PCとコンソール機に続き、モバイルへと戦場を広げるiOS版『Fortnite BattleRoyal(フォートナイト バトルロイヤル)』が今月末に日本国内でリリースされます。 そんなモバイル版が北米では一足早く解禁。幸運にもクローズドテストに当選したのでプレイしてみた上でのインプレッションをお伝えします。
iOS版『フォートナイト』 アプリランキング1位
北米時間3月12日(月)に公式サイトで先行募集が開始された、iOS版「フォートナイト バトルロイヤル」が、3月15日に当選者にダウンロードコード付きの当選Eメールを配信しました。
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当選メール。フレンド招待コードは後日配信との注意書きあり
早速iPhone7とiPhone Xの2機種でアプリをダウンロードといきたかったのですが、落選した方もアプリそのものはApp Storeからダウンロードできたので回線が混み合い、いつまで経ってもダウンロードが終わらない無限ロード地獄が発生しました。 結局お昼すぎに始めたダウンロードが終わったのは夕方頃、ずいぶんと待たされましたがなんとかインストール完了。そしてクローズドテストでありながら、App Storeの無料アプリランキング1位は『フォートナイト』。 それから3日後の記事執筆時点の現在も1位の座を守っており、まさにビクトリーロイヤルです。
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クローズドテストなのに無料アプリランキング1位
インストールに必要な容量は2GBで、動作条件はiOS 11以上でRAMが2GB以上。条件を満たしていないと起動できません。App Storeの対応リストではiPhone 5sやiPad mini 2といった古い機種も表記されていますが、これはApp Storeの仕様のせいで表記せざるをえず、実際はそれらの機種では動作しません。
ちなみにJailbreak(脱獄)しているデバイスはサポート対象外でこちらも同様に起動しません。 配信直後にEpic Games側から「今後も脱獄機は対応する予定はない」とTwitterでコメントが出されましたが、そのツイートは削除され「予定は未定」というコメントに差し替えられています。
Never say never (I stand corrected) ;P
— arjan (@arjanbrussee) March 18, 2018
見慣れた画面がiPhoneに
インストール後にアプリを立ち上げると、モバイル版独自のタイトル画面が表示され、まずは招待コードの有無を尋ねられます。YESと答えるとアカウント連携画面に、NOならコードのウェイティングリストの通達画面にジャンプします。
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PvE版「世界を救え」はモバイル版のリリース予定がないため「バトルロイヤル」専用のタイトル画面
アカウントの連携が終わればいつもの『フォートナイト バトルロイヤル』のロビー画面に。モバイル版もPC/CS版とデータを共有しているので、すでに購入していたスキンやエモート、V-bucksなどが全てそのまま持ち越され、なんどもモニターで見てきたロビー画面がiPhoneで表示されているので、違和感なくスマートフォンでフォートナイトをプレイしているという事実を認識できるまで少し間がありました。それほどフォートナイトです。
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他機種で購入したスキン、エモートは共有。モバイル版で購入しても別機種で共有可能
フォートナイトなのにフォートナイトではないけれどもフォートナイト
ロビーで各種設定を終えさっそくソロでプレイ開始。 待機ロビーに移動すると見慣れないアイコンで画面が埋め尽くされます。スマートフォンでゲームをする方にはおなじみの各種アクション用のアイコンです。
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アイコンと説明文
バトルバスが発車するまでの1分間に必死に操作を覚えようとしますが、モバイル版にY軸操作の反転がないことに気づいて軽いパニックです。Y反転派の皆さんには辛い仕様かもしれません。視点をあげたいのに指を下にずらせばずらすほど地面を向いてロビーをうろつく自キャラ。
見慣れたアイコンが無いなかでも一際違和感を発するアイコンがキャラクターのまわりに稀に表示されていることに気付きました。何度も現れては消え現れては消え、一体これはなんなのかとアイコンの方へ(四苦八苦しながら)視点を向けてみると、そこには走り去る別プレイヤーの後ろ姿が。 よく見ると足跡のマークがあり、なんとそのアイコンは他プレイヤーが発した足音を視覚化してくれるアイコンでした。他プレイヤーの位置を把握し辛いモバイル版のために考え出された特別仕様のようです。グダグダ感を排除し、緊張感をもたらす良いアイデアではないでしょうか。
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足音以外にも銃撃や宝箱の音が視覚化。エフェクトの中央にはそれぞれのアイコンが表示
操作性と「足音アイコン」の効能
バトルバスに乗車しマップを開くと、「これは本当にiPhone?」と思ってしまうほどいつものマップです。「実家」とも呼んでいるお気に入りのグリーシー・グローブへスカイダイビングを開始すると、ここで初めて遠距離や自キャラのテクスチャの粗さに気がつきました。10メートル先ほどからは影の描写が消え、アンチエイリアスがオフになっているため斜めのテクスチャがギザギザです。建築モードの各パーツのテクスチャがシンプルなものになっています。しかし、それらの最適化のおかげかフレームレートは60を維持していたように感じます。 余談ながらiPhone 7とiPhone Xではグラフィックの違いは感じられませんでした。
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ホームタウン「グリーシー・グローブ」の上空からの景色
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見た目がシンプルになった建築パーツ
さて、グリーシー・グローブの家の屋根に無事に降り立ち、さっそくつるはしで屋根を破壊し初めたのですが、ここで困惑。つるはしを振るにはタップする必要があるのですが、右手でタップすると右親指が浮くわけで、そのため叩くたびにズレていく弱点部位を攻撃するには、タップしてから視点を変えてまたタップを繰り返すか、タップしながら左手で操作する必要があります。PCなどで行っている「自キャラを左右に動かしつつレティクルをあわせて弱点破壊」という動作の再現がとても難しく、弱点を狙うのは諦めて地道に屋根を壊しました。
苦戦の末になんとか漁り終え、次に敵を探し始めました。落下中に別プレイヤーもグリーシー・グローブに落ちてきたのを確認済みです。周囲の家やショップを見渡しても誰もいませんでしたが、ここでモバイル版独自の足跡アイコンが点滅。どうやら敵は2階に立て籠もっているようです。足音の視覚化は敵がどこにいるか分かりやすい分、自分自身の位置もばっちりとバレてしまうのでPC/CS版とは違った緊張感が生まれます。
画面中央右にあるADSアイコンをタップすると銃を構え、タップをするごとにADSモードは切り替えられます。ADS後は右手でレティクル位置を調整するだけ。しかしこの時「エイム中もY軸が反転していない」という事態に気がつきまたも軽いパニックに。
その後も次のマッチでは実装されたばかりのC4を持って突撃するも、タップの方法が悪いのかうまく起爆できず、つるはしで殴り合う泥沼の試合を繰り広げるなど、配信初日らしいカオスさを堪能しました。後日あらためてC4を試しましたが、ちゃんとADSアイコンをタップした方が確実に起爆できることを学びました。
建築は慣れが必要
マッチ中にデスしたあとはキルカメラで他プレイヤーの様子を見学していたのですが、普段のフォートナイトなら建築する場面でも建築をしないプレイヤーが多いことに気がつきます。
次のマッチではだれもいないエリアで色々と建築を試してみたのですが、建築が実に難しいということが分かりました。 現在、PC/CS版で主流である壁と階段を1マス以内につくる1マス建築を試してみると、視点移動、建築パーツの選択、建築の設置のどれもが右の親指近辺に重点的に設置されているので、スムーズな動きを心がけてもどうしてももたついてしまいます。モバイル版ではクロウグリップ、「モンハン持ち」が推奨されるような気がします。
上記の理由と、まだモバイル版では初心者しかいないため、現在のモバイル版では高層建築よりも壁や階段だけを横にたくさん並べるプレイを頻繁に見かけます。クマさんチームリーダーやリーパーといったスキンを着用しているPC/CS版経験者すらも同じ有様です。
ここでもまた「フォートナイトだけれどフォートナイトではないフォートナイト」という感覚が呼び起こされます。ただし、この違和感も更なる最適化やモバイル版プレイヤーの熟練度があがることで、PC/CS版の世界に近づくのではないでしょうか。
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他プレイヤーたちが争ったあとの建築。 モバイル版でこれは上出来な方かも?
ミニガンの暴力でビクトリーロイヤル
4回目のソロでは、壁の建築を意識した立ち回りをしてみました。 PC/CS版なら1~2秒で終わる壁と階段の設置がモバイル版でできません。これがなかなか歯がゆいのですが、他プレイヤーの方々も同様にこの手の建築に苦戦しているようで、よくて壁の設置くらいしかされません。 そこで輝くのが「ミニガン」です。
通常のプレイでは始動の遅さからあまり選択肢に上らない武器ですが、壁1~2枚しか目にしないモバイル版では、その破壊力の高さから蹂躙ができます。 リスクを取ってでもサプライドロップを確保して手に入れたレジェンダリーミニガンの暴力により見事ビクトリーロイヤルを達成。このときばかりはPC/CSで初めてビクトリーロイヤルした時よりも感動が大きかったです。
もちろんミニガンの驚異も、プレイヤーの建築スピードが向上するに連れて低下し、そのうち強者から弱者に転落するかもしれません。
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簡単な壁と階段しかないのでミニガンで建築ごと粉砕
感動のクロスプレイ
モバイル版『フォートナイト バトルロイヤル』は普段はモバイル版同士でマッチングしますが、PC/CSのパーティに参加することでそれらのサーバーでプレイが可能になります。参加するにはフレンドから招待をもらうか、直接パーティに参加するかの二通りです。
現実的に考えるとクロスプレイでは、操作性の差から圧倒的なディスアドバンテージをモバイル版が背負うわけですが、それでも決して戦えないというわけではありません。勝敗さえ気にしなければ、いつでもどこでもPC/CSとモバイルの壁を超えて楽しめるというのは、Epic Gamesが提唱する「未来のゲームの形」を表すものかもしれません。
モバイル版配信初日にタイムラインで目にしたこのツイートが、クロスプレイの可能性を物語っています。
「弟がiPhoneで、兄が国の反対側で、自分がPS4で一緒にプレイできるなんて最高だ。」
This is pure awesomeness! Cross Play - my little brother on his iPhone my older brother on his pc across the country and me on my Ps4. Good job Epic @FortniteGame @nickchester @arCtyC @arjanbrussee @ pic.twitter.com/VuYdlXLkK7
— *JORDAN* (@JCrafter23) March 16, 2018
日本でもリリースされた際には、ぜひ経験者の方々も怖いもの見たさにプレイしてみることをオススメします。 きっと、初めてフォートナイトをプレイしたときのような新鮮な気持ちを味わえると思います。
日本向けiOS版は3月末、Android版は数カ月後に配信予定
日本でのiOS版『フォートナイト バトルロイヤル』の解禁は2018年3月末頃を予定しており、事前登録はこちらの公式ページからとなっています。Android版はiOSより対応しなくてはいけない機種が多いため、理由でリリースは数カ月後を予定しています。
詳細記事:モバイル版『フォートナイト』: モバイルはモバイル同士で対戦、3月末解禁予定など
オプション項目を含むその他のスクリーンショット
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操作設定オプション
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操作設定オプション2
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全体マップは左上のミニマップをタップで表示
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エモートホイールは右上をタップすると表示
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V-Bucksはアプリから購入可能
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ドロップ品はタップで取得。リロードは弾薬アイコンをタップ。ただしアイコンが小さいのでタップがずれて射撃と認識されて暴発が多いのでアイコンサイズは改善してほしいところ。
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PC版のフレンドに参加した画面をフレンド視点から。筆者の名前にはモバイル版のアイコンが表示
日本語版『フォートナイト バトルロイヤル』の配信日は3月8日で、対象機種はPS4 / Xbox One / PC / Mac。今後iOSとAndroid版もリリース予定。
Source: Epic Games
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