アンチチート戦争新局面へ：次世代チートは「全プラットフォーム使用可能+機械学習AI搭載」と警告

不正なツールを使ってゲームを台無しにするチーターに対し、各タイトルの開発側はアンチチートを日々アップデートさせていますが、残念ながらチートの開発側も進化しているようです。ネットのアンチチート団体からは、「AIによる機械学習機能を搭載し、あらゆるプラットフォームで使える」という次世代のチーターの存在に警告が発せられています。

コンソールでも使える次世代チートツールに注意

ネット上でアンチチートの啓発をすすめるボランティア団体Anti-Cheat Police Department（ACPD）は7月5日のツイートを通して、「次世代のチートツール」と呼ぶに相応しい、これまでにないタイプの不正ツールが昨今登場し、徐々に各タイトルに浸透しつつあることを警告しています。

Ladies and gentlemen, I present you the next generation of cheating now available on console, and has been for a while but lately its been becoming more popular and more of a trend, consoles are no longer a safe space to play your games legit anymore pic.twitter.com/iEQzPVFf1h

— Anti-Cheat Police Department 🕵️ (@AntiCheatPD) July 5, 2021

「皆さんご覧ください。今回ご紹介するのはコンソール機で使える次世代のチートツールです。昨今徐々に知名度を高め、トレンド化しつつあるこのツールにかかれば、コンソール機さえまともにゲームができるような安全な場所ではなくなります」

添付された動画でも確認できるように、次世代チートツールには主に以下の特徴があるそうです。

• AIによる機械学習によって、画面上で動くオブジェクトの種類を自動識別。より精度が高く、射撃部位などを細かく設定可能なオートエイムができる
• PC回線やキャプチャーボードなどを経由してコンソール機のネットワークに侵入し、PlayStation版やXbox版のゲームでも使うことができる

重大な問題は、これまではPC版ゲームのプレイヤーに特有の悩みとされていたチーターが、コンソール機でも猛威を振るう可能性があるという点です。SIEとMicrosoftのネットワークにはそれぞれ不正なツールの検出機能は備わっているそうですが、ACPDは今後は検出がどんどん難しくなっていく可能性を指摘しています。

アンチチート戦争も新時代へ？

「絶対に検知することはできないのか」という問いに対しては、ACPDは「検知はできる」と説明しています。ただし検知システムを開発するために、ゲーム開発側にはさらなるコストや労力が費やされることは想像するに難くありません。

北米のFPS界で特にチート問題が取り沙汰されるのが、Activisonの『コール オブ デューティ ウォーゾーン』と、EAの『エーペックスレジェンズ』です。エーペックスではチーター問題だけでなく、サーバーへのDDoS攻撃問題もコミュニティの悩みの種となっており、先日はエーペックスのゲームそのものが第三者にハッキングされて数時間プレイ不能になるという事件も起きました。

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『ウォーゾーン』の開発を手がけるRaven SoftwareのクリエイティブディレクターAmos Hodge氏によると、『ウォーゾーン』では24時間体制でセキュリティチームがサーバーを監視し、エイムボットやウォールハック、トレーナー（というチートツール）、スタッツハッカー、テクスチャハッカー、リーダーボードハッカー、バイナリエディター、その他あらゆる外部ソフトウェアを使うプレイヤーをBANして回っているそうですが、それでもチーターは次から次へと出現しています。

また、『エーペックス』の開発を手がけるRespawnのコミュニティディレクターRyan K. Rigney氏は「チーターとの戦争には終わりがない」と述べていることからも、マンパワーだけでは早期の解決は見込めない問題であることが分かります。

これからのゲーミング体験はどのようなものになっていくのでしょうか。ACPDによると、この次世代チートツールは既にコンソール版のゲームにも出現し始めているとのことです。主にコンソール機でオンラインゲームをプレイしている方々は、怪しい挙動のプレイヤーを見つけたら速やかに通報することをおすすめします。それですべて解決とはいかないでしょうが、多少なり開発側の力になれるでしょう。

Via: VGC