本日2024年11月23日、Blizzard Entertainmentの『Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )』では、次のシーズン14で実装される新規タンクヒーロー「ハザード」の先行プレイ(トライアル)期間を実施。全プラットフォームのライバル・プレイを除くゲームモードでハザードが使用可能となっている。
OW2 新タンクヒーロー「ハザード」
ロール | タンク |
体力 | ロールキュー:650(通常425+アーマー225) オープンキュー:500(通常275+アーマー225) |
「ハザード」のトライアル期間は、2024年11月25日まで。以下では、トライアル期間中にクイック・プレイとカスタム・ゲーム、練習場で検証したハザードの基本性能について紹介を行う。
ハザード:所持アビリティ
クライミング(パッシブ):壁登り亜種
“サイバー体術”や“壁登り”に似た性能の機動力補助パッシブ。それらに比べて登れる高さは低めだが、その有無で機動力は雲泥の差。高度さえ足りていれば登っている壁と別の壁のふちを掴んでよじ登る事も可能。
さらに、本パッシブと好相性のアビリティも複数持っているため、組み合わせ次第ではそれらを上回る高度に到達することができる。
ボーン・スティング:メイン射撃(ショットガン)
ダメージ | 1ショット:約6.75×10=約67.5 最低保証ダメージ:約2 |
距離減衰適用距離 | 約15m~35m |
最大装填数 | 8 |
リロード時間 | 約2.3秒 |
射撃タイプ | ショットガン(プロジェクタイル) |
ヘッドショット | 〇(2倍) |
メイン射撃の“ボーン・スティング”は、ショットガンタイプの射撃で横長の長方形の形に散弾が発射される。同じショットガンタイプのタンクヒーローには「ジャンカー・クイーン」や「ロードホッグ」が存在し、1ショットあたりのダメージ量では劣るものの、高めの射撃レート(約2ショット/秒)が魅力。
また、後述する防御アビリティ“スパイク・ガード”を展開している間、自動的に1ショット分ずつリロードされる効果も持っている。アビリティを上手く交互に扱うことができれば、長時間リロードせずに立ち回ることが可能だ。
「ショットガン」という射撃タイプと「距離減衰の影響を受ける」性質上、中~遠距離ではその性能が著しく低下してしまう。そのため、後述するアビリティを活用し、有効射程内での戦闘を積極的に仕掛けたい。
スパイク・ガード:攻防一体のブロック
ダメージカット率 | 75%軽減 |
ダメージ | 1発:12.5 最長展開時:合計262.5ダメージ(21発) |
クールタイム | 約1秒 |
射程(捕捉)距離 | 前方約8m(扇状) |
展開時間(最長) | 約3.5秒 |
リソース回復速度 | 約5秒(0からフルまで) |
射撃タイプ | プロジェクタイル |
ヘッドショット | × |
ドゥームフィストの“パワー・ブロック”やラマットラ(ネメシスフォーム)の“ブロック”に似た性質(ブロック系)の防御アビリティ。ダメージ軽減率は、ラマットラと同じ75%に設定されている。
それらアビリティと大きく異なる点はアビリティ発動中、前方に攻撃を行うという点。効果範囲とダメージレートはそこそこだが、追尾機能を持つため高機動ヒーローを取り逃しにくく、ダメ押しとしての性能は一級品。ただし、発射されるスパイクは、バリア系・吸収系(“ディフェンス・マトリックス”等)・反射系(“木の葉返し”)すべての対象。
対象が複数存在する場合もダメージが分散することはない(対象数に応じて増加)が、弾道上に大きな的(タンクやバリア等)が存在する場合は、後ろの分のスパイクがヒットしてしまう点は注意。
一方で“スパイク・ガード”は物(タレットやバリア)も対象として射撃を行う。例として“バリア・フィールド”を展開しているラインハルトを対象に取った場合(上画像)、ラインハルトに攻撃は届かないが、バリアに対して2倍のダメージを与えることが可能。他の攻撃対象も存在すれば、盾割り性能に期待した運用も視野に入るだろう。
D.Vaの“ディフェンス・マトリックス”と同じ「リソース制」である点も“スパイク・ガード”の特徴。必要に応じて細かく展開することが可能だが、“ボーン・スティング”の自動リロードは展開時間に応じて進行するので、自動リロードを活用したい場合はそちらにも気を配る必要がある。
被ヘッドショット判定がなくなるおまけ効果も付いているが、ブロック系防御アビリティの宿命としてアナの“スリープ・ダーツ”と“バイオティック・グレネード”は天敵。また、射程内であれば“スパイク・ガード”の攻撃で妨害できるものの、射程で上回られてしまうソンブラの“ハック”も要注意。
バイオレント・リープ:機動力兼バーストダメージ
ダメージ(スラッシュ部分) | 80 |
クールタイム | 5秒(跳躍開始直後から) |
移動距離 | 約15m |
攻撃タイプ | 物理 |
ヘッドショット | × |
“バイオレント・リープ”は、アビリティの起動で前方に飛び掛かり、再度キー入力(または近接攻撃)を行うと専用の派生攻撃(スラッシュ)を行う。飛び掛かるモーション中は、派生攻撃を行う近接攻撃以外すべての攻撃が可能。
またアルティメット・アビリティと派生近接、“クライミング”以外の行動では、飛び掛かりモーションがキャンセルされない。それを活かし「飛び掛かり→射撃(またはアビリティ)→派生近接→近接」のような攻撃連携を組むことができる点はハザードを使う上でおさえておきたい。
単体でのジャンプ高度に関してはそれほど高くなく、ウィンストンの“ジャンプ・パック”程の高所取り性能はないが、“バイオレント・リープ”の発動で“クライム”の使用制限がリセットされる。「クライミング→バイオレント・リープ→派生攻撃→クライミング」と動いた場合、かなりの高度に到達できるので“バイオレント・リープ”を消費してよいシーン(防衛側待機中等)では、狙ってみても良いだろう。
そうして獲得した高度は、飛び掛かりから派生攻撃までの猶予増加(組み込める攻撃回数の増加)や、クールタイムの消化に活用できる。
派生攻撃の判定は物理に設定されており、一般的なバリアや吸収系アビリティを貫通する。加えて、“ロケット・ハンマー”のような物理攻撃からも身を守れるゲンジの“木の葉返し”に対しても、貫通してダメージを与えられる点は覚えておきたい。
“バイオレント・リープ”の派生攻撃は安定して出せるハザードのバースト火力。着地後も僅かながら派生攻撃を出す猶予があるため、しっかりとヒットさせよう。ノックバック効果も持っているので、次に紹介する“シャギー・ウォール”に押し付ける動きも強力だ。
ジャギー・ウォール:ノックバック+与ダメージの壁
ダメージ | 40 |
耐久値 | 350 |
持続時間 | 最長約5秒 |
クールタイム | 12秒(弾丸発射直後から) |
高さ | 約4m |
射撃タイプ | プロジェクタイル |
ヘッドショット | × |
着弾時にメイの“アイス・ウォール”より僅かに低く、柱2本分程度の幅の壁を出現させる射撃アビリティ。着弾後に展開される壁は“アイス・ウォール”1本よりも少し硬い耐久値350。展開された壁は、接触した敵に40ダメージとノックバックを与える効果を持っている。
発射した弾丸は、重力の影響を受けることなく直進する。この状態はヒーローをすり抜けるが、バリアアビリティには阻まれてしまう(その場で落下する)。また、同状態の“ジャギー・ウォール”は、吸収系・反射系の対象。
メイの“アイス・ウォール”やラマットラの“ヴォイド・バリア”のように設置する際のガイドが出現しないため狙った位置への展開には慣れが必要だが、展開までの手順が少ないため上手く扱えば前後の行動を妨げにくいとスムーズな連携が可能。
壁による味方へのダメージとノックバックはないものの、展開する際の押しのけや射線を切ってしまう等、展開が邪魔になってしまう可能性がある点は常に考慮したい。万が一邪魔な壁を展開してしまった際には、再度アビリティキーを入力することで壁を即時破壊することが可能(弾状態でのキャンセルは不可)。
ヘヴィ・レイン(アルティメット・アビリティ)
ダメージ | 90 |
効果範囲 | 前方約30m×横約8m |
TRAPPED(拘束)効果時間 | 約2.5秒 |
ヘッドショット | × |
前方広範囲にダメージとデバフ「TRAPPED」を与えるスパイクを降らせるアルティメット・アビリティ。スパイクは障害物(屋根や壁)の有無に関わらず降り注ぐうえ、高度を問わず効果を与える。そのため、飛び回っているヒーロー(ファラやエコーなど)を地に叩き落とすことができる。
降り注ぐスパイクは、バリア・吸収・反射での防御に対応するが、反射は無効化のみ。それらでの防御は真上を向いた場合はもちろん、水平よりも気持ち上程度でも対応可能。
「TRAPPED」の効果は、ジャンクラットの“スティール・トラップ”と同様で、対象の移動と移動アビリティを封じる効果を持つ(射撃・移動を伴わないアビリティは使用可能)。キリコの“鈴のご加護”では解除できないが、ライフウィーバーの“ライフ・グリップ”やシンメトラの“テレポーター”で脱出(解除)できるため、対面時には少し意識したいポイント。
アビリティ発動後、相手視点では効果範囲が赤く表示されるため、見てから無敵アビリティや移動アビリティで避けることが可能。“ジャギー・ウォール”であらかじめ退路を塞いでおく、追い込んだ先に“バイオレント・リープ”を叩き込む等で有効性をを高めたい。
ハザードの評価(トライアル時点)は?
ハザードの強み:高い機動力と応用の効くアビリティ連携
ハザードの強みとしてわかりやすいのは、タンクトップクラスの機動力。タンク初の機動補助パッシブ持ちヒーローであり、与ダメージ性能を持つ“ジャギー・ウォール”と“バイオレント・リープ”も移動補助として利用可能。素早く接近戦に持ち込めるため、ショットガンタイプの射撃“ボーン・スティング”の性能を遺憾なく発揮できる。
攻防一体の“スパイク・ガード”と“ジャギー・ウォール”、機動補助兼バースト火力の“バイオレント・リープ”といった具合に、1つのアビリティに複数の用途が用意されているのもハザードの魅力。それらの組み合わせで各アビリティの長所を伸ばしたり、短所を補ったりと応用が利くうえ、それらがシームレスに繋がっていく爽快感はハザードの大きな魅力と言えるだろう。
体力中のアーマー比率が高く、“スパイク・ガード”のダメージ軽減も優秀であるため、本人は意外と高耐久。“バイオレント・リープ”のクールタイムも5秒と短いため、上手くヒット&アウェイを回せればレート帯を問わず運用できそうだ。
ハザードの弱点:防御アビリティの信頼性にやや難あり
そんな機動力を活かした攻め能力の高さが魅力のハザードだが、チームとして考えた場合の「防御力」。まず、バリアアビリティのようなわかりやすく「味方を守るアビリティ」が“ジャギー・ウォール”のみで、耐久値も350とかなり脆い。
ジャンカー・クイーンやレッキング・ボールのように味方に追加ライフを与えるアビリティを持っているわけでもないため、積極的な攻撃で自身がフォーカスを受け、後衛への火力を抑える動きは必須だろう。
また、ドゥームフィスト程ではないもののアビリティへの立ち回り依存度が高いため、ソンブラの“ハック”やキャスディの“フラッシュ・バン”でそれらを封じられてしまうと厳しい展開を強いられやすい。同時にそれらヒーローは「(タンクと離れ)無防備になった後衛」に圧力をかけやすいため、被せられた際に後ろには気を配る必要が出てきてしまい、思うような立ち回りが難しくなってしまう。
どのような構成と対面した場合であっても、射撃とアビリティの連係で素早くキルを発生させ、発生する被ダメージを減らす攻撃的な防御が重要。
新ヒーロー「ハザード」まとめ
ハザードをプレイする上で重要な要素は「判断力」。タンクというロール自体「判断力」を求められやすいロールではあるがハザードは、シンプルなダメージ無効化能力(バリアや吸収)や自己回復、追加ライフ獲得アビリティを持たず交戦中の「待った」が利かないため特に重要。見えている情報をしっかりと処理し、押し引きの線引きをしっかりと決める立ち回りが求められる。
組み込む構成は、メイン射撃が近距離で有効なショットガンタイプであり、高い機動力を持つためダイブ構成が分かりやすく好相性。飛び込んだハザードが無視しにくい性質上、ファラやウィドウメイカーを投入したハイダイブ的な構成も面白そうだ。
ハザードのヒットボックスは、ドゥームフィストやジャンカー・クイーンと比べ、横に少し大柄な印象。敵からの被弾を避けにくいが、結果的に後衛への流れ弾防止に繋がり、味方からの回復も受けやすい利点と考えることもできる。
ハザードはアルティメット・アビリティを含め、アビリティ1つで決めきるポテンシャルこそ持たないものの、組み合わせで戦術の幅を大きく広げられる無限の可能性を秘めている。プレイ時間に応じてより個性を引き出せる魅力的なヒーローであり、何より動かしていて楽しいタンクヒーローであるため、防御アビリティに乏しいタンクヒーローが苦手なプレイヤーもぜひトライアル期間に触ってみてはいかがだろうか。
過去にトライアル期間が設けられた追加ヒーローたちのように、実装時(シーズン14開幕時)に何らかの調整が加わる可能性は高いが「トライアル時点でのハザード」についてどのように感じたか、皆さんの意見もぜひ聞かせてほしい。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
Source: Overwatch
コメント