ゲーミングモニターの世界は、リフレッシュレート競争の激化とめまぐるしい技術革新により、ほんの数年前の常識が通用しない領域へと突入している。かつては一部のハイエンドユーザーの証であった300Hzを超えるスペックも、今や現実的な価格帯まで浸透しつつある。
そんな市場に、新進気鋭のメーカー「AMZFAST(アメイジングファスト)」が投入したのが、今回レビューする25インチゲーミングモニター「AMZG25F6F」だ。
320Hzという競技レベルのリフレッシュレートを搭載しながら、Amazonプライム感謝祭2025での販売価格は2万円を切るという衝撃的なコストパフォーマンスを掲げる。本記事では、その驚異的なスペックの実用性や細部の作り込みに至るまで、徹底的に検証していこう。
“価格破壊”ゲーミングモニター AMZFAST AMZG25F6F レビュー

- どんな製品?:320Hz/1msの競技スペックを3万円以下で実現した、白基調の25インチFast IPSゲーミングモニター。
- 向いてる人:低価格で高リフレッシュレート環境を構築したい人 / デスク周りを白で統一したい人 / PS5で120Hzプレイをしたい人。
- 向いていない人:モニターの位置や向きにこだわりたい人 / 内蔵スピーカーが必須な人。
- カラー:ホワイト
- 良い点:2万円以下で320Hzが手に入る圧倒的コスパ / ケーブル類まで白で統一されたデザイン / 業界最長クラスの5年保証 / コンソール機でも使える彩度調整機能。
- いまいちな点:スタンドの調整機能がチルトのみ / スピーカー非搭載 / 一部のゲーミング機能(AIクロスヘアなど)の実用性が低い。
- Amazon価格(税込):¥19,949 (プライム感謝祭2025価格)
- 限定クーポン:2025年11月2日の23:59まで使えるAmazonクーポン「10OFFAMZ」でさらに10%オフ(17,954円)。
- 公式サイト:AMZFAST
AMZG25F6F レビュー結論:価格破壊の320Hzモニター

- 320Hzのハイスペックが2万以下で手に入る神コスパ
- ケーブル類もホワイト統一
- コンソール機でも有効な「彩度」調整機能
- 業界最長クラスの5年間保証
- 小型ACアダプターと軽量設計
- 調整機能が限定的な付属スタンド
- 内臓スピーカー非搭載
- 実用性に欠ける一部のゲーミング機能
結論として、「AMZG25F6F」は、これまでハイエンド機に限られていた320Hzというスペックを、エントリークラスの価格帯に持ち込んだ戦略的な製品だ。2万円を切る価格で競技シーン標準のFast IPSパネルと320Hzを提供するだけでなく、白で統一されたデザインや5年保証、コンソール機でも有効な彩度調整機能など、価格以上の付加価値も備えている。
もちろん、付属スタンドの調整がチルトのみやスピーカー非搭載といった点は、低価格を実現するための明確な割り切りだ。しかし、これらはモニターアームや外付けスピーカーの利用を前提とすれば解決可能な要素で、表示性能にコストを集中させるという合理的な設計思想に基づいている。
コストを抑えつつ最高のパフォーマンスを求める多くのゲーマーにとって、「AMZG25F6F」は極めて現実的な選択肢となるだろう。
AMZG25F6F フォトギャラリー






項目 | スペック |
---|---|
画面サイズ | 25インチ |
パネル種類 | Fast IPS |
解像度 | 1920 x 1080 (フルHD) |
最大リフレッシュレート | 320Hz (DisplayPort) / 240Hz (HDMI) |
応答速度 | 1ms (MPRT) |
輝度 | 350cd/㎡ |
コントラスト比 | 1000:1 |
入力端子 | DisplayPort 1.4 x2, HDMI 2.0 x2 |
出力端子 | 3.5mmオーディオ出力 x1 |
VESAマウント | 100x100mm |
主な機能 | Adaptive Sync, HDR, ブルーライト低減, フリッカーフリー, クロスヘア, ゲームモード |
本体重量 | 3.7kg |
本体寸法 | 557(W)×329(H)×63(D)mm |
本体寸法(台座含む) | 557(W)×432(H)×220(D)mm |
保証期間 | 5年間 |
Amazon 通常価格(税込) | 25,999円 |
AMZG25F6Fの5つの注目ポイント
1. 2万円以下で実現する320Hzの衝撃
最大の魅力は、やはりその圧倒的な低価格だろう。3年ほど前であれば5万円以上が当たり前だった300Hz超のスペックが、今は2万円を切る価格で手に入るという事実は衝撃的だ。
一般的な60Hzや144Hzのモニターとは比較にならない滑らかさは、『VALORANT』といった競技性の高いFPSや、『Call of Duty』のような試合がハイスピード展開するFPSにおいて、索敵からエイムまでの一連の動作を劇的にスムーズにする。この価格帯でプロシーンにも通用する環境が手に入ることは、多くのゲーマーにとって朗報に違いない。
ちなみにPS5と「AMZG25F6F」をHDMI接続した所、120Hzの動作を確認した。VRR(可変リフレッシュレート)機能は使用できなかったが、コンソールゲーマーでも高リフレッシュレートの恩恵を得ることができる。

2. コンソール機でも有効な「彩度」調整機能
「AMZG25F6F」は、PCゲーマーだけでなくコンソールゲーマーにとっても見逃せない機能を搭載している。それがモニター本体のOSD(オンスクリーンディスプレイ)メニューから直接調整できる「彩度」設定だ。これはNVIDIAコントロールパネルにおける「デジタルバイブランス」とほぼ同等の機能で、画面全体の色の鮮やかさを調整できる。
彩度を高めることでゲーム全体の色彩がより鮮やかになり、FPSでは背景と敵キャラクターの色の差が明確になる。これにより、保護色に近い敵やマップの暗い部分にいる敵の輪郭が際立ち、視認性が向上する。
PS5やXboxといったグラフィック設定が限定的なプラットフォームでも、ゲーム画面の視認性をプレイヤーの好みに合わせて最適化することが可能だ。


3. 業界最長クラスの5年間保証という安心感
どれだけ高性能・低価格であっても、「安いけどどうせすぐ壊れるんでしょ」と製品の信頼性には不安が残るものだ。特に新興メーカーであればなおさらだろう。その点、「AMZG25F6F」は業界でも最長クラスとなる5年間の長期メーカー保証を付帯させている。
これは製品の品質に対する自信の表れで、万が一の際にも長期間サポートを受けられるという安心感は、購入を後押しする大きな要因となる。

4. 快適な操作性と便利な独自機能
実際に操作して感じたのは、OSDメニューのレスポンスの良さだ。低価格帯でありがちな「悪さ」ではない「良さ」なのが意外だ。設定変更時の動作が非常にキビキビとしており、ストレスを感じさせない。また、いくつかのユニークな機能も搭載されている。中央にクロスヘア(十字線)を表示する機能に位置の微調整まで行える仕様なのは珍しく、プレイヤーの視点に合わせた最適化が可能だ。
さらに、解像度はそのままで表示領域を4:3に変更するアスペクト比固定機能も搭載。画面中央に情報が集約されるため、視線をほとんど動かさなくても、画面全体の情報を把握できるようになる。この状態を好むプレイヤーもいるだろう。

5. 小型ACアダプターと軽量設計
地味ながら見逃せないのが、ACアダプターの仕様だ。大型の変圧器がない小型タイプを採用しているため、デスク周りの配線をすっきりとまとめられる。モニター本体も3.7kgと軽量なため、設置や移動が容易な点も評価できる。

320Hzを最大限に活かすための注意点
まず知っておきたいのは、320Hzの性能をフルに活かすには、PC側もそれなりのパワーが必要になるという点だ。ゲームのフレームレートを常に300fps以上で安定させる必要があり、『VALORANT』のような比較的軽いタイトルなら達成しやすいが、グラフィックがリッチなAAA級タイトルとなると、かなり高性能なCPUやGPUを搭載したPCが求められる。
また、すでに240Hzなどの高リフレッシュレートモニターを使用しているユーザーにとって、「320Hzへのアップグレードに価値はあるのか」は重要な判断点だろう。正直なところ、60Hzから144Hzに変えた時のような「世界が変わる」ほどの感動は感じにくいかもしれない。リフレッシュレートが高くなるほど、アップグレードによる変化、つまりフレーム間の表示間隔の短縮幅は小さくなる。
もちろん、NVIDIAの調査によれば、このミリ秒単位の差がエイム精度を向上させるというデータもあり、トッププロがコンマ1秒を削るためには重要な要素だ。しかし、多くのプレイヤーにとっては誤差の範囲と感じられるだろう。

現在144Hz以下のモニターを使用しているなら劇的な変化を体験できるが、240Hzからのアップグレードを検討している場合は、対費用効果が薄いことを理解した上で、完璧な環境を目指すための投資と考える必要がある。ただし、「AMZG25F6F」に限っては、その圧倒的な低価格がこの判断を少し変える。通常であれば僅かな性能向上のために大きな追加投資が必要なところを、エントリークラスの価格で実現しているからだ。
おすすめ設定:AMZG25F6Fのポテンシャルを最大限に引き出す
「AMZG25F6F」の性能を最大限に活かすための、推奨設定を紹介する。設定の意図も併せて解説するので、購入後の参考にしてほしい。
設定項目 | 推奨値 | 理由 |
---|---|---|
Adaptive-Sync | ON | ティアリングやスタッタリングを防ぎ、滑らかな映像を維持するため。 |
輝度 | 100 | ゲーム中の視認性を最大限に確保するため。好みで調整。 |
コントラスト | 50 | 工場出荷時の標準値。バランスが良い。 |
シャープネス | 3 ~ 4 | 過度に上げると輪郭が不自然になるため、程よいレベルに。 |
彩度 | 100 (ゲーム) / 50 (普段使い) | ゲーム中は視認性を高め、コンテンツ鑑賞時は自然な色合いに。 |
応答時間 | ダイナミック | 「強」では逆残像が見えるため、一段階下の設定が最適。 |
MPRT | OFF | Adaptive-Syncと排他仕様。目の疲労を考慮しAdaptive-Syncを優先。 |
設定のポイント:317fps上限設定について
PC環境でAdaptive-Sync(G-SYNC Compatible or FreeSync)を有効にする場合、ゲーム側、もしくはグラフィックボードのドライバー設定でフレームレート上限を「317」に設定しよう。これは、モニターの最大リフレッシュレート(320Hz)からマージンを設けることで、GPUのフレーム生成の僅かな揺らぎによって上限を超えてしまう事態を防ぐための設定だ。これにより、常にVRRの適用範囲内で動作させることができ、ティアリングがなく入力遅延も最小限に抑えた、最も安定したゲーム体験が得られる。
また、応答時間設定は「ダイナミック」が最適だ。最速設定の「強」にすると、オーバードライブが効きすぎてしまい、物体の輪郭に反対色の残像が見える「逆残像(ゴースト現象)」が発生した。MPRT機能は、確かに残像感を低減させる効果は実感できるが、フレーム間に黒画面を挿入する仕組み上フリッカー(ちらつき)が発生しており、長時間のプレイでは目の疲労に繋がりやすい。総合的な快適性を考慮すると、Adaptive-Syncを有効にする方がより良いゲームライフを送れると判断した。

AMZG25F6Fの気になる点
圧倒的なコストパフォーマンスを誇る一方で、価格とのトレードオフと言える部分もいくつか存在する。購入後のミスマッチを防ぐためにも、正直に書き記しておきたい。
調整機能が限定的な付属スタンド
コストの代償として最も大きいのが、付属スタンドの調整機能だ。可能なのは上下の角度を調整するチルト機能のみで、高さ調整、左右の首振り(スイベル)、画面回転(ピボット)には対応していない。最適なポジションを得るためには、別途VESA規格(100x100mm)対応のモニターアームを用意するのが賢明だろう。


スピーカーは非搭載
「AMZG25F6F」本体にスピーカーは内蔵されていない。音声を出力するには、背面の3.5mmオーディオ出力端子にヘッドセットや外部スピーカーを接続する必要がある。ほとんどのPCゲーマーはヘッドセットを使用するため大きな問題にはならないが、留意しておくべき点だ。
実用性に欠ける一部のゲーミング機能
いくつかの先進的な機能は、コンセプトは面白いものの実用面では課題が残る。「AIクロスヘア」は背景色に応じて色が変わる機能だが、モノクロにしか変化しない。グレー表示になる背景では見失いがちで、視認性が高いとは言えなかった。そのため多くの状況ではクロスヘアは赤か緑の固定で使用した方が、安定した視認性を得られるだろう。



また、暗所の視認性を高める機能「ナイトビジョン」も、オンとオフでの明確な変化は感じられず、前述の「彩度」や「コントラスト」などを最大値に上げた方が遥かに敵を認識しやすかった。



総評:性能と価格のバランスを破壊する320Hzモニターの新星

AMZFAST「AMZG25F6F」は、これまで高嶺の花であった高リフレッシュレート環境を、一気に身近なものにした一台だ。そのコストパフォーマンスは圧倒的で、320Hzというトップクラスの性能を衝撃的な低価格で実現した功績は大きい。
スタンドの調整機能の制限やスピーカーの省略など、価格を実現するための割り切りも存在するが、それらはモニターの基本性能とは別の話だ。表示品質と応答性という核心部分において、価格以上の価値を持っていることは間違いない。
性能に妥協したくない、しかし予算は限られている。そんな多くのゲーマーにとって、「AMZG25F6F」は非常に有力な、そして賢い選択肢となるだろう。市場の価格バランスを破壊しかねない、新星の登場だ。
なお本記事執筆時点(2025年10月3日)で、2025年11月2日の23:59まで使用可能な10%オフクーポンが配布されている。レジに進んだあと「ギフトカード、商品券、プロモーションコードを使用する」から「10OFFAMZ」を入力すると、1,995円引きの17,954円(税込)になる。


今回レビューしたのは25インチの製品だが、AmzfastのAmazon公式ページでは27インチや32インチ、49インチ湾曲モニターなども用意されている。興味のあるゲーマーは一度除いてみるといいだろう。
特に、さらにコストを抑えたい、あるいは320Hzはオーバースペックだと感じるユーザーには、24インチ・200Hzのゲーミングモニター「AMZG24X1W(Amazon)」も有力な選択肢となる。こちらはクーポン適用前のセール価格13,999円(税込)という、極めて高いコストパフォーマンスを誇るモデルだ。多くのプレイヤーにとっては、こちらの方がバランスの取れた選択と言えるかもしれない。
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