『STEEL HUNTERS(スティールハンターズ)』は、『World of Tanks』など戦略性の高い対戦ゲームで知られるWargamingの最新作。4月2日より、Steamにて基本プレイ無料の早期アクセス版がリリースされる。
早期アクセスの開始を目前に控え、都内では『STEEL HUNTERS』開発スタッフを招いてのイベントが開催された。ここでプレイできたテストビルドの内容をもとに、「巨大ロボット+バトロワ+MOBA+脱出系」という、ユニークなこのゲームのコア部分を詳細に解説していこう。
『STEEL HUNTERS』早期アクセス4月2日スタート
『STEEL HUNTERS』は、巨大ロボットで戦うPvPvEシューター。プレイヤーは「ハンター」と呼ばれる巨大ロボットを操作し、貴重資源「スターフォール」をめぐってライバルたちと競い合う。「巨大ロボット」、「バトロワ」、「MOBA」、「脱出系」といった人気要素を組み合わせた、ユニークなゲームだ。
早期アクセスのコンテンツについては、こちらの記事で解説している。

EAA!!も、Wargamingのスタッフの方々から直接お話をうかがうことができた。実際に『STEEL HUNTERS』をプレイしながら、このゲームの内容や進め方、さらにこのゲームで特に重要な考え方について詳しく教えてもらった。
ゲームシステム全体で見るとほんの一部の話だが、早期アクセス開始前にさくっと予習しておくと役に立つだろう。

- Wargaming『STEEL HUNTERS』スタッフ
- ローラン・ラルティジアン:マーケティング・ディレクター
- ルーク・ニコルズ:ヘッド・プレイヤー・インタラクション
個性豊かな7体のハンターから選択
早期アクセス時点では、7体の巨大ロボット「ハンター」をプレイできる。ゲーム内の「ハンター」メニューで、事前に使いたいハンターを選択してからマッチングを開始するという形式だ。







- 早期アクセス時点のハンター
- Razorside:軍人モデルのハンター。アサルトライフルとシールド回復スキルを持ち、環境適応力が高い
- Trenchwalker:衛生兵モデルのハンター。敵にダメージを与えつつ、自分や味方の回復が可能
- Fenris:四足獣型のハンター。自身をエネルギー球に変えて遠くに移動し、敵を奇襲するスキルを持つ
- Ursus:熊型のハンター。ホーミングロケットと氷の鎧をまとうスキルにより、移動要塞のように戦える
- Weaver:クモ型のハンター。前方にバリアを展開しながら、自分はミニガンで一方的な銃撃ができる
- Heartbreaker:スナイパー兵のハンター。自分の姿を消したり、ソナーパルスで周辺の索敵ができる
- Prophet:謎めいた人型ハンター。センチネルドローンを呼び出して支援し、ミサイルで遠隔攻撃を繰り出す
ニコルズ氏らが言うには、初心者にはRazorsideがおすすめとのこと。メイン武器のアサルトライフルはクセがなく、スキルは「シールド回復」と「フラググレネード」が使える。さまざまな環境で柔軟に戦えるようバランスが取れており、人型なのもあって直感的に操作しやすい。
MODやツリーでカスタマイズ

各ハンターにはレベルが設定されているほか、「MODとギア」メニューからプレイスタイルを調整できる。

たとえばRazorsideの「システムMOD」には、メイン武器であるアサルトライフル用のMODがある。
「バラージ」を付けると「バーストの全弾が標的に命中した際に、与ダメージが増加するという」効果が。「リレントレス」を付けると、「連続ヒットでダメージバフが蓄積し、狙いが定まりやすくなる」という効果がつく。
スキルも同様に、MODを組み替えてカスタマイズできる。

「システムツリー」メニューでハンターの性能を追加アンロックしつつ、さらに自分好みに細かくカスタマイズできるようになっている。
『STEEL HUNTERS』対戦の流れ
序盤はドローンを倒してレベルアップ
メインモードであるオンラインPvPvE「ラストスタンド」はプレイできなかったので、対AIでプレイする「スカーミッシュ」モードでゲームのおおまかな流れを解説。なお、チュートリアルの「ハンタートレーニング」モードも実装されている。

マッチングが成立すると、6チームがそれぞれマップ上の異なるスポーン地点に降下し、対戦がスタートする。

序盤は、雑魚敵にあたる「偵察ドローン」と交戦。倒した敵がドロップする青色の「エネルギーセル」を集めてレベルを上げていく。レベル進行度はデュオ内で共有されている。

レベルアップすると、ハンターのステータスが上昇する。より高いダメージを出し、スピードブーストが使えるようになる。各ハンターが持っている2種類のスキルのうち片方はロックされており、レベル3になるとこれが使えるようになる。
レベル4になるとさらにステータス上昇。上限はレベル5まで。
ガイドを見つつ探索
何をするかはプレイヤーの自由だが、「何をすればいいのか分からない」というプレイヤーのために、ゲーム内にはガイドも出る。
序盤だと「サプライポッドLV2」を見つけて開けるよう指示される。このポッドにはセルやコア(後述)などの各種アイテムが一式詰まっており、序盤は特に役立つ。

ガイドを無視してもペナルティはないが、対戦の流れを覚えられるだけでなく、必要なアイテムをそろえ、テンポよく敵と交戦していくための準備ができる。
コアでさらに性能アップ
他にも「コア」というアイテムがあり、拾うと画面左下のスロットに格納される。

三角形のコアが「与ダメージ」、四角が「シールド」、丸が「アーマー」へのバフに相当する。コアにはそれぞれ色があり、白(レベル1)、緑(レベル2)、青(レベル3)、紫(レベル4)の順に効果が大きくなっていく。
時間とともにドローンもレベルアップしていくので、探索して自分もレベルを上げつつ、より強力なコアを集めて最終決戦に備えていきたい。
中盤の「狩場」イベント

中盤になると「狩場」がアンロックされる。ここに出現する「ローグドローン」を撃破すると、追加の戦利品を獲得できる。
これらの過程では、どこかでプレイヤーとの交戦も発生するだろう。倒された人間プレイヤーがドロップする「タグ」を5つ集めると、最高レベルのドロップアイテムが獲得でき、終盤にかけて大きな戦力になる。

最高レベルのアイテムの一つが、金色に輝く「コロッサスキット」だ。使用すると自分のハンターが、一回り大きな「コロッサス」に変形する。
変形と言うよりもはや「変身」だが、いずれにせよその巨大さで敵プレイヤーを圧倒できる。


終盤で「脱出ゾーン」開放
終盤になると、いよいよ「脱出ゾーン」がアンロックされる。敵のせん滅が難しそうなら、ここから脱出を目指すことになる。
終盤になるとレベルの高いドローンも大量に出てくるようになり、レベルやコアが不足したまま脱出ゾーンに向かってしまうとあっさり倒されてしまうので注意。

脱出ゾーン周辺の掃除が終わったら、残った敵プレイヤーたちとの戦いに備える。交戦しないまま脱出に成功しても、交戦して他のプレイヤーを全員倒しても勝利となる。1試合は10分~20分くらい。

「頭脳プレイ」を楽しむ重厚感あるロボットバトル
「広いマップを使い、でかい武器を振り回すロボットで戦うゲーム」ということで、ラン&ガンな派手な撃ち合いゲームを想像した方もいるだろう。
しかしニコルズ氏らが言うには、『STEEL HUNTERS』では戦略性を念頭に、じっくりと進めていくプレイが推奨されているという。
つまり果敢に撃ち合いに行くよりも、マップ全体の様子を見つつ、状況ごとに有効な選択肢を見つけ出していく「頭脳プレイ」が求められる。

実際のところ、ハンターは巨大なロボットなので、軽快に走り回ることはできない。まるで戦車を動かしているような操作性だ。
ダッシュやジャンプもできるが、時間チャージ式になっており、何度も連続で跳ね回ることはできない。やはり、常にじっくりと行動することが推奨される。
戦闘においても、『STEEL HUNTERS』ではたった一人だけで英雄的な勝利を得るのは難しい。シールドシステムがあるのでキルタイムは長め。大抵の武器は、頻繁にリロードが必要になる。さらにそのリロード時間も、他社のスポーツシューターに比べるとかなり長い。これらの仕様はすべて意図的なものだという。

パートナーとの協力も不可欠だ。「デュオ」という形式を無視して単独行動をし、敵と1v2になってしまうと非常に不利になる。敵プレイヤーどころか、3体以上で固まっているNPCドローンにさえ、集中砲火されてあっけなく大破してしまうだろう。
確かにガンプレイが戦闘の中心なのでエイム力があって困ることはないが、『STEEL HUNTERS』はそれだけでは勝てないように作られている。
以上の点を少し頭に入れておくだけでも、リリース時から立ち回りの面で優位性を得られるかもしれない。
ロボアニメとコラボ? eスポーツも?

ゲーム外のことについても、展望を聞かせてもらった。
ラルティジアン氏とニコルズ氏によると、『STEEL HUNTERS』では他社IPとのコラボイベントも企画しているという。「巨大ロボット」と言えば、やはり日本をおいて他にない。その点については両氏も大きくうなずいてくれた。
具体的な計画についてはまだ明かせないとのことだが、もしかしたら某機動戦士などとのコラボもあり得るのだろうか。日本のロボアニメとの豪華イベントに期待したい。
また、戦略戦の高いゲームなので、eスポーツの展開もあり得るという。もっとも、現時点でWargaming社内で進めている企画はなく、あくまで将来の可能性の話だ。「プレイヤーファースト」の開発方針であるため、コミュニティで競技シーンへの要望が高まれば、いずれeスポーツ界にも進出していくのだろう。すべてはプレイヤー次第と言える。
ちなみに「ランクマッチ」のような競技モードについてはプレイヤーからの要望も多く、具体的な日程はまだないものの実装が視野に入っているとのこと。

『STEEL HUNTERS』は、4月2日よりいよいよSteamにて早期アクセスがスタートする。巨大ロボットによる「バトロワ+MOBA+脱出シューター」というコンセプトに興味を持った方は、基本プレイ無料のこのゲームを一度プレイしてみてはいかがだろうか。
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Source: In-game, Interview
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