『Call of Duty: Black Ops 6(コールオブデューティ: ブラックオプス6)』のシーズン05アップデートがついに解禁され、プレイヤーたちの戦場に新たな火力が投入される。
今回追加される新銃器は、PML 5.56軽機関銃、ABR A1アサルトライフル、そしてGravemark .357リボルバーの3種。これらの銃器が現実世界でどのような歴史を刻み、どんな役割を担ってきたのかを紐解いていこう。
Black Opsシリーズならではの銃器の美学を知れば、実際のプレイで気分が盛り上がる事うけあいだ。
CoD:BO6シーズン05:新武器3種と実銃
PML 5.56:NATO制式採用の「分隊支援兵器」

- 正式名称:FN MINIMI
- 銃種:軽機関銃
- 開発国:ベルギー
- 作動方式:ガス圧式、オープンボルト、フルオート
- 重量:約7.5キロ(標準型)
- 全長:1,040mm
- 装弾数:100発ベルトリンク、STANAG規格マガジン対応
- 製造期間:1982年〜現行生産中
PML 5.56のモデルとなったFN MINIMIは、ベルギーのFNハースタル社が1970年代後期に開発した軽機関銃の傑作だ。完成後アメリカ軍でM249として1984年に正式採用されたのを皮切りに、西側国家の軍隊に「部隊が前進するための、敵の頭を抑えるような継続した制圧火力の投射」のための重要な兵器「分隊支援火器(SAW:Squad Automatic Weapon)」の代名詞として西側諸国で急速に浸透した。

この銃の面白い特徴として、ベルトリンク給弾とマガジン給弾の両方に対応する柔軟性がある。分隊レベルでの継続火力を提供しながら、推奨はされないが必要に応じてM16などと同じ規格のボックスマガジンも使用できるため、弾薬補給の簡素化と危急な事態の時の戦術的柔軟性を両立している。この点は『CoD:MW(2019)』等の過去作でも反映され、ガンスミス機能で換装が可能だった。

MINIMIの設計思想は「アサルトライフルでは不足し、重機関銃では過剰」な火力の隙間を埋めることだった。前述したように分隊の機動力を損なわず、敵の制圧射撃や突撃支援を行える絶妙なバランスが評価され、70カ国以上で使用される世界的な成功作となった。現代でも改良が続けられ、特殊部隊向けの軽量化モデルや7.62mm版なども開発されている。
『Call of Duty: Black Ops 6』においては、このPML 5.56は分隊の火力支援としての本来の役割を忠実に再現することになるだろう。高い継続火力と制圧能力により、敵を封じ込めながら味方の前進を支援する戦術的価値は計り知れない。ただし、重量とリコイルコントロールの難しさは相応のスキルを要求することが予想され、ポジショニングと射撃管制が勝敗を分ける「チームの火力の要」として機能するはずだ。
ABR A1:ブルパップ革命の先駆者

- 正式名称:Steyr AUG(Armee Universal Gewehr)A2
- 銃種:アサルトライフル
- 開発国:オーストリア
- 作動方式:ガス圧式、セレクティブファイア
- 重量:約3.6キロ
- 全長:805mm
- 装弾数:30発(標準)、42発(拡張)
- 製造期間:1977年〜現行生産中
ABR A1の実銃モデルであるSteyr AUGは、オーストリアのシュタイヤー社が開発したブルパップ式アサルトライフルの革命児だ。1977年の登場以来、その独特なデザインと優れた性能で世界中の軍隊・警察組織に採用され、ブルパップ式ライフルの可能性を世界に知らしめた歴史的な名銃として知られる。
AUGの最大の特徴は、機関部をストック内に配置するブルパップ構造により、フルサイズのバレル長を保ちながら全体を大幅に短縮化した点だ。790mmという短い全体長でありながら、508mmのバレルを確保し、取り回しの良さと射撃精度を両立している。これにより、市街戦や車内戦闘、狭い空間での戦闘において絶大な優位性を発揮する。

もう一つの革新はモジュラー設計の採用だ。バレル交換により歩兵銃から軽機関銃、さらにはDMRまで、一つのプラットフォームで多様な運用が可能となった。光学サイトの標準装備も先進的で、1.5倍スコープを標準装備することで中距離射撃における優位性を確保しつつ、今回追加されるA2モデル以降では汎用レールシステムの採用により照準器を脱着可能にした、『CoD:BO6』のガンスミスシステムにより状況に合わせた幅広いカスタマイズが可能だろう。

信頼性の面でも優秀で、泥や砂、水中での作動テストを重ね、過酷な環境下でも確実に動作する堅牢性を獲得した。オーストリア軍での長期運用を通じて証明されたその実力は、オーストラリア軍のF88 AusTeyr、アイルランド軍のSteyr AUG A3など、世界各国で採用される結果となった。
今回の実装ではこのABR A1は3点バースト機構を標準としているが、コンパクトながら高い射撃精度を持つ多用途アサルトライフルとして活躍することになるだろう。短い全長による優れた取り回しは、建物内での戦闘や狭いマップでの機動戦においても適性を持つ。中距離での精密射撃能力も高く、中距離狙撃にも対応可能な万能性を持つ銃として、プレイヤーの戦術選択の幅を広げる存在となるはずだ。
Gravemark .357:西部開拓時代の魂を受け継ぐリボルバー
- 正式名称:コルト シングルアクションアーミー(Sturm Ruger Vaquero)
- 銃種:回転式拳銃
- 開発国:アメリカ合衆国
- 作動方式:シングルアクション
- 重量:約1.25キロ
- 全長:約280mm(6インチバレル)
- 装弾数:6発
- 製造期間:1873年〜現行生産中
Gravemark .357は、アメリカの銃器史において最も影響力を持つリボルバーであるコルト シングルアクションアーミー(SAA)の魂に、最も影響力を持つ弾薬の一つである.357マグナム弾を組み合わせた現代的傑作、Sturm Ruger Vaquero(スタームルガー ヴァケーロ)を直接のモデルとする。原型は言わずと知れたSAAでありつつ、現代で使用される.357マグナム弾に対応したモデルだ。
1993年にスタームルガー社が発表したVaqueroは、1873年に登場した伝説的なSAAのフレームデザインを現代の製造技術で再現しながら、より現代的な.357マグナム弾に対応させた野心作だった。SAAの持つクラシックな美しさと操作感を保ちつつ、現代的な品質管理と材質により信頼性は大幅に向上。Ruger社の数あるヒット商品の内の一つとなった。

西部劇やアメリカのカントリー文化に親しみがある人であれば、“Gravemark”(墓石、墓標の意)という名前から製作スタッフがこの銃に込めた愛着を感じ取れることに同意してもらえるだろう。PVでは新キャラクターのPAYNEが拳銃をファニングショット(連射の難しいリボルバーで連射する技法)で使用する姿が確認でき、腰だめ射撃で適応されるとすれば良好な連射性能と他に代えのない使用感が得られるだろう。

しかし恐らくゲーム的バランスを優先しただろう8発という装弾数設定と、その分のリロード時間の長さは明確な弱点となる事が予想できる。それでも一発の重みと確実性、そして何より西部劇やリボルバーのロマンを追わずにはいられないプレイヤーには、新たな相棒となるだろう。
『Black Ops』シリーズの銃器美学:AAAタイトルでマイナー銃器が描かれる意味
『Call of Duty: Black Ops』シリーズ(特に初代BO / BO2 / BOCW / BO6)は、ガンマニアにとっても稀有な存在だ。
BOシリーズは2010年発売の初代から「歴史の暗部で極秘裏に行われたBlack Ops(非正規戦)を描く」というコンセプトを基礎に、史実を下敷きにしたシリーズ作品では独自の銃器哲学・描写を採用してきた。
例えば、無印BOで描かれたXL64(ゲーム内名称はENFIELD)、CWのセトメライフル(C58)、そして『BO6』のAR-18(AMES 85)。これらは決してメジャーな選択肢ではない。 現代の軍事組織でそのままの形で主力として使われることもなく、中には開発中止や限定生産で歴史の表舞台から消えた銃器も多く含まれている。

しかし、そこにこそBOシリーズの真骨頂がある。 プロトタイプモデルや特定の時代設定に密着した、今では主流ではない、もしくは全く使われていないような、それでいて後世の銃器開発に影響した銃器の選定は、他に類を見ない独自性を放っている。
それらの銃器が歴史から姿を消した理由である、コスト、政治的事情、技術的限界といったネガティブな要素は、それらを覆い尽くすような "外連味"(けれんみ) で丁寧に彩られており、開発陣の銃器に対する深い愛情を感じずにはいられない。
これは、通常の戦闘ではない故に普通の銃器が使われない「非正規戦」という着眼点を、銃器を通じて描いているかのようだ。 それは単なる武器の羅列ではなく、時代に翻弄された "鉄と火薬の物語" として成立している。
そして、『Call of Duty』のような大作シリーズでこうした描写がされること、そのものにも非常に大きな意義がある。 忘れ去られるはずだった銃器、しかし確かに求められて存在した銃器が注目され、人々に再び記憶される。 これは他のタイトルには残せない結果であり、それこそが『Black Ops』シリーズの銃器の美学と言えるだろう。



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