『Battlefield 4(バトルフィールド 4)』のマップであるRogue Transmissionの舞台モデルとなったアレシボ天文台が、奇しくも『BF4』の時代設定である今年2020年に、「ケーブル破損」により解体される予定だとNSF(米国科学財団)が報じました。
Rogue Transmission
Rogue Transmissionは、EA DICEによる近未来(当時)ミリタリーFPS作品『Battlefield 4』に収録されているマップの1つ。設定では中国貴州省にある大型通信施設を巡る戦闘ですが、本来舞台になるはずだった現地のFAST電波望遠鏡が当時は未完成だったため、実際の施設外観はプエルトリコのアレシボ電波天文台を参考にしています。
そして『BF』の醍醐味といえば豊かな破壊表現。特に『BF4』ではインタラクティブな戦場を表現するため、地形構造を大きく変える「Levolution」システムが全マップに搭載されており、Rogue TransmissionのLevolutionがまさに「電波望遠鏡のケーブル破損」。
受信機を吊り下げているケーブルを破壊すれば、受信機は落下しアンテナは半壊、ついでに周囲で受信機を支えていた支柱も崩れ落ちます。支柱のてっぺんに陣取っているスナイパーにムカついて、C4を握りしめてケーブルを破壊しに行ったプレイヤーも少なくないでしょう。
BFコンテンツクリエイター Danny氏の動画、Levolutionは35秒より
アレシボ天文台の悲劇
とは言え殺し合いや破壊はゲームの中だからこそ楽しいのであって、現実では何事もないのが一番です。現実のアレシボ天文台も1963年に建設されて以来、嵐や地震など多くな困難を無事に乗り越えてきました。しかし今年に入って状況が一変。
2020年の8月10日に補助ケーブルの一本に原因不明の切断が発生しアンテナ下部の反射盤に落下、30メートル強の傷を残しました。NSFは数百万ドルにも登る予算の使用許可を天文台に出し、ただちに修復を行うように指示しましたが、発注した新ケーブルがまだ届いていない11月6日に、同支柱のメインケーブルにも破損が確認されます。
当初の耐久度評価からすると、メインケーブルの破損は想定外だったそうです。そこで米陸軍工兵司令部と建設会社数社を交えた調査団が改めて精査したところ、別のメインケーブルや補助ケーブルにもそれぞれ損傷や位置ズレを発見。
ストレスチェックを掛けるだけでも崩落する恐れがあるため、もはや安全を確保しながらの修理は不可能だとの結論に至り、2020年11月19日に正式な解体告知がNSFから発表されました。
同施設は今まで多くの発見を持って天文学に寄与したほか、『007 ゴールデンアイ』に代表される数々の名作映画の舞台となり、我々に娯楽を提供してくれました。解体が完了されるまで誰も傷つけず、好印象をもって長く皆の記憶に残り続けることを願いましょう。
おまけ
『BF4』のRogue Transmissionでは「Levolution」だけではなく、直接攻撃することでもアンテナ下部の反射盤の破壊が可能です。その際「もし事前に反射盤を壊し尽くしてからLevolutionを発生させたらどうなるのか」を検証した動画がRedditユーザーのThotaz氏によって投稿されていました。
What happens when you trigger levolution on an already destroyed dish
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Source: NSF.gov
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遂にアンテナ落下のニュースでましたね…