配信プラットフォームのTwitchが、半導体メーカーのNVIDIAと配信ソフトのOBSと協力し、一つのPCから複数の解像度で配信できる計画「Enhanced Broadcasting Beta」を本日2024年1月9日に発表した。
また、エンコーダ形式”AV1”での配信にも対応することで画質の向上も計画している。
高解像度と低負荷の葛藤
ストリーミング配信には、解決が難しい問題がある。 例えば、高画質を求めて解像度を高く設定した配信をすると、低速回線やCPU性能が低い端末ではロードや遅延が多発してしまう。一方で、低負荷で誰でも視聴できるように設定すると、今度は画質が犠牲になってしまう。結局どちらにしても、不満を抱く視聴者が生まれてしまうのだ。
Twitchはこの問題への対策として、自社のクラウドサーバーで各視聴者向けに最適な解像度に変換するトランスコードを導入。しかしながら運用には多大なコストがかかるため、Twitchパートナーは必ずトランスコードによる複数解像度配信ができるが、それ以外の配信者はその時のサーバーの状況次第となっていた。
本日、2024年1月9日にTwitchはNVIDIAとOBSと共同でこの問題を解決できる”Twitch Enhanced Broadcasting Beta”を発表した。
"Twitch Broadcasting"で悩みを解決
NVIDIAの対応グラフィックカードを利用すれば、一つのPCから最大3種の複数解像度・品質で配信できるようになるので、配信者はTwitchのトランスコードに頼らずとも視聴者に最適な配信ができる。対応しているグラフィックカードは最新のRTX 4000番台からGTX 900番台までと範囲が広い。
複数解像度での配信がしたければ、OBS側が自動でPCの性能とアップロード帯域に合った設定をしてくれるので、ユーザーが各解像度ごとに設定をいじる必要はないのでお手軽だ。
Enhanced Broadcasting Beta 参加方法
”Enhanced Broadcasting”はまだクローズドベータテストの段階で、こちらのページから参加申請ができる。 早ければ来週からベータテストが始まる。テストにはNVIDIA製GPUが必須で、Windows 11と最新のOBSが推奨されている。
なお、Enhanced Broadcastingが始まってからも、Twitchパートナーにはトランスコードが約束されているので、クローズドベータテストに参加できなくてもこれまでの配信環境が崩れることはないので安心していい。
次世代コーデックAV1対応
GoogleやNetflixなどが開発に携わった「AV1」は、4K画質でも高い圧縮率でエンコードできるストリーミング向けの次世代コーデック。もちろんOBSも対応。
Twitchは今後もストリーミング環境の改善を計画しており、新しいコーデックのHEVCとAV1への対応も掲げている。とくにAV1は次世代コーデックとして注目されており、現在主流のH.264より最大40%も効率があがるため、画質は向上して帯域の圧迫は下げるという夢のような話も可能だ。
実はYouTubeは一足早く昨年からAV1に対応している。 TwitchでもYouTubeでもAV1配信にはRTX 4000番台が必要となる。
Gaming Device Power Tune for FPS
Source: Twitch
コメント
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こいつは嬉しいけど、Nvidiaが先行か
はやくintel arcにも対応して欲しい…その為に俺はA380を買ったんだ…