eスポーツトップランナー: SunSister CrazySam 選手に聞く、プロを目指した契機とバトロワで安定して勝利する秘訣

eスポーツトップランナー: SunSister  CrazySam 選手に聞く、プロを目指した契機とバトロワで安定して勝利する秘訣

国内外で活躍を見せる SunSister Suicider’s 所属の CrazySam 選手に、プロに至るまでの背景、世界大会で収穫したこと、ドン勝のコツ、バトルロイヤル系ゲームの魅力などについてインタビューさせていただきました。

自己紹介をお願いします。

CrazySam選手:SunSister Suicider’s 『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下 PUBG)部門所属の CrazySam と申します。一番最初にゲームをプレイしたのは小学 3 年生の時で、家庭用ゲーム機のホラーゲームを最初にプレイしました。次第に FPS 系のゲームをどんどんプレイしていくようになり、とても面白いと思うようになりました。小学 6 年生の時に PC ゲームをやってみたいと思うようになり、ネットの広告を見て無料 FPS ゲームをプレイしました。小学生だったので、当然自分では PC を購入できず、親に購入してもらいました。その頃はゲーミング PC などの知識は全くなく、モニターと本体が一緒になっている家庭用 PC を購入。ゲーミング用ではなかったので、フレームレートが出ず、ガクガクしながらプレイしていました。

小学校の友達を誘い、いろいろな無料 FPS を一緒にプレイしていました。有料の FPS もプレイしていましたが、最初は大会には全然興味がありませんでした。その頃はリアルの友達と一緒にプレイしていて、ネットの友達とはあまりプレイしていませんでした。レベル差もありましたが、自分だけ真面目にプレイしていました。楽しくプレイしていたので、それはそれでとても面白かったです。そのような感じでゲームを 6 年くらいプレイしていました。

ずっと家庭用 PC でプレイしていたのですか?

CrazySam選手:そうですね。高校生の時にバイトをしてゲーミング PC を購入しました。その後、専門学校に通い『Alliance of Valiant Arms』という FPS をプレイしていました。専門学校を卒業し、就職したらプレイする時間が無くなると分かっていたので、最後に競技シーンも参加してみたいと思いました。チームを探していると有名なプロゲーミングチームが募集していました。入れるか不安でしたが、応募して入隊希望の旨を伝え、トライアルを受けました。トライアルに合格し、入隊することができました。それが初めてのプロチーム所属で、約 1 年ほど活動をしていました。ちょうどその頃に人気の新作 FPS タイトルが発売され、ゲーマーたちがいろんなゲームに分散してしまいました。仕事も始まって、残業などで忙しくなり、一度競技シーンから身を引く決断をしました。

その後、数年間会社員として働いていましたが、ある日『PUBG』が発売されました。それまではリアルの友達と別のゲームを楽しくプレイしていましたが、『PUBG』をネットの動画で知り「なにこのゲーム、すごく面白そう」と思いました。実は昔、バトルロイヤル系のゲームを少しプレイしていました。FPS には慣れていましたが、初めてバトルロイヤル系ゲームをプレイした時はとても怖かったのを覚えています。

試しに『PUBG』を購入してプレイしてみると、ゲーム人口も多く、凄まじいほど面白かったです。その頃、仕事を辞めたばかりでした。というのも、働いているときはとても忙しく、ゲームをやる時間がありませんでした。ずっと正社員として働き、あと 40 年ほどゲームなしで生きていけるとは思いませんでした。情けない話、自分はゲームをプレイしないで生活するのは無理だと思い、仕事を辞めました。フリーターでもやりながら、ゲームをやりたいと思いました。

仕事を辞めてからはすぐに『PUBG』をプレイして、すごく面白くて「競技シーンが出るかもしれない」という噂を耳にしました。その後にすぐに『PUBG』部門の募集していたのが今の SunSister でした。その後 SunSister へ加入して、今に至ります。

すごい勇気ですね。

CrazySam選手:仕事をやりながら競技シーンをプレイしていた時は、22 時まで残業していて、家に着いてご飯も食べずにすぐに練習試合を行う、という形で寝る時間もほとんどありませんでした。忙しすぎて「もう無理だ」と思い、ゲームを辞めるのではなく仕事を辞めました

ゲームが上手くなったタイミングなどありましたか?

CrazySam選手:きっかけは大会です。初めてのオフライン大会に出た時、あまり順位が良くありませんでした。普段の実力が出し切れず、明らかに自分のせいだと思いました。めちゃくちゃ悔しくて、泣いた記憶があります。そこからもっと頑張らなくてはいけないと思い、たくさん練習してさらに強くなりました。

バトルロイヤル系のゲームの魅力を教えてくれませんか?

CrazySam選手:バトルロイヤル系、特に『PUBG』をプレイするユーザーは 3 種類に分かれていて、「配信する人」 「ライトユーザー(配信はプレイしないけど、友達と楽しくプレイするタイプ)」 「コアユーザー(競技シーンを目指す人たち)」。この3種類のタイプ、すべての人たちに向いているゲームだと思っています。

例えば配信者にとっては、序盤から戦闘が起きにくいゲームで、従来から流行っていた対戦型 FPS タイトルだと戦闘がすぐに起きて、連携を取る必要があり視聴者と雑談するのが難しい。その点『PUBG』は、配信者は視聴者と雑談をしながらゲームができ、気軽にプレイができると思います。ライトユーザーは、みんなで雑談しながら楽しくプレイできますし、人数が多いゲームなので「負けた」という感覚が少ないと思います。100 人対戦なので、負けて何位だったというのを気にしにくい。そこがやり込める理由の 1 つなのではと思います。

コアなゲーマーにとっても、競技シーンは運に左右されるゲームと言われていることもありますが、外国の強豪チームは絶対に強いです。世界大会レベルだと日本はまだドン勝を取ったことがなく、アジア大会で去年 SunSister Suicider’s が 1 回取りましたが、それ以降は全然ドン勝を取れなくて。何十回も試合してもドン勝を取れない難しいゲームで、バランスも絶妙だと思います。とても魅力あるゲームです。(※2019 年 2 月中旬に行われた「Predator League 2019」で 2 回のドン勝を獲得)

『PUBG』で安定して勝つコツがあれば教えてくれませんか?

CrazySam選手:オーダー(司令塔)が大事です。どのゲームでも大事だと思うのですが、『PUBG』では特にオーダーが大事だと思っています。チームメンバーの Sabrac がオーダーを担当していますが、あの人の功績はとてつもなく大きいです。戦うタイミングが非常に大事なゲームですが、その見極めがすごく上手い人です。オーダーがやりやすいように積極的にコミュニケーションを取ることも大事です。

また、スコープをうまく使い分けて、倍率が高いスコープを拾ったときは望遠鏡の代わりにして、敵を索敵します。安全地帯が変わるときに、索敵して敵が居なかったポジションに移動するようにしています。

『PUBG』には大きく 3 つのフェーズに分けてゲームが進行します。「索敵する時間」「どうしても敵と戦わなくてはいけない時間」「守りの時間」と 3 つの時間があります。

ゲーム序盤のパラシュート降下しているときに周りをみて降ります。練習試合では、わざと同じポジションに降下してくるチームなどもいます。その時に戦う、戦わないかの判断はオーダーが指示を出します。

先月参加された世界大会「PUBG ASIA INVITATIONAL MACAO 2019」で収穫があれば教えてくれませんか?

CrazySam選手:他チームの AIM 精度の高さや、立ち回りが素早いのはみんな理解していますが、一番感じたのは経験の差です。海外の強豪チームは大会参加回数が多いので、何度も失敗しては修正を繰り返しています。当たり前のことですが、練習で上手くいった動きが本番で上手くいくとは限らない。もし海外チームと練習試合をする機会があっても、大会本番では成功した動きだけを行うのではなく、違う動きも試したほうが良いと思います。これが今回の自分たちの一番の収穫です。

自分たちでいろいろ試して、そのなかで良いものを見つけるのですね。

CrazySam選手:そうです。たくさん試すのみです。ある立ち回り方を試したことがあり、普段の練習試合でも、大会直前の練習試合でも上手くいったことがありました。これで間違いないと確信し、大会本番でもその動きを行いましたが、本番では想定外のことがたくさん起こりました。「だからみんな大会本番ではやらないんだ」というのが本番中にやっとわかりました。

最終日に動きを修正していくと、惜しい試合がいくつもあり、結果がすごく良くなりました。確かな感触をつかめたので、いろいろなことを試したほうが良いと言っておきます。

差を付けられるデバイスがあれば教えてくれませんか?

CrazySam選手:グラフィックスカードは MSI の「GeForce RTX 2080」を使用しています。最近提供していただきまして、すごく快適です。以前は「GeForce GTX 1080」を使用していましたが、かなり変化がありました。『PUBG』の激戦区降り、キルムーブと言われる立ち回り方法があります。Sanhok という狭めのマップがあり、激戦区と呼ばれる場所が 2 つあります。このどちらかに降りると、ゲーム開始時に 30 人ぐらいがその激戦区に降ります。そこで 30 人が武器を拾って一斉に撃ち合うので、ゲームがとても重くなります。「GeForce GTX 1080」を搭載していてもフレームレートが 60 FPS 切る時もあり、更に配信しながらではそれ以下になります。「GeForce RTX 2080」に付け替えたら 100 FPS 近く出るようになり、すごく快適になりました。予算がある方は、高性能なグラフィックスカードで PC を組んでみてください。

ヘッドセットは某ドイツメーカーのものを使用しています。サウンド関連で非常に有名な企業で、サウンドカードも同社のものを使用しています。とても音が聞こえますし、ドライバーも不要、携帯サイズの大きさ、USB 接続とオフライン大会でも重宝しています。

マウスは某社のワイヤレス ゲーミング マウスを使用しています。とても軽くて、バッテリー持ちも良いです。1 日 7 時間ほどゲームをプレイすると思いますが、1 週間ほど持ちます。オフライン大会では、机が小さく、狭いところも稀にあります。狭いスペースだと特に、コードが引っかかったりすることがあり、プレイしづらいこともあるのですが、ワイヤレスマウスにしてからはそのようなストレスが一切なくなりました。その辺が特におすすめできるポイントです。

BenQ の ZOWIE シリーズマウスも非常におすすめです。ドライバー不要、裏側のボタンで簡単に DPI の変更できたり、耐久性も高く、同じ形でも違ったサイズが選べる。そういうところがおすすめです。

重宝している NVIDIA のソフトウェアがあれば教えてくれませんか?

CrazySam選手:「GeForce Experience」「ShadowPlay」「NVIDIA Highlights」を使用してます。特に「NVIDIA Highlights」は、敵を倒した瞬間に自動でクリップを録画してくれるのでとても便利です。自分のスーパープレイを集めた動画制作でも、クリップ毎に保存されるので使いやすいと思います。

今後の活動と目標を教えてくれませんか?

CrazySam選手:次で 5 回目の出場となる海外大会で、良い結果を出すことです。

読者に向けて、メッセージをお願いします。

2 月、3 月に世界大会に繋がる国内リーグがありますので、努力して良い結果が残るように日々頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。


日本一の『PUBG』チームと言っても過言ではない SunSister Suicider’s 所属の CrazySam 選手に非常に貴重なお話しを聞かせていただきました。世界大会に参加しないと経験できないような、普段は聞けないお話ありがとうございました。『PUBG』を既にプレイしている方も、CrazySam 選手のドン勝のコツを参考にプレイしてみてください。

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