『Hyper Scape(ハイパースケープ)』を覚えているだろうか。もう覚えていないかもしれないが、Ubisoftが2022年まで展開していたバトロワタイトルだ。当時大流行のバトロワジャンルに挑みながらも、リリース1年半でサービスを終了するという、残念な記録を残した作品でもある。
『Hyper Scape』については失敗だったと評価しても問題ないだろう。しかしその一方で、Ubisoftのバトロワへの挑戦心はまだ尽きていないのかもしれない。
Ubisoftが「新作バトロワ開発中」の噂

Insider GamingのTom Henderson氏が特ダネとして報じた内容によると、Ubisoftは現在新しいバトロワタイトルを開発中で、既に開発開始から数年が経過しているという。いわくUbisoftの経営陣は、『エーペックスレジェンズ』の人口減少に便乗するつもりなのだとか。
- 「新作バトロワ」の噂(要約)
- Ubisoftが新しいバトロワゲームを開発中
- プロジェクト名は「Scout(スカウト)」
- 開発開始から少なくとも2~3年経っている
- 『エーペックスレジェンズ』から多大なインスパイアを受けており、エーペックスのレジェンドたちにかなり似たキャラをウリにしている(パスファインダー、レイス、ライフラインなどに、一ひねりくわえたキャラ)
- 情報源が言うには「目的はエーペックスのプレイヤー人口減に便乗して儲けることで、(Ubisoftの経営陣は)ゲーム市場に別のヒーローものバトロワゲームが入る余地があると考えている」
エーペックスの人口減に便乗...?
気になるのは、エーペックスからプレイヤーを奪おうとしている点だ。確かに『エーペックスレジェンズ』には、日本を含めた世界のコミュニィから人口の減少を心配されていた時期があった。2024年の夏ごろの話だ。

時系列は前後するが、公式戦の最中にプロ選手のアカウントがハッキングされる事件や、バトルパスの実質値上げ騒動など、2024年はさまざまな出来事が重なってコミュニティ心理が悪化していた。Steamのストアページにはいわゆるレビューボムが投下され、外から見たときのゲームの評判も大きく損なわれていた。
その後、人口はどうなったのだろうか。あくまでSteam版のみの話だが、トラッキングサイトのSteam Chartsを参考にしてみよう。

直近の12ヵ月を振り返ると、確かに昨年の4月に比べて月間プレイヤー数は大きく減っている(166,767.8人→97,552.0人。恥執筆時点)。とはいえ「月間平均10万人」はSteamのプレイヤー数ランキング・トップ10に常駐できる規模であるため、この数字に不安を感じる人はあまりいないだろう。最近では、2025年1月の69580.2人を最後に数字は持ち直している。
一方で販売元の視点に立ってみると、Electronic Artsは25年度第3四半期の決算報告時に、エーペックスのネットブッキング(コンテンツの売上げ)が昨対比で減少したことを報告している。ただしこれは同社の予測の範囲内だ。
新作バトロワに需要はあるのか

エーペックスだけを見ると、確かにプレイヤーを奪える余地はあるのかもしれない。しかし、バトロワのプレイヤー自体が縮小している可能性もおさえておきたい。
日本のゲームコミュニティではあまり目にしない議論だが、海外でエーペックスとよく比較される『コール オブ デューティ』のバトロワ『ウォーゾーン』でも現在、人口減が話題になっている。ウォーゾーン自体が終了する可能性まで心配されているほどだ。
先日は「ヴェルダンスク」という、このゲームを象徴する初期マップが復活し、今まさにその将来性がテストされている。
バトロワジャンル全体の話になると、『フォートナイト』や『PUBG』など他の超人気タイトルも絡んでくるので、エーペックスとウォーゾーンだけで見通しを立てるのは難しい。とはいえ、今後「ヒーローものの新作バトロワ」が登場したとして、果たしてどのくらいの関心を集められるのだろうか。
この辺りはプレイヤーの生の意見も聞いてみたいところなので、思うところがあればぜひコメント欄に書き残して欲しい。
組織再編中のUbisoft、さらなるチャレンジに出るか

最初に述べた通り、Ubisoftは2022年に一度『Hyper Scape』でコケている。特殊勝利ルール「クラウン」を含めた8つの新システムなど『Hyper Scape』ならではの独自要素もあったが、結局は早々とサービス終了に至ってしまった。

また、アリーナシューター『エックスディファイアント』のことも思い出す。登場した当時は「CoDキラー」、つまり『コール オブ デューティ』を倒すほどの作品になると、主に海外のシューターファンから注目されていた。しかし、2024年末時点で既にアップデートが停止し、2025年6月3日にサービスが終了することが決まっている。
そもそもUbisoft全体では組織再編の最中。3月末に、中国の大手テック企業テンセントの出資による新子会社の設立が発表されたばかりだ。
2つのライブサービス型ゲームの失敗に、新子会社の設立。こうした荒っぽい状況下に、Ubisoftが新たなバトロワでチャレンジに出るのだろうか。いずれにせよすべては単なる噂なので、今回の件も「本当だったら」の妄想で楽しむ程度にしておこう。
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Source: Insider Gaming
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コメント
コメント一覧 (6件)
数年前から開発ってXDEFIANTと被ってそうだけどわざわざ社内ですら競合してるようなそんなの出すか?って不思議さはある
今APEXをパクるのであれば今のAPEX並みのプレイアブルキャラクターの数は欲しい
最初にそんなに出しても課金キャラが増えるだけになってそっぽ向かれると思うわ
VALORANTとかでこれが許されてるのはLoLの成功からなる企業ブランドへの信頼だけど
HyperScapeやXDEFIANTのせいで今のUBIにそんな信頼は無いからたんに銭ゲバにしか思われない
長く続くゲームには課金したいけどすぐ終わるゲームに誰が課金するかってなる
(日本にはガンエボって言う信者から巻き上げるだけ巻き上げて店畳んだ凄いゲームもあったが・・・)
今のAPEX並のプレイアブルって事は実質キャラは5、6人いればいいってことだな
このタイミングでバトロワ・・というのが かといって脱出シューターも打率凄い低いし UBIはシージが奇跡的に成功した体験をまだ忘れられずにいるんだろうか
UBIの今まで出してきたゲームのコンセプト自体はどれも面白そうに感じるものが多いから、うまくやって欲しいとは思うけどバトロワはもう食傷気味でハードル高いんじゃないか
ただ既にスマブラ系とかスポーツとかFPSのマルチやシングル、 TPS、ステルスやボドゲといいかなりのジャンル出してるな…