アプリ「Logicool G HUB」の設定
A50 Xの専用アプリはASTROシリーズで初めて「Logicool G HUB」に統一。モバイルアプリでもBluetooth接続を通じてPC版と同じ設定を変更できる。
気になるサウンド設定について、「ASTRO MixAmp Pro」で評価されていたイコライザーが超パワーアップ。音楽鑑賞からゲーム用途までイコライザー設定にこだわるのはかなりおすすめだ。
以下で目ぼしい点を列挙してみよう。
- ヘッドフォン:特定の周波数帯域を強調または減衰するイコライザー設定が可能。3つの汎用プリセットに加えて、カスタムでは20Hz~20kHzの間に10バンドの登録。さらに帯域幅を調整できる。
- マイク:ASTRO初のマイク用イコライザー設定が追加され、3つの汎用プリセットとカスタム設定が可能。ノイズゲートは4段階で調整でき、シリーズ初の「オフ」もある。
- ルーティング:A50 Xで聴いている音すべてをまとめて出力する再生デバイス「ライン」の音量バランスを調整する機能が搭載されている。動画配信などの音量管理をG HUB上で行いたい人に向いている。
A50 Xのイコライザー詳細モードでは、20Hzから20kHzの周波数帯域で好きな場所に計10本のバンドを登録可能。全てのバンドに対して帯域幅の調整もできる。現行A50やMixAmp Proでは最大5本のバンドで、帯域幅の調整は前後を除いたバンド3本に限られていたため、A50 Xは大幅な進化を感じられる。
ただし、バグだと思われる現象で、イコライザーの設定がゲーム用再生デバイスだけでなく、ボイスチャット用再生デバイスにも反映されてしまう。過去のASTROシリーズでは見られない症状なので、設定アプリをG HUBに移行した際に生じたバグと考えられる。極端なイコライザー設定だと通話の声までおかしくなる可能性があるので、国内販売前に修正されることを期待したい。
アプリ「Dolby Access」の設定
Microsoftストアから「Dolby Access」アプリを起動したPCまたはXboxにA50 Xを接続すると、バーチャルサラウンド「Dolby Atomos」が利用可能。通常は1,650円の支払いが必要だが、A50 Xを既定デバイスに設定している間は無償で利用できる。G HUBと比べて設定項目が少なく、シンプルで初心者にも使いやすい。
以下で目ぼしい点を列挙してみよう。
- パフォーマンスモード:プリセット「ゲーム」で、音の方角の精度が向上するらしい。検証したが、オフでも十分な情報が得られるため、有無の違いはわかりにくい。
- サラウンドバーチャライザー:プリセット「カスタム」でサラウンドの有無を切り替える。前後左右にスピーカーが配置された感覚を得られるので、有効にすると正確な情報把握ができる。ただし『VALORANT』などのサラウンドに対応していないゲームでは効果が薄い。
- ボリュームレベラー:プリセット「カスタム」で音量を一定レベルに調整する。遠くの小さな足音を増音し、射撃中の騒音を軽減する。『Escape From Tarkov』で非常に効果的な機能で、情報戦で有利に立ちやすい。
G HUBと比べて、イコライザーのゲイン(dB)はDolby Accessの方が±12と多い。ただし現在のdB値は左側の縦軸表記との位置関係でしか判断できないため、不便。操作性も含め、G HUBのイコライザーの方が優れている。また、Dolby AtomosサラウンドはPS5で使用不可。
Dolby Accessの設定はPC側でオーディオ処理するため、配信や収録した音にも影響する。ボリュームレベラーは優秀だが、聴きなれない音程になる可能性があるため、視聴者から指摘されることを心に留めておこう。一方、G HUBによるオーディオ処理はデバイス側で行うため、配信・収録の音には影響しない。
ASTRO A50 Xの個人的おすすめ設定
Logicool G HUB
A50 XのおすすめEQプリセットを2つ紹介。「リラックスしてゲームを楽しむ鑑賞用」と「競技ゲーム用」の2つのカスタムプリセットを参考にしてほしい。海外ゲーマーたちの公開したイコライザー設定を試した結果、以下のプリセットが体感で優秀だと判断した。ありがとう全ての海外ゲーマーたち。
- Logicool G HUB:ヘッドフォン
- イコライザー(ゲーム鑑賞用)
- バンド1、20Hz、5.17dB、0.688
- バンド2、48Hz、5.61dB、0.688
- バンド3、92Hz、3.83dB、0.688
- バンド4、184Hz、1.32dB、0.688
- バンド5、475Hz、5.77dB、0.688
- バンド6、1285Hz、1.72dB、0.688
- バンド7、4076Hz、4.09dB、0.688
- バンド8、9273Hz、4.70dB、0.688
- バンド9、14900Hz、5.03dB、0.688
- バンド10、19494Hz、5.70dB、0.688
- イコライザー(競技ゲーム用)
- バンド1、20Hz、-6.00dB、0.688
- バンド2、50Hz、-0.99dB、0.688
- バンド3、125Hz、-4.00dB、3.000
- バンド4、250Hz、6.00dB、2.500
- バンド5、800Hz、-1.00dB、4.000
- バンド6、1215Hz、-3.00dB、3.000
- バンド7、1800Hz、4.00dB、0.200
- バンド8、2650Hz、-3.00dB、1.410
- バンド9、4580Hz、4.00dB、0.300
- バンド10、8000Hz、-3.00dB、2.000
- イコライザー(ゲーム鑑賞用)
マイクは素の性能が優れているため、イコライザーまでこだわる必要はあまり感じられない。汎用プリセットのブロードキャストで十分と感じたので、まずはヘッドフォンのイコライザーに時間をかけると良い。
ノイズゲート設定は「夜」以上がおすすめ。マイクスポンジの装着も強く勧める。理由は、マイクがエアコンの風の影響を受けやすく、指紋が付きやすい金属面が露出しているため。実際に購入したマイクスポンジの商品リンクも記載しておく。
- Logicool G HUB:マイク
- イコライザー(汎用プリセット):ブロードキャスト
- ノイズゲート:夜
Dolby Access
Dolby Accessは設定が配信や録画の音声に影響を与えるため、配信者やゲーム収録を行う人は無効にするのが良い。もし設定するならイコライザーを除く以下2つだけにとどめよう。
- Dolby Access:カスタムプリセット
- サラウンドバーチャライザー:有効(ゲーム側が対応してる場合)
- ボリュームレベラー:有効
すべての設定が完了したら、G HUBとDolby Accessを終了しても設定は継続される。バックグラウンドアプリを減らしてゲームの動作を優先させよう。
ロジクールG ASTRO A50 X レビュー 総評
本体価格に目をつぶれば「A50 X」の潜在能力は業界トップクラスで、ガチゲーマーは特におすすめできる。一度手にすれば、その快適さと使いやすさで他のヘッドセットに戻るのが難しくなる最高級な体験が待っている。
筆者も非常に気に入っているヘッドセットで、今後も革新的なゲーミングオーディオ技術に期待しながら長く愛用していきたい。
ASTRO A50 X 製品仕様
製品名(日本語) | ASTRO A50 X LIGHTSPEED ワイヤレス ゲーミング ヘッドセット + ベースステーション |
製品名(英語) | ASTRO A50 X LIGHTSPEED Wireless Gaming Headset + Base Station |
品番 | 939-002131 939-002137 |
型番 | A50X-BK A50X-WH |
本体カラー | ブラック ホワイト |
発売予定日 | 2024年5月16日(木) |
価格 | オープン価格 |
ロジクールオンラインストア | 59,950円(税込) |
保証期間 | 2年間 |
重量 | 363g |
マイク部 | |
集音特性 | 無指向性 |
周波数特性 | 60Hz - 20kHz |
ヘッドホン部 | |
ドライバーユニット | PRO-G GRAPHENE ドライバー (40mm) |
周波数特性 | 20Hz - 20kHz |
必要システム | Xbox Series X|S または Xbox One コンソールおよび USB ポート PlayStation 4 または 5 コンソールおよび USB ポート PC(Windows 10/11 以降)および USB 2.0 ポート ※ビデオパススルーを含めた全機能を利用するには、HDMI 2.1 認定ケーブルが必要ですのでご注意下さい。 ※G HUB、ロジクール G モバイルアプリ、および Dolby Atmos 機能 (Xbox およびWindows 用)を利用するには、インターネット環境が必要です。 |
同梱物 | 製品本体、A50 X HDMI ベースステーション、USB-A - USB-C ケーブル、コンボケーブル、AC アダプター+ソケットプラグヘッド、Dolby Atmos アクティベーションカード、保証書、保証規定 |
コメント
コメント一覧 (4件)
めんどくせー連中がコメントしまくってて萎えた。
ロジクールはサポートが駄目なんだよなぁ。
6万は高過ぎる
こんなゴミみたいなヘッドセットは買っちゃだめだ
某プロゲーマーが推しているメーカーのものだからか知らんが・・・
『beyerdynamic DT 770 PRO X Limited Edition』を使いなさい
https://beyerdynamic.co.jp/product/dt-770-pro-x-limited-edition/
価格は3万5千円ほど
マイクは無いが、私のようにほぼソロやVC用のマイクを別で持っているユーザーには超おススメだ
まぁ普通はそうするだろう
またこのメーカーの物はグラミー賞を12回受賞の『テイラー・スウィフト』もレコーディングで使用している
https://youtu.be/glx_kpo3wAI
これの素晴らしいと思う点は、多くの世界的なプロも認める空間性能と音場性能
音が良いとかもうそんな次元ではない、音が何処から聴こえてそれはどの場所にあるのか
そしてbeyerdynamicは今日のダイナミックヘッドホンの生みの親だ(1937年)
マイクと配信用の物を視野に入れてるからあれだけど。
この価格は純正のイヤーパッドと、あとやっぱワイヤレスはバッテリーの交換がネックになる
流石に6万をバッテリーやイヤーパッドの劣化だけで寿命尽きさせるのはもったいないわ
2.1セレクターの代金が乗っかってるにしてもそれでも1万ぐらいだから5万
オーディオ用途ではなくPC周辺機器メーカーに5万の音を託すかどうかが問題
プロとかは会場で使うんだろうけど一般ユーザーが自室で
遊ぶんなら開放型の方が定位が良いから重低を重視しているのもなんかなぁになる
もっと言うとPS5も含めてゲーム機のオーディオはどう頑張ってもCD音源あたりが限度だから
セレクターとか付属機器、アトモス目的で買うなら良いかもだけど音目的で買うとあまり意味がない
音だけならMDR-MV1、hd 560sとかあたりで十分だと思うわ