本日2020年11月13日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch(オーバーウォッチ)』のライブサーバーにて、テスト環境「エクスペリメンタル」を実施しました。テスト内容は、主に操作性の改善と、設置系アビリティの仕様変更となっています。
一般的なアップデート(エクスペリメンタル)
今回のエクスペリメンタルは、2/2/2のロールキュールールでプレイ可能。エクスペリメンタルでの変更点は本モード限定で、クイック・プレイ、ライバル・プレイ、アーケードへの影響はありません。
- サポートヒーローがダメージを受けて回復を要請する際に、集合を命じる音声(「こっちに集合!」など)が再生されないよう変更
ヒーローのバランス調整(エクスペリメンタル)
NOVEMBER EXPERIMENTAL CARD 1.53 IN TWO MINUTES (Comparisons)
アナ(強化)
- “バイオティック・グレネード”
- ライフが満タンの味方を弾が貫通する仕様に変更
射撃武器の“バイオテック・ライフル”と同様に、味方の体力量によって当たり判定が変化する仕様になっています。これにより、タンクヒーローのような体の大きなへの誤爆が起こらなくなり、味方をすり抜けて敵への回復阻害付与を狙うことが出来るようになります。
一方で、「体力がフルの味方に対して回復能力向上効果の付与を直撃で行う」、「体の大きなヒーローにぶつけて周りのヒーローに効果を与える」といった使い方ができなくなってしまいます。実装後にこれらの効果を狙う場合、近くの障害物や床を狙って起爆させる事で、ほぼ同じ運用が可能です。
また、少しでもダメージを受けていれば味方にヒットするので、被弾しやすく防御アビリティに乏しいロードホッグやレッキング・ボールなどを貫通させる際には、引き続き誤爆に注意が必要です。
ブリギッテ(弱体化)
- 体力
- 基礎ライフを175から150に減少
前回のアップデートによって強化された点を元に戻すテスト内容です。
全ランク帯でサポートロール内ピック率ワースト1,2という状況から、前回の調整によって上位帯でのピック率がある程度改善され、サポートロール内で中程度のピック率まで改善されていましたが、以前の基礎ライフ150+アーマー50の合計200に戻っています。
ハンゾー(バランス調整)
- “電光石火”
- 手動でキャンセルできるように変更
アビリティキーの再入力で“電光石火”を終了できるようになります。これにより、残っている“電光石火”の矢を破棄して通常射撃である“嵐ノ弓”を使用できます。
残っていた分の“電光石火”矢は破棄されてしまうので、「“電光石火”2本→“嵐ノ弓”→“電光石火”3本」といったような使い方は不可。また、クールタイムも残っている矢の数に関わらずキャンセル時点から10秒です。
モイラ(強化)
- バイオティック・グラスプ
- リソース消費率を14から12.5に減少
9月初めに行われた調整でリソースの吸収量と消費量共に大きく増加しましたが、今回は消費量のみの減少ということで純粋強化。9月の調整前は、リソースの消費率が11だったので、今回の12.5はちょうど中間値です。
シンメトラ(強化)
- テレポーター
- 倒れている間に手動で破壊できるように変更
設置後ではなく破壊後にクールタイムが発生するというアビリティの性質上、設置したままデスしてしまうと「手動破壊→クールタイム消化→再設置」のプロセスが必要となり、リスポーン後の再設置に時間がかかるという欠点がこの調整によって克服できます。
また、リスポーン時点でのテレポーターの有無で異なる挙動が発生し、リスポーン後にも“テレポーター”があれば今までと同じ、無ければ残りのクールタイムに関わらず再設置が可能になります。そのため、テレポーターを破壊するかどうかの判断はリスポーン中であれば自由に遅らせる事ができます。
トールビョーン(強化)
- タレット設置
- 倒れている間に手動で破壊できるように変更
判定や仕様はシンメトラとほぼ同じです。“テレポーター”に比べると単体でも機能し、戦線に置かれる事が多く破壊されやすいので、クイック・プレイやライバル・プレイなどへの影響はそこまで大きくないです。考えられる使用場面としては、アサルトのAポイントであえて破壊されずに放置され、Bポイントへの置き換えに時間がかかる場面などでしょうか。
トールビョーンのこの調整が真価を発揮するのは「デスマッチ」で、常にタレットをそばに設置できる状態でリスポーンできます。
メイ(強化)
- アイス・ウォール
- 倒れている間に手動で破壊できるように変更
上の2ヒーローと同じく、デス後にも影響を与える“アイス・ウォール”も同様の調整対象になっています。“テレポーター”やタレットに比べると、“アイス・ウォール”はマイナスに作用してしまう場面も少なくないので使用機会はそこそこ多いと思います。
上2つのアビリティと異なり、設置後にクールタイムの消化がスタートするので、リスポーン後の再使用を考えての自壊場面はほとんどありません。
ファラ(追記)
:追記(2020/11/14):
下記調整について、いくつかの不具合が報告された事がフォーラムより発表され、現在エクスペリメンタルから削除されています。将来的に再度テストする可能性はあるが、それまでにいくつかの修正を行う必要があるとのこと。
以下、調整内容はエクスペリメンタル実施日(調整削除前)時点のもの。
ホバー・ジェット空中でしゃがむと下向きに加速するように変更
この調整によって、縦の動きに緩急をつけやすくなり、“コンカッシブ・ブラスト”との併用で上下左右全方向に高い機動力を発揮できるようになります。ただし、下向きの加速を行う場合にもホバリングと同様にリソースを消費する点に注意。
また、本調整は「しゃがみ」の設定が、押しっぱなしでしゃがみ状態を維持する設定であれば正常に機能しますが、切り替え式の場合うまく機能せず、一瞬下方向に加速するのみとなっています。
連打する事である程度似た挙動を再現できますが、よく似た操作を要求する“ヴァルキリー”発動中のマーシーがどちらの設定でも操作可能な事から不具合だと思われるので、実装されるのであれば何らかの変更が行われると思います。自らエクスペリメンタルでテストをする場合には、設定の確認を。
今回の調整傾向
全体的に使用感の向上を目的とした調整が多く、中でも設置系アビリティの仕様変更については、かなり良い調整だと思います。
一方で、モイラとブリギッテには直接的な調整が加えられており、現状上位帯でのピック率が圧倒的最下位のモイラ強化は納得の調整。現環境では敵味方ともに散りやすいので、この強化によってサポート枠がモイラに入れ変わるとは考えにくいですが、モイラを軸とした構成が生まれる可能性はあります。
ブリギッテの弱体化に関しては、予想外という方も多いのではないでしょうか。自身の強化はもちろん、天敵とも言える回復阻害の使い手アナ一択の環境から、ゼニヤッタ+マーシーの環境に移り変わりつつある今、たしかにブリギッテは動かしやすいヒーローになってきてはいますが、それでも中程度の選出率でした。サポートヒーローとしては異色なタフさを持ってはいますが、それを売りにしているヒーローなだけに、脆くなる調整はかなりの痛手です。
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Source: Overwatch
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