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【保存版】ガンマニア推薦:FPSファンが絶対観るべき映画10選

ガンマニア推薦:FPSファンが絶対観るべき映画10選
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FPSで味わう、あの引き金を引く瞬間の緊張と快感。EAA!!をご覧の皆さんなら、映画の鑑賞中に「FPSのあのシーンみたいだ!」と感じた経験が一度はあるのではないでしょうか。

映像のプロが描く銃器のディテール、鼓膜を揺らす発砲音、息を殺して狙いを定める緊張感、そして着弾の衝撃。これらは、我々が愛するゲーム体験をさらに豊かにしてくれる最高のスパイスです。

今回は映画からガンマニア人生をスタートさせた私が、ガンマニアの視点で「FPSゲーマーにこそ見てほしい」と断言できる映画を10本厳選しました。名作からマニア向けまで幅広く紹介しますので、気になる作品を探すのにお使いください!

CONTENTS

FPS好きへのオススメ映画10本:ド定番からマニア垂涎の1本まで

1. 『ジョン・ウィック』:新時代をもたらした復讐劇

映画
2014年 / アメリカ / 監督: チャド・スタエルスキ / 主演: キアヌ・リーブス

《あらすじ》 かつて“ブギーマン”と呼ばれた伝説の元殺し屋ジョン・ウィックは、愛する妻を病で亡くし失意の日々を送っていた。そんな彼の元に亡き妻からの最後の贈り物として一匹の子犬が届く。子犬との穏やかな生活を始めた矢先、彼の愛車を狙ったロシアンマフィアのドラ息子とその仲間たちに襲撃され、大切な子犬は殺され、車も盗まれてしまう。怒りに震えたジョンは、心の奥底に封じ込めていたとしてのブギーマンとしての自分を解き放ち、愛犬と車を奪ったマフィアへの壮絶な復讐を開始する。

映画『ジョン・ウィック』本予告

現代のガンアクション作品を語るなら『ジョン・ウィック』は外せない!主演のキアヌ・リーヴスが50歳を超えて自身の“代表作”を更新し、ガンアクション映画の新時代を築いた記念碑的作品です。「舐めていた相手が、実は最強の男でした」という王道の設定は、その後のシリーズ展開を見ても、本作が放った衝撃の大きさがうかがえます。

映画
フォーマルなスーツに銃器という組み合わせは、新たな“戦闘のプロ”像を確立した

そんな大人気シリーズの一作目として2014年に公開された『ジョン・ウィック』は、快活なストーリー、創意とオリジナリティにあふれた世界観(いわゆるジョン・ウィックワールド)。そしてなにより、スタントマン出身であるチャド・スタエルスキ監督たちにより生み出された、銃撃と格闘を組み合わせたアクション概念“ガン・フー”を引っ提げ劇場に登場し、当時のガンアクションファンに熱狂をもって歓迎されました。

ガン+カンフーを意味する“ガン・フー”は、実在する至近距離戦闘向けの銃器の構え方であるCenter Axis Relock(センター・アクシズ・リロック)、いわゆるC.A.Rシステムを下敷きに、柔術やシステマ等の体術を組み合わせ、相手の急所を狙い一撃で倒すことを重視した、鮮やかで的確な印象を与える戦闘スタイルです。

使用される銃器はコンペンセイター付きのH&K P30Lや、HK416のアメリカ版と言えるCA-415など、プロが選ぶ実用的なモデルが中心。

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HK416のクローンモデルCoharie Arms CA-415、近距離向けにして堅実なセッティング

それらをジョンが“ガン・フー”で操る様は、リアリティとフィクションが見事に融合した唯一無二の魅力を放ち、観る者を釘付けにします。全てのFPSゲーマーに強く推奨したい一作です。


2. 『ローン・サバイバー』あなたもきっと“痛み”を感じる

映画
2013年 / 監督: ピーター・バーグ / 主演: マーク・ウォールバーグ

《あらすじ》 アフガニスタン山岳地帯でタリバン幹部の暗殺任務にあたった米海軍特殊部隊ネイビーシールズの4人の兵士たち。彼らは作戦中に予期せぬ民間人と接触したことから、苦渋の決断を迫られる。非情に徹するか、人道を取るか。その選択が、数百人のタリバン戦闘員に包囲されるという最悪の事態を招く。味方の支援も届かない絶望的な状況下で、4人の決死の戦いが始まる。

映画『ローン・サバイバー』予告

現代戦映画、そしてリアルな“撃ち合いの重み”を感じたいなら必見の一本。2005年に実際に行われた「レッドウィング作戦」をもとに制作された本作『ローン・サバイバー』は、ネイビーシールズの作戦行動、連携の緊張感、弾薬管理、負傷時の動きの制限など、FPSでの“撤退不可能な戦場”を体感させてくれるリアルな描写が光ります。

映画全編にわたりM4カービンや、中距離狙撃向けに構成されたMk12 SPRなど当時の米軍の装備が精彩なディテールで多数登場。戦闘シーンでは弾切れからのリロード、遮蔽物越しの撃ち合い、負傷による行動の制限、斜面を転げ落ちる中での戦闘といった極限状況が描かれ、FPSゲーマーであれば「この状況でどう動くか」と自分に置き換えながら観たくなるでしょう。

映画
序盤に“遭遇してしまう”現地の羊飼いたち、予期せずして求められた“倫理”により状況は悪化していく事となる

しかしながら、あなたはその想像を諦めてしまうかもしれません。なぜなら『ローン・サバイバー』はあまりにも痛みにあふれた映画だから。

Escape from Tarkov』や『Insurgency: Sandstorm』のような、一発の被弾が致命傷となるリアル系FPSの緊張感が好きなら、『ローンサバイバー』は必見です。FPSゲームでいうところの“ハードコアモード”のような、ヘルス自動回復など存在しないあの息苦しさが全編を支配し、実際の銃撃戦の凄絶な展開を明らかにしています。

また、『ローン・サバイバー』の特筆すべきポイントは、“撃つ”ことの裏にある決断の重さを描いている点です。

熟練の特殊部隊隊員たちによる、ほとんどセミオート射撃のみで行われる戦闘。そして、序盤で出会う民間人の扱いをめぐる衝突は、そのテーマの表れです。一発の弾丸がいかに重い意味を持つか、兵士たちが直面する戦場での倫理的葛藤、生き残るための冷徹な判断が克明に描かれています。結果として『ローン・サバイバー』は、単なるアクション映画にとどまらない、戦争の真実と人間の尊厳を深く問いかける傑作となりました。

『ローン・サバイバー』は、戦場での倫理と判断、仲間との信頼、帰還への執念を描き切り、ゲームの撃ち合いだけでは得られない「生きるために撃つ」というリアルな感覚を胸に刻み込んでくれる作品です。


3. 『プライベート・ライアン』戦争映画 of 戦争映画

映画
1998年 / 監督: スティーヴン・スピルバーグ / 主演: トム・ハンクス

《あらすじ》 第二次世界大戦、ノルマンディー上陸作戦。凄惨を極めるオマハ・ビーチの激戦の最中、米軍司令部に新たな悲報が届く。ライアン家の4人兄弟のうち3人が戦死したというのだ。軍上層部が世論を慮った結果、唯一生き残った末弟、ジェームズ・ライアン二等兵を故郷の母親の元へ帰すため、ジョン・ミラー大尉率いる8名の部隊が結成され、広大な敵地の中から、たった一人の二等兵を探し出す任務に送り出される。

Saving Private Ryan (1998) - Official Trailer

本作は「撃つこと」が中心に描かれるのではなく、“戦場の中で何を守り、何を捨てるのか”を問う作品です。

今や伝説として語られる、冒頭のノルマンディー上陸シーンでの壮絶な火力の応酬。砲撃の雨、肉声のような銃声。これらはFPSをはるかに超える没入感を生みますが、単なる戦争スペクタクルではなく「その中で人がどう生き、どう死ぬのか」を描写することに主眼が置かれています。

監督は巨匠スティーブン・スピルバーグ。彼の手によって再現された戦場は、M1ガーランドトンプソンSMGBARM1カービンといった第二次大戦期の銃器が泥と血にまみれながら使われ、兵士たちは雨のように降る弾丸の中で伏せ、撃ち、時に撃てず、「死の唐突さ」が支配する“戦場の現実”に次第に疲弊していくさまが描かれます。

映画
プライベート・ライアンを象徴する一コマ

この映画の真髄は、“撃つ”ことの向こう側にある「人間の顔」を描き切っていることです。

勝つため、撃ち勝つためにトリガーを引くFPSのような快感はここにはなく、その引き金の向こうで失われる命や残された仲間、戦う理由、帰る場所への想いが常に兵士たちの胸を突き動かしています。それはライアン救出隊として編成された分隊員一人一人に迫ったキャラクター描写に反映され、観客であるあなたもその場に、いいえ、この場合“その分隊の一員”として組み込まれる構造で、彼らと共に“戦争”を共有することになります。

もしFPSをプレイする中で「戦場にいる感覚」を求める瞬間があるのなら、本作はその“感覚”の最奥を見せてくれる作品になっています。『プライベート・ライアン』は“撃ち合い”を体感する映画ではなく、“戦場で生きる”ことを体感する映画です。

それがどれほどの恐怖と希望を同時に抱え込む行為なのか、そして戦争映画の歴史を塗り替えた究極の戦場体験を、ぜひその目で確かめてみてください。


4. 『ネイビーシールズ』:実際のSEALs隊員が演じる戦場の呼吸

映画
 2012年/ 監督: スコット・ウォー/ローク・デンバー他実際のネイビーシールズ隊員が出演

《あらすじ》CIA捜査官の拉致事件を発端に、米海軍特殊部隊ネイビーシールズは国際テロ阻止のための極秘作戦に投入される。各地で展開するミッションはやがて大規模なテロ計画の発覚へとつながり、彼らは世界規模の脅威の芽を摘むべく、決死の作戦行動に挑んでいく。

映画『ネイビーシールズ』予告編

2012年公開の『ネイビーシールズ(原題:Act of Valor)』最大の特徴は、他作品のリアリティ描写を超え実際のNavy SEALs隊員が出演・演技を行い、実際の装備・訓練・戦術で構成されていることにあります。

それは「撃ち合いのリアルさ」だけではなく、「ミッションの進め方そのもの」に息づいており、ブリーフィング、潜入、射撃、撤収、報告、そして次の任務へという現場の流れが“演技”ではなく“記録”のように刻まれる点で他作品と一線を画します。それがいかに現実的かは、公開当時「機密を見せすぎだ」と、製作に協力したはずのペンタゴンから懸念があったというエピソードからもうかがえます。

映画
主役を演じたローク・デンバーは実際のSEALs少佐、公開時も任務がありイベントなどへの参加はなかった

使用されるM4カービンM249P226などの銃器は実戦仕様そのもの。河川からの急襲、夜間NVG下の突入、狙撃カバー下での突入進行、ヘリやボートからの制圧など、FPSゲーマーが「理想」とする現代戦の分隊行動・装備運用が、派手な演出なしで“ただ淡々と正確に”描かれるのが本作の魅力です。

特に注目すべきは、本作が“ヒーロー映画”ではなく“職業映画”であること。戦場での死生観や葛藤を前面に押し出すのではなく、あくまで「任務遂行」を最優先とする隊員たちの日常の延長として戦場が描かれ、彼らが「撃つ」のは勝利のためではなく“職務”として淡々と行う行為であることが強調されます。

観客であるあなたは、上述のプライベートライアンで取られた手法を踏襲した、彼らの突入に付き添うドキュメンタリーカメラのような位置に置かれ、彼らの判断、動作、掛け声、息遣いをそのまま共有することになります。

もしあなたがFPSで繰り返す「ミッション」をもっとも現実に近い形で体験したいなら、この作品が最適解です。華やかな演出やヒロイズムではなく、“本物の現場”を追体験することで得られる緊張感と高揚感を味わえる一本として強くおすすめします。


5. 『タイラー・レイク -命の奪還-』:一人で切り開く市街戦

映画
2020年 / 監督: サム・ハーグレイブ / 主演: クリス・ヘムズワース

《あらすじ》 裏社会の危険な依頼をこなす傭兵タイラー・レイク。彼に課せられた新たな任務は、誘拐されたインドの麻薬王の息子を、敵対組織が支配するバングラデシュのダッカから救出すること。だが、作戦は裏切りによって頓挫し、街全体が封鎖される。たった一人で少年を守り、街からの脱出を目指すタイラーの、壮絶な戦いが始まる。

『タイラー・レイク -命の奪還-』予告編 - Netflix

Call of Duty: Modern Warfare』(2019)のキャンペーンミッション「クリーンハウス」の衝撃を覚えている人も多いでしょう。『タイラー・レイク -命の奪還-(原題:EXTRACTION)』は、あのワンカット風CQB(近接戦闘)シークエンスの興奮を、12分間という常軌を逸したスケールで実現してしまった作品です。

主演クリス・ヘムズワース演じるタイラーが、M4カービンGlock17を手に,入り組んだ市街地で繰り広げる戦闘は圧巻の一言。CQBでのクリアリング、階段での上下射線管理、素早いリロードなど、全ての動作が洗練されており、美しくも冷徹なキルムーブの連続に目を奪われます。

映画

この映画は先述の作品で強調した“撃つ重み”や“戦場の倫理”を前面に押し出すのではなく、「任務完遂」という一点に全てをフォーカスしており、そのために積み重ねられる行動の緊張感を克明に描写しています。

銃撃戦が派手でありながら、全てがプロフェッショナルによる“体に染みついた動作”、逆を言えばFPS的ルールに基づいた実践的戦闘動作で進行。観客であるあなたはタイラーの背後にぴたりと張り付いたカメラ目線で“市街戦を突破する感覚”を追体験することになります。

映画
ライフルと拳銃、そしてグレネードランチャーを提げ、バッグを背負うタイラーはFPSの主人公さながら

戦場を分隊で共有する作品とは異なり、『タイラー・レイク』はあくまで“個”で撃ち抜く快感と、孤立無援の中で敵地を切り裂く突破力に焦点を当てた作品です。もしあなたがFPSで「一人で敵陣を突破するあの興奮」をこよなく愛するなら、この映画はその感覚を限界まで実写で味わわせてくれます。

撃ち、走り、索敵し、退路を確保して次の遮蔽へ。そのサイクルの連続こそが、『タイラー・レイク』の真骨頂です。


6.『ザ・シューター/極大射程』:射撃精度こそが武器

映画
 2007年/監督: アントワーン・フークア/主演: マーク・ウォールバーグ

《あらすじ》 元海兵隊の伝説的狙撃手、ボブ・リー・スワガー。山奥で静かに暮らす彼のもとに、政府関係者が訪れ、大統領暗殺計画の阻止を依頼する。だがそれは、彼を暗殺犯に仕立て上げるための巧妙な罠だった。一夜にして国中から追われる身となったスワガーは、自らの潔白を証明し、巨大な陰謀に復讐するため、その卓越した狙撃技術を武器に反撃を開始する。

『ザ・シューター/極大射程』日本版劇場予告編

『ザ・シューター』の魅力は、“スナイパー”という人種と戦い方を、真正面から描き切った数少ない映画であることにあります。“狙撃”という行為の奥深さとスリルが凝縮されている本作は大人数の戦闘ではなく、多数を相手取っての戦いを描き、遠距離からの一撃で戦況を覆す緊張感、そして一発を撃ち終えた後の知的な駆け引き。その両方が味わえる稀有な作品です。

Sniper Elite』や『Sniper: Ghost Warrior』シリーズを愛するプレイヤーなら、そのディテールに震えるはずでしょう。主人公ボブ・リーがM40A3バレットM82、そしてFPSでも人気が高いCheyTac M200を携え、射撃前の風速・距離・弾道計算(劇中ではコリオリの力にまで言及される)、狙撃ポイントの選定と構築、脱出ルートの確保といった“撃つまでのプロセス”が、極めて丁寧に描写されているのが特徴です。

映画
「スナイパーと言えば」をカバーする今作では、ギリースーツでの狙撃シーンも

観客はボブ・リーと共に風を読み、呼吸を止め、トリガーを絞る瞬間に“同調”します。もしあなたが「完璧な一発」を追い求める誇り高きスナイパーであるならば、この映画はあなたにとってのバイブルとなるでしょう。

『ザ・シューター』は、撃つまでの準備、撃つ瞬間の静寂、撃った後の騒乱までを含めて“孤独で、誇りある狙撃手”を体感させてくれる一本です。


7.『13時間 ベンガジの秘密の兵士』:爆発の帝王による本気の現代戦

映画
2016年/ 監督: マイケル・ベイ/主演: ジョン・クラシンスキー

《あらすじ》2012年、リビア・ベンガジで発生した米国外交施設襲撃事件。外交官救出と施設防衛のために現地入りしていた元特殊部隊の警備要員(GRS)たちは、圧倒的な敵勢力に囲まれながら支援も撤退も不可能な状況で13時間に及ぶ壮絶な戦闘を強いられる事となる。


13 HOURS | Official Trailer (HD)

『トランスフォーマー』の破壊力はそのままに、「派手なハリウッド映画を撮る監督と言えば」なマイケル・ベイが、その代名詞であるド派手な爆発はそのままに、舞台を実際の戦場へ移し、派手さだけでなく“戦場の混沌”そのものを徹底的に再現した究極の籠城戦映画が『13時間 ベンガジの秘密の兵士』です。

リビアで実際に起こった事件に基づき。夜間の市街地戦闘、砂塵と炎で視界が揺れる中での銃撃戦、遮蔽物を転々としながら弾を送り込むCQB、負傷者の搬送と応急処置、限られた弾薬と補給の中で続く撤退不能の防衛戦。FPSゲーマーなら心拍数が上がるシーンの連続で構成されています。

映画

本作の魅力は、夜間戦闘のリアルさと13時間というタイムリミットが生む緊張感、そして何より「装備と動きが圧倒的にリアル」な点にあります。拘りのディテールで描かれる銃器、装備の装着、マガジン交換、ポジションチェンジ。実戦での細かい動きがそのまま映像化されており、単なる派手な銃撃戦に留まらず“何をどう使い、どう動くのか”を感じさせる内容です。

映画
普段着に装備を着込んだスタイルは“危急の状況”を反映する、万全な味方はいない

“ヒーローがすべてを救う物語”ではなく、支援も指示も得られない中で「仲間と自分の命を守るためだけに戦う」という非常に泥臭い戦闘描写が徹底されているのもポイント。あくまで戦場の論理と緊迫感が優先されるため、マイケル・ベイ作品でありながら変にご都合主義にならず、ずっと張り詰めたまま終盤まで引っ張ってくるのがクセになります。

総じてマイケル・ベイの爆発の派手さと、“リアルな戦場の泥臭さ”が両立した稀有な一本であり、「夜戦」「防衛戦」「市街地戦」というFPS的シチュエーションが好きなら、最後まで緊張感を途切れさせず見切れること間違いなしです。


8.『モスル〜あるSWAT部隊の戦い〜』:瓦礫の街で踏みとどまれ!

映画
 2020年/ 監督: マシュー・マイケル・カーナハン / 主演: スへール・ダッバーシ

《あらすじ》 過激派組織ISISとの戦闘で荒廃したイラク第二の都市モスル。叔父を殺された若き警察官カーワは、絶体絶命の窮地を、所属不明のSWAT部隊に救われる。彼らは、ISISに家族や仲間を奪われた者たちで構成された特殊部隊だった。上層部の命令を無視し、独自のミッションを遂行する彼らと行動を共にすることになったカーワは、瓦礫の街で“戦う意味”を問い直すことになる。

【予告】映画『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』予告編

雑誌「ザ・ニューヨーカー」に掲載された実話記事を元に、『タイラー・レイク』も手掛けたルッソ兄弟が映画化した本作『モスル〜あるSWAT部隊の戦い〜』は単なる市街戦映画ではありません。家族を失い、仲間を失い、国家すらも失いながら、それでも銃を取り続ける理由は何か。

“どうしようもない現実の中で、それでも未来を取り戻すために戦う”という根源的な戦いの理由が、一発の弾丸、一歩の前進、瓦礫に座り込む沈黙の間に描かれています。

映画
ざらついた空気がたちこめる中東の戦場で磨かれたSWAT隊員たち

装備はAK系PKMRPG-7などの実物装備が徹底して使われ、突入時の合図、射線管理、RPGによる排除など、市街地掃討戦のリアルな戦闘動作がFPS的な快感を呼び起こします。しかしその戦闘の中で描かれるのは爽快感だけでなく、「なぜそこまでして戦うのか」という問いが繰り返し突きつけられる苦さがあります。

仲間が次々に倒れ、渇きざらついた空気の流れる瓦礫の街でどこから飛んでくるかわからない銃弾に怯えながら、それでも進む理由。生き残って帰ることすら保証されない中で、それでも誰かを守るために引き金を引く理由。『モスル』はその理由が何であるのかを、戦闘の合間に交わされる短い会話、黙って差し出される水が入ったペットボトル、友軍との武器弾薬とタバコのトレードの描写に込めて描きます。

ゲームのように何度もリトライできる戦場ではない、“一度きりの現実の市街戦”の中で、彼らは痛みを抱えながらも前へ進み続けます。それはFPSでの勝利の快感とは異なる、“生き延びることそのものが勝利”という現実の戦場の物語です。市街戦の緊張感と射撃の重みを体感したいFPSプレイヤー、そして“戦う理由”を問い直したいすべての人に薦めたい一本です。


9.『スペシャル・フォース』:フランス視点で描かれる隠れた良作

映画
2011年 /フランス / 監督: ステファン・リュボジャ / 出演: ダイアン・クルーガー

《あらすじ》アフガニスタンでタリバンに拉致された女性ジャーナリスト救出のため、フランス海軍特殊部隊コマンドチームが極秘で派遣される。奪還作戦は成功するが撤退中に計画が崩壊、彼らは過酷な山岳地帯で追跡部隊と戦いながら帰還を目指すことになる。

【🎬期間限定無料公開🎬】スペシャル・フォース(字幕版)

『スペシャル・フォース』は特殊部隊映画の醍醐味である「プロフェッショナルが命懸けで仲間を守る姿」を徹底的に描いた作品です。フランス軍の製作全面協力によりSIG SG550シリーズM16カービンHK416などの定番から、非常に珍しい登場銃としてベレッタARXや、フランス製狙撃銃であるFR-F2が運用されている様子が見れる貴重な映画でもあります。

それは「これぞ(一昔前の)フランス軍」と言えるディテールで描かれていることに加え、武器屋戦術の使い分け、撤退戦での連携射撃などFPSゲーマーが“こうありたい”と願う特殊部隊像がそのまま映像化されています。

映画

特筆すべきは、救出した要救助者を守りながら、撤退不能な状況で進み続ける“エスコート撤退戦”が本作の核である点。仲間の負傷、物資不足、敵の追跡、地形の制約、精神的疲弊が容赦なく積み重なる中で、銃を握り続ける理由はただ一つ、「仲間を必ず帰す」という決意です。

映画
異なる銃で、装備で、隊員たちの個性をしっかりと描く。隊長役はハリウッドでも活動するジャイモン・フンスー

“勝つために戦う”のではなく、“生きて帰すために戦う”というスタンスが徹底されており、銃を撃つ行為の裏側にある緊張感と焦燥感、引き金を引く瞬間の重みがしっかりと描かれています。FPS的には「護衛対象を守りながらの撤退戦」という非常に高難度のシチュエーションを、山岳地・市街地・村落でリアルに再現した作品であり、クリアするまで気を抜けない緊張感を体感できます。

フランス映画らしい抑制された演出の中で光る戦闘のリアリズム、そして任務の過酷さと仲間への信頼が滲む“プロの矜持”。戦術FPSで仲間を守り抜くあの感覚を、現実の温度で味わいたい人に薦めたい一本です。

映画
筆者の知る中で恐らく一番のイケメン

なお余談ですが、チームの新人にして、狙撃手を演じるフランス人俳優ラファエル・ペルソナがとんでもないイケメンです。


10. 『AK-47 最強の銃 誕生の秘密』:知っておきたいAK-47の真実

映画
2020年 / ロシア / 監督: コンスタンティン・ブスロフ / 主演: ユーリ・ボリソフ

《あらすじ》旧ソ連時代、戦車兵だったミハイル・カラシニコフは戦場で負傷しながらも、自らの設計で“兵士の命を守れる銃”の開発を志す。戦後の混乱の中、政治や軍事の思惑が渦巻く中で、彼は後に“AK-47”と呼ばれる伝説の突撃銃を完成させていくが、その影には知られざる苦悩と闘いがあった。

【予告編】AK-47 最強の銃 誕生の秘密 <のむコレ2020上映作品>

この作品は厳密にはガンアクション映画でも戦争映画でもありませんが、銃器文化とFPSについて考えたときに、どうしても紹介しておきたい1本です。

FPSゲーマーでAK-47を知らない人はいないでしょう。“世界で最も多く使われ、最も戦場で撃たれた銃”として知られるAK-47の開発秘話を描いたのがこの映画です。劇中では、AK-47がいかにして安価で壊れにくく、整備性が高く、扱いやすく、そして戦場で信頼される銃となったのかが丁寧に描かれ。AKシリーズを愛用するゲーマーにとって“知っておくべき背景”を与えてくれます。

映画
資料の少ない試作モデルまでもが丁寧に描かれるのも稀有なポイント

『AK-47』は上述の『ネイビー・シールズ』と同様に、エンジニアの戦いを描いた“職業映画”でもあります。

ドイツ軍の高性能銃器に圧倒されたカラシニコフ青年が、それでも燃える愛国心に突き動かされ、どのように挫折と難題を乗り越えたか。軍閥に翻弄され、資材も人材も不足する中で、それでも彼は「兵士が持つべき武器は何か」という命題を手放しませんでした。命を繋ぐ道具としての銃を追求し続けるその姿勢こそが、のちに“AK-47”という名を世界に刻むことになるのです。

FPSにおいて、AK-47は「反動は強いが威力は高い」という“性能”で語られるだけの“道具”かもしれません。しかし現実の世界では、その銃が人々の運命を変え、政治を動かし、戦いを継続させてきた歴史があります。

それは美しい物語とは言い切れないかもしれません。“小さな大量破壊兵器”とも呼ばれるAKを、ただ賛美するのは不可能かもしれません。しかしだからこそ、この映画には価値があるのです。

もしあなたがFPSでAKシリーズを使うたびに、その名前の重みが気になっていたなら。「なぜこの銃は使われ続けるのか?」と疑問に思っていたなら。その答えをぜひ知ってみてください。この映画はそれを示してくれます。

FPSゲームはスクリーンに繋がっている!

ビデオゲームが生まれた時から、人はその中に“夢”を見てきました。ボタンを押すだけで映画のような冒険が始まり、自分がヒーローとなって物語の中を駆け抜ける。そんな期待が、ゲームの進化とともに現実になっていきました。

その夢を最も端的に、そして鮮烈に実現したのが“FPS”というジャンルです。銃を構え引き金を引くときの緊張、マガジンを交換する間の焦り、仲間とカバーし合う瞬間の連帯感。FPSはただのゲーム体験ではなく、「映画の主人公になる」という憧れを最も生々しく体験できる手段となりました。

そして今回紹介した映画たちは、そのFPSが体現してきた「主人公になる感覚」を現実の重さと温度で感じさせてくれる作品ばかりです。撃つことの痛みも快感も、仲間を信じる強さも恐怖も、弾丸が飛び交う中での静寂も。スクリーンの向こう側で、私たちに“何かを守るために戦うとはどういうことか”、そして“使命に尽くす意味とは”を教えてくれます。

もし、あなたがFPSを愛し、その中で自分だけの戦場を駆けてきたのなら、これらの映画はきっとあなたの中にある“戦う理由”に触れてくれるはずです。

この記事が、あなたの映画選び、そして日々のゲームライフを少しでも豊かにする一助となれば幸いです。そしてもし気になった作品があったら、今度はあなた自身で、その次なる戦場に立ってみてください。

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Source: Pressrelease


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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 2019版MWの大使館ステージは13時間のオマージュだよね

  • FPS的に有名な話だと思うがプライベートライアンはゲームのメダルオブオナーの親戚みたいなもんで
    当時の監督が映画は中-年配者向けにWW2を魅せるために作ったけど若者にはゲームの方が伝わるって言うんで作られたのがメダルオブオナー
    そしてメダルオブオナー(英雄談)の派生として生まれたのが普通の兵士として書かれるCoDだから遠い親戚みたいな映画なんよな 
    とは言っても現代のCoDはほぼほぼ英雄談になってるからあんま違いはないと思うがw 
    あとWaWには実績からしてライアンパロがあるwww

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