『Call of Duty: WWII(コール オブ デューティ ワールドウォー 2)』における大会「全国大学生対抗戦」の会場にて、実況者としての顔をもつぽわぽわtan選手、分析官としてプロチームに在籍するQumada選手、イベンターとしての顔をもつりこった選手、ありしぜーしょん選手にもインタビューさせてもらいました。
加えて、プロチームRush GamingのNgt選手、GreedZz選手と、CYCLOPS athlete gamingのANBASA選手にもコメントをいただけました。この世界への進出を考えている学生たちには必読の情報も含まれているのでぜひご覧ください。
実況者としての顔を持つぽわぽわtan
EAA:趣味の範囲内でゲームをやっていたとおっしゃっていましたが、オフライン大会までこれた理由はなんだと思いますか?
ぽわぽわtan選手:やはりプロチームの人たちとの繋がりがあって、練習などに参加させてもらっていたので、レベル高い人達とのコミュニケーションがここまでこれた一番の理由かなと思います。
EAA:ちなみにどこのチームと交流がありましたか?
ぽわぽわtan選手:例えばCyclopsとか、プロではないんですけど、プロチームを倒したリトルジョーカーだったり、マフィースポーツというチームにも所属していてそこのチームメンバーなど、ある程度戦績を残したチームに協力してもらい交流戦など行いました。
EAA:今実況者としても活躍していますが、これからはどういった活躍をしていきたいと考えていますか
ぽわぽわtan選手:プロになることがやっぱり目標というか、ライセンスを取得してからがスタートだと思っています。そこからさらに今いる日本のトッププロチームも倒していきたいなと思っていますが、それ以上に横の繋がりを広くしていきたいなと考えています。いろんな人たちと知り合いになることによって、交流戦などをして作戦の幅が広がっていくと思います。
EAA:それはプロシーンでの活躍でなく、ライトユーザーのコミュニティでの繋がりも含まれていますか?
ぽわぽわtan選手:そうですね。これからのeスポーツの動きとして、一般の人たちからもゲームにより関心をもって見てもらえるような環境にしていきたいですね。
EAA:今までYoutube上では顔を明かしていませんでしたが、今回オフライン大会ということで初の顔出しとなりプレッシャーなどはありましたか?
ぽわぽわtan選手:ゲーマーだから体が貧相だとか、ゲーマーの見た目の偏見みたいなのを無くしたくて、今自分はジムに通ったりして、容姿に気をつけていたのでむしろ見てほしいと思っていたので、プレッシャーはありませんでした。僕はボディビルダーの動画とか見るの好きなので、まだ体は貧相ですけど、屈強な体にしていきたいです(笑)
EAA:心技体も極まった選手になりたいみたいな?
ぽわぽわtan選手:見た目がいいと容姿に自信が持てたりして、プレッシャーが和らぐと思うんです。万全の状態で試合に望みたいので、そういった前準備を常日頃から心がけているつもりです。
EAA:Youtube活動していてとゲーマーとしての活動に良かったことはありますか
ぽわぽわtan選手:Youtube活動は、今こういう風に色々なメディア様から質問を受けているのがすごく良かったと実感しています。
EAA:体作りを初め、プロゲーマーはゲームだけやってればいいというよりも、エンターテイナーとしてパフォーミングも重要という考えがあるように聞こえました
ぽわぽわtan選手:むしろパフォーマンスのほうが必要だと思っていて、プレイヤーとして実力がなくても印象づけることによって認識のされかたって違うと思うんです。めちゃくちゃうまいのに目立ってない人もたくさんいて、もったいないなと思うことがあります。自分はこういう人間だからこういう風に目立てるんだよとそういったものを持ってる人が顔が知られると思うんです。なので印象づけも僕は大事にしています。
EAA:もちろんゲームの練習をしたうえで
ぽわぽわtan選手:はい、誰にも負けないレベルで僕は練習積んでると思います。めっちゃやってます(笑)
EAA:ズバリどこのチームに注目していてどこのチームが優勝すると思いますか
ぽわぽわtan選手:2つ注目しているチームがあって、オフラインが強いのは千葉工業大学のCITです。あそこはチームみんな仲が良いので、イベントにチーム全員で行ってチームワークの強さが出ています。作戦面でいうと東京電機大学のTDUが強いと思っています。どちらのチームが優勝してもおかしくないんじゃないかなと思います。
分析官としてプロチームに在籍するQumada選手
EAA:今日の試合を振り返ってみてどうですか
Qumada選手:いやー、めっちゃ悔しかったです。負けた瞬間しゃべることが何も思い浮かばないくらい悔しかったです。
EAA:相手チームの研究も練っていたが、オフラインの経験の差が出てしまった?
Qumada選手:オフラインでの経験は自分しかなく、ほか3人はありませんでした。相手は全員オフライン経験済みで、3年連続で出場している人もいたりして緊張など経験の差が出たと思います。
EAA:近年の大学生のレベルはどう変わっていますか?
Qumada選手:毎年毎年レベルが上がっていて、最初にやったときは各チームのレベルの差がかなりあったんですけど、年々大会開催されていくにつれて、どこも同じくらいのレベルまであがってきています。実力がある大学でも予選で残念ながら敗退してしまったりもあるので、今年は一番レベルの高かった大会じゃないかなと思います。
EAA:CoDは毎年ゲーム性が変わりますが、毎年分析のやり直しはやはり大変でしょうか
Qumada選手:そうですね。けっこう大変で、CoD:BO3で武器の禁止と保護ができたんですけど、CoD:IWからはそれが無くなって、海外のプロの試合をみてどういう武器が流行っているのか、相手のチームの動きを研究したり、自分たちの得意な動きを何パターンか作ったりしています。
EAA:CoD:WW2の仕様で対応に困った部分などはありますか?
Qumada選手:3作連続空中戦だったんですけど、今作から地上戦になって壁走りなどができなくなりました。何が一番難しくなったかというと、撃たれたときに逃げられないというのが難しくてとまどいました。
EAA:CYCLOPS athlete gamingでは分析官として、今大会ではリーダーとして働いていましたが、役割の違いというのはどういった部分ですか?
Qumada選手:かぶる部分としては分析ですね。違う部分というと、自分は選手ではないので CYCLOPS athlete gamingでは試合に出ないんですけど、対抗戦では自分がリーダーとして試合に出るので、他のみんなを引っ張ってかないといけなかったり、自分以外のことも仕上げないといけないのが一番の違いかなと思います。
EAA:卒業後はCYCLOPS athlete gamingで分析官として就職を?どのような経緯で分析官に?
Qumada選手:4月から東京の会社に務めながら、CYCLOPS athlete gamingで分析官を兼業します。 CYCLOPS athlete gamingが出来たころに自分よりうまいプレイヤーが入ってくれたので、練習時間の効率とかも考えた結果、アナリストやマネージャーとして今まで自分がやってきたことを今いる選手に教えることができるんじゃないかなと思ってアナリストの立場に移動しました。今後も社会人をやりつつ、CoDのコミュニティにも貢献したいと思っています。
EAA:日本国内だとマネージング・分析・コーチングを全て一人の人がやっていたりします。分析官担当の人ひとりいるチームといないチームには違いがあると思いますか
Qumada選手:あると思います。自分はExcelなどで、試合ごとのキル・デスを記録して、マップごとの勝率とかを割り出しています。分析とマネージングすべてを一人がやると、必ずどこかが抜けてしまうと思います。
EAA:となると今後日本が世界と戦うには、分析官の役割が非常に重要になってくる?
Qumada選手:そうですね。情報収集がかなり大事になってくると思います。CoDではあまり普及していないんですがLoLとかではすごい普及していて、そういいうところを見習っていかないと今後日本のCoDのレベルっていうのは上がっていかないかなと思います。
EAA:どのチームに注目していますか?またどのチームが優勝すると思いますか?
Qumada選手:TDUに注目していました。理由としてはそこ勝たないと次に進めないのでそこに全力をかけていました。今残っているチームでいうと、CITの雰囲気がすごくいいなと思います。ポイントを取られていても諦めない、そこから逆転にもっていく流れなど、オフラインに強い人がいる印象です。CITとは交流戦の経験があって、オンラインだと勝てたりするんですが、オフラインとなるとめちゃくちゃ強いのでこういう大会に向いてると思います。
EAA:CYCLOPS athlete gamingでの今後の目標はありますか?
Qumada選手:闘会議2018で行われたプロ対抗戦が残念な結果になってしまったので、悔しい経験を活かして次は絶対勝ちたいと思います。
EAA:大学のチームの後輩たちに残すメッセージをお願いします
Qumada選手:今年みんなオフライン一回経験して、自分以外の3人はまだ出られるのでこの貴重な経験を活かして来年はリベンジしてほしいなと思います。
-ここで同じチームのたけとも選手が合流
EAA:大学ではどういった活動をしていますか
たけとも選手:大学ではeスポーツサークルを作って、CoDとLolのサークルがあります。
EAA:4年間活動してきてなにか変化したことはありますか
Qumada選手:一番変わったのは大学側の対応です。2年前のBo3の大会では準優勝して、そこから変わりました。いままでeスポーツというのは遊びで低俗なものっていう認識が大学側にはあって、サークルを作りたいと申請したときは「たかがゲームじゃん」と言われ、学務センターでサークル新設の許可が降りなかったんですけど、半年くらい諦めないで毎日通ってやっと認めてもらえました。準優勝してからは大学もeスポーツに興味を持ってくれて、大学内で格闘ゲームの大会を開くのをサポートしてくれたりとか、大学のホームページでどこどこの大会にでますという公式文を打ってくれたりとかしてくれました。中京圏の大学でeスポーツサークルはうちだけなので、他の学校の学生からも入りたいという声もあります。
EAA:卒業後の進路は?
たけとも選手:CoDをこのまま続けたいなと思っています。プロは練習する時間が無いので…これから出てくる選手たちをサポートできたらなと思います。
イベンターとしての顔をもつ「ブンブンハローTDU」りこった選手と「CIT」ありしぜーしょん選手
EAA:最終戦の相手の印象はどうでしたか?
りこった選手:練習試合では立ち回りに特徴のある人たちが多くて、自分たちの動きが崩されてしまうほど一般的なセオリー通りの立ち回りとは違いました。
EAA:試合振り返ってみてどうですか?
ありしぜーしょん選手:1マップ目で勝利できて、そのまま押し切れるかなと思いました。2マップ目USS/TEXASのサーチ&デストロイは自信があったんですけど、T.Aの落ち着いてたプレイに、自分たちの押せ押せな立ち回りを飲み込まれて完敗という感じでした。
りこった選手:1位を目指してやってきたので本当に悔しいです。2回戦目のCTFルールの練習では、7点差とか9点差という大差をつけて勝っていたので負ける気はしなかったんです。ただその慢心が油断につながって、結果に出ちゃったかなと思います。気を引き締めてやれていたら違う結果になっていたかなと後悔しています。
EAA:お互いの試合をみてどうですか?
ありしぜーしょん選手:いや、もう熱かったの一言ですね。
りこった選手:そうですね。
EAA:お二人はいつごろ知り合いましたか?
ありしぜーしょん選手:去年のこの大会からの仲ですね。
EAA:お互いのチームで練習されましたか?
ありしぜーしょん選手:はい。結構しました。
EAA:仲は良いだけあって決勝大会で対戦することになったらどうするとか話し合いましたか?
ありしぜーしょん選手:いや、特になにも。そこはやっぱりあえて何も言わないというか。
りこった選手:実際にすごい仲のいいチームだったので、僕がオフライン系のイベント主催の経験があったので、Leon United、CIT、TDUで集まってオフラインの練習試合をつい3日前くらいにやりました。それくらいみんな仲が良いですね。
EAA:振り返ってみて一番熱かった試合はどこですか?
ありしぜーしょん選手:僕はTDUとの試合の最後の1分間くらいですね。5対5からの延長戦でほんとどっちが勝ってもおかしくないくらいで熱かったです。
りこった選手:同じくその延長戦です。僕たちがあと20秒耐えていればさらに延長できたんですけど、耐えられなくて悔しいんですが、すごい熱い戦いでした。
EAA:お互いのチームの印象は?
ありしぜーしょん選手:去年から知ってるチームで、去年エースがいなくなったチームなのにそれでも強さを保っていて良いチームだなって思いました。強さを認め合うライバルだと思っています。
りこった選手:みんな話をするタイプが多くて、気持ちでプレイが変化するというか…調子に乗っているときはすごい強くて、ちょっと集中力が無いときは弱くて、気持ちとかテンションで変わるチームで、面白いなと思ってます。
EAA:じゃあ今年はのりにのっていた?
ありしぜーしょん選手:いやぁ、途中までのってたんですけど、白熱した試合が多すぎて体に限界がきちゃって、決勝はああいう感じになっちゃいました。
EAA:次のステップ、目標はありますか?
ありしぜーしょん選手:僕はあと2年間学生生活があるのでその間にプロライセンスを取りたいなと思っています。
りこった選手:僕は今年で就職します。就職していまうとプロは難しいと思うんですが、就職して財力に余裕ができたら、オフラインイベントであったり大会運営にやっていきたいと思います。今はプロばかり先行して、アマチュアの人たちをサポートする人がいないのでそういう人になれたらなと思います。今やっている「Another」という大会は、知名度とか視聴率を考えないでプロ出場禁止にしています。
Rush GamingよりNgt選手、GreedZz選手からのコメント
EAA:プロからみて大学生たちの戦いはどう見えますか?
GreedZz選手:勝ってるチームは力がちゃんとあって、どこを取ったらいいか、どこが強い場所かちゃんと話し合ってるな。というのが見えました。個人技というよりも強いチームはちゃんと話し合ってどういう戦い方をするかっていうのは決まっているので。
Ngt選手:(メンバー全員が)同じ大学っていうのもあると思うんですけど研究量の違いがクランよりまとまっていると感じました。クランというよりチーム同士が戦っているという印象をうけました。大学生だけあってコミュニケーションも密に取れていると思います。
EAA:この大学生の中から次のプロプレイヤーが生まれてもおかしくない?
GreedZz選手:はい。そうだと思います。
Ngt選手:ぜんぜんあると思います。オフラインイベントというのは結果を残せば自信もつきますし、それで自信をつけて強いチームに入ったりだとか、そこでチーム経験を活かして上を目指すひとが絶対でてくると思います。
EAA:そういった意味でも決勝まで勝ち進んだチームはかなり注目度が高いですね。
Ngt選手:そうですね。どういう戦いがあるのか楽しみです。
CYCLOPS athlete gamingよりANBASA選手からのコメント
ANABASA選手は「Ah^~ My heart will be hopping^~」のコーチを務めているということで、今大会に来られたそうです。
EAA:コーチングをするきっかけはなんですか?
ANBASA選手:AWのころリーダーのQumadaが大学生対抗戦に出場したんですけど、そのときにコーチを頼まれました。それからずっと4年間コーチングしています。
EAA:となるとその頃にくらべてチームとしてもレベルがかなり上がってる?
ANBASA選手:いやぁ、Qumada以外のメンバーが違うので…
EAA:ほかに注目しているチームはありますか?
ANBASA選手:個人的にトーナメント進んでて、優勝するかなと思うのはCITですね。なによりもチームの雰囲気がいいですね。T.Aも今シーズンは雰囲気いいと思うんですけど、どうしても去年のT.Aのイメージがありますね。決勝は2マップ先取なんですけど、CITが先に1マップ取得したらそのまま流れで2マップ目も取れるのではないかなと。ただT.Aが去年の部分を完全に払拭できているのなら、逆もあると思います。
EAA:大学生のなかからプロプレイヤーが生まれると思う?
ANBASA選手:あると思います。プロになる枠が足りてないだけで、プロになってもおかしくない人は全然いますね。教えてるAsunaくんとGateGeeekはこのままプロになればいいのになって思ってます(笑)そういう目的で来ているプロの方がいるならいいプレイヤーだなって思える選手だとは思います。
以上です。みなさんお忙しい中インタビューに応えていただきありがとうございました!優勝チーム「T.A」のインタビューは別記事に掲載しているのでそちらもご覧ください。
『CoD:WWII』の発売日は2017年11月3日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
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