CoD:BO7 正式発表

オーバーウォッチ2:マッチング問題にどう対処? 「スタジアム」モード独自の課題も

オーバーウォッチ2:マッチング問題にどう対処? 「スタジアム」モード独自の課題も
  • URLをコピーしました!

2025年7月19日、Blizzard Entertainmentは、公式ブログ連載「1週間を振り返る」を更新。『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2)』の「コア・ゲーム・モード」と「スタジアム」におけるマッチメイキングシステムの設計思想や、具体的な現在の問題点などについて詳細を公開した。

CONTENTS

マッチメイキングの目標は「楽しいマッチ」と「短い待機時間」

開発チームが掲げるマッチメイキング調整の目標は、大きく2つ。「プレイヤーに楽しいマッチを提供すること」「待機時間を短縮すること」。特に「楽しさ」に関しては、ただ勝つだけではなく、勝てる可能性を感じられる接戦こそが理想のマッチだという考え方に基づいている。

そのため、開発チームはプレイヤー個々の判断やチームプレイがマッチの勝敗に直結する「公平な対戦環境」を重視しており、これを支える技術的基盤として、MMR(マッチメイキング・レート)によるマッチ構築を採用している。

MMRと釣鐘曲線:プレイヤー分布の基本

L90G0L9GOURR1752533202081
ライバル・プレイのスキルティア分布

MMRは、プレイヤーの実力を定量的に評価する数値であり、「ダイヤモンド3」などのスキルティアはこのMMRを可視化したもの。このMMRの分布は図に表すと釣鐘曲線で表され、0.0を基点に数値の増減幅が大きくなる(MMRが平均から離れる)ほど該当プレイヤー数は少なくなる。

マッチング時には、目標となるMMRの近辺から同レベルのプレイヤーを探し始め、時間経過とともに許容範囲(例:MMR 2.0の場合は1.9~2.1へと)を広げていくことで、可能な限り均等な対戦を実現しようとしている。これは一般的な施策だ。

「ロール・デルタ」で対面の実力差を最小限に

理想は全ロールのMMRが近い10人によるマッチだが、現実には難しい場面も多い。その対策として導入されているのが「ロール・デルタ」と呼ばれる仕組みだ。これは、タンク・ダメージ・サポートという各ロールごとにMMRの差が出ないようにプレイヤーを割り当てる方式である。

例えば、片方のチームのタンクがMMR1.5であれば、対面のタンクにもできるだけ同等のプレイヤーが割り当てられる。この工夫により、直接対決の公平性が高まり、マッチの質の向上につながっている。

チーム単位の統一性も重要視

ロール単位のバランスだけでなく、チーム全体としてのMMRの「まとまり」も重視されている。例えば、シルバー帯のプレイヤーとダイヤモンド帯のプレイヤーが混在したチームは、内部で連携や判断基準にズレが生じやすく、試合が成立しにくい。

このような事例を避けるため、マッチング時にMMRが極端に異なるプレイヤーを1チーム内に収めないための調整も行われている。

これにより、ライバル・プレイではチームごとの勝率が最低でも40%を切らない程度までマッチの品質を確保しており、ロールキューにおけるマッチの80%以上で勝率が45~55%の範囲内に収まっているという。

プレイヤー人口と待機時間のトレードオフ

これだけの改善を行った現在もプレイヤー数が少ない時間帯や地域、あるいは極端にMMRが高い場合には、依然としてマッチングの質を確保するのが難しい状況である。過去にはMMRの許容範囲を広げることでマッチ成立を早めようとしたが、その結果としてマッチの質が低下し、『Overwatch 2』本来の面白さが損なわれるという問題が浮き彫りになってしまった。

それでも開発チームは、「待機時間」と「マッチの質」のトレードオフという難題に今後も正面から取り組み、さらなる改善策の検討を続けていくとしている。


スタジアムのマッチメイキング

オーバーウォッチ2:新規ゲームモード「スタジアム」紹介の全4パートをおさらい

実力に基づく独立MMRでマッチング

スタジアムでは、従来のコア・ゲーム・モードのライバル・プレイとは異なり、参加者全員がシーズン開始時に「ルーキーリーグ」からスタートする設計になっている。この仕組みにより、表示ランクと実際の実力(MMR)が一致しないプレイヤーがシーズン序盤に混在することになる。

そのためスタジアムでは、マッチメイキングの基準として「リーグ(=表示ランク)」ではなく、スタジアム専用の内部MMRを優先的に活用。表示ランクを基準にしてしまうと、下位リーグに実力の高いプレイヤーが紛れ込み、新人との実力差が露骨なマッチが発生してしまうためである。

ただし、MMRベースでマッチングを行うことで、逆にまだ昇格していない新人プレイヤーが、上位リーグのマッチに巻き込まれる可能性も生じてしまう。それでもこの方式であれば、少なくともプレイヤーの「本来の実力」に沿ったマッチを提供できるという利点があるという。

高MMR帯における待機時間の課題

現在スタジアムで深刻な問題となっているのが、スタジアムにおける高MMR帯のサポートプレイヤーの待機時間の長さである。この層はもともと人口が少ないうえ、MMR条件が厳しくなるため、マッチ成立に時間を要している。

開発チームはこの問題の解消と、先述した初心者と上級者が同じマッチに入る可能性を下げるための改善策の導入に向けて、待機時間に関する情報を今後も公開しながら調整を続けていくとしている。

  • タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2
  • 発売日:2022年10月5日
  • 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
¥69,300 (2025/04/23 12:03時点 | Amazon調べ)

Source: Overwatch


EAA FPS(イーエーエー)をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

オーバーウォッチ2:マッチング問題にどう対処? 「スタジアム」モード独自の課題も

FOLLOW EAA!!

SHARE
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CONTENTS