2022年12月29日、『Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)』へ配信されたアップデートパッチ0.13.0.0のパッチノートが公開されました。
この記事は日本のエミッサリーとして活躍するHakuhatsu3氏とEmilio_EFT氏の許可を得て、パッチノート(原文)の日本語翻訳を掲載しています。エミッサリーとはBSG公認のEFTコミュニティ代表で、各国のEFTスペシャリストです。
EFT アップデート 0.13.0.0
Streets of Tarkov
タルコフ市はロシア北西部にあるノルヴィンスク州に属する都市だ。フィンランド湾の右岸、カレリア地峡の南部に位置しており、盛況だった頃の人口は100万人近くに達していた。20世紀の頃、1960年代の半ばには、巨大な計測器メーカーや電子装備、防衛関連の企業が建設され、ZATO(閉鎖都市または秘密都市)開発の礎となっていたが、1994年にZATOから開放された。
ノルヴィンスク州に経済特区が設立された後は、その開発の中心地となり、地図上でも重要な場所となっている。国際的な投資によって潤沢な資金が投入された結果、タルコフ市は短期間のうちに、主要なインフラ施設を備えた大都市に成長した。
この投資の主な出資者が、世界の18カ国に拠点を構え、バイオテクノロジー分野の研究開発で有名なTerraGroupだ。ただし、その出資の対象は想像以上に広く、その欲望は留まるところを知らない。タルコフやノルヴィンスク州の大企業のほとんどが何らかの形でこの組織とつながっていた。市内には、本社、研究所、工場があり、彼らが警備を目的として契約した民間軍事会社「USEC」の支社がある。
TerraGroupと関連企業による巨額の汚職事件が発覚した当時、事態を収束できなくなった同社の経営陣は政府や法執行機関の関係者でさえ施設への立ち入りを禁止するようUSECに指示した。その結果、彼らは任務を忠実に遂行し、その間にTerraGroupの幹部・中堅社員たちのほぼ全員が市外に脱出した。最後には全社の資産や人員の集団避難が始まり、市内は大混乱に陥った。
その後は、TerraGroupの資産を守り続けるUSECに対抗するため、公式には政府と無関係とされているが、実際は当局の保護下にあると噂される新設の民間軍事会社「BEAR」が自治体から送り込まれた結果、2つのPMCの間で、あらゆる兵器を使った戦闘が繰り返された。この間、地元の住民たちは自力で避難を続けていたが、後にはロシア軍や国連平和維持軍も協力することになった。
短期間に起きた混乱で住民が去ったこの街は、いまだに凍りついたままだ。公式に派遣された部隊はすべて撤退し、残っているのは略奪から利益を得ようとする犯罪分子や限界集落に住まう者たちにすぎない。いまや境界線は封鎖され、街への出入りは不可能になっている。相当数のBEARとUSECのオペレーターたちが司令部との連絡が途絶えたままで残されており、彼らは市内から脱出する方法を自らの力で探し出さなくてはならない……。
今回のアップデートでは、プリモスキー通りとクリモフ通りの交差点に位置するタルコフ市の中心部の一角が追加されました。この部分には、廃工場やパインウッドホテル、通信社ビル、コンコルディア集合住宅、カーディーラー、テラコットビジネスセンター、映画館、スーパーマーケット「Sparzha」など、都市のインフラを構成する様々な施設が含まれています。
リペアキットとバフの付与
- 武器、ボディーアーマー、プレートキャリアは『リペアキット』で修理する際にバフ効果を付与できるようになりました。武器の場合は『武器メンテナンス』、防具の場合は『ライトボディーアーマー』と『ヘビーボディーアーマー』のスキルをレベル10まで上げることでバフを付与できるようになります。バフが付く確率と数値はスキルレベルに依存しており、スキルレベルがエリートになると更に効果の高いレアなバフも付与できるようになります。
- 武器に付与できるバフの効果は「動作不良の確率減少」と「命中率の向上」の2種類です。ボディーアーマーとプレートキャリアのバフ効果は「プレーヤーが受けるダメージの軽減」です。
- バフの効果は、定められたアーマーの耐久値の範囲内等、特定の条件下でのみ発揮され、次回の修理時に取り除かれます。
- 付いているバフの種類と効果によってアイテム自体の価値も変わります。それにより売値や保険料、Flea Marketでの手数料も変わります。
- 武器の場合は『武器メンテナンス』、アーマーの場合は『ライトアーマー』と『ヘビーアーマー』、耐久値のある他のアイテムは『知性』のスキルレベルが修理後のアイテムの最大耐久値にも影響します。またリペアキットでの修理時に消費されるのリペアポイントの量も『知性』のレベルに依存します。
スキル
- 新スキル『ライトアーマー』と『ヘビーアーマー』のスキルレベルが上がると「機動性のペナルティ」や「修理時の最大耐久値の減少」、装甲の上から近接武器で攻撃された場合の「衝撃によるプレイヤーのダメージ」が軽減されます。
- スキル効果の変更『カリスマ』スキルレベルが上がると、保険料、有料の出口で必要になる料金、利用可能タスクの変更にかかる手数料、Scav Boxの料金、Therapistによる回復サービスの料金が安くなります。
武器と装備
- 互換性のあるバレルマウントを付けたすべてのAK系ライフルに装着できる「GP-25 "Kostyor" 40mmアンダーバレル・グレネードランチャー」を追加。
- 適切な銃身長と互換性のあるハンドガードを持つすべてのAR-15系ライフルに装着できる「M203 40mmアンダーバレル・グレネードランチャー」を追加。
- 「SR-2M "Veresk" 9x21サブマシンガン」とSR-2MPアップグレードキット、標準のKP-SR2サイト、20連、30連マガジン等の関連パーツを追加。
- 「Steyr AUG A1」 及び「A3 5.56x45 アサルトライフル」の改造パーツと10連、30連、42連マガジンを追加。
- 「Glock 19X 9x19」と19連、24連、31連のマガジンを追加。
- 「RSH-12 12.7x55アサルトリボルバー」を追加しました。
- 新しい戦闘服と各種装備品を追加しました。
Co-Op PvEの拡張
- Co-Opモードに新しい設定を追加しました。
- エネルギーと水分の減少を無くす設定
- 「Disable water and energy consumption」にチェックをすることで、アイテムの効果による影響を除いた、通常の時間経過によるエネルギーと水分の減少が無くなります。また、この設定では、プレイヤーのエネルギーと水分の値がゼロになったとしても、疲労や脱水のデバフ効果は発生しません。
- AIの設定
- オフライン(プラクティス)モードと同じように、AIの敵の数(無しも含む)や難易度を調整するオプションがCo-Opモードでも設定できるようになります。
- スポーン位置の設定
- スポーン位置を選択するオプションが3つになりました。
- 全員集合:マップ中央に全員が同時にスポーンします。
- オンライン同様:マップ上に散らばった状態で全員がスポーンします。
- 2チーム:プレイヤー達は2チームに分かれ(グループに入ってきた順番でチームが決まります)、両チーム別々の場所でスポーンします。
- 天候の設定
- 既存の天候の他、以下の天候も選択できるようになります。
- 曇り
- 濃霧
- 雨
- 強風
- 時間設定
- レイドの時間帯を指定する機能を追加しました。希望する時間帯を選択すると、時間の流れが止まり、常に選択した時間のままになります。もちろん、オンラインレイド同様の時間経過のままにすることも可能です。
- 現在はまだCo-Opモードの拡張の第一段階です。今後、機能は更に拡張されていきますが、時間経過、HP設定、重量過多の削除など、予定されているいくつかの改良点はインターフェースで確認できます。
ハイドアウト
- 射撃場のアップグレードレベルを2段階追加しました。移動するターゲットを含む様々な的を設定したり、トレーニングプログラムを使って射撃の精度を高めることができるようになります。
新たに5つの興奮剤(精神刺激薬)を追加
- Obdolbos 2
- Sanitarが開発した新精神作用物質。評判の良かった前作を改良したもの。TerraGroup Labsで始まった実験は、研究所自体の閉鎖では終わらなかったようだ。
- SJ12 TGLabs
- 特殊部隊の工作員向けに開発された。身体の一部機能を鈍化させ、一時的にエネルギー回生を行うことで効果を発揮する。この薬は視床下部で合成されるバソプレシンを強制的に放出させることで副腎の働きに変化をもたらし、体温を下げて知覚を高めるが、効果の終了後、異常な身体的負荷の代償として40~42度まで体温が上がってしまう。
- Perfotoran (Blue Blood)
- 1980年代にソ連の科学者によって開発された酸素運搬能を持つ代用血液。毒素や毒物、放射線障害を和らげる強力な解毒剤として使用される。有機フッ素化合物をベースにしたサブミクロンエマルジョンで、血中に入ると一時的に代謝を促し組織を再生させる。過剰摂取や拒絶反応を起こした場合、健康に悪影響を及ぼす。
- Trimadol
- 特殊部隊の工作員のために開発されたオピオイド系鎮痛薬(麻薬)。中枢神経および脊髄の受容体に作用して(K+チャネルの開口促進、Ca2+チャネルの開口抑制といった細胞内応答を引き起こし、神経インパルスの伝導を抑制、疼痛を緩和する)鎮痛作用をもたらすだけでなく戦闘力も高める。過剰摂取すると効果の切れたのち強い倦怠感に見舞われる。
- PNB(Product 16)
- TerraGroup Labsが開発したものでPNBと表示されている戦闘用の興奮剤。深層筋を短時間に活性化し過緊張の状態にすることで受けるダメージを軽減すると共にタンパク質生合成によって組織の再生を促進する。戦闘における重要な局面に生存能力を高めるため特殊部隊での使用が許可されているが、副作用がある。
ボイスライン
- ボスの新しい音声を収録しました。
- Killa
- Tagilla
- Knight
- Birdeye
- Big Pipe
その他の変更点
- 武器の熟練度の進行速度を再調整しました。
- トレーダーとの物々交換と値段の再調整を行い、交換用のアイテムも追加。
- 連続したクエストの一部においては前提となるクエストの完了後、一定期間経過後に開放されるようになりました。
- ハイドアウトに様々な改良と変更を行いました。
- 一部のクエストアイテムのスポーン位置が変更され、付近のランダムな場所のいずれかに配置されるようになりました。
- ハイドアウトで使用できるクラフトレシピには、特定のクエストをクリアすることで報酬として入手できるものがあります。
- Streets of Tarkovでは、新しいタイプの脱出方法が用意されています。これを使用するためには出口手前のエリアで緑色の信号弾を発射する必要があります。
- クラフトをお気に入りに登録する機能と、リストから名前で検索できる機能を追加しました。
- AIの敵の武器にも動作不良が起こるようになりました。
- ローグボス(グーンスクワッド)の挙動を改善しました。
グラフィックとオーディオ関連
- 『FSR 2.1』
- AMDが開発した画像スケーリング技術「FidelityFX Super Resolution 2.1」に対応しました。低解像度の画像をリアルタイムで高解像度にアップスケールすることで、より高品質なモニターでも優れたパフォーマンスを発揮することが可能になります。
- 各種ガラスの描画距離の最適化
- デカールの描画を最適化
- 遠距離にある樹木のレンダリングを最適化
サウンドメカニクスの再設計
- サウンドポジショニングシステムを不具合の多かったSteam AudioからOculus Audioに変更しました。この結果は立体音響の設定に関係なくゲーム内でも顕著に現れますが、最高の品質を得るためにオプションから「バイノーラルオーディオ」を「有効」にすることをお勧めします。
- 今回のOculus Audioの実装でプレイヤーとの位置関係に対して適切な音を形成するために、より多くの条件を処理できるようになりました。
- 現時点では、上記の効果はFactory、Customs、Woods、Streets of Tarkovで体験できます。その他の場所については、今後のアップデートで徐々に品質が改善されていく予定です
修正一覧
- 複数のメモリーリーク問題を修正しました。
- 漁り終わったコンテナが他のプレイヤーには開いて見えていた不具合を修正しました。
- AIの敵から武器を拾った際にフリーズしてしまう不具合を修正しました。
- レイド外で回復した際に、エラー228が発生する不具合を修正しました。
- CustomsでAIの敵がジオメトリを突き破って落下する可能性があった場所を修正しました。
- AIの敵がプレイヤーの真横でスポーンする不具合を修正しました。
- 装備品を持たずにレイドに参加した場合のAIの敵の挙動を修正しました。
- 透明な素材やガラスの後ろにいるプレイヤーに対するRaidersの挙動を修正しました。
- 回復アニメーション中に有料の脱出をした場合に生じる不具合を修正しました。
- Flea Market でアイテム選択時に生じていた視覚的な不具合を修正しました。
- SSRを有効にすると起きていた水面の視覚的な不具合を修正しました。
- 武器の照準時に生じていた不要な頭部の回転を修正しました。
- レイド中にアンチエイリアスのモード変更をすると生じていた不具合を修正しました。
- 暗闇で武器のパーツが光ってしまう不具合を修正しました。
- Saiga-12のアイアンサイトの位置を修正しました。
- 一定のオブジェクトを飛び越えるとフリーズが起こる不具合を修正しました。
- 一つのタスクアイテムで複数のタスクを完了できる不具合を修正しました。
- AIの敵のスモークグレネードに対する挙動を修正しました。
- ロビーで負傷している場合の音を修正しました。
- サーマルサイト使用後のフラッシュライトに起きていた不具合を修正しました。
- ストックを折りたたんだKRISS Vectorの射撃時に生じていたカメラ位置の不具合を修正しました。
- T-5000Mのアタッチメントの音を追加しました。
- AKMPサイトが7.62x39mmのAKに与える不具合を修正しました。
- Leupold Mark 4 LR 6.5-20x50 30mm ライフルスコープの説明文を修正しました。
- スポーン位置が草むらに近い場合、ロード画面で生じる音声の不具合を修正しました。
- MP-18でスコープの倍率変更時に生じていた遅延を修正しました。
- 分解したアイテムをトレーダーに売却する際のインターフェースの不具合を修正し、売却を阻害するパーツに関する通知を追加しました。
- MP-133ショットガンの薬莢モデルのリロード時のスケーリングを修正しました。
- レイド内でマズルデバイスを装着しても、SIG MCXのマズルフラッシュが正しく表示されるよう修正しました。
- 3人称視点で見た場合の飲食アニメーションを修正しました。
- バットストックを折りたたんだ武器でサイトを覗くとFOVが変わってしまう不具合を修正しました。
- AIの敵が他のAIが殺害された時に反応しなくなる不具合を修正しました。
- 障害物からピークしているプレーヤーに対してのAIの敵の挙動を修正しました。
- その他の技術的な問題の修正と改善を行いました。
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Source: EFT
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リアルすぎるのもゲームとしてはダメなんだな
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