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『ゴーストリコン ブレイクポイント』インタビュー: ゲームのUXデザイナーが誇りに思う瞬間・特殊部隊になりきるゲーム・DLC無料配信など [E3 2019]

ゴーストリコン ブレイクポイント: いかにしてプレイヤーが理解しやすいゲームを作るのかユーザーエクスペリエンスディレクターにインタビュー 【E3 2019】
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去るアメリカ時間6月10日に行われたユービーアイソフトのカンファレンス。 そのイベント前に幸いにも2019年10月4日に世界同時発売となる「ゴーストリコン」シリーズの最新作『ゴーストリコン ポイントブレイク』に触れる機会に恵まれました。プレイ後にユーザー体験を手がけるUXディレクターのMatthew Tomkinson氏(以下マシュー氏)にインタビューする機会を得ました。

このインタビューでは実際にプレイした際に感じた疑問や、ゲームの印象を大きく左右するユーザーエクスペリエンスを手がける上での開発者側の視点について聞かせてもらいました。

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『ゴーストリコン ブレイクポイント』インタビュー [E3 2019]

マシュー氏: (筆者のガジェットの山を見て)すごい量ですね(笑)

EAA: 一人で取材するとワンマンアーミーみたいになります(笑)

マシュー氏: ワンマンアーミーと言えばゲーム内でもマッチメイキングをするか、ワンマンアーミーとして一人でプレイするか選べますよ。

EAA: 一人でプレイについてですが、前作から引き続き主人公として登場するノマドがサバイバルに挑むわけですが、前作でのチームメイトであるミダス、ホルト、ウィーバーの3人の身には何が起きたのでしょうか?

マシュー氏: ブレイクポイントのストーリーを開始すると、彼らに何が起きたのか学べます。 これまでに公開したトレイラーからも、舞台となる島で何となく彼らの身に災いが降りかかり大きな痛手を被っているということが分かりますが、ゲーム内ではハッキリとそのイベントが描かれゴースト部隊が苦しめられることになります。 ゲーム内では別のチームメイトとプレイすることが可能ですが、彼らは本物の人間である必要があります (ただし、このインタビュー直後のカンファレンスでのサプライズとしてAIチームメイトの実装が明かされました)。

キャラクターのカスタマイズとクラスの特徴

EAA: キャラクターのカスタマイズ性について教えてください。

マシュー氏: これまでの『ゴーストリコン』シリーズを開発していく中で、私達開発陣はキャラクターカスタマイズの重要性を理解していきました。 今作もカスタマイズ要素をゲーム中でアンロックできる他、装備の外観を好きなもので上書きできる要素もあります。 また、どのクラス(※現時点ではアサルト、シャープシューター、パンサーの3種が公開済み)でも全ての武器種を装備できるのでカスタマイズの幅が制限されるということもありません。

EAA: デモをプレイする前の説明会で、どのクラスでも全ての武器種が装備できるとの説明がありました。同時に各クラスごとに得意武器種があるとも説明されましたが、具体的にどのようなアドバンテージがあるのでしょうか?

マシュー氏: 武器の習熟度を多く得られるようになります。 例えばスナイパーライフルですと、シャープシューターなら他のクラスより敵に察知されにくくなります。 その他に各クラスの特性を伸ばす効果があります。

EAA: 各クラスの特徴は?

マシュー氏: アサルトは銃撃戦に、シャープシューターは狙撃、パンサーはステルス性に特化しています。 各クラスには専用アイテムがあります。 たとえばパンサーですとスモークを発生させて隠れられる煙玉、シャープシューターだと透視して敵を発見できます。 加えてクラス専用のアビリティもあります。 アサルトは短時間ですが戦闘力が大きく向上します。

EAA: 現時点で判明しているスペシャリゼーションは3種類ですが、他にも追加の予定はありますか?

マシュー氏: あります。 現時点では3種類を公開していますがローンチでは1種類追加して計4種類を予定しています。 その他に追加コンテンツでも新しいスペシャリゼーションを加える計画です。 私達はバラエティ豊かなスペシャリゼーションを準備していますが、プレイヤーが強く求めている特徴のスペシャリゼーションがあれば追加で開発するつもりです。

DLCは無料配信

EAA: 今作でのDLCの販売モデルについて教えてください。

マシュー氏: 追加コンテンツは無料で配信されます。新しいストーリーミッションやシネマティックムービー、デイリーミッションなど数多くのコンテンツが無料で配信されます。 その他には経験値ブーストのようなものを有料で販売する要素もありますが、追加コンテンツは無料です。

UXデザイナーが誇りに思う瞬間

EAA: マシューさんはUX(ユーザーエクスペリエンス)ディレクターですよね。ゲームが素晴らしいものになるかどうかはユーザーエクスペリエンスが大きく関わってくると思いますが、ゲーム開発中に主にどのような点が重要であるとお考えでしょうか?

マシュー氏: 本作のようなゲームで最も重要なことは全ての要素がわかりやすいということです。 しかし、この仕事は非常に難しいものです。 なにせ膨大なコンテンツやワクワクする新要素をプレイヤーにお届けするわけですが、チュートリアルを毎回挟んでプレイヤーの時間を奪いたくありませんから。

EAA: それでは、ご自身が誇らしくなるような仕事ができた時とはどのようなものでしょうか?

マシュー氏: 本作はプレイヤーに自由が与えられたオープンワールドのゲームです。 プレイヤーは自分で目標を設定できるわけですが、この手のゲームはプレイヤーに次は何をしろと指示をする一本道形式のゲームよりも複雑です。 ストーリーミッションをプレイするか、新しい武器を探すか、有用なアイテムを作成できるクラフトミッションを始めるか、それともPvPをするのか。 この様に大量のアクティビティがあるわけですが、それらを視覚的に分かりやすく全体マップに表示しています。 このようにプレイヤーが混乱せずに全てのコンテンツに触れられるような設計ができたときが、私が誇らしいと感じる瞬間です。

ゴーストリコン ブレイクポイントの特色

EAA: 開発中にこのゲームが他作品と違うものになると感じた瞬間はどのような場面ですか?

マシュー氏: 本作は開発する上でプレイヤーに「特殊部隊の靴を履かせる」という思想がありました。 つまり特殊部隊になりきるわけです。 ただ敵を倒すだけではなく特殊部隊としての生活を感じてもらおうと開発しました。 すでにデモをプレイしてもらいましたが、ゲーム中ではビバークして次の攻撃目標や戦略の話し合い、クラフトなどでの準備段階など特殊部隊らしさをより深く追求したことを感じ取ってもらえたと思います。 このようなゲームの難易度には関与しませんが本物の特殊部隊の生活というファンタジー要素を深く追求できたことに満足しています。 これが他のゲームと本作との大きな違いです。

ゴーストリコン ブレイクポイント: いかにしてプレイヤーが理解しやすいゲームを作るのかユーザーエクスペリエンスディレクターにインタビュー 【E3 2019】
ビバークをすることで、特殊部隊さながらに次ミッションへの準備や作戦会議を行うリアリティを追求

EAA: 他のゲームの話が出ましたがユーザーエクスペリエンスを考える際に他のゲームを参考にすることはありますか?

マシュー氏: もちろんあります。 私達は色々なゲームをプレイしています。本当はもっと沢山の作品をプレイしたいのですが開発に時間を取られてしまって…(笑) そうしたなかからでもインスピレーションを得ることはあります。 他の作品からそのまま引用して実装するということはありませんが、新しいアイデアをもとに独特のものを作り上げるのはチャレンジだと言えます。 それとは逆にUI(ユーザーインターフェース)に関しては完全にオリジナルである必要はありません。それよりもプレイヤーが慣れ親しんだものを採用しようと私は考えています。 そのために多くのオープンワールドゲームをプレイして、メニューを確認したり、新しいミッションをどう決定するのか、新しい装備の選択の仕方などを見て学んでいます。 イノベーションを起こすよりプレイヤーが分かりやすいことの方が重要なのです。

EAA: ゲーム開発における開発者視点の貴重な意見をありがとうございます。ゲームプレイの話に戻りますが、ミッション中に装備の変更は可能でしょうか?

マシュー氏: 制限はありますが可能です。 ソロでプレイ中はメニューを開くとゲームが一時停止します。 一方でco-opではゲームが進行したままなので敵からの攻撃に注意しながら装備を変える必要があります。 ミッション中に変更できないのはスペシャリゼーションです。 ミッションを始める前にどのスペシャリゼーションにするかを考えてから決定してください。

EAA: アイテムを収納する保管庫はありますか?

マシュー氏: 実は開発段階では保管庫はありましたが、プレイヤーがいつでも保管庫に戻れるわけではなく装備したいアイテムを取りに行けない場面がストレスになると考えて削除しました。 ですからプレイヤーは手に入れた装備を常に所有していつでも変更が可能な仕様に切り替えました。 唯一、乗り物だけは所定の位置に行かないと選択できません。

EAA: デモで武器のレアリティをいくつか見ましたが全部で幾つありますか?

マシュー氏: 5段階のレアリティがあります。 白、緑、青、紫、ゴールドです。 ゴールドが最上級で白が最下級です。 各レアリティにはハンドリングやボーナスダメージ、リロード速度アップなどのボーナスも設定されています。 しかし、このゲームは敵が何発も銃弾を浴びるようなゲームではなく、頭に1発撃ち込むだけで倒せるゲームですから、通常の戦闘でレアリティやボーナスごとの大きな差を感じることはありません。 ボーナスの差が響いてくるのはベヒーモス(大型のドローン)のような大型の敵と戦う時ですね (※ 実際にベヒモスと戦いましたが4人がかりのゾンビ戦法でやっと倒せたような強敵で、倒せたチームはどこも歓声を上げていました。 余談ですが、日本メディアチームはやっぱりこういう協力プレイが他国より上手いと見ていた開発者が語っていました)。

ゴーストリコン ブレイクポイント: いかにしてプレイヤーが理解しやすいゲームを作るのかユーザーエクスペリエンスディレクターにインタビュー 【E3 2019】
ベヒーモスはドローンと聞いていたので、よくあるクアッドコプターと思ったら、ミサイルやロケットを撃ち込んでくる自走戦車という衝撃

EAA: クロスセーブやクロスプレイの予定はありますか?

マシュー氏: その件については私は把握していないのでお答えできません。

EAA: それでは、最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

マシュー氏: 日本のプレイヤーの方々に『ゴーストリコン ブレイクポイント』をプレイしてもらえることを心から嬉しく思います。 皆さんが楽しんでくださることを祈っています。 ベータ版が9月5日から8日まで配信されますのでぜひともプレイしてください。

『ゴーストリコン ブレイクポイント』ウィーアーブラザーズトレーラー
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