Electronic Arts(EA)が開発中の『バトルフィールド』シリーズ最新作。『バトルフィールド6』と囁かれている以外の多くはいまだ謎に包まれているが、ゲームの根幹に関わる「兵科システム」について、開発がコミュニティとの対話に乗り出す姿勢を明らかにした。
新作『BF』ではオープンベータは武器ロックモードあり
最新の発表によると、今後実施されるオープンベータでは、兵科ごとに武器を固定する(ロックあり)ルールのプレイリストと、全ての武器を自由に選択できる(ロックなし)ルールのプレイリストの2種類が用意されるという。これは、以前からコミュニティで激しい議論を呼んでいた問題に対し、プレイヤー自身がテストを通じて意見を述べられる機会を開発側が設けた形だ。
炎上した「武器アンロック」案、コミュニティの声が開発を動かす
事の発端は、開発初期段階から示唆されていた「兵科システム」の仕様にある。新作『バトルフィールド』では、過去作の伝統的な兵科システムから一歩進み、どの兵科でも好きな武器カテゴリーを選択できるシステムが検討されていると伝えられていた。
この仕様が明らかになると、コミュニティからは猛烈な反発が巻き起こった。特に、前作**『バトルフィールド 2042』**ではスペシャリストシステムと武器選択の自由化が導入された結果、兵科ごとの役割が曖昧になり、伝統的なチームプレイが損なわれたと感じるプレイヤーが多かった。そのため、「なぜ『BF2042』の失敗を繰り返すのか」「コミュニティの意見を無視するな」といった厳しい意見が、開発者へのSNSの返信欄などに殺到する事態となっていた。
今回の発表は、こうしたコミュニティの声を真摯に受け止めた結果だと考えられる。開発チームは、武器の選択肢を広げるか、それとも制限するかについて、以下のように述べている。
「武器の選択を自由にするか、それとも制限するか。両方を試してみてはどうでしょうか。オープンベータより、プレイヤーの皆さんは複数の公式プレイリストを選択できます。シグネチャー武器を兵科ごとにロックした状態にするか、あるいは開放するか。続報をお待ちください」
これにより、プレイヤーは実際に両方のルールセットを体験し、どちらが新作『バトルフィールド』にふさわしいかを自ら判断できる機会を得ることになる。
なぜ重要か?「武器ロック」賛成派の主張
そもそも、なぜ「兵科ごとの武器ロック」はここまで重要視されるのだろうか。コミュニティで大多数を占める賛成派の意見は、主に以下の3点に集約される。
1. 兵科の役割とアイデンティティの維持
『バトルフィールド』シリーズの魅力は、突撃兵、援護兵、工兵、偵察兵といった各兵科が、明確な役割を持って協力しあう大規模なチーム戦にある。武器ロックは、その役割を担保するための重要な要素だ。
例えば、「突撃兵は近~中距離が得意なアサルトライフル」「偵察兵は遠距離のスナイパーライフル」といったように武器が固定されているからこそ、各プレイヤーは自分の役割に専念し、仲間と連携して弱点を補い合う必要が生まれる。武器選択が自由化されると、誰もが自己完結した万能なロードアウトを目指すことになり、兵科の存在意義が失われかねない。
2. 対戦環境の多様性確保
全武器がアンロックされると、特定の武器とガジェットを組み合わせた「最強ロードアウト」が一つに定まってしまう危険性がある。そうなれば、多くのプレイヤーがその構成を真似し、戦場が同じような兵士ばかりになる「メタの画一化」が進んでしまう。
武器を兵科でロックすることにより、多様な武器や戦術が共存する余地が生まれ、より豊かで予測不能な対戦環境が維持される、というのが賛成派の考えだ。
3. 過去の成功体験への回帰
やや感情的な意見ではあるが、「『BF3』や『BF4』のようなファンから高い評価を得た成功作は武器ロック方式だった」という指摘も根強い。一方で、システムを大きく変更した『BF2042』が発売当初に苦戦した事実から、「成功したフォーマットを参考にする方が安全だ」と考えるプレイヤーは少なくない。
反対派の視点:「武器アンロック」の可能性
一方で、「武器アンロック」にも利点がないわけではない。コミュニティでは少数派だが、長期的なライブサービスの観点から見ると、以下のようなメリットも考えられるだろう。
ライブサービス型のゲームでは、シーズンごとに新しい武器を追加してプレイヤーを飽きさせない工夫が不可欠だ。しかし、「新しいアサルトライフル」を何十種類も追加していくと、それぞれの個性を出すのは次第に困難になる。
ここで参考になるのが、ライバルである『コール オブ デューティ』シリーズのガンスミスシステムだ。同作では、アタッチメントによって武器の性能を劇的に変化させ、SMGをアサルトライフルのように、マークスマンライフルをフルオート化するといった「武器種の境界を越える」カスタマイズが可能となっている。

もし『バトルフィールド』が最初から武器選択を自由化しておけば、このような大胆な新武器やカスタマイズ要素を導入しやすくなり、長期的なコンテンツ展開に柔軟性が生まれる可能性がある。
結局のところ、兵科で武器をロックしたとしても、「偵察兵が使えるカービン」や「突撃兵が装備できる長射程SMG」のような武器が登場すれば、ロックの意味合いは薄れていく。それならば、最初からアンロックにしておいた方が、開発の自由度が高まり、結果的にプレイヤーにとっても新鮮な体験が続くのではないか、という視点だ。
まとめ:結論はオープンベータで。どちらの『BF』を望む?
新作『バトルフィールド』には、武器選択の他にも「訓練」や「シグネチャー武器・特性・ガジェット」といった数多くの新システムが搭載される予定だ。これらの要素が複雑に絡み合うため、「武器ロックの是非」という一つの問題だけでゲームの全体像を判断するのは難しい。
机上の空論を戦わせるよりも、実際にオープンベータで両方のプレイリストを体験し、そのうえで開発チームにフィードバックを送ることが最も建設的だろう。
オープンベータの開催日程はまだ不明だが、続報が入り次第お伝えする。日本の『バトルフィールド』コミュニティは、この問題についてどう考えているだろうか。ぜひ、コメント欄であなたの意見を聞かせてほしい。

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コメント
コメント一覧 (27件)
武器ロックでもロックなしでもいいが、CoDみたいな架空のゲテモノ銃やアタッチメントだけはご勘弁願いたい。記事のアタッチメントの画像を見ているだけで頭が痛くなってきたぞ。
ボディアーマーを装備していない相手でもストッピングパワーの乏しい.22LRのピストルとか、仮に実在していたらFALやM14,G3と同様にリコイルが酷くて使い物にならないであろうフルオートで発射可能なSVDをなぜリアリティを完全に無視して実装しようと思ったのか開発陣に聞いてみたい。
兵科の役割分担の本質って60人対戦の中30人の統制をとるための
システムだから武器もそういう意味では必要ではあるんだよ
実際の話、ゲームではあるにしろ元にしてるのが軍事行動だから統率が取れてないとただの烏合の衆同士の混戦にしかならなくなる
モードはコンクエとブレイクスルーだけで良い
評価してやるから早く俺を招待しやがれ
開発チームにCoDを制作したスタッフも居るだろうがCoDの真似事は要らんねん。俺らがやりたいのはBFなんや。マップを一新して美しくなったBF4なんや
対戦環境の多様性って…人種とか以外にも多様性求めるのかよ
それな