Ubisoft(ユービーアイソフト)は『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』のコミュニティに向け、昨今のアンチーチートの動向。さらに迷惑行為に対処する取り組みについての報告を掲載した。
ゲームコンテンツ以外の重要要素であるチート対策と迷惑行為対策だが、担当するチームが現在どのような取り組みをしており、今後どのような機能を予定しているのかが共有されている。
『R6S』プレイヤー保護アップデート最新レポート
シージ公式サイトに掲載された、アンチチートとプレイヤー保護に関するレポートの要約は以下のとおり。
- 覚えておきたい変更・予定
- シージのアンチチートチームが新しくなった
- マウストラップでPC版ロビーに送られるプレイヤーは、武器反動もPC版の設定が適応される
- Y9S4で「マッチキャンセル」バージョン3.0が実装。チーターが出た試合をすぐに中止させる
- プレイヤー通報機能をリワーク予定。悪用されるケースがあるため
- プレイヤー評価システムは、何が評価されたかがより分かりやすいデザインに改善予定
- テキストチャットの自動修正機能がY9S4で登場
- ボイスチャットの自動修正機能も今後実装予定
新たなアンチチートチーム
アンチチートチームからの報告によると、Y9S2のリリース時、チーターの活動が増加していたことが確認されたという。画像でも分かるように、5月はBAN数が急増していた。現在は数字的には落ち着いているようだが、やはり根絶される日は近くはないようだ。
一方でアンチチートチームも無策ではない。Y9S1にチームを一新し、それぞれの専門技能に秀でたメンバーを集めてチート対策に注力している。
「この新チームは、さまざまな分野のエキスパート開発者で構成され、前回のチート対策に関するステータスアップデートから対応可能な専門分野を増やし、『シージ』で発生するチート行為により多角的に対応できるようになりました」
現在のアンチチートの取り組み:先手を打ち、即座に対応する
シージのアンチチート戦略は2つに分類される。チーターとその業者の活動を妨げる「予防的保護」と、チーターが発見された際に速やかに対処する「反応的保護」だ。
チートを未然に防ぐ「予防的保護」
- 予防的保護
- 暗号化とバイナリファイルのハードニング(要塞化)が主要な機能
- チートソフトウェアの作成と使用、さらにチートのアップデートをより難しいものする。
「暗号化とバイナリ・ハードニングを導入したことで生じた変化は、チート作成者を混乱させることにもなるでしょう。シーズンアップデートや、パッチ、ホットフィックスを経るごとに、チートは不安定なものになっていきます」
「私たちはそれぞれの開発行程の中で、チーターがオンライン上に戻ってくるのにかかった時間を丁寧に分析し、同時にゲーム内からのチートの通報も監視しています。こうした分析をすることでアンチチートチームは、1度のアップデートがどのように機能し、どの変更が最も大きな影響を与えたかをつかむ手がかりを得られます」
また反応的保護の一環として、異常なゲームプレイの挙動を検知するなど、システムに新しいデータポイントと検知システムを追加する予定だ。
チートに即時対処する「反応的保護」
- 反応的保護
- QBシステム:シージ用のカスタムメイド・アンチチートシステム
- マウストラップ:コンソール版のマウサーを制限、PC版ロビーに排除
2022年後半に密かに実装され、誰もが知っているかのように開発者から言及されるようになった「QB」。これが従来のBattleEyeと並ぶ、反応的保護アンチチート戦略における重要なシステムだ。
アンチチートのゲームチェンジャーな新機能?
とはいえ、QBはまだ完璧なものではない。アンチチートチームはQBの大きな機能拡張をテスト予定。
「新しいアンチチートチームは現在、QBシステムの機能拡張を行っています。これはチート業者を混乱させるうえでのゲームチェンジャーになり得ると考えています。この場で技術的な詳細をお伝えすることはできませんが、Y9S4でそのプロトタイプがテストできることを願っています」
マウサーの「PCロビー追放」について補足
いわゆる「マウサー」を検出できることで話題になったマウストラップも引き続き機能向上中。「マウサーがPC版ロビーに放り込まれる」ペナルティもY9S4で実装予定。
「マウストラップはY8S1に初めてリリースされ、偽装されたデバイスの使用を78%低減するという前例のない成功を収めました。中にはこのシステムを回避する方法を発見したチーターもいましたが、チームはこれまで出てきたあらゆる不正行為を解消すべく取り組んできました」
「適正な戦場でプレイすることになるマウサーたちがPC版ロビーに飛ばされた場合、PC版の武器の反動設定も有効化されるよう取り組んでいます。偽装した入力デバイスを使っているからと言って、それで有利になることはありません」
チート発見で即マッチキャンセルする新機能
これらに加えて、待望の自動マッチキャンセル機能もY9S4で登場する。
「マッチキャンセル3.0がY9S4で登場予定。注目はチーター・マッチキャンセル機能です。このバージョンでは、チーターが確認されてBANされると、その対戦は自動的にキャンセルされます。まともなプレイヤーたちが不公平な試合で時間を無駄にすることが減るでしょう」
迷惑行為への対策
たとえチートを使わなくとも、ボイスチャットで暴言を飛ばしたり、あからさまな試合放棄をすることで真剣勝負が台無しになることがある。
こうした迷惑行為への対策として、「プレイヤー評価」機能のベータ版がリリースされた。プレイヤー行動がゲーム側で評価され、「模範」など5つの区分で評価される。
しかし、迷惑行為をしていないのに評価が下がったり、バグで切断されたことを「試合放棄」としてペナルティを課されたりと、まだまだ改善すべき点も多い。
迷惑行為に対処するチームも、現在の評価システムの分かりにくさを以下のように認めている。
「評価システムのベータ版を最初にリリースして以来、数多くの有意義なフィードバックを受け取ってきました。フィードバックから分かったのは、迷惑行為に関連したすべての機能は、透明性があって分かりやすいものでなければならないということです。この基準をまだ満たせていないことを私たちは理解しています」
「このシステムはプレイヤーを保護するだけでなく、誰でも容易に理解できるものにするとお約束します。評価システムの主な目標はこれまでと同じく、迷惑行為の繰り返しや過度に迷惑なプレイヤーたちからコミュニティを保護することです」
「迷惑行為対策」の悪用に対策
また、迷惑行為を対策するために実装したはずの機能が、意図した通りに機能しなかったり、逆に迷惑なプレイヤーたちに悪用されたりするケースも生じている。この現状を踏まえ、以下の機能と変更を実施。または実施予定。
- 変更点:
- [Y9S1] テキストチャットとボイスチャットによるペナルティを停止。これは他のプレイヤーから受けた証拠不十分な行動に依拠する面もあったため
- [Y9S2.3] フレンドリーファイアによるトリガーを停止。ターゲットにしたプレイヤーを排除する悪用法が考えられたため
- [Y9S4] 悪用や不正確な行動が評価システムに入力される点を将来的に削除
- [今後のアップデート] チームメイトを蘇生すると、リバースフレンドリーファイアによる評価への影響が無効になる点を削除。悪用されるため
評価システム:Y9S4で刷新
「Y9S4ではシステムの刷新を目指しています。この一環として、新しい『評価センター』をデザイン中。誰でも理解しやすく、自分の行動がどのように評価に影響したかがより分かりやすくなるでしょう」
他にも以下の要素が、評価システムの採点項目として導入される。
- マウストラップ
- Y9S4では、新しい評価システムにマウストラップも活用。偽装された入力デバイスを使うと、プレイヤー評価にも影響し始める
- テキストチャットの自動修正
- Y9S4では、評価システムにAIによるチャット修正機能が登場。これはAIがすべてのテキストチャットメッセージをリアルタイムで分析し、修正してくれるもので、問題のあるメッセージは検閲されるかマークがつく
- 自分のメッセージは、検閲されても、マークを付与されても、あるいはポジティブなものでも自分の評価区分に影響する
- 影響とフルリリース
- 評価区分のみを根拠にしてプレイヤーに影響を及ぼすような仕組みは、評価システムがベータを終えてフルリリースされるまで有効化されない
なおプレイヤー評価システムは現在「ベータ版」ということになっているが、システムの精度と分かりやすさについて開発チームが自信を得られるまでベータ抜けはしないという。したがってベータ抜けまでの日程も現在は未発表。
今後のアップデートと新機能
以下は現時点でチームが取り組んでいる、迷惑行為に対するその他の項目。気になる機能ばかりだが、詳細についてはまだ共有する準備が整っていないとのこと。
- コメンデーションとスクワッド
- 現在のコメンデーションシステムは、フレンドと組むプレイヤーたちが互いに表彰し合うことに制限がついている。せっかくのチームプレイが報われないので、この使いにくさについては今後変更予定
- ゲーム内通報機能の全面的な見直し
- 通報システムは、通報全体の精度を下げるように使われている場合がある。通報システムは今後、全面的な見直しを計画中
- ボイスチャットの自動修正
- AIがボイスチャットを使った迷惑行為を自動的に修正してくれる機能。準備が整い次第、速やかにゲームに加える予定
- 評価システムが依存する要素
- 現在の評価システムでは、たとえばバグが特定の行動を引き起こして不公平な評価を受けたり、評価システムに入力されないような事例があるという。こうした状況がおよぼす影響を抑えるべく、ペナルティを明確に緩和する計画とセーフガードに取り組んでいる
プレイの快適さにも毎年力を入れている『レインボーシックス シージ』。悪名高い「除外投票」が横行していた時代を思うと、触れやすさの面で着実な進化が感じ取れる。厄介なことにチーターも日々進化しており、迷惑行為が消えて無くなることもないはずだが、開発チームが予定している機能をうまく実装できることに期待したい。
報告されている通り、今冬のY9S4がプレイヤー保護の面で重要なポイントになりそうだ。新コンテンツの追加だけでなく、プレイヤーサポート機能についても引き続き注目していこう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: R6S Official
コメント
コメント一覧 (12件)
10年目のゲームでこんな対策に金かけてくれるの本当にすごいと思う。もう一回流行ってくれ
CSパッド勢に全員マウサーになってもらってCSとPCでクロスプレイすれば互いに人口も増えるし良いことの方が多いのでは?
実際それが最適解だわ、言っちゃ悪いけどこのゲームアシストも無いからPADでやる意味無いもの。
元々UBIのコンバーターへ対する長年の私怨からトラップを実装したんだろうと思ってたけど
同じ様にコンバーターが致命的に有利になるVALORANTですら直差しを実装して無いってのは何か高いハードるでもあるんかね
Sonyがいい顔しないんだよ
コントローラーの売上がそこのユーザー分落ちるじゃろ?
ただでさえスティックやら摩耗しやすくしてコントローラーで稼いでるんだから、スティックガチャガチャやる事が圧倒的に多いFPSのユーザーからの金を巻き上げる方法を減らす理由が無いんよね
9Y2Sはロクにチーターbanできませんでした!ごめんね!評価システムもクソだけどまだまだ時間かけてくからね~←舐めてんのかこのゴミ運営はよ
今の評価システムは冤罪が横行してるからな
何試合か勝ち続けてると迷惑行為枠もものすごいたまってる
マジでスクワッド間ならフレファ消せよバカが
そのせいで何回食らったと思ってんだよ
PC鯖に送られたコンバーターは釈放までマウストラップかけっぱなしでいいよな
PC鯖でだけマジメにPAD使っても釈放されるまではマウストラップと同様のデメリットを負う、くらいでも問題ない
PCロビー追放はPC民に迷惑かけるからマウサー専用ロビー作るほうが良いと思う
そういやVCずっと切っててマイクも繋げた事ないのに暴言カウントが入ってて笑った事あるわw
今のままリリースなんてしたら、ただ普通にプレイして敵をキルしてるだけで罰則受けるからな
早いとこ通報機能はなんとかしてほしいが
それするだけでもマシになるんちゃうか
コンバーター民、実の所マウストラップを抜けられはするけど高感度プレイヤーとかキーボード絶対使いたいマンがマウストラップが無いんならPC鯖行きたがってたから。
ある意味切替とか用意しとくと数を減らせるかもしれん
>>偽装した入力デバイスを使っているからと言って、それで有利になることはありません
ちなこれは、ダウト。実際はハードウェア側でアンチリコイルマクロを携えた物達が流れてくるで
気になるのが「偽装されたデバイスの使用を78%低減する」って奴が一番怖いとこ
さすがにこんだけ日にちが経ってるからマウストラップ回避はある意味コンバーター民は安定して抜けてる
んで、これで低減できてない22%はじゃー何なんだって話
現状安定して抜けられる製品を出してるXIMが22%なのか
それともUBI公式Xがトラップに誤BANされたってツイートしてる人達に謝罪して行った人達がそんだけいたのかが気になる