サイクルの大革命です。パイロット・プログラムを推し進めていくことで、チームやプレイヤー、パートナー企業、Ubisoft、誰にとっても利益になるようなシステムになると考えています。

EAA: 過去のeスポーツ部門の方へのインタビューでは中国への言及がありました。その後進展はありましたか?

Somville氏: テンセントのパートナー企業と一緒に、中国国内でのトーナメント開催に向けた中国リージョンを作ろうとしているところです。中国市場は規模が大きいので、こちらとしても本当に楽しみにしています。国内では他者のeスポーツタイトルもリリースされていることもあってか、シージが好きな中国コミュニティの人たちも、シージeスポーツに参加する機会を欲しているんですよ。

シージeスポーツの発展について

EAA: リージョン間のスキルギャップについての質問です。昨今ではEUとNAリージョンが世界を二分し、APACはチャンスに乏しいのが現状です。eスポーツが発展していくうえでは、強いチームだけがより強くなって環境を支配し、それ以外の下位チームとのスキルギャップを大きく広げていった方が良いのでしょうか。それともできるだけ同じくらいの方が良いでしょうか。

Somville氏: 2年前のことを覚えているでしょうか。PENTA、つまり現在のG2 Esportsメンバーがいたチームが多くの大会を制していました。しかし去年Team Empireが台頭してG2と競い合い、Empireが勝利しました。そして今回、インビテーショナルの優勝チームは誰にも予想できないでしょう。観戦に値する環境を作っています。

これはチーム間に大きなスキルギャップがなくなった一つの証拠で、過去の大会とは似つかないものです。今では全4リージョンの多くのチームに、メジャー級の大会で優勝できる可能性があります。2年前はそんなチームはここまで多くありませんでした。つまり今回のインビテーショナルでも明らかなように、スキルギャップの無い大会をした方が、良い試合も増え、世界中でプレイヤーが増え、チームも増えていくことにつながるんです。

EAA: シージeスポーツの発展に必要不可欠なものはなんでしょうか。

Somville氏: 今日ではこういう大会が世界中で視聴されているのはご存じのとおりです。不可欠なのは、eスポーツの大会を開催し続け、大企業を呼び込むために競技環境を常に新鮮なものに更新し続けることです。そのために全リージョンのそれぞれの市場で、大企業が競技環境に参入できる可能性を広げていきたいと思っています。

新たな各リージョンの図
新たな各リージョンの図

たとえばAPACにはたくさんの国々、それぞれに異なる市場がありますが、これらを来季から二つに分けます。一つは日本、韓国、東南アジア諸国から成る「北APAC」。ここでは12チームが互いに競い合います。同じAPACには「南APAC」も作られ、オーストラリア・ニュージーランドの巨大な市場や、パキスタンなど南アジア諸国の新興市場で構成されます。

大規模市場と新興市場を一つのリージョン・プールに混ぜ込むことで、小さなチームにも予選やメジャーに出場して、ベストチームと対戦するチャンスが十分に与えられます。そんな具合に、新興市場を含むすべての市場の企業に、eスポーツの未来に参加する機会を提供したいんです。

EAA: ありがとうございました。それでは最後に、いつかシックス・インビテーショナルでプレイしたいというプレイヤーの人たちに向かって一言お願いします。

Somville氏: 現在Ubisoftの関与するeスポーツ大会の中にはエントリー料のかからないものもありますので、新しくこのゲームに入ってきたプレイヤーは、まず何より競技に参加して、自分の試合を見てもらうことが、仲間を集めてチームを作ることにつながります。

国内での小さな大会やコミュニティ主催のトーナメントに出場し、勝ち続けることができれば、いずれ全国規模の大会でプレイできるようになるでしょう。そして一度でもリージョン規模の大会やメジャー級の大会に出場できれば、こちらにはパイロットプログラムという選手を支えるシステムがあります。そこからは一気に、シックス・インビテーショナルの視聴者から、今度は出場選手にまで飛躍していけるでしょう。

(シージは2月末まで大会が盛りだくさん。シージeスポーツのサイトから、日程やエントリー方法などさまざまな情報にアクセスできる。)

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『レインボーシックス シージ』の発売日は2015年12月10日で、対象機種はPS4、Xbox One、PC。

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