2018年、IntelからQLC NAND採用のエントリーモデルSSD「Intel SSD 660P」が他社の先陣を切って発売されました。「速くて大容量なのに安価」という一見矛盾したこのSSDの正体を、実際にテストして調べてみました。
高速&格安SSD「Intel SSD 660P」実機テスト
テスト機器はマウス♪ マウス♪ のTVCMでも有名なマウスコンピューターさんから、太っ腹にも3台も借りることができました(SSD 660P搭載化物ゲーミングPC、Intel 660P搭載ゲーミングPC、HDD搭載ゲーミングPC)。パソコン買うならやっぱりマウスですね!(ダイマ)
そもそも「ストレージ(データの保存領域)」の一種であるSSDを一言で表すと「HDDより速いけど高い」、が皆さんの印象ではないでしょうか。私も同じで、自前のPCやPlayStation 4のストレージをいつかSSDに換装したいと思っている人も多いと思います。
今回テストする「SSD 660P」を簡単に説明すると、QLC NAND型フラッシュメモリを採用かつ独自のテクノロジーで「大容量SSDでも低価格」を実現したとする製品です。
一口にSSDと言っても進化の歴史があるのですが、低価格化に成功し一般に普及したいわゆる“普通”のSSDは「TLC(トリプルレベルセル)」で、「SSD 660P」は更に低価格を実現した「QLC(クアッドレベルセル)」のSSDとなります。同様の手法と製品は今後市場に広がり、SSDのスタンダードとなる可能性が高いと予測されています。
さっそく速度比較
それではさっそく、最も気になる「SSD 660P」とHDDの速度比較をサクッとご紹介。まずは今回お借りした化物PC「MASTERPIECE i1640PA3-SP2」のイカした外観とSSD vs HDDの比較映像をご覧ください。HDDよりもどのくらい早いかが目に見えるショート動画です。
特にPCの起動の速さとコピーの速さが圧倒的。これを見ると限られた人生の時間を「待ち時間」に使うのはもったいないと感じてしまいました。
「SSD 660P」のメリットとデメリット
- ⭕ TLC採用SSDより20〜40%安価
- ⭕ 高速な読み書き速度
- ❌ TLC採用SSDと比べ寿命(耐久性)は半分以下(とはいえ、10年以上は持つ計算)
- ❌ 空きスペースがない状態だと読み書き速度が落ちる(HDDよりは速い)
耐久性が半分以下と聞くと心配になりますが、耐久性は512GBモデルで100TBW(TBW=書き込める容量=SSDの寿命)、1TBモデルで200TBW、2TBモデルで400TBW。仮に1TBだと「毎日50GB」という無茶な書き込みを行ったとしても10年は持つ計算。普通の使い方なら20年超えてもおかしくはなく、ここは気にしなくて良いことが分かります。続く空きスペース問題も単に整理整頓すれば問題ないでしょう。
なおSSDの黎明期には「壊れやすい」「突然死する」といった話がありましたが、それは過去の話。採用方式や技術の進歩により現在ではHDDより長持ちする極めて丈夫なストレージだとされています。 ちなみに「SSD 660P」の市場価格は512GBで1万円程度です。
結論
- 「SSD 660P」はパフォーマンスと低価格を両立したSSD。
- PCゲーマーデビューやブラウジングに最適。
- 一部のコア層には耐久性が気になるが、普通にFPSする分にはお勧め。
- 安価な中国製SSDや、それを搭載したPCよりは大いにお勧め。
- 注意:動画をゴリゴリ編集する場合は内蔵した別のHDDなどで行いましょう。
ライトユーザーもヘビーユーザーも、日々の作業やゲームが高速かつストレスフリーになること間違いなし。HDDから今すぐ乗り換えたいSSDとなっています。ここで紹介した「SSD 660P」搭載PCは以下で購入できます。PCのFPSゲーマーデビューを考えている方は一考の価値アリではないでしょうか。
おまけ
SSD 660P搭載の化物ゲーミングPC G-Tuneの「MASTERPIECE i1640PA3-SP2」の内部の写真です。こういうのってワクワクしますよね。画像を見ているだけで新品PCの香りがしてきます。外観はキャンペーン特設サイトの「製品ギャラリー」でご覧ください。
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