2023年発売予定のPS VR2専用ソフト『Firewall Ultra(ファイアウォール ウルトラ)』ですが、開発元であるFirst Contact Entertainment よりスタジオマネージャーであるDavid氏の開発者インタビューが行われました。インタビュー前に行った先行プレイレポートについてはコチラの記事を参照。
前作『Firewall Zero hour』から何が改善されたのか?PS VR2に移行して変化した技術は? そしてVRゲームを制作する上で苦労した話などを語ってもらいました。
『Firewall Ultra』開発者インタビュー
今回は『Firewall Ultra』を制作したFirst Contact Entertainment のスタジオマネージャーであるDavid Jagneaux氏と1時間に及ぶ合同インタビューをお届けします。
- 『Firewall Ultra』開発スタッフ
- David Jagneaux(デビッド・ジャグノー):ストラテジックコミュニケーションマネージャー
PS VR2ならではのポイントとグラフィック
-- 前作から約5年ぶりの作品ですが、ファンの方々から新作を求める声は多かったでしょうか?
David: 期待はとても多く、オンラインでもたくさんの声をいただいています。今回『Firewall Ultra』ではキャプチャリングに大変成功していると思います。前回の作品(『Firewall Zero hour』)で良かった点を今回の作品で生かし、次世代機ならではのポイントを活かした制作ができたと思います。
皆様が社内のメンバー以外で初めて『Firewall Ultra』をプレイしてくださった方々となります(先行テストプレイ)ので、楽しんでいただけたことを願っています。
-- グラフィックの進化で特にこだわっているポイントを教えていただけますか?
David: 開発にUnreal Engine 5を採用しているので、ゲームがより没入感のあるものに仕上がったと思います。一番すごいと思うのはライティングのビジュアルです。例えばダイナミックライトを採用しているのですが、懐中電灯の前に手を出せば影ができたり、暗いところは非常に暗く表現されるなど、グラフィックの強化をより表現できる点が素晴らしいと考えています。
PS VR2で進化したこと:視線トラッキング、指検知、酔い対策
-- PS VR2に開発が移行し、システムの部分で最も変わった点や力を入れた点について教えていただけますか?
David: PS VR2に移行してまず大きく言えるのは、視線トラッキングのシステムです。「目を閉じるとゲーム内のフラッシュ効果は影響しなくなる」といったシステムが実装されています。
また、銃を握り左トリガーボタンを押しながらAIMしている際に片目を閉じると、AIMがより精密化するスコープシステムが起動する効果があります。さらに、倒されてしまったときに敵に視線を合わせると、その敵が赤色でスポットされる効果もあります。
そして大きく変わっているシステムは指検知センサーです。トリガーを引いたときに、それぞれの銃のハプティックフィードバックの感覚が全て異なるフィードバックとして受け取ることができるようになっています。
-- PS VR2での開発で特に新しいと感じた点はありますか?
David: VR業界には2015年からずっと関わってきていますが、その中で個人的に『Firewall Ultra』は視線トラッキングのシステムがここまでうまく働いているのは初めてだと感じています。
実際にこの視線トラッキングシステムは飾りのようにあるものではなく、ゲームプレイを本当に楽しくするようにシステム的に組み込まれているため、より没入感のあるゲームに仕上がっていると感じます。
-- VRでの快適なゲームプレイという点について強く意識されているところなどありますか?
David: これはいつも大変難しいポイントです。なぜならやはり感じ方には個人差があります。我々が気をつけているのは安定したフレームレートでスムーズなゲームプレイができるように、Unreal Engine 5やPS5の機能を使い実現するように気をつけています。
『Firewall Ultra』では「スムーズコンポートオプション(視点操作の設定)」が用意されており、スムーズターンは滑らかに視点が動いていくモード。
スナップターンはカクカクと段階を得てターンしていくモードです。そしてそれでも酔いがあるという場合にはビネットモードというのもあり、ターン時に視界を閉じてくれるような動作をしてくれますので、もし酔いが収まらない場合にはそのビネットモードを使うというようなオプションを用意しています。
武器とゲームプレイの改善:専用サーバー、カスタムシステム
-- 今作を開発するにあたり、前作のシステムやテーマのコンセプトを踏襲するものや、引き継がなければいけないものと、逆に変更が必要なシステムを残した点、あえて変更した点について教えていただけますか?
David: まず、『Firewall Ultra』で最も大きな変更点は、専用サーバーを採用したことです。ユーザーにとっては、コネクションが安定しているという大きな利点があります。また、従来の1マッチで試合が終わるのではなく、今回は3マッチシステム(2点先取)を採用しています。これにより、試合時間がより長くなり、より熱いバトルを繰り広げることができます。そして、新たな要素としてPvEモードを実装し、AIと対戦できるようになりました。ソロプレイや最大4人での協力プレイが可能で、より楽しめるようになっています。また、PS5のPS VR2の進化に合わせて、コントラクターや武器、マップなども進化し、没入感のあるゲーム体験を提供しています。
-- クラスによって武器やサブのアイテムを変更することができますが、武器の装備やカスタマイズに関するパワーアップなど、変更された点がある場合は教えていただけますか?
David: 『Firewall Ultra』では全カテゴリーでコンテンツが全て新しくなっています。例えば銃や最近発表したばかりのハヴォックという新しいコントラクターが出ています。実際、ゲームの世界の中でも前作『Firewall Zero hour』から5年が経過しており、本日プレイしていただいた「ソーシャルオフィス」というマップは前作のマップですが、それも当然5年という時間を経て『Firewall Ultra』では老朽化が進んだ状態になっています。
-- 試合中にロードアウトを変更することは可能でしょうか?
David: 試合が始まっても武器のロードアウトを変更することができます。実は、アタックチームでもディフェンダーチームでも2つのロードアウトを装備した状態で試合に臨むことができます。
-- 今回体験したロードアウト以外にもどのような武器が登場しますか?
David: フリーのロードアウトはまだ開発中ですが、武器のカスタマイズは可能です。例えば、マガジンやクリップ、スコープ、カモフラージュのペイントなどを銃やコントラクターに対して変更できるオプションがユーザーには使用可能です。また、ゲームには非常に細かいプログレッションシステムが用意されています。
『Firewall Ultra』ではマッチ後に「クリプト」というゲーム内通貨を獲得できます。この「クリプト」を使用してペイントやその他のカスタマイズアイテムを購入できるようになっています。そういったプログレッションシステムとしてカスタマイズができるポイントも付け加えておきたいと思います。
-- 開発者がオススメする武器はありますか?
David: サポートのロードアウトに入っている武器系統が私のお気に入りです。例えば「テイラーX75」という名前のサブマシンガンは取り回しやスピードが速いので私も好んで使用しています。不意打ちで襲われたときにすぐ反応できるのが良いところですね。
アップデートと開発状況:誰でも楽しめる簡単操作と戦略性
-- まだ発売前ですが、発売後にアップデートや新シーズンの配信などの予定は既に立てられていますか?もしある場合は、どのようなことを考えているのか教えていただけますか?
David: 新シーズンに関する情報は現時点では開示できません。我々の中ではシーズンについては「オペレーション」となっており、『Firewall Ultra』ローンチ後も継続的にアップデートや新オペレーションのリリースなどのサポートを行い、プレイヤーの皆様に楽しんでいただけるよう取り組んでいます。そのアップデートの中には無償と有償のアイテムのリリースもあります。例えば銃やコントラクターであったり、マップなどを出し続けていく予定です。また、セーフハウスにもアップデートが入る予定です。
-- 現段階でもかなりのクオリティかと思いますが、現在の開発状況は教えていただけますか?
David: 開発状況については開示できませんが、リリースタイミングに関しては本当にまもなく開始できると思っていますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
-- 『Firewall Ultra』のターゲットユーザーはどの層を想定していますか?例えばひたすら楽しむエンジョイ勢なのか、eスポーツ系のコア層なのかお聞きしたいです。
David: 非常に簡単な回答になりますが、その両方だと思います。というのも、『Firewall Ultra』をデザインした際にVRをプレイしたことがないユーザーさんでも簡単にプレイできるようにデザインしています。例えば、リロードに関して言えば、ボタン一つでできるなどです。また、他の操作も複雑なモーションやリアルなモーションが必要なデザインではなく、容易に操作できるようになっています。
本日ご紹介したように、このゲームは非常に強烈で、常に警戒しながらチームで協力し、コミュニケーションを取り、戦略的にプレイする必要があります。『Firewall Zero Hour』でもコミュニティ間でトーナメントがあったと思いますが、『Firewall Ultra』でも同様に発展していけるとうれしいです。
ファンへのコメント:PvPでもPvEでも
-- このゲームを楽しみにしているファンやプレイヤーに向けてコメントをお願いします
David: PvPモードではフレンド同士でチームワークを使いながら戦うようなプレイもできますし、新しいユーザーと出会うようなプレイの仕方も可能になっています。もちろんPvEモードでも同じように目指しています。また、今日はご紹介しきれませんでしたが、トレーニングモードもあります。ここでゲームプレイを練習してスコアを伸ばしていくような楽しみ方もできるので、どんなユーザーにとっても何か楽しみ方が見つけられるようなゲームになっていると考えています。
コメント
コメント一覧 (1件)
前作は武器とかがレベル性+金でアンロックな上にだるかったからなー
正直psvr2ならpavrov買った方がいいぞ