[独占]『CoD:BOCW』ロングインタビュー:PCとPSのクロスプレイの公平性は? ハイスペックPCは必要? ファイルサイズは?など 14 のQ&A

[独占]『CoD:BOCW』ロングインタビュー:PCとPSのクロスプレイの公平性は? ハイスペックPCは必要?  ファイルサイズは?など 14 のQ&A

11月13日のリリースが迫る『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』。今回はActivisonのパートナー企業Beenoxから、『CoD:BOCW』のユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を統括したマーク=アレグザンダー・ミロ氏にインタビューを行い、約1時間に渡ってさまざまな話を伺うことができました。

PCユーザーにもPSユーザーにも興味深いインタビューとなっているので、ぜひご覧ください。

『CoD:BOCW』ロングインタビュー

Call of Duty®: Black Ops Cold War – 公式ローンチトレーラー

今年の10月に創立20周年を迎えたカナダ企業Beenoxは、Activisionのパートナー企業として新作『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』はもちろん、過去のCoDシリーズのPC版開発にも多大な技術サポートを提供してきました。

マーク=アレグザンダー・ミロ氏(PCGHより)

『CoD:BOCW』でユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を統括したマーク=アレグザンダー・ミロ氏はゲームエンジニアリング分野で抱負な経験を有しており、2020年だけでも『CoD:MW』や『ウォーゾーン』、『CoD:MW2CR』など多数のゲーム開発に携わっています。

EAA!!はそんなミロ氏にインタビューを行い、PC版に特有のグラフィックまわりに関することや、プラットフォーム間の公平性を含めたユーザーエクスペリエンスに関することなど、さまざまなお話を聞かせていただきました。

『CoD:MW』からのグラフィックの進化

Q. 『CoD:BOCW』からは「DirectX 12」に対応し、またNVIDIAの最新グラフィックボードにも対応します。一方で、こうした最新のソフトウェアやハードウェアの有無が、敵の見えやすさやプレイヤーのスキル、スコアなどに影響を与えることはありますか?

ミロ氏どんなPC環境でも同じように敵が見えるようにするのは非常に重要で、それを実現するためにオプションメニューにはさまざまな選択肢を用意しています。

もちろんPC環境によっては、たとえばA地点からB地点にいる敵を見るとき、レイトレーシングなどを使ってグラフィック・クオリティを最高にすれば敵の姿がより鮮明になり、逆に最低スペックだと見えにくくなることが考えられます。そこで画面設定のうちいくつかは敢えてオフにできないようにすることで、グラフィックを調整して自分だけ敵を見えやすくする、といったことは不可能にしています。つまり最低スペックの設定でも、敵の見えやすさには公平性を保っています。

DirectX 12について言えば、これは開発側にレンダリング技術の面でより多くの力をもたらし、可能な限り小さな容量で複雑なデータを扱えるようになりました。数年かけて11から12へ自然に進化していったので、12対応へ移行すること自体は簡単なことでした。

DirectX 12の便利なところは、改善点をコンソールとシェアできることですね。PC版のグラフィック・アップデートがコンソールにも同様に適応できるようになったんです。

Q. 『CoD:BOCW』ではNVIDIAサポートが推奨されていますが、逆にNVIDIA以外のGPUだとパフォーマンス面でマルチでは不利になったりするでしょうか?

ミロ氏:レイテンシにはわずかに影響が出るかもしれません。NVIDIAの方がレイテンシが少なく、それだけキーボード・マウスの反応も早くなり、プレイが快適なものになるでしょう。

とはいえ私たちはあらゆるPCプレイヤーを想定してテストしているので、競技レベルでの試合ならともかく、普通にマルチをやる分にはNVIDIAの有無が原因で思いがけないキルが起きるといったことはないと思います。

Q. 『CoD:BOCW』PC版を開発するにあたって前回から開発環境にどのくらい変化があったでしょうか?

ミロ氏:非常に数多くの変化がありました。今年からNVIDIAとのパートナー契約を結び、レイトレーシングをサポートし始めたことで、キャンペーンモードやマルチ、ゾンビモードに渡って、陰影の度合いやアンビエント・オクルージョンなどさまざまなグラフィック・オプションを調整できるようになりました。

CoD:BOCW: 10月9日のベータテストに向け、最新マップ"CARTEL"や、新モード"FIRETEAM: DIRTY BOMB"などが公開

レイトレーシングによってGPUの負荷が上がっていた点については、「NVIDIA DLSS (ディープラーニング・スーパーサンプリング)」というAI技術によって、レンダーターゲットを低減しCPU処理速度を高め、クオリティ面でも向上させることができました。

これにより処理が画面に反映されるまでのレイテンシも減り、FPSをプレイするうえでのレスポンス時間もより良くなっています。

Q. グラフィックのクオリティについてですが、新世代コンソールも導入される中で、どういった点を基準値としていますか?

ミロ氏:複数の点を考慮に入れています。『CoD:BOCW』にはクロスプレイがあるため、PCやコンソール、どのバージョンであれゲームの公平性を損なってはなりません。そこでグラフィックのオプションメニューにさまざまなオン・オフ設定を導入しています。

これにより、たとえば10フィート先のオブジェクトの見え方なども調整できます。逆にこうしたオプションがないと公平性が失われるでしょう。基準として考えているのは、どのバージョンで、どんな設定でプレイしていても基本的なプレイの公平性が保たれているかという点です。ただし映像クオリティの調整のしやすさはPS5など次世代コンソールの方が上でしょう。PC版の方にはPCに特有のさまざまなグラフィック調整方法がありますからね。

Q. ゲームを一時停止して360°好きな方角から撮影する「NVIDIA ANSEL参考動画)」は、本作に対応していますか?キャンペーンやシアターモードのみでしょうか?

ミロ氏:対応予定ですが、もちろんキャンペーンモードのみです。マルチでいつでも全方位にカメラを回せるようになるのはフェアじゃありませんから(笑)。キャンペーンモードでは、カメラを動かして自分の好みのクールな画像を撮影できるようになります。キャンペーンモード限定になりそうですがシアターモードというのも面白そうですね

CoD:BOCW:キャンペーンファーストミッションのティザートレーラーが公開

Q. 最近のFPSタイトルではゲーム内でベンチマークテストができるものが増えていますが、『CoD:MOCW』には導入されないんですか?

ミロ氏:社内でベンチマークテスト用に使っているマップはあるんですが、作業の優先度などもあってプレイヤー向けには提供できていないですね。ですがもし実装できるなら素場らしいことだと思います。

『CoD:BOCW』のUI&UX

Q. 開発時期について。『CoD:BOCW』はPC版とコンソール版どちらが先に開発されたのでしょうか?

ベータテストより、『CoD:BOCW』のUI一例

ミロ氏:今年はさまざまな仕事がありましたが、いずれも可能な限りPC版から着手することが重要でした。たとえばUIはマウス操作を前提に作り始め、それからゲームパッドなどを使う他のバージョンにも合わせていきました。

少なくともデザイン面ではキーボードとマウスによる操作を想定しています。これらはすべて可能な限り早く始める必要があり、『CoD:BOCW』に関しては約1年前にスタートしました。

Q. 本作のUIはCoDシリーズで最高に整っており、非常に直感的で見やすくまとまっていると感じます。どのようにしてこのUIへの決定に至ったのでしょうか。

ミロ氏:UIやUXを開発するうえで特に重要視したのは、こちらで作り上げたUIやUXデザインをどうやって実際のゲームプレイに合わせていくかです。その後にアーティストによるクオリティアップ作業もあります。どこにどのアクションのアイコンを配置するのかは、キーボードとマウスでの操作をまず念頭に置いてデザインしていきます。

『BO3』の開発ではPS3版とXbox360版が先行していたんですが、『BO4』から本格的にPC版からスタートして、以降はTreyarchと素早くコンタクトを取り合うことでチームとして仕事ができるようにしています。

Q. ベータでは音声と字幕を別々に切り替えることができませんでした。こうした機能はリリース版では追加されますか?

ミロ氏:私が取り組んだのが日本版だったか韓国版だったかちょっと覚えていないんですが、部分的にはそういうことを可能にしていくつもりです。もちろん音声と字幕をそれぞれ別のものにできるのは、PC・コンソールに関わらずプレイヤーにとっても良いことですからね。

PC版『CoD:BOCW』固有のポイント

Q. PC版ではコンソール版よりも多くのバグレポートが届いているとうかがっています。これにはどういった理由があるのでしょうか?

ミロ氏:コンソールと比べて、PC版は人によってPC構成が異なるせいですね。ハードウェアやGPUの組み合わせによってゲームに悪影響が出るパターンがコンソールよりも多いはずですから。他にも、PC内でゲームが占めるリソースもコンソールのそれと大きく異なります。

PCパーツの組み合わせは数え切れないくらい多いので、こちらでもテスト用にさまざまな組み合わせのPCを用意して動作やマッチングをテストし、正常に動作するかチェックしているんです。クラッシュ・レポートが出たときはパフォーマンスをチェックして、どのパーツがレンダリングに問題を起こしたかを調べています。

どんな組み合わせでも可能な限り正常に動作することが非常に重要です。そういう意味では、さまざまな組み合わせでのゲーム・パフォーマンスをチェックできるベータテストのデータは貴重なものとなりました。記録はすべて残っているので、それらに可能な限り対処していきます。

Q. プラットフォームをSteamからBattle.netに移行して2年目(BO4が2018年10月12日発売)になりますが、移行して良かったと感じたことはありましたか?

ミロ氏:ブリザード社(Blizzard Entertainment, Inc.)のチームにアクセスできたのは良いことでした。PCゲーム開発の分野で特に優れた企業の1つからフィードバックも受け取れるようになり、実際彼らからのフィードバックは非常に有益なものです。

CoD:BOCW:キャンペーンファーストミッションのティザートレーラーが公開

いつでも自分に言い聞かせている問いかけは、「何をもって“PC用”ゲームとするのか」という点です。「プレイヤーにはどうしてそれが“PC用”ゲームだと分かるのか?」「コンソール向けではないのか?」「どういった点からそう感じるのか?」こうした問いかけに対してブリザードの皆さんが手を貸してくれました。あそこはPCプレイヤーが大半ですし、パフォーマンス・トラブルに関するデータも豊富に持っています。ブリザードとチームを組めたことで、私たちのチームはさらに大きなものになりました。

PC版クロスプレイのボイスチャットについても技術協力をしてもらっていて、どの地域、どのプラットフォームからアクセスしていても同じようなチームプレイ体験ができるようになりました。

クロスプレイの公平性

Q. プラットフォーム間のクロスプレイは本作の目玉の1つです。しかしバランスの取り方が課題だと思うのですが、PC版とコンソール版のプレイヤーとの間でどのように公平性を保っているのでしょうか。

ミロ氏:それは非常にセンシティブなポイントですね。こちらでも何度も議論を重ねてきたことでもあります。

PC版は基本的にキーボード・マウス操作だと思いますが、コンソール版のプレイヤーとの間には公平性を保たなければなりません。キーボードとマウスだけでなく、ゲームパッドの方にも新たに多くのオプションを導入し、できる限り不公平にならないよう取り組みました。

たとえばキーボードではWASDで移動し、同時にマウスを使って方向転換ができますが、ゲームパッドではこれがやや難しい。なのでパッドでも同じような感覚でプレイできるようにすることが重要でした。ゲームデザインをする際は、「コンソール版の場合ではどうか」を常に考えています。

一方で公平性が保たれている点としては、コンソール版の「歩く」機能が挙げられます。これは競技シーンを想定した機能で、コンソール版ではスティックを倒す角度を調整することで移動速度がゆっくりしたものになり、雑音も小さくなります。キーボードだと「W」キーは常に早歩きになり、「歩く」はキーバインドになっているため、これはキーボード操作では基本的に不可能な点の1つですね。

ファイルサイズとインストール方式

Q. ファイルサイズについて、最大サイズと最小サイズを教えください。また、『CoD:BOCW』では『ウォーゾーン』のインストールも求められるのでしょうか。またその場合、『ウォーゾーン』だけをアンインストールしたりすることはできますか?

ミロ氏:『CoD:BOCW』は『ウォーゾーン』とは別々にインストールすることになり、セットでのインストールは求められません。

PC版のサイズについて言えば、マルチプレイヤーのみダウンロードすると50ギガバイト。キャンペーンも含めたゲーム全体をダウンロードすると150ギガバイト。加えてPC版では4Kモデルのテクスチャを個別にダウンロードして、さらにグラフィック・クオリティを上げることもできます。この「ウルトラグラフィック・テクスチャ」もダウンロードすれば、最大ファイルサイズは250ギガバイトになります。

Q. ダウンロードにサイズに関して。ダウンロードが可能になるのは(発売日の)11月13日より前であると思いますが、ファイルサイズについてはバージョンごとにどのように最適化していきますか?

ミロ氏:ディスク容量についてはたくさんのフィードバックをもらっていて、真剣に取り組まなければならない点の1つです。発売と同時に皆さんそれぞれキャンペーンやマルチ、ゾンビモードに向かうと思いますが、ファイルからキャンペーンモードだけをアンインストールすることもできるようになります。

JP_1280x720_YT_Thumbnail

発売まであと半月ほどまで迫った『CoD:BOCW』。ベータ版をプレイした皆さんは、UIやUXについてどんな感想を抱かれたでしょうか。今回のインタビューを通して思うことがあれば、ぜひコメント欄にお寄せください。

『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』の対象機種はPS5 / PS4 / PC / Xbox One / Xbox Series Xで、発売日は2020年11月13日(Xbox Series X版は2020年末)。

購読
通知
guest
4 コメント
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る
おおお
おおお
29 日 前

ずっとPC版でCODやってきたけどBatte.netに移行してから各段にクオリティ上がった気がするわ

新兵
新兵
29 日 前

容量やっと昔みたいにシングルマルチ別になるのかよ STEAMからBNになってその点劣化してたからなあ

a
a
1 月 前

CODMWではウォーゾーンやハイレゾテクスチャが強制的DLだったけどそれは解消されるみたいだね
毎週のように数十GBのパッチをダウンロードさせられてゲーム画面まで行ってインストールするアレは改善されたのかな

Nanashi
Nanashi
1 月 前

マウスのひっかかりとか当たり判定は直して欲しい
まあBetaだったからとっくに直してるだろうけど