MADFINGER Gamesは、緊迫のサバイバル要素を盛り込んだオープンワールド型FPS『Gray Zone Warfare(グレーゾーン ウォーフェア / GZW)』のアーリーアクセスを継続中。日本時間7月27日には、今後数年で実装を予定しているコンテンツについて世界のクリエーターに共有された。
昼夜のサイクルや、武器種類の追加や武器の修理機能、AIの改善、クエストのクオリティアップなど、正式リリースに向けて『Gray Zone Warfare』には多様なコンテンツが実装されていく。
『Gray Zone Warfare』2025年末までのロードマップ発表
以下の内容はMADFINGER GamesのCEOであるMarek Rabas氏が、クリエーター向けに行った配信イベントから抜粋したもの。
『Gray Zone Warfare』がSteamストアでアーリーアクセスを開始したのは4月30日。これまでも多数のバグ修正を行ってきたが、現時点での完成度はわずか20%に過ぎない。バージョン1.0の正式リリースまでには数年を見込んでいる。
しかし以前から伝えられていた通り、アーリーアクセス中も次々に新しいコンテンツをリリースし、機能の追加や改善をしていく予定だ。
9月末にバージョン0.2登場
具体的には、6か月に一度の大型アップデートを見込んでいる。現在は9月末に予定している「バージョン0.2」に向けて作業中。もちろん大型アップデートの間も、不具合の修正やプレイの快適性向上を目的としたミニアップデートを1か月ペースで行っていく。
以下が2025年末までのロードマップとなる。ただし「ロードマップ」と言っても画像があるわけではなく、内容はすべてRabas氏から口頭で説明された。また、どの機能が具体的にどのバージョンで実装されるのか、すべて明確に定まっているわけではない。なかには「こういう機能をつけたい」という開発側の希望も混じっている。開発側が『Gray Zone Warfare』をどういうゲームにしたいかという、展望を知る機会として捉えておこう。
バージョン0.2:昼夜のサイクルを導入、ナイトビジョンも予定
9月の「バージョン0.2」では、ゲームの舞台となるラマンに「昼夜のサイクル」が実装。ラマンの星空は現実の宇宙をベースに作成される。
夜マップに関連して、今後ナイトビジョンゴーグルも追加予定。ゴーグルには単眼、複眼、各種のバリエーションがある。また、フラッシュライトやレーザーアタッチメントも計画されている。ライトは敵のAI兵士たちも使うようになる。
今後のアップデートでは、AIは夜になったら眠るようにしていくという。これにより重要エリアを守っているAI兵士の数が変わるといった変化が生じ、クエストのクリア方法にも影響を与える。
武器の種類が増加 + 耐久値や汚れシステム
武器の種類もこれから増えていく。現在はほとんどM4のみで「武器メタ」というものがないが、バージョン0.2以降はAK-15などAK系のバリアントを増やしていく。バージョン0.3ではCZ BREN 3などさらなる武器も予定している。
また、武器には新システムも追加される。今後「バージョン0.2」から「バージョン0.3」にかけて、武器に「耐久値」のステータスがつくという。詳細はまだまだ不明だが、耐久値が下がると性能が落ちるというシステムが予想される。
耐久値の他にも、武器には「汚れ」のステータスも設定される。敵から拾った武器は泥まみれで価値が低く、「洗浄」することで汚れを解消できる。これにより、ベンダーが売っている新品の武器の価値が高まるしくみだ。
ヘリの移動が便利に&前哨基地
『Gray Zone Warfare』の特徴である、ヘリによる移動システムも改善。現在は各PMCで4機のヘリが使えるが、これは各PMCが最大16人でセッションし、4人パーティーx4つで行動することを前提にしているため。
しかし、実際にはソロプレイヤーも多い。4機しかないヘリを一人で使って出発していまい、他のプレイヤーたちは次のヘリを待たされるというシチュエーションが頻発している。そもそも、PMCの拠点とランディングゾーンを往復するのも時間がかかる。
そこで待ち時間を短縮するため、今後はヘリが「どこからともなく」出現することも可能にするという。リアルさは損なわれるが、ゲームプレイ的な都合だ。
なお、自動車のような乗り物の実装予定はない。地上をスピーディに移動したいというプレイヤーからのフィードバックはあるようだが、まずは「ヘリで一気に移動した後、徒歩でゆっくり移動」という現在のゲームテンポをしっかり築くことが優先される。
ヘリの改善と並行し、以前から言及されていた拠点以外の「前哨基地」も追加されていく。拠点とは異なるスポーン地点として選択可能になり、ゲームプレイがよりスムーズになることを目指している。
デス時のペナルティを改善
『Gray Zone Warfare』では、デスすると所持品をその場にドロップするルール。ただし拠点でリスポーンし、急いでデスした場所に戻れば、荷物はそこに残され(他のプレイヤーに奪われていなければ)回収のチャンスがある。
これはチャレンジしがいのある救済機能だが、問題点もある。デスしたプレイヤーたちはほとんどの場合、リスポーンした直後にナイフ一本でヘリに飛び乗り、自分が死んだ場所へと向かっていく。全員やることがほぼ同じになるのは、ゲームプレイ的にもあまり面白くないとのこと。
そこで、デス時に受けるペナルティを回避する方法については改善が予定されている。具体的には未定。
AIもさらに改善
AIはバージョン0.2以降も引き続き改善予定。リリース当初は300メートル先からプレイヤーをヘッドショットしてくる不条理なAIもいたが、AIの挙動はその後改善され続けている。
最終的にはAIがお互いの存在を認識し、プレイヤーに対してカバーなどの連携をするのが理想。しかし現在の技術ではこうした挙動は難しいという。
新派閥ローグプレイヤー
時期は未定だが、どの派閥にも所属しない「ローグプレイヤー」なる要素も検討しているという。
プレイヤーの中には、わざと同じ派閥のプレイヤーをキルしようとする者もいる。そこで、味方をキルし続けたプレイヤーはPMCから追放され、「ローグ」になるというシステムだ。
バージョン0.3:ストーリークエストの改善
「バージョン0.3」以降、ストーリークエストの改善にも力を入れていく。現在は「クエストの目的地が、直前にクリアしたクエストで訪れた建物のすぐ隣だった」というケースも。同じような場所を何度も行き来するのはゲーム的にも楽しくないので、色々なエリアをまわれるように改善していくという。
あわせてストーリー要素も改善していく。ラマンの各地にはPMCの動向を伝える書籍や新聞などが配置され、クエストの合間にこうした情報を読むことで世界設定に触れられる。
バージョン0.4:2025年末には「スキル要素」も
先の話になるが、2025年末ごろには「バージョン0.4」を予定。この時期までに『Gray Zone Warfare』に「スキル機能」を実装したいという。具体的にどのように機能するかは不明だが、他のゲームにはないユニークなものにするという。
計画しているその他の機能
他にも、正式リリースとなる「バージョン1.0」に向けて、以下の機能が予定されている。
- 負傷して昏睡状態になった味方を、安全な場所まで引きずっていける機能
- 昏睡状態にした敵PMCのプレイヤーからアイテムを奪える機能。キルをせず、荷物だけ盗んで放置するという選択肢が得られる
- 斜めに走る機能
- 各プレイヤーの所属PMCが分かるように、バッジを表示する機能
- 倒した敵AIにも人体のシルエットを表示させ、どこに銃弾が当たったかを確認できる機能
- 倒した敵から腕時計や指輪などの高級品が手に入る要素。高値で売却できる
- 補足:マップ中央にある謎めいた「グラウンド・ゼロ」に関するコンテンツは、正式リリースされる「バージョン1.0」まで何も無い
昼夜サイクルの導入はもちろん、武器やアイテム、さまざまな機能が増えていくにつれ、『Gray Zone Warfare』は現時点とはまったく異なるゲームになっていくだろう。2025年末までどの程度完成に近づくのか。コンテンツが充実してきたタイミングで、Steam版に日本語サポートが追加されることにも期待したい。
- タイトル:Gray Zone Warfare(グレーゾーン ウォーフェア)
- 対象機種:PC(Steam)/ コンソール
- 発売日:未発表
Gaming Device Power Tune for FPS
Source: Interview
コメント
コメント一覧 (2件)
ローグ派閥はいいけど逆にローグになりてぇ!ってやつが開幕味方倒ししまくったら結果酷いことになりそうな気もするな
理不尽AIの文言に食いついってしまったw