エーペックスレジェンズ:"マッチメイキングの仕組み"を開発スタッフ解説、レートや回線環境などが複雑に混ざったシステム

エーペックスレジェンズ:"マッチメイキングの仕組み"を開発スタッフ解説、レートや回線環境などの要素を混ぜた「かなり複雑な」システム
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Respawn Entertainmentの『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』では11月2日よりシーズン15「エクリプス」がスタート。オンライン対戦ゲームということで、マッチングの公平性が長らく議論になっていますが、新シーズンを前に、謎の多いその仕組みの一部が開発スタッフによって解説されました。

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APEX マッチメイキングの仕組み

エーペックスのオンラインマッチングには、他の対戦ゲームと同様にSBMM(スキルベースドマッチメイキング、いわゆるスキルマッチ)が採用されています。

これは「自分と同じくらいのスキルのプレイヤーたちと同じロビーに入るシステム」と解釈されており、特にランクマ下位~中位帯のプレイヤーには不可欠なものです。しかし実際には、国内やRedditなどの海外コミュニティをのぞくと、下位~中位ランクのプレイヤーがプレデター帯のトリオに遭遇するといった事例が数多く報告されており、現在まで続く不満点の1つとなっています。

日本時間11月2日にスタートするシーズン15については、まだパッチノートがリリースされていないこともあり、ランクマッチの調整については定かではありません。しかしここで、エーペックスのテクニカルディレクターSamy Duc氏が、マッチメイキングの仕組みについてTwitterで具体的な解説をしていました。

マッチメイキングの仕組み

エーペックスのマッチメイキングは、大きく分けて以下の3つの要素の組み合わせで決まるそうです。

  • 進行システム:プレイヤーが確認できる、画面に表示されるランク
  • スキルレーティング:プレイヤーが確認できない、ゲーム内でのスキル評価
  • マッチングアルゴリズム:上記2つに、レイテンシ(回線環境)や地域などの要素を合わせるアルゴリズム

1つ目の「進行システム」はプレイヤー側に公開されている情報で、ランクマでは、たとえばゴールドバッジなどの形で自分の強さを確認し、他人に見せられるようになっています。

一方で自分のランクは、ゲーム内で評価されているスキルレートとは別という点が、誤解されがちなポイントのようです。

スキルレートの数値は、ランク以上に大きく変動しています。もし現在のランクがそのままスキルレートとして用いられたら、1つのシーズンを通してレートは十分に変化せず、マッチングも退屈なものになってしまうとのこと。

「スキルレート」の具体的な計算方法は未公開ですが、ここには数学と統計が用いられており、マッチメイキングにおける「秘密のソース」のほとんどの部分がスキルレートから作られているそうです。画面上に見えているプレイヤーのランクよりも、見えないレートの方がマッチメイクにおける重要度が高いことが察せられます。

つまり「シルゴル帯がプレマス帯トリオとマッチングする」事例や、「自分のチームメイトが明らかに未熟なプレイヤーばかり」という事例は、ランクだけではなく、スキルレートも参照された結果であると解釈できます。あるいは3つ目の要素であるマッチングアルゴリズムが関与して、そのプレイヤーの地域や回線環境も影響したのかもしれません。

開発者にとっても「かなり複雑」なシステム

マッチメイキング
EA Answers HQより、「なんでそうなる?」なマッチングの一例

しかしプレイヤー個々の体験として、この説明では納得できないという方もいるでしょう。

実際のところエーペックスのマッチメイキングシステムは、上述のようにさまざまな要素が「かなり複雑に絡み合っている」ことをSamy Duc氏も認めています。

(アリーナは別として)エーペックスが2チームで対戦するだけのゲームなら、マッチメイキングシステムもより容易なものになり、チーム間のレート差を見れば、対戦結果さえも戦う前に予測できるそうです。しかしバトロワでは多くのチームやプレイヤーが入り乱れ、さらにエーペックスには運ゲー要素も盛り込まれている点が、システム全体を難しいものにしているようです。

エーペックスのSBMMは「EBMM」ではない

Samy Duc氏からは、主に海外コミュニティでささやかれている、エーペックスにおけるEBMM(エンゲージベースドマッチメイキング)の有無についても回答が得られました。

EBMMとは、プレイヤーを1つのゲームに長時間依存させ、それにより企業が多くの収益を上げられるよう故意に仕組まれたマッチメイキングシステムを指します。エーペックスの場合はEAが特許を持つEOMMがそれに該当し、実際に組み込まれている…と噂されています。

プレイヤーに対して、EBMMはどのように機能するのでしようか。たとえば、「その日のパフォーマンスが好調だったとき、急に自分より強いプレイヤーばかりのロビーに放り込まれた。そこからしばらく負け続け、もう止めようかとイライラしたところで、今度は弱いプレイヤーばかりのロビーに入って活躍できた。それで満足し、さらにゲームを続けるモチベーションが生まれた」といった体験には、EBMMが関与しているという主張があります。

EBMMの有無は以前から、有志によるランクマ500回のマッチング検証などを通して何度も議論されてきました。ゲームをより長くプレイさせ続けることを目的に、自分より強かったり弱かったりするプレイヤーの間を行き来させられるようなシステムが実際に組み込まれているとしたら、公平な「スキルベース」とは言えません。

しかしSamy Duc氏は、少なくともエーペックスのマッチングにおけるEBMMは否定しています

「EBMMは特許でカバーされている非常に特殊なものです。つまり誰にでも、それが何であるか、どのように機能するかを見ることができます。私は絶対にそういうものには関わりません。SBMMは非常に曖昧な用語です。スキルを評価するものというだけの意味です。私たちはSBMMには賛同しますが、EBMMにはしません」

少なくとも海外コミュニティが使うEBMM(EAのEOMMなど、特許によってどういう技術なのかが定義可能)という言葉と、エーペックスに組み込まれているSBMM(技術的な定義が曖昧)は別モノで、使い分ける必要があり、またEBMMはエーペックスとは関係がないことが述べられています。

公平なマッチメイキングは技術的に難しい?

今回の開発者による話は、エーペックスのシステムの複雑さが明かされ、プレイヤーをわざと依存症にするようなEBMMではないことも明言された興味深いものでした。

しかし結局のところ、「マッチメイキングシステムは上手くできているのか、いないのか」という大元の論点から進んでいない感があります。現状さまざまな意見が寄せられているこのシステムが、技術的に今後良化していく見通しがあるのかが気になるところです。

シーズン15「エクリプス」は11月2日スタート。新マップ「ブロークンムーン」や新レジェンド・カタリストも気になるところですが、ランクマッチを含む既存のコンテンツへの調整点にも注目してみてください。

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Source: Twitter

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コメント

コメント一覧 (10件)

  • SBMMなんてやるから問題になってるんだから、~~帯ごとのランダムマッチでいいやん。

    • それすると単に狩りたいだけの人達は永遠ブロンズに行くで 
      あと上位に行けば行くほどマッチに時間かかって回線が最悪になる

  • とりあえずダイヤ帯を作ってくれ
    プレマス帯はどんだけ待ってもプレイするから無理に吸い上げはしないで

  • EBMMそのものは実装してないのかもしれんが、
    見えないスキルレートとやらのせいで
    結果的にEBMMになっちまってるだけなんじゃねーかな

    見えないスキルレートとやらが、勝ち負けのたびに頻繁に上下するんだとしたら、
    連勝すれば一気に数値が上がって、弱い味方と出撃することになるし、
    連敗すれば一気に数値が下がって、強い味方と出撃することになるでしょ。

    • スキルレートの変動が激しいっていうのは、「勝てば上がるし負ければ下がる」つまり毎試合変動するっていうくらいの意味だと思うよ。
      レート=ランクのシステムだと、ランクの境目で勝ちと負けを交互に繰り返した場合には1戦ごとにランクが変動しちゃって、ランクの変動そのものに意味を感じられなくなってしまう。その対策として、レートとランクを分離したうえで、ランクがゆっくりとレートに近づくシステムが主流になっている。折れ線グラフ(レート)と移動平均(ランク)という関係に近い。
      あと、連勝と連敗でのマッチ内プレイヤースキルの変動については、むしろスキルベースマッチングが厳格かつ正確なゲームほど顕著だよ。そういうゲームほど3,4連勝(負)もしたら目に見えてスキルが変動する。そもそも、自分や他プレイヤーのスキル評価が安定している状況では3,4連勝(負)もすること自体が少なくて、そうなるのは参戦直後とか大規模バランス調整後みたいな不安定な時期が大体。
      バトロワというジャンル自体がマッチングシステムの調整激ムズで、APEXもその流れだろうから、ある程度は妥協しておいたほうがいい… かもしれない。

  • 今シーズン終わりなのにソロダイヤ帯でチャンピオン部隊がフルパプレデターと当るのどうにかしろ、こんなんじゃソロまじで出来ないぞ

  • 技術的と言うか 
    大多数のプレイヤー達を均一にしてスキルマッチしようなんて芸当は無理でしょ 
    それはアルゴリズム以前にアクティブユーザー達が
    均一のスキルでもって実現できる事であって 
    新規が入らなくなってる状態じゃどうやってもマッチ自体がおかしくなる 
    社会人口と同じで人口ピラミットが崩れてるみたいなもんよ 

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