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『CoD』チート問題の真相? アクティビジョン元スタッフが語る「超シンプルな理由」

『CoD』のチーター問題はなぜ改善しない? アクティビジョン元スタッフが語る「超シンプルな理由」
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現在の『Call of Duty: Black Ops 6(コールオブデューティ: ブラックオプス6)』および『ウォーゾーン』を含め、CoDコミュニティは長らくチーター問題に悩まされている。「RICOCHET(リコシェ)」というアンチチートシステムも導入されているものの、プレイヤーたちが満足できる環境を維持できていないのが現状だ。

このチーター問題については、CoDシリーズならではの特殊な事情が絡んでいる可能性がある。元Activision(アクティビジョン)スタッフが、Xにて興味深いコメントをしている。

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『CoD:BO6』のチーター問題

チーターは、当然ながら『コール オブ デューティ』だけの問題ではない。他者の人気作である『エーペックスレジェンズ』、『VALORANT(ヴァロラント)』、『レインボーシックス シージ』など、対戦型FPSでは必ずと言っていいほど懸念されている不正行為だ。

しかし「どこも同じ」と言われても、当然プレイヤーは納得できない。CoDコミュニティでも幅広い層がチーター被害を報告。証拠のクリップが毎日のように投稿されている。特に競技向けモードの「ランクプレイ」では、コンソール版とPC版ユーザーのクロスプレイが強制されていることもあり、コンソール版プレイヤーにまでチーター被害が及んでしまっている。

こうした現状に対し、開発チームも何もしていないわけではない。RICOCHETの担当チームは先日のツイートで、先日新たに2万の不正アカウントをBANしたと発表した。さらに2025年初からシーズン02に向けて、RICOCHETの大型アップデートも予告した。

しかしリプ欄などからも伝わるように、プレイヤーからの信頼は得られていないのが実状だ。

アクティビジョン元スタッフによる「超シンプル」な理由

そんな中で12月25日、アクティビジョンの元スタッフでマーケティング・コンサルタントのJustin Taylor氏がXでコメント。チートとアンチチートをめぐるコミュニティの議論に新たな争点をもたらし、注目を集めている。

「なぜ『コール オブ デューティ』が他のゲームよりもはるかに多くのハッキング被害に遭っているのか知りたいのなら、ご説明しましょう。私はActivisionに4年間勤めていましたから。

理由は超シンプルです。CoDには3つのスタジオ(Sledgehammer、Infinity Ward、Treyarch)があり、彼らは互いに協力をしたがらず、基本的に毎年ゼロからゲームを作っているからです。

エーペックスレジェンズ』や『フォートナイト』、『VALORANT』などのように、1つの製品を作り上げ、時間をかけて改善するということをしていません。つまり皆さんは毎年新しい製品を買っているのであって、開発側がそれ(チートなどの問題点)に気付く頃には、新しいスタジオが新しい『コール オブ デューティ』をリリースしているわけです」

Taylor氏が務めていたのはデジタル・マーケティング部門のシニア・ディレクターであり、少なくともアンチチートの担当ではない。今回の話も、技術的な問題を具体的に指摘しているわけではない点には注意したい。

だた、Activision社内の様子を直接見ていた人物の意見として非常に興味深く、『コール オブ デューティ』の弱点を示唆しているのかもしれない。

CoDシリーズの「強み」が最大の弱点?

『CoD:BO6』&『ウォーゾーン』のチーター問題はなぜ悪化している? アクティビジョン元スタッフが語る「超シンプルな理由」
毎年新作をリリースするCoDだが...

『コール オブ デューティ』シリーズの強みは、何と言ってもその圧倒的な開発規模にある。

他のライブサービス型ゲームが「大型アップデート」に専念しているのに対し、『コール オブ デューティ』ではInfinity Wardなどのメインスタジオを中心に、10社以上のスタジオが連携。大型アップデートだけでなく、毎年「完全新作」を販売している。

ゲーム自体はシンプルなので、簡単にコピー商品が作れそうに見える一方、毎月大量のコンテンツをリリースし、毎年新作を売り出す開発力は決してコピーできない。たとえ類似ゲームが出てきても勝負にならないのが実際のところだ。

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しかしTaylor氏によって、この「複数のスタジオが、持ち回り式で毎年新作を出すしくみ」が、ゲームセキュリティにおいては弱点になっている可能性が浮上した。

ゲームエンジンが同じなので、『BO6』や現在の『ウォーゾーン』でも、『MW2』と『MW3』の時期に強化してきたセキュリティが脈々と受け継がれているようなイメージがある。だが実際には、そうではないのかもしれない。

「話は皆さんが考えているよりもシンプルです。各スタジオは、開発に使いたい独自のエンジンを持っているんです」

Taylor氏によると、各スタジオは統合されたエンジンを互いに共有・アップデートしているのではなく、それぞれ独自のエンジンで開発をしているのだという。「毎年ゼロからゲームを作っている」という表現が本当に文字通りなら、毎年チーターで溢れかえり、一向に改善されないのも当然だ。

じゃあRICICHETとの協力関係は?

CoD:ヴァンガード:チート対策の新構想"RICOCHET ANTI-CHEAT"発表、チーター監視用カーネルドライバを年内リリース
RICICHET

とはいえ、納得しにくい部分もある。

各スタジオが「協力したがらない」とは、あくまで「それぞれがスタジオカラーを押し出した作品を開発することに熱意を持っており、他スタジオと同じような作品になるのを避けようとしている」という話であり、決して「アンチチートにも協力していない」という意味ではないと信じたい。

RICOCHETは『コール オブ デューティ』シリーズを統合するアンチチートであり、その開発・改善には各スタジオの協力が不可欠のはず。各スタジオが本当に単独行動に近いことをやっているのなら、そもそもRICOCHETは成立しない。

RICOCHETチームが各スタジオどのように連携しているのかは、今回Taylor氏からは明かされていない。チーターが溢れている以上、システムのどこかに落ち度がある可能性は否めない。しかしTaylor氏の言うように、"シンプルに"スタジオの持ち回り制度が犯人と結論を下せるかどうかは、もう少し材料を待ちたいところだ。

2025年が勝負どころか

プレイヤー側は、果たしていつまで待ってくれるだろうか。

多くのゲームコミュニティと同様、CoD界もSteam Chartsのプレイヤー人口推移をよく気にしており、目立った変動が見られたときに議論の叩き台に使われる。

『CoD:BO6』&『ウォーゾーン』のチーター問題はなぜ悪化している? アクティビジョン元スタッフが語る「超シンプルな理由」
Steam Chartsより(記事執筆時点)

これはあくまでSteam版だけのトラッキングデータだが、「Steam版でのプレイヤーの増減は、他のプラットフォームでのプレイヤーの増減とも連動している」という理論だ。つまりSteamで人口が減ったなら、Battle.net版、PlayStation版、Xbox版でも減っているのかもしれない(※この点は実証手段がないので話半分に)。

Steam版の数字は『MW2』、『MW3』、『BO6』、『ウォーゾーン』の合算だが、『BO6』の実質的な初月である2024年11月と比較して、12月現在は約40%のプレイヤーが減少している。「月平均プレイヤー10万人」に不満を述べるのが妥当かどうかは別として、コミュニティはこの数字を不安視し、その原因をチーターに結びつけている。

環境を改善できるかどうかは、やはり開発側次第だ。『ウォーゾーン』を手がけるRaven Softwareは、ホリデー休暇が明けてすぐにアップデートをリリースすると告知している。

年末年始をCoDで、特にランクで過ごしたいプレイヤーたちには不満な話だが、まずは年初からのアンチチート策にどのような成果が見られるかに注目していこう。

チーターを完全排除することは技術的にも難しいとされているが、それでもコミュニティの人々がある程度納得できる、何らかの結果が得られることに期待したい。

『CoD』のチーター問題はなぜ改善しない? アクティビジョン元スタッフが語る「超シンプルな理由」

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コメント

コメント一覧 (7件)

  • これを信じるとするならBO6からエンジンの規格がある程度統一されてどのスタジオでもMW19派生エンジンに統合されつつあるのがほぼ確定だから今後に期待やね
    MW3はそう判断するには例外が多かった

  • なるほど、チート問題にかかわらずこれが足を引っ張ってるからスタジオを統合する上位部署みたいなのを作ったのか

  • CS2みたいに全く対処されないよりかはマシだけどね

  • MWⅡ(IW)やMWⅢ(SHG)では射撃場で試し撃ちやカスタム弄ってても次のマップが確定したらバナーで表示させてくれてたけど今作一切無いから特にTAは他のチーム無視して作ってるのがわかるね
    MWシリーズとか触ったことすら無いんだろう、3試合もやれば不便さに気づくから

  • チートと言うが、Steam Chartsを出されても他ゲーと違ってユーザー全体の数に入れるのはちょっと間違いかな 確実なのはPC民のCoDでの話であって全体の話になると少し異なる点だと思う
    と言うのはCoDのユーザーってCSメインで、等のCSは精々コンバーター+アンチリコイル 
    行為事態の是非は置いておくとして現実的な話としてCSとPCではチートによる被害のレベルが全然違うのは考慮すべきよ 
    補足として一応RICICHETはCS機でも実装されてて連射PADには反応する。ただしマウストラップ等は一切無し(もしくはCoDのゲームスピード的に実装不可説がある)

    でなければCS機シェアでトップとってるPS民達がコンバーターがいようがPCとのクロスプレイ切ってプレイしてる説明がつかないからな 
    ちかも通常のゲームR6Sや現状のApex/BFとかはクロスプレイをオフにするとプレイ不可かもしくはマッチ時間の延長があるのにPS版CoDだけは人口が安定してるからクロスプレイ切ってもデメリットが無いのもでかい 
    CODだけは通常のPCゲームと事情が異なるからPCユーザーがおざなりにされるってのはあるのかもね

  • 誤認シャドウバンループによって物理的にプレイ出来る人が少なくなったってだけだろw

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