「死ぬ気でゲームしろ」――。
インタビューでサイコム(サイコム)が放ったこの言葉。それは単なるキャッチコピーではなく、彼らの製品開発における揺るぎない哲学であり、我々ゲーマーに対する挑戦状だ。そして、その挑戦に対するサイコム自身の“回答”こそが、このゲーマー国勢調査アワード受賞記念特別モデル「G-Master Velox Campio Edition 2025」だ。破格なこともあり限定100台で、10月27日(月)受注分までとなっている。
製品名の「Velox」はラテン語で素早い・迅速といった意味で、「Campio」は同じくラテン語の戦士・格闘士・チャンピオンの意味だ。これはただのBTOゲーミングPCではなく「体験」を何よりも重視し、「ストーリーのないものは売らない」と断言する彼らの職人魂が、最新のパーツ一つひとつに注ぎ込まれた特別な一台となっているはずだ。
果たして、その実力はいかほどのものか。サイコムが提示する“本気”を、あらゆる角度から徹底的に暴いていこう。
「G-Master Velox Campio Edition 2025」スペック概要

結論から言うと、最新AAAタイトルでの高フレームレート維持はもちろん、高画質なゲーム配信まで、あらゆる高負荷シーンを余裕でこなす実力を持つ。その上で、プロの技術とサポートという付加価値を載せ、価格を限界まで攻めた“総合力”の最強コスパマシンだ。もちろんベンチマークテストもしているのでじっくり確認してほしい。
まずは、このマシンの心臓部を見ていこう。スペックシートに並ぶのはまさに“ドリームチーム”と呼ぶにふさわしい、現行世代で最もバランスの取れたパーツ群だ。
インタビューで語られた「サイコムを知ってもらうきっかけにしたい」という想いの通り、パフォーマンス、信頼性、そして将来性までを高い次元で満たす、まさに“美味しい”構成。初めてゲーミングPCの門を叩くゲーマーにとって、これ以上ない入り口と言えるだろう。
ギャラリー:静謐な白に宿る“職人魂”






※レビュー機は販売モデルとは構成が一部異なります。パフォーマンスに大きな差異はありませんが、購入の際は公式サイトで構成やカスタマイズメニューをご確認ください。
カテゴリー | 標準スペック |
---|---|
型番 | G-Master Velox Campio Edition 2025 |
フォームファクタ | ATX |
CPU | AMD Ryzen 7 9700X [3.8GHz/8コア/16スレッド/TDP65W] |
CPU FAN | Noctua NH-U12S redux [空冷/CPUファン] |
マザーボード | ASRock B850 Pro-A WiFi |
メモリ | 32GB[16GB*2枚] DDR5-5600 [メジャーチップ・JEDEC準拠品] |
SSD | Crucial P310 CT2000P310SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 2TB] |
ビデオカード | GeForce RTX5070 12GB MSI製GeForce RTX 5070 12G SHADOW 2X OC [HDMI1/DisplayPort3] |
ケース | 【白】Fractal Design Pop Silent White TG Clear Tint [ガラスパネル] |
ケースオプション | ARGB発光システム(LEDストリップ2本) |
電源 | Cougar CGR BA-750 (ATLAS 750) [750W/80PLUS Bronze] |
OS | Windows 11 Home |
デバイスキット | サイコムオリジナルゲーミングキーボード+マウス+マウスパッド3点セット(SY-GKB01RGB+SY-GMS01RGB+SY-MP01) |
保証 | 3年保証 |
価格 | 298,000円(税込) |
限定数 | 100台 (10/27受注分まで) |
レビュー機と発売モデルの比較(変更パーツのみ)
カテゴリー | 販売モデルのスペック | 先行モデルのスペック |
---|---|---|
マザーボード | ASRock B850 Pro-A WiFi | ASUS TUF GAMING B850-PLUS WIFI |
SSD | Crucial P310 CT2000P310SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 2TB] | Crucial T500 CT2000T500SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 2TB] |
ケースオプション | ARGB発光システム(LEDストリップ2本) | なし |
電源 | Cougar CGR BA-750 (ATLAS 750) [750W/80PLUS Bronze] | SilverStone SST-DA850R-GMA [850W/80PLUS Gold] |
「G-Master Velox Campio Edition 2025」6つの注目ポイント





1. 自作の価格を上回る「価値」。サイコムが誇る“総合力”
BTOか?自作か? その議論はいつだって「価格」から始まる。だが、今回その物差しは一度脇に置いておこう。その理由は、各パーツの実際の販売価格を見てみればわかるはずだ。

- Amazonでのパーツ価格:285,352円
- 実売価格:298,000円
- 差額:12,648円
自作PCを組めるほどの知識を持つベテランゲーマーほど、その価値がわかるはずだ。完璧なパーツ選定、動作検証、美しい配線、故障・破損リスク、そしてシステム全体にかかる保証。サイコムが提示する価格には、これらすべての面倒事から購入者を解放し、箱を開けた瞬間から最高のゲーム体験に没頭できる環境が含まれている。
この「総合力」の高さこそ、このモデルが持つ「トータル・コストパフォーマンス」の正体だ。そう考えれば、この1.2万円という差額がいかに良心的であるかは、もはや説明するまでもない。
2. 「3年保証」という絶対的安心感!

多くのBTOメーカーが標準で1年保証を提供する中、本モデルは有償オプションの「2年間の延長保証」を無償でつけて、計3年間の長期保証を実現している。これはゲーマー国勢調査アワード受賞記念のボーナスではあるものの、サイコムが自社製品の品質とサポート体制に絶対的な自信を持っていることの証明でもある。
PCのトラブルは突然やってくる。当然、自作PCなら故障箇所の特定からパーツの手配、交換まで全て自己責任。しかしサイコムなら、万が一の時も「神対応」とまで評される2〜3営業日以内の迅速かつ的確なサポートが受けられる。
この3年間の絶対的な安心感は、金銭には代えがたい価値を持つ。まさに「信頼は対応力で決まる」と語った彼らの哲学のひとつだ。
3. 職人技の配線美と静寂性

ガラスパネル越しに見えるPC内部は、ショールームの展示品レベル。余計なケーブルは一切見えず、すべての配線が最適な長さで、最適なルートを通って裏側にまとめられている。これは「プロの仕事」と誰もが唸る、サイコムの真骨頂だ。
この美しさは単なる自己満足ではなく、徹底的に計算されたケーブルマネジメントは、ケース内の空気の流れを一切妨げず、冷却効率を最大化するための機能美となっている。その結果高負荷時でもパフォーマンスは安定し、ファンの回転数も抑えられる。
派手さはないが、どんな部屋にも溶け込む洗練された佇まいは、まさに質実剛健なサイコムのスタイルを体現している。
4. RTX 5070の新たなゲーム体験とそれを支える“配慮”

ゲーミングPCの心臓部であるグラフィックボードには、最新の「GeForce RTX 5070」を搭載。DLSS 4やフレーム生成(MFG)といった最新技術に対応し、高解像度・高画質設定でも高いフレームレートを維持することが可能だ。
ここでもサイコムの細やかな配慮が光る。重量級のグラボで発生しがちな「垂れ下がり」を防止する専用のサポートステイが標準で取り付けられており、輸送中の衝撃や経年劣化による端子への負荷を未然に防いでいる。こういった細部へのこだわりが、マシンの寿命を延ばすのだ。
まさに「わかってほしい」と語っていた、“ユーザー体験”を第一に考える姿勢の表れだ。
5. 将来の拡張性も確保

このPCの魅力は、買った瞬間が性能のピークではないことだ。本機は最新のAM5プラットフォームを採用しており、将来登場するであろう同ソケットのAMD次世代CPUへの換装も容易。
マザーボードには空きのM.2スロットも確保されており、ストレージの増設も簡単。一度手に入れれば、パーツを少しずつアップグレードしながら、自分だけの一台を育てていく楽しみもある。
購入時から始まるゲーミングライフの長い相棒として、どこまでも付き合ってくれる懐の深さも大きな魅力と言えるだろう。
6. 初心者に嬉しい即戦力!オリジナルデバイス3点セット

BTOパソコンに付属するデバイスにありがちな「とりあえず」感はとはちょっと違う。無料で付属するオリジナルのゲーミングデバイス3点セット(11,800円相当)は、PCが届いたその日から戦いの舞台に上がれるスターターキットだ。

キーボードには、FPSの定番ともいえるメカニカル赤軸スイッチを搭載。マウスは専用ソフトウェアでボタンの機能割り当てが可能で、自分だけの最強設定を追求できる。そのポテンシャルを最大限に引き出すのが、精密なストッピングを可能にするコントロール系マウスパッドだ。
この即戦力セットは初めてゲーミングPCを手にするユーザーにとって、心強い味方となるだろう。
実力検証:PC版『Call of Duty: Black Ops 6』ベンチマーク
スペック的にはほとんどのゲームで困らない構成だが、その実力を図ってみよう。今回はAAA級タイトルの最新作『Call of Duty: Black Ops 6』に搭載されているベンチマークテストを用い、箱出しの状態で3つの主要な解像度におけるフレームレートを検証した。

グラフィック品質は「グラフィックのプリセット」から選択できる「最低」と「極限」の2種類で測定。アップスケーリング技術は使用せず、ネイティブ解像度での純粋なパフォーマンスを計測する。検証時の固定設定は以下の通りだ。
- レンダリング解像度:100
- アップスケーリング / シャープニング:FIDELITYFX CAS
- VRAMスケール目標:75
- 可変レートシェーディング:オン
- NVIDIA Reflex低遅延:オン
- HDR:オフ
ベンチマーク結果:4K/60fpsは余裕。DLSS温存でこのパワーは圧巻
解像度 | 平均FPS (グラフィック設定:最低) | 平均FPS (グラフィック設定:極限) |
---|---|---|
1920x1080 (FHD) | 258 FPS | 143 FPS |
2560x1440 (WQHD) | 219 FPS | 110 FPS |
3840x2160 (UHD) | 137 FPS | 71 FPS |






結果は圧巻の一言! 競技シーンの標準であるFHD(1920x1080)では、グラフィック設定を問わず240Hzや144Hzといった高リフレッシュレートモニターの性能を完全に引き出せる。WQHD(2560x1440)でも最高設定で平均100fpsを超えており、高画質と高フレームレートを両立した快適なプレイが可能だ。
そして最も衝撃的なのは、高負荷な4K(3840x2160)解像度ですら、最高設定である「極限」で平均71fpsを記録したことだ。これは、多くのゲーマーにとって一つの指標となる「4K/60fps」を、最新AAAタイトルで余裕をもってクリアできることを意味する。
さらに重要なのは、これがDLSSやフレーム生成といったパフォーマンス向上技術を“温存”した状態での結果だということ。つまり、このマシンにはまだ膨大なパフォーマンスの伸びしろが残されている。
当然、『エーペックスレジェンズ』や『フォートナイト』などの軽い無料ゲームなら、プロ選手に匹敵する動作環境でプレイできる。
低グラフィック設定で極限までフレームレートを稼ぎたい競技プレイヤーから、4Kの高画質で没入感あふれるゲーム体験をしたいシネマティックゲーマーまで、あらゆるゲーマーの要求に、この一台で応えることができるだろう。
総評:職人がゲーマーに贈る「最適解」

「G-Master Velox Campio Edition 2025」をレビューして見えてきたのは、サイコムというメーカーの“哲学”そのものだった。Ryzen 7 9700XとRTX 5070がもたらす圧倒的なパワー。職人技の配線が実現する静音性と冷却性能。そして、将来を見据えた拡張性と長期的な信頼性。
この一台は、初めてのゲーミングPCとして最高の選択肢であると同時に、自作の楽しさと限界を知るベテランにとっても、時間と手間を最高のクオリティで解決してくれる、極めて魅力的な選択肢だ。静かな動作音、ガラス越しに見える美しい内部、長期保証がもたらす安心感。これらすべてが、サイコムの言う「体験」なのだろう。
この先も第一線で戦えるポテンシャルを秘めたこのマシンで、BTO、ひいてはPCゲームの本当の楽しさを味わってほしい。「死ぬ気でゲームしろ」――その言葉に応える準備は、この一台で整う。

サイコムが貫くユーザーの「体験」を第一に考える姿勢は、今回の記念モデルにも色濃く反映されていた。彼らの情熱に、我々ゲーマーもまた全力で応えたいと思ってしまった。
このレビューを読んで心を動かされたなら、ぜひ一度、サイコムの世界に足を踏み入れてみてほしい。そこには、あなたのPCライフを根底から変える「体験」が待っているはずだ。

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