『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、2024年度の後半戦にあたる「ステージ2」が進行中。国内リーグ「Rainbow Six Japan League 2024(RJL 2024)」では、10月11日から13日の3日にわたって「LCQ」が開催された。
このトーナメントは、11月に行われる世界大会「BLAST R6 Major Montreal 2024(モントリオールメジャー)」への、2つ目の出場資格を争うもの。8チームによる戦いを経て、CAG Osakaが優勝しメジャーへの出場権を獲得した。
『R6S』国内LCQが完結、優勝はCAG Osaka
10月6日のプレイオフではSCARZが優勝し、モントリオールメジャー・フェーズ2への出場資格を獲得した。
その後、約1週間を経て行われた「LCQ」ではCAG Osakaが優勝。春のマンチェスターメジャーにも出場したCAGが、改めて日本代表チームの一角として今秋のメジャー・フェーズ1へ出場。改めて世界に挑む。
LCQ DAY1:チャレンジャーBlue Beesが存在感示す
LCQ(メジャー最終予選)は、一般参加チームによるオープン予選から始まった国内トーナメントの最終盤。8チームが出場した。結果的にはRJLに参加するSCARZ以外の7チームがすべて集ったが、新ロースターとともに出場したBlue Beesの姿もそこにあった。
10月11日のLCQ初日、Blue Beesは早速ダークホースの可能性を感じさせる強さを見せる。彼らにとって初戦にあたるアッパーブラケット準々決勝の相手は、KINOTROPE gaming。プレイオフ決勝ではSCARZとBO3を行い、あと一歩まで追い詰めたチームだ。このLCQでも優勝候補の一角であり、試合前予想も「KINOTROPE勝利」に傾いた。
しかしBlue Beesは、とりわけ攻撃で洗練された動きを見せた。「領事館」を舞台に行われたBO1で、攻撃を3連取して3-6と先にマッチポイントを獲得。KINOTROPEも食いついてオーバータイムまでもつれたものの、最後は激しい削り合いの中でakizakura選手が生存を果たし、ラウンドスコア6-8で劇的勝利。LCQ初日から大波乱を起こしてみせた。
その後もBlue Beesは、ENTER FORCE.36との「領事館」での戦いに赴いた。Blitz(ブリッツ)を使った急襲など、洗練された動きで再びリーグ参加チームを追い詰める。しかし惜しくも5-7で敗戦。その後、DAY2ではCrest Gaming LstとのBO3にも敗れ、ここでLCQ敗退となった。
結果として優勝は果たせなかったものの、日本競技シーンにおける選手層の厚みを感じさせる存在として、Blue Beesの選手たちは視聴者に強い印象を残したことは間違いない。
LCQ DAY2:プレイオフ準優勝のKINOTROPEが倒れる
初戦でBlue Beesに敗北を喫したKINOTROPEは、試練に立ち向かうこととなった。
同日夕方から始まったロアブラケット・ラウンド1では、組織的なプレイの再現力に定評のあるチーム、IGZISTとBO3で対戦。後がない状況にもかかわらず、KINOTROPEは第1マップの「国境」で2-6と先にマッチポイントを取られてしまう。盤面に残つたプレイヤー数も3v5。ここで命運尽きたかに思われた。
しかし、アンカーとしてこれまでもチームを支えてきたAokayu選手が、1v3の状況をしのぎきる。そしてこのラウンドをきっかけに、チーム全体に弾みがついていく。一気にラウンドを連取して6-6とオーバータイムに突入すると、最後はYuKiz選手がDeimos(デイモス)でうまく相手を1人ずつ排除することに成功。気が付くと6ラウンド連取、ラウンドスコア8-6の大逆転で「国境」を制した。その勢いのまま、第2マップ「ナイトヘイヴンラボ」も7-3で制し、マップスコア2-0で底力を披露した。
巻き返しを図るKINOTROPEだったが、彼らもついにDAY2でCrest Gaming Lst(CGL)の前に力尽きた。CGLはLCQの初戦こそ父ノ背中に敗れたものの、その後のBO3ではVITEとBlue Beesをそれぞれ2-0で押しのけ、ロアブラケット準決勝へやって来たところだった。
第1マップ「国境」は、8-7でKINOTROPEが勝利。しかしこの後の展開が、試合後から振り返ったときの論点となる。
第2マップとしてKINOTROPEがピックしていたのは、なんと「アジト」。今季から競技用として採用された最新マップだが、日本国内ではグループステージ開始時から一度もピックされていなかった。過去の傾向でも、新マップは短期間での研究や練習の差が出やすい傾向にあるため、下振れリスクを考慮すれば各チームが避けてきたのは合理的な判断だ。
KINOTROPEならではの、野心的な姿勢に視聴者からの注目が集まった。もしもこの「アジト」で圧勝できれば、優勝に向けてさらに勢いが増すだろう。
ところがここではCGLが、相手からの挑戦に見事に応えてみせた。防衛を1-5でシャットアウトして交代すると、攻撃に回ってからは、Osa(オサ)やJackal(ジャッカル)など、スペースが広めのマップの性質に見合ったオペレーターをピックしつつラウンドを連取。気が付くと1-7という大差で「アジト」を制していた。
CGLの選手たちは、3日におよぶLCQの戦いを通じてそれぞれ真価を発揮した。とりわけこのDAY2ではTyopi選手が勝利に貢献。KINOTROPEとの第3マップ「ナイトヘイヴンラボ」もオーバータイムにもつれこむ接戦となったが、Tyopi選手は1マップで23キルと暴れ回った。最終スコア6-8で、CGLをメジャーへの道に導いた。
激闘を制したCGLは、翌DAY3でさらにENTER FORCE.36にも2-0で勝利。CAGの待つ決勝戦へと進出した。
LCQ最終日:CAGがCGLとのBO3を制し優勝
LCQ決勝戦のマッチアップは、CAG vs CGL。今回のLCQにおけるCAGは、まずVITEに対し「ナイトヘイヴンラボ」で7-0と快勝。続く父ノ背中との試合も3-7で締め、順調に勝ち上がっていた。ENTER FORCE.36との一戦では、Clash(クラッシュ)を使うYamada選手を始め、強固な守備編成に大苦戦を強いられるも、オーバータイム6-8で辛勝して決勝へと進出した。
第1マップ「高層ビル」は、CGLが先勝した。CGLは直前のE36戦でも「高層ビル」の作戦を見せていたが、前回とはまた異なる編成も交えつつ優位を得、引き出しの多さでCAGを翻弄。前半を2-4とリードする。さらに防衛では、CAGの進行スピードとガジェット、どちらも効率良く制御しながら連取し、3-7で第1マップを制した。
第2マップの「ナイトヘイヴンラボ」では一転し、前半は3-3と拮抗。今回がCAGがそのマップ構造を活かしつつ少しずつ優位を得、6-4と先にマッチポイントを獲得した結果だ。地下防衛を通しきり、ラウンドスコア7-4、マップスコア1-1で第3マップへともつれこむ。
運命のLCQ最終戦、ディサイダーマップは「領事館」となった。防衛から入った序盤で0-2とリードされたCAGだったが、4ラウンド目に入ったところで、DDコーチが早めのタイムアウトを取る。当たり方などについて再確認と調整をはかり、どうにか2-4で攻防を後退した。
転機は第7ラウンドに訪れた。3v4と人数不利になり、時間にも追われ、ディフューザー設置を敢行するしかないCAG。ここでChibisu選手がハッチ降りから果敢にピークしCGLの人数を削り、ラウンド取得に寄与する。この活躍がチームを勇気づけたのか、その後の第9ラウンドはパーフェクトで制し5-4と逆転。CGLにタイムアウトを取らせ、いよいよ勝負どころとなった。
Smoke(スモーク)やTubarao(トゥバラオ)で遅延に持ち込むCGL。しかし再びChibisu選手が側面を刺して、その思惑の破壊に成功。CAGは6-4とマッチポイントを得る。最後はThatcher(サッチャー)を投入しつつ2階拠点に体ごと押し込み、ディフューザー設置に成功。設置後のバトルも乗り越えて、CAGが最終マップスコア2-1でLCQの覇者となった。
約2週間にもわたったプレイオフとLCQを経て、モントリオールメジャーにはSCARZ(フェーズ2)とCAG(フェーズ1)の出場が決定した。日本を代表して、今秋カナダに出陣する。
世界各地から20チームが集結するメジャーの戦いは、現地時間11月7日よりスタート。記事執筆時点で出場20チームが確定しておらず、各試合のマッチアップと詳細時間はまだ定まっていないが、シージ公式Xアカウントなどをチェックして続報を待とう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: YouTube
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