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レビュー:どこかで見たようなタクティカル・モバイルFPSゲーム『Area F2』をプレイしてみた

[レビュー]どこかで見たようなタクティカル・モバイルFPSゲーム、『Area F2』をプレイしてみた
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どこかで見たようなモバイルFPSがあるよ」とのタレコミを聞きつけたEAA!!編集部。香港のEjoy.comが開発した『Area F2(軍事地域F2)』というそのゲームは、日本時間4月16日に東南アジア諸国やブラジルなどでオープン・ベータがスタートしたばかりで、現在は当該国のiOS、Androidストア経由でのみダウンロードできるという。

一見すると普通のモバイルFPSのようだが、ともかくプレイしてみることにした。結論から言ってしまうと『レインボーシックス シージ』の完全パクリゲーだった。

CONTENTS

モバイル版『レインボーシックス シージ?』

攻撃チームと防衛チームに別れての屋内戦闘

『Area F2』は海外アカウントを作成すれば無料でプレイできる。ゲームのコンセプトは「10人のプレイヤーが攻撃チームと防衛チームに別れ、目標をめぐって屋内で戦闘を繰り広げるタクティカル・シューター」だ。どこかで聞いた気がする。チュートリアルではドローンの使い方や、壁の補強の仕方などを丁寧に教えてくれる。

18人のエージェントたち。UIもどこかで見た気がする

プレイヤーが操作するのは一兵卒ではなく、個性豊かな「エージェント」たちだ。最初は攻防それぞれ2名ずつしか使えないが、固有能力を持った合計18人のエージェントたちがゲーム内に登場する。ハンマーで壁を破壊して道を作ったり毒ガスを放出させてダメージを与えたりと、作戦に応じたエージェントの使い分けが勝敗を左右しそうだ。どこかで聞いた気がするが、もう少し見ていこう。

攻撃側エージェント「MAGNET」。EMPグレネードで敵の電子器機を停止させる

奥深い戦略性が楽しめる

窓から飛び出してきた敵にキルされてしまった

『Area F2』では正面からの撃ち合いだけでなく、ドローンやカメラなど情報収集ツールを使いこなすことが重要だ。戦闘の舞台となる建物の内外には監視カメラも設置されており、これらを破壊し忘れると自分の動きが敵チームに筒抜けになってしまう。

防衛側エージェントの「SPITFIRE」はシールドつきのマシンガンを設置し、敵を迎え撃つ

ゲームモードはオープン・ベータの時点で2種類。攻撃側が目標エリアの確保を目指す「Threat Elimination」と、攻撃側が屋内に爆弾を仕掛けて目標の破壊を試みる「Demolition」だ。防衛側は逆に、さまざまなガジェットを駆使して目標を守ることが求められる。

右側の窓に敵がラペリングしていた

狭い屋内での戦闘では慎重に行動することが重要だ。攻撃側はラペリングによって2階や3階から侵入することもできる。入り口だけでなく、壁や窓、すべてに注意を払って行動しなければならない。しかしこのゲームにはフレンドリーファイヤも搭載されている。緊張しすぎると、視界に入った味方をうっかりキルしかねない。

勝利後は「Gold Supply」獲得のチャンス

操作に慣れないうちは、なかなか思った通りに動けないだろう。チームは圧勝したものの、自分は0キルで不完全燃焼...。そんなプレイヤーのモチベーションを維持するためか、勝利するとゲーム内アイテムが封入された「Gold Supply」の抽選がスタートする。最初は非常に低確率だが、抽選を外すたびに当選確率が上昇していく。とはいえすべての目に映る何もかもが既視感に満ちている。

日本の温泉を舞台にしたマップもある

総評

ご覧のように、どこからどうみてもUbisoftの『レインボーシックス シージ』の完全パクリゲー

ではシージコミュニティの人々にオススメかと問われれば、それは難しい。理由は4点ある。

1つ目はフェアプレイの実現性だ。「スマホでシージができるなんて最高だ。少しくらいグラがしょぼくても気にしないよ」と思うかもしれないが、海外サーバーに接続しているため当然ラグがあり、納得のいくフェアプレイは期待できない。

「リバースフレンドリーファイヤ」など、シージが今日まで4年以上かけて組み上げてきた迷惑行為への対策も、今のところ『Area F2』には見られない。イヤー1、もしくはそれ以前のシージに戻されたような気分になる。

2014年に公開されたシージのトレーラーより

2つ目は予想されるバランス問題だ。確かに『Area F2』は後出しジャンケンで作られたようなゲームなので、シージが通ってきたさまざまなバランス問題を開発段階で回避できる。しかし以前シージの開発者に行ったインタビューによれば、シージにおけるバランス問題とはコンテンツの追加や対戦環境の変化とともに新たに生じ続けるものであり、完全解決は不可能だ。ゲームコンセプトが同じ『Area F2』もいずれは同じ問題に直面し、プレイヤーからの不満が噴出する展開が予想される。そのとき開発側の実力が問われるだろう。

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そして3つ目の理由は独自色が薄いことだ。「モバイルでシージ(のようなゲーム)ができる」のは魅力的に聞こえるが、課金要素が増えている程度でそれ以上のものはない。むしろコンテンツは少ない。PS4版やPC版のシージを持っていない人には新鮮かもしれないが、既にシージをプレイしている人々が、今になって2015年12月の世界(かつ劣化版)にわざわざ戻るだけの強みは乏しい。

そして最後に、これが純粋なパクリゲーである点だ。たくさんの情熱と膨大な予算、そしてコミュニティの人々の熱が注ぎ込まれているオリジナルのことを考えると、いくら基本無料と言われたところで上辺をすくっただけのゲームをそうそう認めるわけにはいかない。

今後のアップデート次第か

しかし、発売してから5年目に突入しているシージと、ベータテスト中の『Area F2』を単純に比較するのは不公平だろう。発売当初のシージも、IGNPolygonなどに掲載された当時のレビュー(英語)を振り返ると、「ストーリーシナリオが少なすぎる」、「人質モードは最も可能性がある」、「マッチングサーバーが脆弱(ぜいじゃく)」など、まるで今とは別のゲームの話のようなことも書かれていた。

ひょっとしたら『Area F2』も今後のアップデート次第では、シージにはないコンテンツが追加されて独自進化を遂げるのかもしれない。むしろ運営側にその気がないのなら、レビューサイトのおもちゃにされて早々にサービス終了となるだろう。

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Source: AREA F2 OFFICIAL

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