『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』には数多くのスタッフが関わっており、ゲームバランス、メディアやコミュニティとの連携、eスポーツなど、さまざまな部門に枝分かれしながら一つの巨大な世界を作り上げています。そんなシージ界の発展と維持に携わるアートディレクターのAlexander Karpazis氏に、ゲームプレイには直接関わらない部分のデザインや展開についてインタビューをさせていただきました。
Alexander Karpazis氏略歴
ビジュアル・デザインの分野で確かな土台を持つKarpazis氏は、Ubisoftに8年以上勤務。『スプリンターセル』や『ウォッチドッグス』、『ファークライ』などさまざまなゲームに携わってきました。『レインボーシックス シージ』ではアートディレクターとして、才能豊かなアーティストたちとともにシージをとりまく背景世界のビジュアル部分をまとめあげ、ゲームに生命を吹き込んでいます。
インタビュー
他のメディアでの「シージ」について
EAA: 本日はお時間をいただきありがとうございます。今回は主に、ゲームそのものには入っていないコンテンツのことについて質問をさせていただきます。たとえば『レインボーシックス シージ』は昨年12月に、「オペレーション・シフティングタイド」の短編アニメを作っていましたね。あんな風に、今後もオリジナルの映画やドラマなど、他のメディアで展開する計画はあるのでしょうか。
Karpazis氏: この場で一つの例として挙げられそうなのは「Road to S.I.」イベントの動画です。オペレーターたちがギリシャに集まって、協力し、相手に立ち向かうというそれぞれのストーリーが描かれていた。ああいうシージのストーリーを作っていくのはいつでも楽しいものですね。
EAA: 昨年はNetflixのドラマ『ペーパーハウス』とコラボしていました。今後も他のドラマやゲームとのコラボに期待してもいいのでしょうか。
Karpazis氏: シージのようなゲームはこれから10年は続くので「ご期待ください」、と言ってしまって問題ないでしょう。
※このインタビューのすぐ後、「トゥームレイダー」シリーズとコラボしたAsh(アッシュ)のエリートセット「ララ・クロフト」が発表されました。
各シーズンのフレーバーについて
EAA: シージのアート面についてですが、たとえば「オペレーション・バーントホライズン」の鮮烈なピンクには私も当時びっくりしました。ああいったアートデザインはどのような過程で、どの程度時間をかけて作っているでしょうか。
Karpazis氏: 新シーズンの企画がスタートすると、最初に新オペレーターたちのアートを作り始めます。リリースの半年から9ヵ月前ですね。新オペレーターがどんな人物なのか分かってくると、次に彼らをとりまくシーズン全体のアートを作ります。その時点でリリースの3ヵ月前です。(「バーント・ホライズン」の)ピンクについてもそのあたりで検討していました。
新シーズン「ヴォイドエッジ」も企画時点で紫にしようと決めていたわけではなくて、スタッフ間でシーズンのテーマについて深く掘り下げていく中で抽出した色なんです。
EAA: オーストラリアの荒野から深海まで駆け抜けたイヤー4に対して、次の「オペレーション・ヴォイドエッジ」にはどこか暗く乾いた印象があります。シーズンそのものは、どんなコンセプトで作られているのでしょうか。
Karpazis氏: 二人のオペレーターをこんな風に表現したかったんです。Iana(イアナ)は空虚(ボイド)な世界にいて、その一方でOryx(オリックス)はまさしく世界の果て(エッジ)にいて、立ちはだかる壁を破壊できる人物として特徴づけられています。OryxはKaid(カイド)の要塞を訪ねに向かい、地上に根付いている。他方Ianaは宇宙を彷徨っているわけですが、月と地球との間でその精神的な部分には繋がりがある、という具合です。
EAA: ところで、イヤー5シーズン1の舞台はギリシャだと思っていたのですが
Karpazis氏: それは「SIイベント」でハリーがあのスタジアムを見つけて、オリンピックの起源であるギリシャに着想を受けました。それを体現した「スタジアム」マップをオペレーターたちのトレーニング施設として作った、というだけですね。
ゲーム内イベントについて
EAA: 「Road to S.I.」はイベントそのものも、バトルパスも非常に面白い内容でした。イヤー5にもバトルパスがあるそうですが、同様の内容になるのでしょうか。
Karpazis氏: 新しいバトルパスでは、オペレーターたちの今まで知られていなかった側面やバックグラウンドや、インビテーショナル後に何をしているかなど、さまざまな面から掘り下げていきます。同時に新オペレーターたちのことも掘り下げています。
EAA: イヤー4ではさまざまなミッドシーズン・イベントがありました。あのようなイベントを今後も遊べるんですよね?
Karpazis氏: 間違いなく遊べます。各シーズンで大きなイベントがあり、さらに「アーケード・プレイリスト」と呼ばれる新モードで複数の小規模イベントも開催します。その最初のものとしてアナウンスされているのが「黄金銃」イベントです。以降もこんな具合に、ゲームプレイに少しひねりを加えたイベントを体験できます。
R6Qについて。そしてノックの素顔は?
EAA: 今年は『レインボーシックス クアランティン』の発売も予定されています。『シージ』と何か連携しているような部分はあるのでしょうか。たとえばスキンを共有できるなど。
Karpazis氏: 『クアランティン』はストーリー形式のゲームですが、確かにそういうカスタマイズのシェアができたら面白いでしょうね。
EAA: ありがとうございました。 最後の質問になってしまいましたが、Nokk(ノック)の素顔はいつ見せてもらえますか?
Karpazis氏: ハハ(笑)その手のミステリーやサプライズは後に取っておくのが好きなんです。ええ、もちろんわかってますよ。知りたいでしょう? でもまだ内緒です(ニヤリ)。
https://fpsjp.net/archives/351098
https://fpsjp.net/archives/348929
https://fpsjp.net/archives/350105
『レインボーシックス シージ』の発売日は2015年12月10日で、対象機種はPS4、Xbox One、PC。
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コメント
コメント一覧 (3件)
オペの名称の話し出したらテルミットとかどうなるよ。
確か正式名称はサーマイトじゃなかったっけ?
Nøkkのøはöに相当する音なのでヌックが正しいと思う
Kaid(قائد)もアルファベットでKaidと表記する場合カイードと読むらしく公式動画でもカイード読み
R6Sだけであと10年もやるのか