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コアゲーマー専用:最新/高級ゲーミングディスプレイ「OMEN 27u」徹底レビュー

OMEN ゲーミングディスプレイ「OMEN 27u」徹底レビュー:4K144hz対応でスマートなデザイン、ゲーミング補助機能も豊富
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HPのゲーミングブランドOMENが、4月中旬に国内で発売した4Kゲーミングディスプレイ「OMEN 27u」。その特色は、4K UHDでありながら、IPSパネルでリフレッシュレート144Hzに対応、さらにゲーミング向けの補助機能を搭載した高級ハイエンドモニターであること。話題となったPS5のVRR対応でも充分に実力を発揮できます。

そんな「OMEN 27u」をお借りできたので、ガチゲーマーの筆者が2週間じっくりと使いこんだ徹底レビューをお届けします。

短くまとめるつもりが1万字超えの長文レビューとなってしまいました。時間のないゲーマーは興味のある項目だけか、最初と最後だけに要点を読むと概要がわかります。

CONTENTS

OMEN 27u 徹底レビュー

OMEN 27u
上部からのデザインも完璧
  • どんな製品?:ハイエンド4Kディスプレイ。DisplayPort1.4 ,HDMI2.1 ,HDMI対応、最大144Hz
  • 競合製品は?BenQ EX2710U、Acer XB283KKVbmiipruzx、LG 27GP950-B など
  • どんな人に向いている?:ただの4Kには満足できないコアゲーマー / 4K対応ゲーム機所有
  • どんな人に向いてない?:ハイスペックPCや4K対応ゲーム機を持っていないゲーマー
  • 良いとこは?:スマートな外観、IPS Oxideパネル、豊富なゲーミング補助機能、保証とコスパ
  • いまいちなとこは?:ゲーミング補助機能の排他仕様、ジョイスティックの位置
  • 価格は?:97,900円(税込)

OMEN 27u 開封の儀

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パッケージの中身は「OMEN 27u本体、専用スタンド、電源ケーブル、ACアダプター、DisplayPort ケーブル、USB Type-C to Type-A ケーブル、保証書など」。製品仕様は以下をご覧ください。

製品名OMEN 27u
表示サイズ27.0インチワイド (表示領域:596.7 mm x 335.6 mm)
種類IPS Oxide
パネルタイプ非光沢
画素ピッチ0.15 mm x 0.15 mm
解像度(最大)DisplayPort:3840 x 2160 (最大144Hz)
HDMI 2.0:3840 x 2160 (最大60Hz)
HDMI 2.1:3840 x 2160 (最大144Hz)
アスペクト比16:9
表示色(最大)1677万色
コントラスト比1000:1
ダイナミックコントラスト比12,000,000:1
色度域(色空間)DCI-P3カバー率 95%
視野角(水平 / 垂直)178°(水平)/ 178°(垂直)
応答速度1ms (Gray to Gray) ※オーバードライブ時
輝度(明るさ)450cd/m2 (HDR有効時は460cd/m2)
HDRVESA認定 Display HDR™ 400
AMD FreeSync™ Premium Pro対応
フリッカーフリー対応
アンビエントライト2 (RGB×1、ARGB×1)
HDCP対応〇 ( HDMI / DisplayPort )
走査周波数:水平366 kHz (DisplayPort)
30kHz - 135 kHz (HDMI 2.0 / HDMI 2.1)
走査周波数:垂直48 - 144 Hz (DisplayPort / HDMI 2.1)
48 - 60 Hz (HDMI 2.0)
電源ユニット100-240V, 50/60 Hz自動識別
消費電力(最大時, 通常時 /スリープモード時)最大 135W, 通常 78W / 0.5W以下
カメラ機能なし
スピーカーあり
ローブルーライト機能テュフ・ラインランド®Eyesafe認定ディスプレイ
プラグ&プレイ対応○ (OS での対応も必要となります)
ピボット機能なし
スイーベル機能なし
高さ調節機能対応(±130 mm)
角度調節機能(縦方向)○ (傾斜角度 85° ~ +110°)
5方向ジョイスティックあり (背面)
VESA マウント対応 (100mm)
外形寸法(幅×奥行き×高さ)609.9 x 66.9 x 353.5 mm (ヘッドのみ)
609.9 x 260.5 x 513.8 mm (スタンド含む)
質量4.68kg(ヘッドのみ)/ 6.35kg(スタンド含む)
入出力端子HDMI 2.1 × 1、HDMI 2.0 × 1、DisplayPort 1.4 × 1
電源入力 x 1、ヘッドフォン出力ポート×1
USB Type-C™ x 1、USB-A 3.2 Gen2 10Gbps x 2
付属品電源ケーブル x 1 / AC アダプター x 1 / DisplayPort ケーブル x 1 /
USB Type-C™ to Type-A ケーブル x 1 / 保証書 等

OMEN 27u の外観

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OMEN 27u 公式紹介動画

OMEN 27u の良いところ⭕

  • 27インチの4K解像度は画素密度が高く、精細なゲーム体験が可能
  • あらゆる角度から見ても画面の状況を判断できるIPS Oxideパネル
  • デジタルシネマの規格のDCI-P3を95%カバー、一般(sRGB)とは全然見え方が違う
  • 工場でカラーキャリブレーション実施済、同じモニターを並べても色差は確認できない
  • VESA認定 Display HDR™ 400に対応
  • 最大リフレッシュレート144Hzに対応
  • デザインがかっこいい
  • PlayStation5にて「HDR、120Hz、VRR(可変リフレッシュレート)」対応を確認
  • 背面にUSB3.2 Gen2 端子が2つ
  • スピーカー内蔵
  • シンプルな黒色にスマートなデザイン、OMENの特徴であるひし形が多様
  • AMD FreeSync Premium Proによるティアリング軽減(G-SYNCと互換性あり)
  • MPRT機能による残像の軽減
  • Edge Precision機能で輪郭を強調して細部にわたり表現可能
  • Shadow Vision機能は画面の状況毎に明暗の差を調整して敵を発見しやすくできる
  • LANパーティやオフラインイベントで目立つARGB ライティング(外部ライト)機能
  • フレームレートやクロスヘアをモニターに表示できる機能
  • タイマー機能
  • PbP機能で1画面に2出力表示、攻略サイトを見ながらプレイ可能
  • 専用アプリ OMEN Gaming Hub から設定変更可能
  • コスパが良い
  • 安心の長期3年保証

OMEN 27u の良いところ:超絶画素密度

OMEN 27uは4K(3840×2160)解像度に対応。画面にあるドット(点)が小さいのでゲーム上の強みがあるとすれば遠くの小さな敵が姿形まで詳細に把握できるということになります。27インチのディスプレイに4K解像度を収めているため画素密度が高いのです。同じサイズのモニターを並べて4K画像を表示するとその違いが分かりやすいでしょう。サイズは、主流のゲーミングモニターは24~27型のイメージなので、ちょうど良いサイズだと思います。ちなみにモニターの触り心地は、ノングレア加工の割にツルツルした表面をしています。

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『Battlefield2042』:景色の遠くまで詳細に確認できるのが高解像度の強み

IPS Oxideパネルはあらゆる角度から見ても一定のコントラスト比を維持するため色の変化がありません。画面の状況をどの方向から見ても判断できます。調べた所、通常のIPSパネルとは製造方法が違うらしく応答速度と消費電力に優れているそうです。

OMEN 27u の良いところ:DCI-P3カバー率95%を実現

さらにデジタルシネマの規格のDCI-P3を95%カバーしており、映像撮影に使われるカラーフィルムの色域に対応した、比較的広範囲の色域を表現できる規格なのでsRGBと比べてみると一目で違いが分かります。一般的なディスプレイ(sRGB)と比べてみると赤やオレンジなど暖色の表現に優れていると言えます。出荷前に工場でカラーキャリブレーション実施済で、同じモニターを複数並べても人間の目には色の差を知覚できない統一性だそうです。

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OMEN旧型27との比較。新型27uの方が暖色の表現に強い

OMEN 27u の良いところ:DisplayHDR 400対応

OMEN 27uはVESA認定 Display HDR™ 400に対応しており、Windows設定や家庭用ゲーム機でHDR設定をオンにすることができます。

OMEN 27u の良いところ:144Hz × 4K解像度

リフレッシュレートは最大144Hzに対応。つまり1秒間に144回の描写が行うことができるため、FPSなど画面変化が速いゲームにおいて視界の情報をよりなめらかに確認できるようになります。最近のゲーミングモニター市場では144Hzが基本となっているため、4K解像度でも対応しているのは魅力的です。

ただし、映像ケーブルがHDMI 2.1またはDP1.4のバージョンを使わないと、4K解像度144Hzは出力できないため注意しましょう。付属のDPケーブルで問題ありません。

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左から音声出力端子、HDMI2.0、HDMI2.1、Displayport1.4、モニター電源

OMEN 27u の良いところ:スピーカー内蔵

OMEN 27uにはスピーカーが内蔵されており外付けスピーカーを用意しなくてもHDMIやDP端子から入力された音声を出力できます。もちろん外付けに比べれば音質はそれほど良くはなく、背面から再生するため迫力のあるボリュームも出せません。とはいえヘッドセットに疲れたり、動画などを見る際に内蔵スピーカーを使えるのは嬉しい限り。音声出力端子があるので、音にもこだわりたいゲーマーはヘッドホンや外部スピーカーを繋げることをオススメします。

OMEN 27u の良いところ:デザインがかっこいい!

OMEN 27u の外観は、シンプルなブラックで統一され、下部のベゼルも旧型に比べ細くなり「スマート」のひとこと。OMENシリーズの特色であるひし形デザインが、モニタースタンド含めて様々な箇所に採用されてされています。

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ゲーマーでもビジネスシーンでも、デザインに一目惚れしていればもう購入を検討しても良いと思います。

OMEN 27u の良いところ:OMEN Gaming Hubが便利

PCと接続した場合に限り、PC専用ソフト「OMEN Gaming Hub」にてOMEN 27uの主な設定を操作できます。これはDPでもHDMIでも認識。専用アプリで調整可能なのは「ピクチャーモード、LEDコントロール、設定、オーバーレイ」となり、説明文と画像例が表示されてより直感的に素早く調整できます。

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OMEN Gaming Hubでは接続しているOMEN製品が表示。各種機能の調整可能。
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LEDコントロールはOMEN 27uのアンビエントライトを調整
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設定からゲーミング補助機能を調整
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ピクチャーモードの設定を専用アプリ上で行える
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オーバーレイで十字型カーソルやFPSカウンターとタイマーの表示を調整

OMEN 27u の良いところ:PS5のVRRに対応

OMEN 27uをPlayStation 5 + HDMI2.1で接続すれば、リフレッシュレート120Hz最近発表されたばかりのVRR(可変リフレッシュレート)に対応。HDMIでは使えないのでHDMI2.1で接続しましょう。

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PS5でVRRとHDRに対応
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PS5版『レインボーシックスシージ』を120Hzでプレイ可能

付属のUSB Type-C to Type-A ケーブルで、OMEN 27uとPCまたは家庭用ゲーム機に接続すると、本体のUSB3.2 Gen2 端子2つが使用可能になります。コントローラーの充電ケーブルやUSBメモリの接続先として用意しておくと良いかもしれません。

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左から盗難防止セキリュティロック、USBハブ接続用のType-C端子、USB3.2端子2個
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OMEN 27u のいまいちなところ❌

  • しょうがないが、機能の排他仕様がややこしい
  • しょうがないが、最大リフレッシュレートの値によって使用できないゲーミング補助機能がある
  • ディスプレイメニューと専用アプリ上でゲーミング補助機能の名称が違う
  • 黒ストレッチは「中~高」設定だと光源付近の視認性に難あり
  • 不便なジョイスティック配置
  • OSDメニュー移行時に1秒程度の遅延あり、アプリ解像度によっては全ての操作で処理落ちの遅延が発生
  • 控えめなノングレア加工
  • 画面が詳細すぎて眼球疲労が早い
  • 付属のモニタースタンドは画面を横向きにできない
  • PCでのゲーミング用途は要求スペックがそれなりに必要

OMEN 27u のいまいちなところ:排他仕様の把握が大変

OMEN 27uに搭載された機能はどれも素晴らしいですが、接続環境によっては全ての機能を同時には使えません。ピクチャーモードの一部プリセットを除き、検証できた範囲でそれぞれの機能と接続先の環境による排他仕様をまとめてみました。対になってる名称はどちらか片方しかオンにできない機能です。

  • HDR <-> MPRT
  • HDR <-> ピクチャーモード
  • HDR <-> ダイナミックコントラスト
  • HDR <-> 黒色ストレッチ
  • Edge Precision <-> シャープネス
  • MPRT <-> AMD FreeSync Premium Pro
  • MPRT <-> 輝度
  • MPRT <-> コントラスト
  • MPRT <-> ダイナミックコントラスト
  • ダイナミックコントラスト <-> 輝度
  • ダイナミックコントラスト <-> コントラスト
  • PbP <-> AMD FreeSync Premium Pro
  • PbP <-> MPRT
  • PbP <-> Shadow Vision
  • PbP <-> VRR
  • PbP <-> HDR
  • PbP <-> ダイナミックコントラスト

接続先の最大リフレッシュレートで変化する排他仕様は以下の通りになります。

  • 接続先の最大リフレッシュレートが60Hzを超過 Shadow Vision
  • 接続先の最大リフレッシュレートが60Hz以下 MPRT

OMEN 27u のいまいちなところ:アプリと名称が違う

専用アプリ「OMEN Gaming Hub」で操作できる項目はOSDメニューでも操作できますが、名称が異なるため、慣れないうちは操作に混乱するかもしれません。

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OSDメニューと比べて名称が変化している項目

OMEN 27u のいまいちなところ:OSDメニューのラグと位置

OSDクイックメニューからOSDメニューに遷移する際、表示するまで1秒程度の遅延があります。またフルスクリーンアプリの解像度によってはOSDメニュー操作全体に処理落ちに近い遅延が発生しました。確認した範囲だと『Apex Legends』を4KからフルHD解像度に下げてプレイすると処理落ちが発生していました。とはいえ頻繁にいじる必要がなければ気にならない部分なので、モニター設定は最初に決めてしまいましょう。

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項目を切り替えた際に表示まで1秒程度の遅延が入る

OSDメニューの操作に使うジョイスティックの配置が、高すぎて下から操作するには手をだいぶ伸ばさないとできません。位置を覚えないと手探りになりやすいのも欠点です。右からならすぐに届くのですが、下から対応できない位置にジョイスティックを搭載した設計理由が気になる所です。

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下から手を伸ばすと指先の位置ぐらいの高さにジョイスティックがある。下からも届く位置にしてほしかった

イメージ項目の「黒ストレッチ」は、夜戦での視認性を大幅に改善しますが、逆に明るいシーンでの視認性が悪化してしまいます。もしShadow Visionをオンにできれば自動で調整してくれるので視認性は問題ありません。なぜ最大リフレッシュレートが60を超えてしまうと使用できない機能になってしまったのでしょうか。個人的には一番もったいないと感じた部分です。

OMEN 27u のいまいちなところ:パネル系

OMEN 27uのパネルはノングレア加工ですが、筆者の所持している他のノングレアモニターと比べると外光の映り込みが多く感じました。ここまで記載した画像を見れば気付いた方が多いかもしれませんが、撮影者の映り込みが結構見えてます。本来ノングレア加工が強いと画面が白っぽく見えてしまうので、発色の鮮やかさを失わない程度に加工したのだと思います。グレアよりマシですが人によっては気になる部分かもしれません。

画素密度が高いのと、控えめなノングレアモニターで光の刺激が強いため、長時間の使用で目への負担が高め。2週間使い続けた今でも慣れておらず、白画面を直視すると(当たり前ですが)目がズキズキしてきます。輝度を落としたり、負担の少ないピクチャーモードに変更すれば目の負担は減らせるはずです。

OMEN 27u のいまいちなところ:縦にするにはモニターアーム

付属のモニタースタンドは可動範囲が足りず、ディスプレイを縦向きにすることはできません。OMEN 27uはVESAマウント(100mm)に対応してるので、モニターアームを用意して接続すれば縦向きにできます。

OMEN 27u のいまいちなところ:ハイスペックPCが必要

4K解像度に対応するPS5Xbox Series X/Sは特に問題ありませんが、PCで4K 144Hzゲーミングを行うにはそれなりのハイスペックPCが求められます。ゲーム側がNVIDIAのDLSS機能に対応していれば4Kゲーミングでも高フレームレートを出せますがNVIDIA RTXグラフィックボードが必要です。また、『Apex Legends』などDLSSを備えていないゲームでは、解像度を落としたりイメージスケーリングなどを駆使する必要があります。

OMEN 27u の機能豊富なOSDメニューまわり

続いて、OMEN 27uに搭載された機能についてご紹介。本体のオン・スクリーン・ディスプレイメニュー(以下OSDメニューと略)を操作することで、モニターの明るさやコントラスト調整のほか、ゲーム体験をサポートする様々な補助機能のオンオフを切り替えられます。

OSDメニューの操作にはOMEN 27uの背面にあるジョイスティックを使います。クリック感もありボタン式と比べてとても操作がしやすい。

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ジョイスティックと電源ボタン。上下左右と押し込み(決定)の5動作ができる

ジョイスティックを押し込むとOSDクイックメニューが表示され、初期設定だと「上:入力端子変更、右:ピクチャーモード、下:内蔵スピーカー、左:アンビエントライト、真ん中:OSDメニュー」となります。上下左右は設定で変更可能。

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ジョイスティックを押し込むと表示されるOSDクイックメニュー

OMEN 27u のメニュー「ゲーム」

OSDメニューでは、カテゴリー毎にモニターの基本要素やゲーミング補助機能の設定ができます。ゲーム項目では「Adaptive-Sync、MPRT、Edge Precision、Shadow Vision、応答時間、フレームレート、十字型カーソル、メッセージタイマー、マルチモニターの配置」があります。順番に見ていきましょう。

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OSDメニュー:ゲーム

OMEN 27uは「AMD FreeSync Premium Pro」に対応しており、設定することでチラつきの少ない滑らかな映像を表示することができます。OSDメニュー上ではHDMI接続で「AMD FreeSync Premium Pro」、DP接続で「Adaptive-Sync」という名称になっていました。PCへの接続がAMD製グラフィックボードではなくNVIDIA製の場合はG-SYNC COMPATIBLEと互換性あり。PS5ではオフにするとVRRが使えなくなるため、基本はオンにしておきましょう。

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NVIDIAコントロールパネルより「選択したディスプレイ モデルの設定を有効化」にチェックを入れることでG-SYNCを使える

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「MPRT」

「ゲーム」項目の「MPRT」をオンにすると、フレーム間に黒画面を挿入して残像を減らし、動きの速い映像を鮮明に表示できるようになります。6段階の強さに調整可能です。FPSであれば飛び出し勝負時の視認性を改善してくれます。

欠点としてフリッカー(人間には視認できないけどバックライトが点滅してる状態)が発生してしまうのと、黒画面の挿入で輝度を下がり画面の明るさが低くなります。人によっては眼球疲労の原因になるため、フリッカーフリーを求める方はオフにしておきましょう。またAdaptive-SyncとHDRは排他仕様なので、両方をオンに設定できません。よって、PS5ではオンにすることができません。また、最大リフレッシュレートが60Hz以下では設定できません。

高速な画面変化があるFPSを遊ぶ時は「MPRT」をオン(レベル3)、映画鑑賞や動きの遅いゲームを遊ぶ時は「オフ」が個人的にはオススメです。

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『APEX LEGENDS』など試合スピードの速いゲームはオンがオススメ

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「Edge Precision」

「ゲーム」項目の「Edge Precision」をオンにすると輪郭を強調して木々の枝や葉等を細部にわたり表現できます。いわゆる疑似的な超解像技術に近く、物体に付いたシワまで確認しやすくなります。欠点として細部が見えすぎて人によっては眼球疲労が早まります。「Edge Precision」はシャープネス機能とは排他仕様となっており、Edge Precisionは輪郭を優先して強調する表現となります。

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Edge Precision:オフ
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Edge Precision:オン(目で見ると色差のある部分の境目が目立つ)

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「Shadow Vision」

「ゲーム」項目の「Shadow Vision」をオンにすると、映像の明るい部分と暗い部分を調整して暗闇に潜む敵を見つけやすくできます。明るい所と黒い所が混ざったシーンでも色が潰れることはありません。ただし、最大リフレッシュレートを60Hzよりも高い設定にすると、Shadow Visionの項目をオンにできません。解像度を変更しても60Hz以下でなければShadow Visionをオンにできませんでした。これはDP接続でもHDMI接続でも同じであることを確認。PS5でも120Hz対応のゲームをプレイ中は自動でオフになってしまいます。

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Shadow Vision:オフ
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Shadow Vision:オン

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「応答時間(応答速度)」

「ゲーム」項目の「応答時間(応答速度)」は、画面の色が「黒→白→黒」と変化する時間を短くして残像を減らせる設定で、5段階の強さに調整可能です。あまり強すぎると逆に残像が発生するオーバーシュートになることもあり、個人的に残像が気にならなく感じた「レベル3」がFPSゲームを遊ぶ際はオススメです。

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「フレームレート」

「ゲーム」項目の「フレームレート」は画面上に出力されてるフレーム数を表示できます。モニター側で表示してくれるので、ゲームキャプチャー時に映り込まないのが強みです。画面の四方どこかに表示するか色を変更でき、邪魔だと感じないなら、目安として表示させておくのが良いでしょう。

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今出ているFPSを表示してくれる機能

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「十字型カーソル」

「ゲーム」項目の「十字型カーソル」は画面上にクロスヘアを表示して、プレイヤーのゲームプレイを補助します。かなりズルい気がしますが、残念ながら(?)最近のゲーミングモニターはクロスヘア機能が標準搭載になっている感じがします。

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クロスヘアの色と位置も調整可能

OMEN 27u 「ゲーム」項目の「メッセージタイマー」

「ゲーム」項目の「メッセージタイマー」はタイマーまたはストップウォッチを画面上に表示して指定の時間になるとメッセージを表示できます。子供を持つ親御さんや何かのイベント用でしょうか。

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指定した時間が来ると画面にメッセージが表示される

OMEN 27u 「ゲーム」項目のメニュー「マルチモニターの配置」

「ゲーム」項目の「マルチモニターの配置」は同じOMEN 27uを複数用意した際、ズレを発生させずに配置しやすくしてくれる画面を表示します。これは嬉しい配慮。

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同じ画面を並べてからベゼルに合わせれば綺麗なマルチモニター配置にすることができる

OMEN 27u のメニュー「外部ライト」

「外部ライト」項目では、OMEN 27uの「周辺光照明(背面)」と「下」にある2つのアンビエントライト(LED)を調整できます。カラーアニメーションを付けて流動的なライティングも可能です。自慢のゲーミング環境をSNSに載せる時やLANパーティなどのオフラインイベントで目立ちましょう。落ち着いて作業する時はブルーやグリーン、FPSプレイ時はレッドなどでも良いかしれません。

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OSDメニュー:外部ライト
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下は黄色で背面を緑に設定してみた

OMEN 27u のメニュー「イメージ」

イメージ」項目では、「輝度、コントラスト、ダイナミック コントラスト、黒色ストレッチ、シャープネス、ビデオレベル(HDMI接続時のみ表示)、イメージのスケーリング中」があります。「輝度」と「コントラスト」でモニターの明るさを調整できます。

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OSDメニュー:イメージ

ダイナミックコントラスト」は画面上の白と黒の量に合わせてコントラストを調整する機能です。オンにすると少し画面が暗くなります。シーンによるコントラストの変化はとても小さく、どちらかと言えば映像鑑賞に向いていると思いました。輝度とコントラストを変更するとダイナミックコントラストは自動でオフになります。

黒ストレッチ」は4段階の調整が可能で、濃色ブーストして黒つぶれを回避します。ただし欠点としてリアルタイムに調整されてる感じはなく、明るい部分が余計に明るくなるため、光源付近のターゲットが視認しづらくなる状況が発生します。Shadow Visionとは違ってガンマを変更したまま固定するという感じでした。個人的には「なし~低」がオススメです。

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黒ストレッチ:なし
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黒ストレッチ:低
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黒ストレッチ:中
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黒ストレッチ:高

シャープネス」は7段階の調整が可能で画面内に映る映像の鮮明度が増します。Edge Precisionとは効果が異なり、シャープネスの設定は全体的な鮮明度になります。なお輪郭の強さはEdge Precisionが上です。Edge Precisionがオンの状態でシャープネスを設定するとEdge Precisionはオフになります。

ビデオレベル」は映像出力のダイナミックレンジをフルかリミテッドの2択で調整できます。「イメージのスケーリング中」は画面上のアプリをどのスケーリングモードで対応してるか表示してくれる機能です。

色(ピクチャーモード)項目では用途に応じた色合いのプリセットを選択可能で「ゲーム、Game Remaster Mode、標準、暖色、寒色、ECO、ネイティブ、夜間、HP Enhance+」の9種類から選べます。「RGBゲイン調整」はRGB各色の強さの度合いを変更できます。Game Remaster ModeとHP Enhance+プリセットは一部の設定を変更できなくなる特殊プリセットなので基本的にはゲームか標準プリセットにしておけば問題ないです。

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OSDメニュー:色

OMEN 27u のメニュー「入力」

入力項目では「3映像端子から入力選択、PbP、自動切換入力、DPホットプラグの検出、DisplayPortモード、HDMI CEC、オーディオ、リセット」があります。

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OSDメニュー:入力

PbP」をオンにすると2つの映像出力を1画面で表示することができます。例としてPS5を左、PCを右といった感じに表示して1画面内でゲームをプレイしながらネットサーフィンが可能です。さらにこの状態でもPS5は120Hz、PCは144Hzに対応しています。ただし逆にPCだけ60HzでPS5を120Hzにはできませんでした。PCで認識される解像度は「1920×2160」という扱いになります。左右の入れ替えは可能です。「オーディオ」から音量調整、どの映像入力から音声を拾うか選択できます。

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PC(右)攻略を見ながらPS5でゲームプレイ(左)が可能

OMEN 27u のメニュー「電源」

電源項目では「自動スリープモード、再開時に電源オン、電源ランプ」があります。お好みで調整しましょう。

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OSDメニュー:電源

OMEN 27u のメニュー「メニュー」

メニュー項目では「言語、メニューの表示位置、メニューの透明度、メニューのタイムアウト、OSDメッセージ、ボタンの割り当て」があります。初期設定だと言語が英語なので最初に日本語への変更をオススメします。

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OSDメニュー:メニュー

「ボタンの割り当て」からOSDクイックメニューの上下左右ショートカットを変更できるので、よく使う機能に設定しておきましょう。

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OSDクイックメニューの割り当てを変更可能

OMEN 27u のメニュー「マネージメント」

マネージメント項目では「出荷時設定にリセット、DDC/CIサポート、情報」があります。

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OSDメニュー:マネージメント
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OSDメニュー:終了

OMEN 27u レビュー総括

OMEN 27u
コアゲーマー専用:最新/高級ゲーミングディスプレイ「OMEN 27u」徹底レビュー 65

OMEN 27uは、4K解像度でありながら144HzでHDRに対応。シンプルかつ洗礼されたデザイン、そしてゲーミングとして必要な機能はほぼ全部詰まってると言って過言ではない4Kゲーミングモニターです。

ゲーミング機能だけでなく、映画鑑賞やクリエイティブ要素にも幅広く対応できる優れたマルチタスクモニターなので、ゲームだけでなく職場の仕事用モニターとしても違和感を感じないでしょう。見た目の良さは本当に気分が上がります。

また、家庭用ゲーム機用途の4Kゲームプレイであっても、OMEN 27uは有力な候補として選べます。PC用途は映像鑑賞やクリエイティブ用途であれば問題ありませんが、ゲーミング用途のみだと一部の排他仕様に少し混乱するかもしれません。リストをチェックしましょう

気になる価格ですが、同じ4K 144Hzモニターを販売する他社製は8~12万円が相場だったので、¥97,900(税込)の販売価格は中間位置となります。4Kモニターを求める時点でフルHDより倍の予算が必要にはなりますが、機能豊富なのに10万以下はコスパが高く長期3年間の保証は安心して購入できそうです。

エレガントなデザインで機能も豊富な4Kディスプレイ」が欲しい紳士なコアゲーマーへ、OMEN 27uは充分にオススメできます。本製品は公式HPオンラインストア専売なので、気になる方は以下の製品ページをチェックしてみましょう。

OMEN ゲーミングディスプレイ「OMEN 27u」徹底レビュー:4K144hz対応でスマートなデザイン、ゲーミング補助機能も豊富

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